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家庭と言う学校

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平成15年 6月 1日:初稿 平成17年 1月 8日:更新
 私は、10数年前に離婚を経験し、更に業務として何百組もの破綻夫婦を見続けてきた法律家の端くれですが、最近、家庭とは学校であるとの認識を強めております。

 家庭は安らぎの場であると一般に言われます。しかし、私から言わせると家庭は、最初から安らぎの場ではありません。安らぎの場とは、家庭で学び、好成績をとった「結果」にすぎません。結婚して、家庭を持ち、これで安らぎの場が得られるなどと、甘い期待をもったらとんでもないことになります。

 確かに結婚当初は、恋愛による「のぼせ」の余波で、安らぎの場的雰囲気はあります。あばたもえくぼの時代です。しかし、「のぼせ」は結婚により急速に冷めるのが必定です。冷めてからが、本当の勝負です。

 それでは家庭と言う学校で何を学ぶかというと、それは「人間」の一語につきます。夫婦、子どもがお互いに生徒、教師、教材として、お互いを見つめ合い、人間を学びます。

 夫婦は所詮赤の他人であり、子どもも血の繋がりはあっても、独立の人格でいずれ他人となります。これらの他人同士がひとつ屋根の下で暮らせば、軋轢が生じるのが当然です。

 この軋轢を、お互いに人間観察・コントロールを尽くして解消し、良好な人間関係構築及び維持の技術を訓練する場を提供するのが家庭です。相手の「顔色をうかがい」ながら、お互いに機嫌を損ねず安定した人間関係を築くことは結構努力が必要です。

 お互いが素っ裸になって、人間を観察し、生徒・教師・教材となって、学習する場は家庭だけであり、学校や職場では替えられません。小さいけれども人間を学ぶ最も基本的組織体が家庭なのです。

 家庭のこの機能を自覚し、家庭内での訓練努力を怠らないことが肝要です。家庭は、単なる安らぎの場ではないのです。
(平成12年 5月 1日記)
以上:745文字

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