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離婚訴訟での婚姻破綻の主張と有責性の問題4

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平成20年 2月10日(日):初稿
○婚姻破綻の有無は相手方の有責性とは無関係であるという大原則は、「婚姻破綻+離婚請求される者(被告)の破綻についての有責性」が離婚認容の要件であると主張に対し、昭和33年12月25日最高裁判決で、「「婚姻破綻」だけで足り、「離婚請求される者(被告)の破綻についての有責性」は必要ないと回答したことが先例となっています。

○しかし「婚姻破綻」の主張に対し、婚姻破綻の原因を作ったのは専ら原告の有責行為にあるのだから、「婚姻破綻」があっても離婚は認容されないとの主張は認められています。離婚が認められるためには原告側は「婚姻破綻」の事実だけを主張すれば足り、これに対し被告側は、「婚姻破綻」について「被告の有責性」がないから離婚は認めるべきではないと答弁しても無駄ですが、「婚姻破綻」が「専ら原告の有責性」のために生じたと主張・立証できれば、離婚認容を阻止することが出来ます。

○「被告の有責性」がないとの主張と「原告の有責性」があるとの主張は裏腹で同じことではないか、単に言葉だけの問題ではないかと思われる方も居るでしょう。しかし、「「婚姻破綻」だけで足り、「離婚請求される者(被告)の破綻についての有責性」は必要ないとの考え方(実務)では、単に「被告の有責性」がないと言うだけでは足りず、被告側で積極的に「原告の有責性」に具体的に主張・立証しなければならない点が異なります。

○これに対し「被告の有責性」を必要とする考え方では、原告が「婚姻破綻」に加えて「被告の有責性」を具体的に主張・立証しなければなりません。しかし家裁実務は、先の最高裁回答の通り原則として「被告の有責性」についてまで原告が主張・立証する必要はないとの立場で運用されており、被告側で離婚認容を阻止するためには「原告の有責性」を主張・立証しなければなりません。

○但し、「婚姻破綻」の主張が最も重要な別居期間だけでは不足している場合、例えば別居期間が未だ数ヶ月と短くて別居期間だけでは「婚姻破綻」が認定されないような場合は、原告の側が「被告の有責性」例えば、不貞行為、浪費行為、家事怠慢等の事由を具体的に主張・立証する必要があります。

○被告が原告の離婚認容阻止のため主張する「原告の有責性」の典型は、原告(夫)が他に女性を作り、被告(妻)に対し離婚の請求をしても原則として離婚は認められないとのいわゆる「有責配偶者の離婚請求」です。この問題については、「有責配偶者の離婚について」と「有責配偶者の離婚認容要件」で当事務所で扱った具体例を挙げて詳しく解説していますが、裁判所は簡単には「有責配偶者の離婚請求」を認めてくれません。
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