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"食後すぐは逆効果"歯磨きの正解-との解説記事紹介

平成30年12月12日(水):初稿
○「フィリップス電動歯ブラシを初めて購入-達成感は思い込みと気づく」に記載したとおり、3ヶ月に1回ほど通院し、定期的に歯石取り等して貰っている歯科医院で担当した歯科衛生士さんに今回は、歯の汚れが以前より酷くなっていますと指摘されて以来、歯磨き方法について色々試しています。

○また、以下の「"食後すぐは逆効果"歯磨きの正解教えます-ガラパゴス化する日本の、NGな歯磨き法」を読んで以来、これまでは実行していなかった起床直後の歯磨きを習慣にすることを試みています。「プラークの原因になる細菌が、最も口腔内に増える時間帯は、唾液が減少する睡眠中~朝の起きぬけの間だ。」との記述に、起床直後の歯磨きの重要性を自覚したからです。

○私の起床は午前4~5時で家族一番の早起きで、私の起床時他の家族は寝ていますので、音の出る電動歯ブラシは使わず、普通の歯ブラシ、ワンタフトブラシ、ロールブラシ(円筒型)の3種の歯ブラシで磨いており、夜就寝前の歯磨きでは、最後に電動歯ブラシを5分程度使っています。

○以下の記事では、食後直ぐは、食べ物の影響で口腔内が酸性に傾き、その状態で、研磨剤や界面活性剤などの入った歯磨き粉をつけて歯磨きしてしまうと、歯のエナメル質を削り、粘膜を傷めてしまい、さらにせっかくの唾液を洗い流してしまうのも問題とのことです。

○ところが歯科医さんによっては食後直ぐに磨くべきとの信念の方も居るようです。まだまだ歯磨きに関する情報収集が必要です。

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"食後すぐは逆効果"歯磨きの正解教えます-ガラパゴス化する日本の、NGな歯磨き法
ライフ 2018.7.2 #健康 #歯


さまざまなことが特殊に進化し、ガラパゴス化している日本。歯磨きの方法も、実はガラパゴス化していることの一つだ。それどころか、日本人の歯磨きの方法は、虫歯や歯周病を悪化させ、口臭の原因になっている可能性がある。

残念ながら、多くの日本人は、世界では非常識とされる、誤った歯磨き方法を行っている。「食後すぐに歯を磨く」という方法だ。
子どもの頃、母親や学校の先生から、「食べたらすぐに歯磨きしなきゃダメでしょ!」と怒られた経験はないだろうか。

以前はそれが良いとされ、「1日3回、3分間、食後3分以内に歯を磨こう」という「3・3・3運動」が日本全体で推進されていた。

国全体がそれを良しとしてしまったのであって、親や先生を恨んではいけない。科学的な1つの論理は、後に覆(くつがえ)される可能性があるのが世の常だし、あるコミュニティーの常識は、別のコミュニティーの非常識とは、よくあることだ。

90年代よりも現代のほうが歯周ポケットが増えている
絶対的真理でない限り、それらを100%信じ込むのではなく、常にアンテナを立てて、自分自身をバージョンアップできるようにしておくのが賢明である。

厚生労働省によると、1日2回以上歯磨きをする日本人は、昭和44年は20%以下だったのが、年々増加し続け、平成28年には77%になっている。平成11年と平成28年を比較すると、3回以上歯磨きをする人も右肩上がりで、10%以上増加している。
それにもかかわらず、治療対象となる4mm以上の深い歯周ポケットを持つ人は、平成11年から平成28年で、どの年代でも増加しているのだ。75歳以上では、20%以上も増えて、50.6%。なんと、15~24歳でも、17.6%となっている。

ちなみに、平成11年といえば、ミレニアムを目前にした1999年。懐かしの90年代よりも、現代の方が、歯周ポケットが多いなんてことがあってよいのだろうか。
いろいろな要素が絡み合うため、この原因は一概には言えないが、歯磨きの回数が増えたところで、歯周ポケットの形成予防には功を奏していないことは言える。

歯周ポケットが形成されると、当然、炎症から口臭の原因にもなるので、諸外国から「口が臭い国民」と言われても仕方がない。

食後すぐ磨く、は逆効果
現在では、食後すぐに磨くことは逆効果で、歯磨きの回数よりも、いかにタイミングよく、プラークをコントロールするかが大事と考えられている。

プラークの原因になる細菌が、最も口腔内に増える時間帯は、唾液が減少する睡眠中~朝の起きぬけの間だ。ここで細菌を増やさないようにすることが、プラークコントロールにおいては大切になる。だから、歯磨きするタイミングは、就寝前と、起床時の2回がよい。他の先進国では、このタイミングでの歯磨きが推奨されている。

一方、食後すぐは、食べ物と唾液の流れによって、細菌は最も少なくなっている。細菌の塊(かたまり)であるプラークは、食後8時間くらいから形成され、そのまま歯にくっついていると、食後48時間程度から、がっちりと固着するバイオフィルムが形成される、というスケジュールだ。プラークは、セルフケアでも落とせるため、食後にあせって歯ブラシで磨く必要はない。バイオフィルムが形成されると、通常、セルフケアでは難しいので、歯科の専門的なケアが必要になる。

食後は、食べ物の影響で、口腔内が酸性に傾いている。特に現代人の嗜好する甘いものや肉類、アルコールなどは、酸性になりやすい。その状態で、研磨剤や界面活性剤などの入った歯磨き粉をつけて歯磨きしてしまうと、歯のエナメル質を削り、粘膜を傷めてしまうことになる。

歯磨き粉は必要ない!?
また、せっかくの唾液を洗い流してしまうのも問題だ。唾液が分泌されていれば、pHを中性に戻し、削れたエナメル質を再石灰化によって修復もし、殺菌もしてくれる。この効果を活かせなくなってしまうのだ。
最近では、市販の歯磨き粉は、積極的に使う必要がなく、使いすぎると害になると考えられている。界面活性剤などの成分で舌の粘膜を傷めると、口臭の原因にもなりかねない。

唾液の力があれば、いろいろと効能をうたった歯磨き粉は必要なく、水だけでブラッシングすれば十分と考えられている。どうしてもつけたければ、少量で十分だ。

食後に大切なことは、口腔内に残ると酸性化の原因になる食べかすを取り除くこと。また、唾液をしっかりと、口腔内や歯間、歯の付け根に行き渡らせることだ。

そのために、食後は、口をすすぎ、歯間ブラシやデンタルフロス、ウォーターピック(口腔水流洗浄器)などを使って、口腔内の食べかすを取り除くことが大切だ。そして、唾液をしっかりと分泌させ、環流させることが重要になる。

食後の唾液の分泌を促すためには、唾液腺マッサージや、舌をぐるぐる回す舌回し運動、また砂糖を含まないガムなどが推奨されている。

舌回し運動は、舌を歯と歯茎の間に差し入れて、上下左右、満遍なくぐるぐる回す舌のエクササイズだ。3~5回、反対周りも3~5回。やや変顔にはなるが、食後にデスクに座りながらでもできてお手軽だ。みんなでやれば、怖くない。

歯磨きにお勧めのタイミング
ちなみに、食後といえば、つまようじを必ず使用する方も多いだろう。つまようじは、古代から世界各国で、歯間の食べかすを取るために、小枝や木片を使っていたことに由来する。日本でも「武士は食わねど高ようじ」という諺(ことわざ)があるように、古くから愛用されていたようだ。

現代では、日本のつまようじは、丸型が基本なのに対して、他国では、圧倒的に平型が多い。
この丸型は、丈夫なのだが、歯の隙間を広げやすいため、使いすぎには注意が必要だ。無理に歯間に入れ込まないようにした方がよい。

さらに、日本ではマナーや印象にも注意が必要だ。食後に人前でも「シーシー」とやっていないだろうか。「オヤジ臭い」「生理的に受け付けない」と感じている女性はかなり多い。手で隠しながらでも、印象は同じらしい。個人的には、お父さんたちの憩いの場である赤提灯系の居酒屋でまで「NG!」とするのは不寛容な気もするが、それでも嫌悪感を覚える人がいることを念のためお伝えする。TPOを考えながら賢明にご判断いただきたい。

食後には、つまようじを携えて化粧室へ行くのが作法だ。

歯のケア、歯磨きの本質的なポイント
以上を踏まえて推奨される歯のケアのタイミングは、次の通り。

(1)起床時:歯磨き+口すすぎ
(2)各食後:歯間ケア+唾液分泌法+口すすぎ
(3)就寝前:歯磨き+口すすぎ

こうしたタイミングや回数も、専門家によって若干、推奨する内容に違いがある。
もし、起床時と就寝前の歯磨きだけでは、歯がざらつくような場合には、食後、酸性に傾いたpHが中性に戻る60分後以降に歯磨きをするといいだろう。食間に歯を磨くことで、無駄な間食の予防にもなりそうだ。

また、食後のpHをはやく戻す裏ワザとしては、酸を中和するアルカリ性の水で、30秒程度口をゆすぐ方法がある。食用の重曹、小さじ1杯程度を、500mlの水に溶かすと、簡単にできる。
これをペットボトルなどに作っておけば、職場のランチ後にでもすぐに使えるので便利だ。虫歯菌の活動を抑え、だ液の働きも助ける。重曹は、体に安全な炭酸水素ナトリウムで、だ液にも含まれる成分だ。

本質的なポイントは、
(1)寝ている間に細菌を増殖させないこと。
(2)食後はすぐに歯を磨かないこと。
(3)食後は歯間ケアを中心にし、唾液をしっかり分泌・還流させること。
(4)バイオフィルムが形成される前にしっかりと落とすこと。

これらができていれば、クリアだ。

ブラッシング法と歯ブラシの選び方
口臭を気にする人は、比較的ブラッシングには熱心だ。ただ、その方法が自己流で、プラークが取りきれていないことが多い。歯科受診をする際に、一度、ブラッシング方法を指導してもらうといいだろう。
NGな方法は、大きなヘッドの硬い毛先の歯ブラシで、大きくゴシゴシ力を入れて磨くこと。それではプラークを取り残し続けてしまうし、歯肉を傷めてしまう。

歯ブラシの選び方は、
・ヘッドが小さめで、奥歯と頬(ほお)の間に楽に入るもの(あまり大きいと細かい部分や奥歯を磨き残しやすい)。
・形状は、奥歯の後ろ側を磨きやすいストレートなものが基本(湾曲していると、一般的にこの部分を磨き残しやすくなる)。
・ギザギザヘッドよりも平らな切り口の方が、圧を均一にかけやすい。
・毛先は、痛みを感じない程度の硬さのものを。

一般的には、プラークを落とすなら「ふつう」程度の硬さがよいが、出血する場合は、「やわらかめ」からスタートを。歯肉の炎症が取れてきたら、「ふつう」にレベルアップできるはずだ。

・歯間や歯周ポケットに入りやすいのは、毛先が細くて密集しているもの。
・ネックは、しっかりグリップできるように平らであまり細すぎないもの。

これを基本として、ご自身の使いやすいものを選ぶとよいだろう。

小刻みに1本ずつの歯をさまざまな角度から
歯ブラシの毛には細菌が付着するので、1カ月に1回程度は交換することが勧められている。毛先が1カ月程度は開かずに保たれるぐらいが、ちょうどいい力の入れ方で、すぐに毛先が開く場合は、力の入れすぎだ。歯ブラシの背から見て、ヘッドから毛先がはみ出ていたら、交換しよう。

湿気(しけ)たままで保管すると、細菌が繁殖しやすいので、しっかり乾燥させた方がよい。動物の毛のブラシは、タンパク成分が多いために細菌が付着しやすくなるので、早めに交換するようにしよう。

ブラッシングは、何本かの歯をいっぺんにではなく、小刻みに1本ずつの歯を、さまざまな角度から磨くことが基本だ。「面倒くさい!」と思う方もおられるかもしれないが、プラークをしっかり落とすように、1日1回は、最低限この方法で行ってほしい。

桐村里紗(きりむら・りさ)
内科医・認定産業医。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。治療よりも予防を重視し、最新の分子整合栄養医学や生命科学、常在細菌学、意識科学、物理学などをもとに、執筆、webメディア、講演活動などで、新しい時代のライフスタイルとヘルスケア情報を発信。監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。著書に、『「美女のステージ」に立ち続けたければ、その思い込みを捨てなさい』(光文社)など。


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