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祖父の孫娘に対する性的虐待の損害賠償義務2

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平成18年 7月15日(土):初稿
○平成18年7月14日紹介「祖父の孫娘に対する性的虐待の損害賠償義務1」の話を続けます。
孫娘Xは23歳になった平成15年11月には外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され働くことが出来なくなったため弁護士を5人つけて当時78歳の祖父Yに対し不法行為に基づき逸失利益、慰謝料、弁護士費用等合計約1億2500万円の損害賠償請求をしました。

○これに対し祖父Yは、孫娘Xに対し性的虐待をしたことはなく、そのような性的虐待を受けて8年間も父に相談しなかったことは不自然であり、Xの主張は余りに突飛でかつ具体的根拠のない妄想であると真っ向から争いました。

○刑法第177条では、強姦の罪を「暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。」と定めており、小学校6年生でまだ11歳の子供と性行為に及んだ場合、たとえそれが合意であったとしても強姦罪になります。祖父Yが仮に孫娘Xの合意を得ても性行為やわいせつ行為をすると強姦や強制わいせつ罪として処罰されます。

○昔、家出してきた小学校6年生の女の子とお互い相思相愛となり結婚する約束をして同棲生活を始め当然性関係も持ち、実母から告訴されて強姦罪で逮捕された35歳の独身男性の国選弁護人になったことがありますが、今時の小学6年生は性行為が出来るほどに発達する例も少なくなさそうです。

○しかし、13歳未満の少女とはたとえ合意であってもどんなに愛し合っていても性関係を持てば3年以上の有期懲役を科せられる重罪の強姦罪です。ましてや話したら死ぬなどと脅迫して性関係を継続するなどもってのほかで正に人でなしの悪質極まる行為です。

○Xの代理人としてXの権利実現を目指す代理人となるのは殆ど躊躇いなく出来るでしょうが、もしこの事案でYから依頼された場合、弁護士としてはどのように対処すべきか迷う弁護士が多いと思われます。Yは当然Xの主張は全くのでっち上げであると強く否認するはずであり、これを、いや本当はやったのでしょうと、追求することは到底出来ません。

○私がもしYに相談されたら、そのような事実がないとして、事実がないのにでっち上げられることに何か心当たりはありませんかと尋ねます。そして色々な角度からこのような裁判を出されるに至る経過を詳細に説明して貰い、このようなケースでは、可能な限り裁判外での和解を薦めます。

○しかし本件ではYも和解せずがっぷり四つで争い最終的にはXのほぼ完全勝利で且つ高裁に控訴されずに確定しました。後日結果をご報告致します。
以上:1,073文字

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