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2019年08月01日発行第250号”誰も帰ってはいけない”

令和 1年 8月 2日(金):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和元年8月1日発行第250号「誰も帰ってはいけない」をお届けします。

○プッチーニは有名な作曲家で名前だけは知っていましたが、作品のオペラ「トゥーランドット」は全く知りませんでした。大山先生は文学方面だけでなく音楽も博識です。「ジャギ」なんて言葉も知りませんでしたが、武論尊・原哲夫の漫画「北斗の拳」の登場人物なんですね。「北斗の拳」も全く読んだことがなく、「ジャギ」も知りませんでした。「ジャギ」と言えば「俺の名を言って見ろ」と、ケンシロウの名をかたって様々な悪事を働いてきた悪人とのことです。「突っ込み」の意味がようやく判りました(^^;)。

○私は会社勤めの経験がありませんが、「上司や先輩が仕事しているのに帰るなんてとんでもない!」という雰囲気は、今の若い人たちにもあるんですかね。当事務所に勤務弁護士2人と常勤事務員3名居ますが、私が残っていると帰りづらいなんて雰囲気は、つゆほども感じられません。むしろ、私の方が、誰か残っているのに、先に帰るのが気が引けるところです(^^)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

誰も帰ってはいけない


先日、プッチーニのオペラ、トゥーランドットを見てきました。お姫様と結婚するには、3つの謎を解かないといけないんです。失敗すると殺されます。既に各国の20人以上の王子たちが死んでいます。そんな謎に、正体不明の王子が挑む話です。

一つ目の謎は、「夜、寝るときに生まれて、朝になると無くなるもの」です。分かりますか?答えは「希望」なんだそうです。この回答には、心から感心しました。私も思い当たることがあるんです。食べ過ぎた夜、ベッドで、「大丈夫。明日は何も食べないから!」なんて「希望」を持つんですが、翌朝になると何となく口寂しくて、柿ピーとか食べちゃうんです。(ダメ過ぎるやろ!)ちなみにこの謎を高校生の娘に出したら、答えは「眠気」だそうでした。うーん。。。

二問目の謎は、「赤くて燃えるが、炎ではないもの」です。答えは「血潮」なんですが、まあ、そんなものかなというのが正直な感想です。うちの娘の回答は、「赤唐辛子」でした。あ、アホか!と思う一方、確かにそうかもという気もしちゃいました。

そして三問目ですが、「氷のように冷たく、炎のように熱いもの」という謎です。「分かった!アイスの天ぷらだ。」と思った方(そんな人居るんか!)外れです。答えは、「トゥーランドット姫」なんですね。というわけで、王子さまは3問とも正解するわけです。

しかし考えてみますと、うちの娘の回答でも、間違いとは言えない気がします。そして、こういう問題は、法律の世界でもよく起こるんです。例えば請負契約で、依頼者は「血潮」を要求しているつもりでも、請負人の方は「赤唐辛子」を持ってくるなんてことは、本当によく起こります。どちらが、謎(あんまり言うと怒られますが、請負契約の対象など、弁護士にとっても謎なんです。)に対する正しい回答なのか、非常にもめます。最終的には裁判で争われることにもなるのです。

トゥーランドットに話を戻しますと、負けたお姫様は往生際悪く、「結婚するのは嫌だ。」とゴネます。そこで王子は、自分の方から謎を出します。お姫様が夜明けまでにその謎を解くことが出来たら、自分の命を差し出すとまで言うんです。その謎は、「自分の名前を当ててみろ。」というものでした。(これを聞いて、思わず、「お前はジャギか!」と、わけの分からない突っ込みをいれたくなりました。)

そこでお姫様は、国中にお触れを出します。「この王子の名前が分かるまで、誰も寝てはいけない。」という内容です。これを聞いて私は、「このお姫様、酷い人だな。」と、改めて憤慨したのです。正体不明の王子の名前なんて、99・9%の国民が、知ってるわけないじゃないですか!何も知らない国民達が寝ないで頑張っても、何の役にも立たない。

しかし考えてみますと、こういうの、日本の会社でよくあるんです。私も会社員生活が長かったんで、経験しています。例えば、「上司や先輩が仕事しているのに帰るなんてとんでもない!」という雰囲気が、少なくとも私が勤務していたころにはありました。確かに新人のうちは、慣れるということで、職場に居ること自体に意味はあります。しかし、何年も働いている社員が、先輩たちの仕事が終わるまで「誰も帰ってはいけない」というのは、かなりおかしなことです。うちの法律事務所は、会社側に立って、相当数の未払い残業代の事件を扱っています。従業員から残業代請求などが来ると、会社の経営者は、「残業時間中この人は何も仕事をしていなかった。他の従業員からも確認を取っている。そんな奴に何で残業代を支払うんだ!」と怒ります。

「もっともな怒りだな。」と思う一方、「誰も帰ってはいけない」という習慣に対して、経営者はもっと真剣に対応する必要があるのでは、と思うのです。

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◇ 弁護士より一言

中学生の息子が、ネットから知識を得るたびに、問題を出してきます。先日の「謎」は、「職場で『うざいおっさん』と言われないためにはどうすれば良いのか?」というものでした。「お説教をしない!」と、自信もって答えたんですが、正解は違いました。
「一緒に飲食したならご馳走するか、少なくとも多く出す。」が正解だそうです。そこで私も安心して、「そんな下らないネット見てないで勉強しなさい。パパの若いころは。。。」と、お説教しておきました。
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