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2023年02月16日発行第335号”弁護士の穏健な提案”

令和 5年 2月23日(木):初稿
○ちと遅れて恐縮ですが、横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和5年2月16日発行第335号「弁護士の穏健な提案」をお届けします。

○20年以上前ですが、日本では離婚後養育費をまともに支払う父親は、5人に1人くらいしかいないと言われていました。大山先生の「アメリカは養育費を支払わないなんて絶対許されない社会」との記述を読んで、日本の現在はどうなっているのかネット検索すると「日本の養育費の現状と各国の取り組み」では、平成28年時点で「「養育費を現在も受け取っている」と回答した割合母子家庭で24.3%、父子家庭3.2% 全体では2割程度(8割が未払い)」とあり、20年前と全然変わっていないようです。

○このサイトでの「養育費の強制徴収(アメリカ)」には、アメリカでは
●不払いの場合は、裁判所の命令に従わないと解釈し、「法的侮辱罪」という刑事事件として取り扱われ、収監されることもある
また、州によっては滞納者には運転免許の停止を行うなどの制裁もあり
加えて、逃げている親の顔写真に「Wanted(お尋ね者)」という見出しをつけたポスターを街に貼り、社会的制裁として取り扱われる
と記述されており、大山先生の言うとおりの社会になっていることに驚きました。特に「逃げている親の顔写真に「Wanted(お尋ね者)」という見出しをつけたポスターを街に貼り、社会的制裁として取り扱われる」には笑ってしまいました。日本でも、是非、「Wanted(お尋ね者)」制度を導入すべきです。

○少子化対策は、離婚後の手当も重要ですが、独り身を減らすことも重要です。男性生涯未婚率は、昭和45年1.7%が、平成12年12.6%、令和2年26.6%と劇的に増加しています。昭和45年には男性の殆ど全員が結婚していたのに、令和2年は4人に1人以上が結婚していないことになり、これを何とかするのが、少子化対策の大前提と思いますが、大山先生のお知恵は如何でしょうか。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

”弁護士の穏健な提案


岸田首相が、「異次元の少子化対策」というのを打ち出しています。どんな内容なのか見てみたら、児童手当の金額や受給者の範囲を拡大していくということのようです。別にこの政策自体にどうこう言うつもりはありません。財政が厳しい中で、少子化対策に取り組もうというのは、立派な行為だと思います。で、でもこれが「異次元」だと言われると、素直にうなずけないのです。

社会問題についての提言として、300年近く前にジョナサン・スウィフト(ガリバー旅行記の作者です)が発表したものが有名です。「アイルランドの貧民の子供たちが、両親及び国の負担となることを防ぎ、国家社会の有益な存在とするための穏健な提案」という長いタイトルです。こちらは「異次元」どころか「穏健な提案」という略称で知られています。当時のアイルランドは、多くの貧しい人たちが、数多くの子供を抱えて飢えに苦しんでいる状況でした。そんなアイルランドの人たちを、経済的に助けると共に、人口抑制にもなるという神業のような提案です。

どういう内容かと言いますと、貧民の赤ちゃんを1歳になるまで親が育てたら、お金持ちに食料として販売するという提言なんです。普通に考えると、かなりグロテスクな案です。これを読んだ夏目漱石が、「本気で言っているなら、狂人としか思えない」なんて呆れたのももっともです。しかしながら、芸の細かいスウィフト先生は、赤ちゃんを1歳まで育てるための費用と、食料として販売するときの価格まで計算してくれています。それによると、十分にビジネスとして成り立つそうです。

さらにこの提言の良いところは、赤ちゃんが食料として売れるとなると、無茶な堕胎をする人もいなくなります。妊娠した妻に対して、夫も優しくなるでしょう。さらに、生まれた赤ちゃんも、大切な「商品」ですから、親も大切に育てて貰えます。まさに、「親良し・赤ちゃん良し・社会良し」の、理想的な提案だとスウィフトは自慢していました。言うまでもないことですが、この提案は、アイルランドの困窮に対して、何も手を打たない政府に対する、スウィフト渾身の抗議です。岸田首相の「異次元」に対して、こちらは「穏健な提案」という通り名で知られています。

というわけで、私もスウィフトのマネをして、「穏健な」少子化対策を考えちゃいます。まず児童手当ですが、広く薄く、皆に与えるというのが詰まらないですね。そうではなくて、十人に一人百万円、百人に一人1千万円、千人に一人1億円みたいな感じにした方が盛り上がります!「それじゃギャンブルだ」なんて批判は無視します。そもそも多くの人が、期待値30%程度の宝くじを購入し、その胴元が政府だということもあります。みんな博打が好きだし、そこから政府が資金調達していることを考えると、児童手当にこのくらいの「博打感」を出すなんて、全く問題ないでしょう。

さらに「穏健」な少子化対策を考えます。日本では、子供を抱えたシングルマザーの貧困も大きな社会問題になっています。こういうことも、女性が出産を躊躇うことにつながっているはずです。日本の場合、養育費の支払いをすっぽかす人が大勢います。でも、それが当然のように通用していることが大問題だと思います。アメリカなんて、社会的にも、法律的にも、養育費を支払わないなんて絶対に許されない社会です。私がアメリカに住んでいた20年以上前からそうでした。現代日本では、「反社会的勢力」の人たちは、大変肩身が狭い生活を送らざるを得ません。アメリカで養育費を支払わないというのは、「反社会的勢力」なみの扱いを受けることになります。これなんて、米国の制度を輸入してきて、日本の養育費制度を変えれば、簡単に解決できます。しかし、何故か日本の弁護士には、アメリカの法律はおかしなものだと、信じ込んでいる人が相当数いるんです。私だけでも、養育費についての「穏健な提案」をしていきたいのです。

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◇ 弁護士より一言

家族旅行で3人の子供達に、「人生ゲームをしようよ!」と、妻が誘ったのです。みんな乗り気でないので、「勝った人には、異次元のお小遣い5000円をあげるから!」と提案したのです。

そうしたら、「民主主義でみんなにちょうだい!」なんて言ってきました。岸田総理と違い、う、うちは、バラマキはしないのです。でも結局勝った子が兄弟に分けてました。。。
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