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離婚の自由制限-日本婚姻法との比較2

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平成20年 9月 9日(火):初稿
「離婚の自由制限-日本婚姻法との比較1」でスウェーデンでは離婚事件に弁護士が関与することが少なく、離婚事件は弁護士の商売の種にはなっていないことを紹介しました。その理由は,当事者に合意が成立しなくても、一方が離婚の申立をして、6ヶ月の考慮期間を経過し、更に離婚の申立をしなくても2年間以上別居が続けば、自動的に離婚出来るシステムになっているからです。

○日本の離婚事件では,純粋に離婚のみと言う事件は少なく、殆どは離婚に伴う慰謝料、財産分与、未成年の子供の親権と養育料という問題が伴っており、そこに弁護士が登場する必要性が出てきます。ところがスウェーデンにおいては、先ず財産分与については、スウェーデン新婚姻法第9章財産分与に関する一般的規定から始まって第13章財産分与の効果に至るまで全部で37条にわたる条文で詳細に規定されています。日本の民法では財産分与そのものに関する規定は768条だけです。

○また未成年の子の親権と養育料の問題については「1998年改正スウェーデン親子法」第5章扶養義務と第6章に離婚後或いは未婚のまま生まれた子供についての監護、居所及び面接交渉として詳細に規定されています。親子の問題は徐々に勉強して紹介していきますが、両親が婚姻中は勿論、離婚に至った場合でも共同監護が原則のようです。

○離婚に伴う財産分与、子供の親権・養育料の問題が法で詳細に規定されていて弁護士が入る余地が殆ど無いのかも知れませんが、次に離婚に伴う慰謝料の問題がどうなっているかと言うと、そもそもこれは発生する余地が殆どなさそうです。

○日本において離婚に伴う慰謝料とは、婚姻破綻に至る原因を作って相手方に精神的苦痛を与えた側が与えられた側にその苦痛を慰謝するために支払う損害賠償金であり、殆どの場合一方の不貞行為が問題になります。日本においては婚姻によって夫婦間には貞操義務が生じ、不貞行為はこの貞操義務違反行為として相手方に対する不法行為と構成されています。

○日本の夫婦の貞操義務は、第752条夫婦の同居協力義務、第770条の離婚理由「配偶者に不貞な行為があったとき」によって根拠付けられていると説明されます。ところがスウェーデン新婚姻法の離婚理由にはこのような規定は全くありません。

○スウェーデン新婚姻法第1章第2条に「夫婦は、お互いに信頼と尊重(trohet och hansyn)を旨とし、協同して家と子供(hem och barn)を守り、話し合いによって(i samrad)、家族のために最善(familjens basta)を尽くさなければならない。」との規定があり,この規定から貞操義務が生じるのかとも思っていました。

○先日スウェーデンに行く機会のあった友人の学者さんにスウェーデンの弁護士さんにこの点を確認して欲しいと要請していましたが、確認してみると「(貞操義務って)何、それ?」と笑われたそうで、法的な権利義務関係を生じる貞操義務はスウェーデンには無いとのことでした。配偶者が浮気しても他方配偶者に損害賠償義務が生ずることはなく、まして浮気相手の間男・間女?に対する損害賠償請求などおよそ考えられないそうです。間男・間女?については私の予想したとおりでしたが。
以上:1,331文字

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