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二宮周平教授ら”ジェンダー法学の10年”掲載不貞行為論文一部紹介3

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令和 1年 9月 7日(土):初稿
○「二宮周平教授ら”ジェンダー法学の10年”掲載不貞行為論文一部紹介2」の続きです。
不貞行為についての慰謝料請求の問題について、私は、20年前に紙に印刷した事務所報として発行した鶴亀通信第6号「不倫の法律 補則解説」(平成11年12月発行)に次のように記載していました。
不倫相手についての考え方の変遷
 日本の判例は、大正時代から独占使用権の考えを採り、不倫相手方には当然損害賠償請求が出来るとの立場をとってきました。ところが夫婦関係が実質的に破綻した後の不倫相手には、損害賠償請求が出来ないとの最高裁判例が登場し、流れが変わってきました。

 江戸時代は、妻の不倫は打ち首獄門、戦前までは妻の不倫は姦通罪、それが戦後姦通罪が廃止され、不倫相手に対する損害賠償請求も破綻した夫婦関係の場合は認められなくなり、確実に不倫の責任は軽減される方向に動いています。

 不倫行為に対する打ち首、姦通罪、損害賠償責任追及等の制度は、結局、社会で夫婦婚姻関係をどの程度保護すべきかの政策です。貞操義務を怠ったものには罰として打ち首、刑務所行き、金銭の支払義務等を課すことにより貞操義務を守らせ、夫婦婚姻関係を維持しようとしてきたわけです。

  しかし夫婦関係の基本はあくまで当事者の気持ちの結びつきであり、その気持ちの結びつきは、打ち首、刑務所行き、金銭支払強要等の外圧で保とうとしても所詮形だけの結びつきに過ぎません。そこで外圧で夫婦婚姻関係の維持を図ることは止め、あくまで当事者間の意思に任せようという風潮が全世界的に強くなっております。

  やがては不倫相手の損害賠償義務を否定するのみならず、夫婦当事者間でも不倫の損害賠償義務が否定される時代が来るかも知れません。夫婦間の貞操はあくまで個人の完全自由意思で守るべしとの考え方です。

 それにより世の中不倫だらけになるか、或いは秘密性が無くなることで却って意欲減退し逆に減るかは予測が付きません。皆さんはどうお考えでしょうか。
○鶴亀通信は、平成8年4月から平成13年9月まで5年半の間に僅か9号発行しただけのものでしたが、弁護士経験20年前後に及んだ時からの私なりの考えを披露したものでした。

○人と人の争いに関与する弁護士稼業を10年継続した頃から実感したことは、「人の心は力では動かせない」と言うことでした。夫婦関係について言えば、「気持ちの結びつきであり、その気持ちの結びつきは、打ち首、刑務所行き、金銭支払強要等の外圧で保とうとしても所詮形だけの結びつき」に過ぎなくなることです。

○そこで「そこで外圧で夫婦婚姻関係の維持を図ることは止め、あくまで当事者間の意思に任せようという風潮が全世界的に強くなっております。」なんて分かったようなことを書いていましたが、実は当時はその裏付けの文献をシッカリ調べたわけではなく、推測半分でおそらくそうであろうと書いたものでした。

○「不倫相手の損害賠償義務を否定するのみならず、夫婦当事者間でも不倫の損害賠償義務が否定される時代が来るかも知れません。夫婦間の貞操はあくまで個人の完全自由意思で守るべしとの考え方です。」なんて記載していましたが、文明国と言われる殆どの国ではこれが実現していると文献で知ったのは僅か数年前でした。二宮教授ら学者先生による啓蒙活動を大いに期待します。
以上:1,375文字

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