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事業倒産−任意整理は営業の場

平成17年 9月25日:初稿
○事業整理において法的手続である破産手続ではない任意整理の利点の話しを続けます。
私の経験では役人たる破産管財人として債権者と対峙しても殆ど信頼関係は築けませんが、任意整理代理人として債権者と対峙すると時に強い信頼関係を築くことができます。

○その結果、整理業務終了後、今度は当社の債務整理をやって欲しい、或いは顧問になって欲しいと依頼されたことがたまにあります。しかし、破産管財人として関与した倒産整理事件で破産管財業務終了後に債権者からこのような依頼をされたことは一度もありません。

○業務継続中には、自己の依頼者である倒産会社と対立する債権者からの依頼は、例え、倒産整理業務と無関係な依頼であっても、一切受任できませんが、整理業務が終了し、事件処理完了後であれば依頼を受けることが出来ます。過去に扱った事件の相手方から依頼を受けることは弁護士にとって大変名誉で有り難いことです。

○他の弁護士の例は知りませんが、私の場合、同じ倒産整理業務に携わった場合でも業務完了後に債権者から別な事件の依頼を受けたことは、破産管財人の時は全くありませんでした。しかし、任意整理代理人の場合は相当数あります。その債権者の債務整理事件に限らず、債権回収事件等を依頼され、任意整理事件をきっかけに知り合い、後に大事なお客様となっている依頼者も結構います。

○破産管財人と任意整理代理人で異なるのは、前者はお上(国)から選任されたお役人であり、債権者もお役人として見るため近づきにくい存在であるところ、任意整理代理人は、お上とは関係のない民の仲間であり、お上よりは近づき易いと感じるからと思われます。実際、破産管財人の場合、国家権力を背景としているため債権者への対応も官僚的になっていたのかも知れません。

○近づき易いと言っても、倒産整理代理人業務の眼目は、公平な整理業務に尽きるものであり、特定の債権者を有利に取り扱うことは断じて許されず、このように見られた場合、信頼関係は築けず、後の依頼に繋がることもありません。

○任意整理はこのように債権者に対して自分の仕事ぶりを見せる営業の場でもあります。
後に繋がることを自覚しながら、「債権者に説明して文句を言われないこと、逆に言えば債権者に説明できないことはしないこと」を理念として、熱意を持って任意整理業務に取り組んでいきたいと思っております。
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