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2011/ 5/ 1 第52号 みんなの意見と裁判員(2)

平成24年 2月29日(水):初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 前回は、「みんなの意見」を集計してだす回答は案外正しいのだけれども、少人数が話しあって決める意見は、かえっておかしな方向に行くことが多いということを話しました。

 こういうときには、意見を見直させないといけないんですが、その為に大事なのは「天邪鬼」な人の存在なんだそうです。どの組織にも大体一人は居ますよね、こういう人。みんながこっちにしようと言うと、ただもう反対せずにはいられない人です。

 世間的には、こういうのは困った人たちです。しかし、話し合いの場では、こういう人がいますと、それだけで有意義だというんですね。

 意見を決める際に、反対意見があるだけで、多数派も自分達の意見を真剣に検討し出すというのです。

 裁判員の中にそういう「天邪鬼」がいればよいのですが、なかなかそうはいかないでしょうね。そこで、考えてみたのですが、弁護人こそこういう天邪鬼の役を買って出るべきだと思ったのです!裁判員を含む世間の人みんなが、「有罪だ」というときに、「無罪だ」と言い返す弁護人は、ある意味天邪鬼でないと務まらない気もするのです。

 しかし、単にみんなの言うことに反対するだけでは、裁判員の心を動かせないでしょうね。有名な光市の母子殺害事件で、弁護側は、「ドラえもんが助けてくれると思った」とか、「子供をあやそうとして、偶然殺してしまった」みたいな、「天邪鬼」な主張をしていましたが、こんなことを裁判員の前でやっても、単に反感を買うだけのような気がします。

 やっぱりやる以上は、裁判員の人たちを動かすものでなければダメですね。ただ、どんなふうにやれば、聞く人の心を動かせるのかは、難しい問題です。

 セールスマンがものを売る場合でも、弁が立って、やり手に見える人がうまくいくわけではないんですね。そういう人は、何かだまそうとしているのではないかと、かえって警戒されてしまうようです。少し頼りなく見える人の方が、かえってお客様の信頼を勝ち得るなんてことはよく聞きます。これは、弁護士についてもいえることのようです。ウエルマンという人の書いた、「反対尋問」という有名な本があります。法廷で、相手方の証人の嘘をあばく反対尋問の例が沢山載っています。弁護士なら必ず読むことになっている本ですね。この中に、陪審裁判でいつも勝つ弁護士の話がありました。その弁護士に勝たせた陪審員に、ある人が質問しました。「あの弁護士は、よほど優秀なんですね。」すると、聞かれた陪審員は答えたそうです。「とんでもない。相手の弁護士の方がよっぽど優秀で、弁も立ちます。勝った方の弁護士は、たまたまいつも、正しい側の弁護をしているだけですよ!」私は現在、2件の裁判員裁判を担当していますし、これからも沢山の事件をやっていくつもりでいます。いずれそのうち、裁判員の皆さんに、こんな風に言われるようになりたいものです。

 「大山って弁護士は、なんだか頼りないな。しかし、たまたまいつも、気の毒な被告人の弁護をしているよ!」
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 弁護士より一言

 私が小学校に入ったころに、仮面ライダーが大ヒットしたんですね。

 同じくらいの年代の人なら、仮面ライダー・スナックを買って、ライダーカードを集めたことがあるはずです!あれから早40年。次から次へと新しい仮面ライダーが生まれてきていたようです。今では5歳の息子がライダーに夢中です。先日は2人で、40年間のライダーが大集合する映画を見に行っちゃいました。

 かつての怪人たちも沢山出てくるんです。

 「あっ、あれはカメバズーカだよ!」なんて、昔の怪人(結構、覚えてるもんです)を教えてあげると、「すごい!パパってあたまいい!」と息子も心から感心してくれて、ちょっと誇らしい気持ちになったのです。

 引き続きコメントを楽しみにしております。

 (2011年5月1日第52号)
以上:1,557文字

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