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2012年12月16日発行第91号”弁護士の君主論”

平成24年12月16日(日):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成24年12月16日発行第91号「弁護士の君主論」をお届けします。

○教養のない私でも、マキアヴェリの「君主論」位は知っているつもりでしたが、その内容の理解はと言うと、まるで自信がありません。マキアヴェリストと言う表現は、目的達成のためには手段を選ばない権謀術数主義者と否定的表現で使われ、よからぬ人種である程度に覚えているだけでした。しかし、「君主論」の邦訳原点は、購入したことすらありませんが、アマゾンで検索すると、マンガ版から、「よいこの君主論」なんて子供向けまであるようです。せめて子供向けでも購入して読んでみようかと思っております。

○大山先生の、「弁護士の君主論」を読んで、一番、グサッと来たのは、「長い間弁護士に顧問料を支払ってきたが、いざ会社が大変なときになったら、何の役にも立たなかった!」との表現です。まるで私のことを言われているような気がしたからです(^^;)。

○当事務所にも、僅か10数社ですが、顧問契約を締結して、毎月定額の顧問料をお支払頂く有り難いお客様企業がいます。顧問先10数社の内、良く相談を受ける企業は、半分程度で、半分は、たまには相談を頂きたいと思うのですが、年中殆ど相談もなく、何の貢献もしていないのに、ただ顧問料だけお支払い頂いております。

○このように殆ど相談のない顧問先に対し、当事務所側から、どのようなサービスを提供していくか、大分前から検討の必要性を感じながら、殆ど行動を起こさず、ダラダラと経過しています。大山先生は、このニュースレターを、欠かさず月2回は、印刷して送付し、さらに1ヶ月に1回は企業法務セミナーを開催して、サービス提供に心がけておられます。当事務所も,来年こそは、大山先生を見習って具体的サービス提供を考えていきたいと思っております。

○具体的には、顧問先のメールアドレスを登録し、こうやって毎日書いている当HP更新情報の内、少しは役立ちそうな記事をPDFファイル化して送ろうかなんて考えていますが、小松弁護士の自己満足ばかりで、役立ちそうな記事がサッパリないのが問題です(^^;)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の君主論

フランス文学の鹿島茂教授に、「社長のためのマキアヴェリ入門」という面白い本があります。マキアヴェリは言うまでもなく、有名な「君主論」を書いた人ですね。目的のためには手段を選ばない、いわゆるマキアヴェリズムで悪名高い人です。

「君主論」は、小国が乱立していたイタリアで、他国を攻略したり占領したりする場合に、どのようにすれば良いのかを書いた実践書だったということです。それを、現代日本の我々が、国家間の話として読んでも、あまり実感は湧きませんよね。

そこで鹿島先生は、君主論の「君主」を「社長」に、「国家」を「会社」に読み替えることを提唱しました。これならまさに、群雄割拠している会社間の話として、実践的なビジネス書として読めるだろうというわけです。さすがに目の付け所が違います!

君主論の中には、君主が他国を併合した場合の話が沢山あります。これなどまさに、他の会社を乗っ取る場合の心構えとして読めますね。独裁君主の国を征服した場合、統治は簡単だが、民主的な国を征服した場合は、統治が難しいとマキアヴェリは指摘しています。
会社に読み替えますと、ワンマン社長の会社の方が、併合後の経営がやり易いというわけです。乗っ取った人は、ワンマン社長の位置にそのまま入り込みさえすれば良いのですから、きっとそうなんでしょう。

さらに君主論では、これまで「善人」で通っていた人が「悪事」を行うときの心得もあります。こういうときは、ずるずると悪いことを少しずつしていくのは、必ずしも良くないんですね。「加害行為は一気にやってしまわなければいけない。」というわけです。小出しに行う方が、かえって長く相手を苦しめ、恨みを買うことになる場合があるというのです。

鹿島教授はこれについては、リストラなどの改革を行う場合には、1 度きりで、徹底した大リストラを行うべきだと読み替えて見せます。たしかに、だらだらとリストラが続き、いつ首を切られるかとびくびくしているより、1回で全て終わる方が良さそうです。

もっとも、マキアヴェリ先生の教えに従って、日本で大リストラをしますと、裁判所が黙っていないんですね。必要最小限のリストラしか、認めないと言われてしまいます。最小限のリストラをして、ダメならまた最小限して、というのが、法律の要求するところなんですね。これでは、改革はできないし、かえって社員の不満も高まりそうです。

さらに鹿島教授は、当時イタリアの各国で使用されていた傭兵についても、上手く読み替えて見せます。傭兵は外部の兵力ですから、現代の会社で考えると、間接金融、つまりは銀行融資と考えることができるそうです。銀行というのは、晴れているときには傘を貸して、雨が降ると取り上げる仕事だなんて悪口を言われていますよね。マキアヴェリによりますと、傭兵というのは「あなたが戦争をやらないうちは、あなたに仕える兵士でありたがる。だが、いざ戦争となると、逃げるか消え去るかいずれかになる。」のだそうです。確かに、現代の銀行と同じです!

もっとも考えてみますと、顧問弁護士も、まさに会社のための傭兵と言えるのかもしれません。「長い間弁護士に顧問料を支払ってきたが、いざ会社が大変なときになったら、何の役にも立たなかった!」と言われないように、心して参ります。

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◇ 弁護士より一言

今年もあと少しで、サンタクロースがやってくる季節になりました。私が小学校低学年の頃も、サンタさんがプレゼントをくれるのが楽しみで、いろいろとお願いしていました。ところがある日学校から戻ると、母が深刻な顔をして、「さっきサンタクロースから電話があったよ。」と言うんです。何でも、私のお願いしたプレゼントの金額が高すぎるので、持っていけないというお断りの電話だったそうです!

現在小学校1 年の息子も、高いプレゼントをサンタさんにお願いしています。息子のところにも、サンタクロースから電話が来そうな予感がしているのです!
以上:2,656文字

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