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2017年07月01日発行第200号”弁護士の新約聖書”

平成29年 7月 2日(日):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成29年7月1日発行第200号「弁護士の新約聖書」をお届けします。

○大山先生は、子供のころから「誘惑にあわせないでください。」と祈っていたとのこと、これがホントだとすると、ホントに真面目な子供さんだったのですね。私などは、特に異性からの誘惑にあいたいと強く願い続けながら、子供時代からから前期高齢者の今日まで、一向に誘惑にあったためしがありません(^^;)。これは資質の問題で、祈りは無関係なようです(^^)。

○弁護士業務をしていると、頻繁に会うのはお金の誘惑です。弁護士業務の宿命として他人のお金を預かる機会が大変多いからです。典型は破産管財人業務ですが、事業破産の場合、億単位のお金を預かる機会がざらにあります。破産事件での預り金は全て破産管財人名義口座に保管し、裁判所の許可がないと払戻できない仕組みですが、それでも、特にバブルがはじけた後の時代に破産管財人の横領事件がニュースになりました。

○最近は、成年後見人弁護士の横領事件のニュースが後を絶ちません。私は、「誘惑にあわない」との願いから成年後見人業務は、未登録でやっておりませんが、こちらのお金の管理は、破産事件ほど厳格な制限はないようです。家裁では「誘惑にあわない」システム作りが必要で、その努力をしていると思われます。

○その他、任意債務整理事件、交通事故事件等債権回収の事件では、一時的にお客様のお金を預かることが必然です。弁護士会では、この口座は預り金だけの口座と判る名義の口座を作り、預り金は必ずその口座に入れるべきと指導を始めましたが、払戻が自由に出来れば口座名をどのようにしようと全く規制にはなりません。預り金に関しては「誘惑に勝てる!」よう努力するしかありません。異性に関してはせめて「誘惑に勝てる!」ような機会だけでも欲しいところですが(^^;)。


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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の新約聖書


キリスト教徒ではないけれど、聖書はかなり好きです。「悪魔も好き勝手に聖書を引用する。」そうですから、私も好きな言葉をあげていきます。

一番好きなのは、神に対する祈りの言葉です。キリストは、「私たちを誘惑にあわせないで下さい」と祈るように教えたのです。「誘惑に勝てるように」ではなくて、「誘惑にあわせないで」と、祈るわけです。

私は、「人が誘惑に勝てる!」と考えること自体、思い上がりだと信じています。弁護士をしていると、様々な問題を起こした方と話すことがあります。会社のお金を横領したとか、不倫で家庭を壊したような人たちですね。まあ、これはあんまりだ、欠陥人間じゃないかと思う人も、中にはいます。その一方、「こんな誘惑にあったら、自分でも道を踏み外したかもしれないな。」と思う場合がとても多いのも事実です。

「盗人にも三分の理」なんて言葉がありますが、横領事件の場合、会社の管理体制に非常に大きな問題がある場合がほとんどだと感じています。常識的には信じられないのですが、取ってくれと言わんばかりに、お金や物が放置されているんですね。人間は弱いものですから、初めは「ちょっとだけ借りておこう。。。」なんて自分に言い訳して、わずかな額を横領します。それがバレないと、だんだんと横領の金額も大きくなり、最後には警察のお世話になるのです。本人が悪いのはその通りですが、会社の方もそんな「誘惑」に社員をさらさないでくれたら、犯罪者を作らないで済んだのではないかとの気持ちも、抑えられないのです。

わ、私の場合、子供のころから「誘惑にあわせないでください。」と祈ってました。おかげさまで、横領はもちろん、不倫の誘惑も全くなかったのです。少し祈りすぎたかもしれないと、寂しい気も。(おいおい!)

聖書の言葉に戻ります。罪を犯した女に石を投げて攻撃する人たちを止めた、キリストの言葉も好きですね。「あなた方のうち、罪を犯したことのないものが、まず石を投げなさい。」これを聞いた人たちは、誰一人として石を投げなかったそうです。ご立派!

裁判員裁判が始まってから、非常に刑が重くなってきたように思えます。これまでが軽すぎたのであり、やむを得ない面があることも理解しています。それでも私は、裁判員の人たちに向かって、「あなた方のうちで、罪を絶対に犯さないといえる人だけ、被告人に石を投げてください!」と言いたくなるのです。

最後にもう一つ。「あなた方が私を選ぶのではない。私があなた方を選ぶのだ。」というキリストの言葉もとても好きでした。散々悪いことをしておきながら、「主よ、主よ!」と泣きついてくるような人を、キリストは相手にしないということです。正しい行いをした人を、キリストの方で選ぶのだという言葉です。

20年ほど前には、弁護士は人数も少なく、仕事は幾らでもありました。まさに弁護士の方で、お客様を選り好みしていたのです。「何と言って依頼を断るかを考えていた。」なんていう弁護士も沢山いました。

時代が変わり、弁護士の人数も増えてきました。いまや、「弁護士が顧客を選ぶのではない。顧客が弁護士を選ぶのだ。」という時代です。これは、多くのお客様にとって、とても良いことだと思っています。

その一方、仕事がない中で、怪しい顧客の不正な仕事に手を出す弁護士も増えています。今こそ弁護士も、以前とは違う意味で、「お客様が弁護士を選ぶのではない。弁護士がお客様を選ぶのだ。不正な仕事は断じて受けない!」という矜持を持つべきと思うのです。

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◇ 弁護士より一言

「もう、死にたい。」と、高校生の娘に言われました。大変なことだと思い、詳しい話を聞いてみたんです。娘によると、「3日だけ死にたい。」そうです。キリストかよ!3日過ぎると、試験が終わるとのことでした。

あ、あほか。試験が終わって、生き返った後どうするんだよ。そういえば、中学生になったころ娘は、早く3年生になりたいと言ってました。風邪で、3年生だけ学級閉鎖になっていたのが、羨ましかったそうです。親として恥ずかしくて、3日だけ死にたい。
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