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2017年11月16日発行第209号”弁護士のハムレット”

平成29年11月16日(木):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成29年11月16日発行第209号「弁護士のハムレット」をお届けします。

○「簡潔さがウイットの本質」との言葉がハムレットが出典なんて初めて知りました(^^;)。「ウィット」とは、機知・頓知・才知なんて意味のようですが、「簡潔さ」は何事にも重要ですね。特に文章は、長く書けば説得力が出てくるなんて大間違いで、長い文章ほど読む方は読む気がなくなります。

○当HPは平成16年8月から始まっていますが、当初、一コンテンツ文字数は、800~1200位でしたが、年を経るほどに増えてここ数年は1500文字を超えるコンテンツばかりになっています。最近、アクセス数が減っているのは、この文字数が多すぎるのが原因の一つと考えています。他人のブログでも長いのは読む気にならないからです。反省して、判例紹介以外の記事は、長くても1200文字以内で、「簡潔」に表現する努力をしようと思った次第です。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士のハムレット


私は、劇を見るのが趣味なんです。少し前に、内野聖陽主演の蜷川ハムレットを見てきましたが、この劇は本当に「名言」の宝庫ですね。今更あらすじを書くのもなんですが、国王が不審な死を遂げた直後に、王妃が亡き国王の弟と結婚するわけです。国王である父を心から愛しているように見えた母が、あっという間に叔父と結婚したことを受けて、ハムレットは女性に対して強い不信感を持ちます。女には強い意志などなく、言い寄られるとすぐにナビクのだと言って、この名言が出てくるんです。「弱きもの、汝の名は女。

まあそうは言いましても、男も女も弱いものですから、あまり人のことは言えません。私なんか減量を決意して、何度くじけていることか。刑事事件を起こした人で、薬物や万引きを止められない人も沢山いるんです。「弱きもの。汝の名は人間。」です。

女性不信のハムレットですから、恋人にも冷たく当たります。「私はどうすればいいのでしょう」と恋人に聞かれたときの「名言」がこれです。「尼寺に行け!」。瀬戸内寂聴かよ!と、思わず突っ込みを入れたくなります。確かに尼寺に行けば、心変わりや不倫の心配はないけど、そういうもんじゃないでしょう。

ただ、刑事事件でも同じようなことがあるんです。罪を犯した人を弁護するときに、絶対に更生させますなんて主張するんです。痴漢を止められない人に、心療内科やカウンセリングを紹介して、立ち直りを助けるのも弁護士の仕事です。そういう努力を、検察官や裁判官に評価してもらい、少しでも軽い処分をお願いするわけです。でも、基本的に検察官は冷たいんですね。私が「こういう風に立ち直りの努力をしていますので、是非ご配慮をお願いします。」と検察官に言ったところ、「そういう人を直すところが刑務所です。」と言い返されちゃいました。け、「刑務所へ行け!」ですか。検事さん、あんまりだ。ううう。。。

女性不信のハムレットは、自分の母親にもお説教をします。「美徳を身につけていないのなら、せめてそのフリをしなさい。」貞節でなくとも、せめて見た目だけはそうしろと言うんです。い、嫌な息子だなあ。

でも、私も裁判の準備のときに、刑事事件の被告人に同じようなことを言うんです。大多数の被告人は、心から反省していますが、中には全く反省していない人が相当数います。自分は運が悪かったとか、本当に悪いのは被害者側だなんて思っているんですね。こんなこと、裁判で言われたらぶち壊しです。そこで私もハムレットに倣ってアドバイスしちゃいます。「反省していないのなら、せめてそのフリをして下さい。

このほかにも、ハムレットには本当に沢山の「名言」が出てきます。「金の貸し借りをしてはならない。金を貸せば金も友も失う。」なんて、現代日本でも普通に使われてますよね。

簡潔さがウイットの本質」なんていうのも、よく使われる名言です。ハムレットの中でこの名言を言う人が、自分自身では長々と退屈な話をするところがまた面白いんです。私も、若手弁護士には「もっと簡潔に!」なんて言いますが、自分は長々とした文章を書いちゃいます。。。「人が粗削りをすると、神が仕上げをしてくれる。」なんて名言も好きですね。うちの事務所でも、私がざっくりと「こうやろう!」と決めると、後は若手弁護士が細部までちゃんとやってくれるのです。おいおい。

劇の最後で、ハムレットも、叔父の国王も王妃も、みんな死んでしまいます。ハムレットの最後の名言が、またカッコいいんです。「あとは、沈黙。

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◇ 弁護士より一言

子供が大きくなって、この「一言」に書くことも無くなってきました。そこで娘に相談したんです。
「これからは、見た芝居について書こうと思うんだけどどう?内野聖陽の「ハムレット」の他にも生田斗真・菅田将暉の、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」も見ましたって。」娘は、「自慢?メチャクチャ嫌味じゃん!一言だけ読んでるファンは本物じゃないよ。本文頑張って!」もうすぐ娘は留学しちゃいます。心細くなってきたのでした。
以上:2,215文字

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