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別居期間4年10ヶ月に到りようやく婚姻破綻を認めた裁判例紹介(控訴審)

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平成29年 4月 7日:初稿
○「別居期間3年5ヶ月でも婚姻破綻を認めなかった裁判例紹介(一審)」の続きで、その控訴審判決全文を紹介します。

○「別居期間3年5ヶ月でも婚姻破綻を認めなかった裁判例紹介(一審)」では、「原告と被告との婚姻関係は,原告の治療を優先に進めながらではあるが,原告と被告が相互理解の努力を真摯に続け,長男も含めた家族のあり方を熟慮することにより,未だ修復の可能性がないとはいえず,婚姻を継続し難い重大な事由があるとまでは認められない」とされました。しかし、このHPで繰り返し繰り返し、述べてきたとおり、特に女性(妻)の場合、一度離れた心は二度と元には戻らないことは明々白々です。

○「未だ修復の可能性がないとはいえず」と認定された女性(妻)は、益々全般性不安障害が悪化し、速やかに控訴したと思われます。そして控訴審でも不毛なアラ探しの審理が1年5ヶ月間継続し、平成28年5月25日東京高裁判決(判タ1432号99頁)で、ようやく、別居について被控訴人に一方的な責任があることを認める証拠はないものの,別居期間が4年10か月余りと長期に及んでおり,それ自体婚姻関係の破綻を基礎づける事情といえ,回復の見込みがないと認めるべきでとして、離婚が認められました。

○控訴審では、妻は、こんな男性(夫)から養育料は要らないとして、養育費請求も取り下げています。それほどまで、この男性が、嫌で嫌で仕方なくなっていました。一審段階でも、その状況は変わらず、実質的は、修復の可能性など200%ありませんでした。一審の裁判官は、本音ではそれを判っていながら、おそらく別居期間が3年5ヶ月と比較的短かったことと、なんとしても離婚しないと言い張る男性(夫)の心情を考慮して、離婚を認めなかったと思われます。

○「夫(被告)の姿を見たり,声を聞いたりすると,息苦しさやめまいを感じ,医師からも接触は極力避けるように言われている。」と言われるまでに嫌われたら諦めて別の人生を探した方が夫(男性)のためなのですが。

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主   文
1 原判決中離婚請求に係る部分を取り消す。
2 控訴人と被控訴人とを離婚する。
3 控訴人と被控訴人との間の長男C(平成14年□月□日生まれ)の親権者を被控訴人と定める。
4 訴訟費用は第1,2審を通じてこれを4分し,その3を控訴人の負担とし,その余を被控訴人の負担とする。

事実及び理由
(前注)略称は原判決の例による。

第1 控訴の趣旨
 主文第1項及び第2項と同旨
 なお,控訴人は,当審において,養育費についての附帯処分の申立ては取り下げた。

第2 事案の概要
1 本件は,控訴人が,民法770条1項5号に基づき離婚を請求し,不法行為に基づき慰謝料500万円及びこれに対する判決確定の日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,長男C(平成14年□月□日生まれ)に係る養育費についての附帯処分の申立てをした事案である。
 原判決は,控訴人の請求を全て棄却した。これに対し,控訴人が,離婚請求の認容のみを求めて控訴した(養育費についての附帯処分の申立ては取り下げた。)。

2 前提事実
 次のとおりに補正するほかは,原判決の事実及び理由の第2の2に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1) 原判決2頁12行目の「甲1」の次に「,12」を加える。

(2) 原判決2頁18行目の「は」を「について裁判所は」に改める。

3 離婚請求に関する当事者の主張
 次のとおりに補正するほかは,原判決2頁22行目冒頭から3頁26行目末尾までに記載のとおりであるから,これを引用する。
(1) 原判決3頁8行目の「破綻していて」から同行目末尾までを「破綻している。」に改める。

(2) 原判決3頁25行目の「したがって」から26行目末尾までを削除する。

4 親権者の指定に関する当事者の主張
(1) 控訴人
 長男の親権者を控訴人と定めることは求めない。

(2) 被控訴人
 長男の親権者を被控訴人と定めることを求める。

第3 当裁判所の判断
1 当裁判所は,控訴人の離婚請求は理由があり,当事者間の長男の親権者を被控訴人と定めるのが相当であると判断する。その理由は,次のとおりである


2 離婚請求について
(1) 認定事実

 原判決4頁10行目冒頭から7頁17行目末尾までのとおりであるから,これを引用する。

(2) 離婚請求の当否
 前記認定事実によれば,控訴人と被控訴人とは,平成14年□月に婚姻し,その後同居生活を続けたものの,遅くとも平成18年□月頃からは言い争うことが増えたこと,その後,控訴人は,被控訴人の帰宅時間が近づくと息苦しくなるようになり,平成23年□月頃から神経科を受診し始めたこと,そのような中,同年□月,長男が所在不明となる出来事を契機に,その際の被控訴人の対応に失望した控訴人が長男を連れて本件別居に至ったことを認めることができる。以上のとおり,本件別居の期間は,現在まで4年10か月間余りと長期にわたっており,本件別居について被控訴人に一方的な責任があることを認めるに足りる的確な証拠はないものの,上記のとおりの別居期間の長さは,それ自体として,控訴人と被控訴人との婚姻関係の破綻を基礎づける事情といえる。

 また,前記認定事実のとおり,控訴人は,本件別居後,一貫して被控訴人との離婚を求め続けており,原審における控訴人本人尋問においても離婚を求める意思を明らかにした。

 他方,被控訴人は,原審における被控訴人本人尋問において,控訴人との関係修復の努力をするとの趣旨の供述をしたが,本件別居後,被控訴人が,婚姻関係の修復に向けた具体的な行動ないし努力をした形跡はうかがわれず,かえって,前記認定事実のとおり,別件婚費分担審判により命じられた婚姻費用分担金の支払を十分にしないなど,被控訴人が婚姻関係の修復に向けた意思を有していることに疑念を抱かせるような事情を認めることができる。

 以上のとおり,別居期間が長期に及んでおり,その間,被控訴人により修復に向けた具体的な働き掛けがあったことがうかがわれない上,控訴人の離婚意思は強固であり,被控訴人の修復意思が強いものであるとはいい難いことからすると,控訴人と被控訴人との婚姻関係は,既に破綻しており回復の見込みがないと認めるべきであって,この認定判断を左右する事情を認めるに足りる的確な証拠はない。
 したがって,控訴人の離婚請求には理由がある。

3 親権者の指定について
 前記第2の4のとおりの当事者双方の主張内容に加え,家庭裁判所調査官作成に係る平成27年□□月□□日付け調査報告書及び証拠(甲25から32まで,乙20から22まで)を総合すれば,長男の親権者を被控訴人と定めることが相当である。

4 よって,控訴人の離婚請求を棄却した原判決は一部失当であり,本件控訴は理由があるから,原判決中離婚請求に係る部分を取り消した上,これを認容するとともに,当事者間の長男の親権者を被控訴人と定めることとして,主文のとおり判決する。
 東京高等裁判所第20民事部 裁判長裁判官 山田俊雄、裁判官 齋藤清文、裁判官 馬渡直史
以上:2,965文字

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