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事業債務整理資金の差押及び転付命令取得は可能か

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平成18年 8月30日(水):初稿
○久しぶりに事業任意債務整理に関する話題です。
最高裁判所平成18年4月14日判決で、A社から債務整理事務を依頼され、同社債務整理資金として同社所有不動産売却資金の一部約1081万円を預けられたY弁護士に対し、A社の債権者のX社が、判決に基づきYのAに対する1081万円の預り金返還請求権について差押命令及び転付命令を申し立てして転付命令が発せられていたものを取り消し、転付命令申立を却下しました。

○その理由は、YがAから預かったこの1081万円は債務整理という委任事務処理のために前払費用として交付したものであり、この前払費用についての返還請求権は、債務整理という委任事務終了前は「券面額」を有するものとは言えず被転付適格を有しないと言うことにあります。

○民事執行法第159条1項は「執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、支払に代えて券面額で差し押さえられた金銭債権を差押債権者に転付する命令(以下、転付命令」という。)を発することができる。」と規定し転付命令の対象となるのは「券面額」を有するものに限られます。

○債務整理事務とは、A社の資産についてA社債権者に平等に配当する事務ですから、Yがその事務処理のために預かった前払費用については各債権者への配当業務が終了して精算した残金についてA社に返還義務が生じますので、一旦預けた前払費用は事務処理の精算が終了して初めてその返還債権額が確定します。従って委任事務終了前は前払費用返還請求権は、「券面額」を有しないとして転付命令の対象にはならないとされました。

○債務整理を依頼された弁護士は不動産等資産を売却し売掛金等債権を回収して配当財源を確保して最終的には各債権者に平等配当をして債務整理という委任事務を遂行します。この配当財源確保のための資産売却金或いは債権回収金の受領が全て委任事務処理の前払費用とすれば差押による転付命令の対象にならなくなります。

○私は事業倒産による債務整理案件を多数取り扱ってきましたが、これまで依頼会社の債権者から債務整理資金として預かった金員或いは資産売却・債権回収によって集めた各債権者への配当資金について差押をされたことは皆無です。しかし、万一、一債権者から差押えされた場合、直ちに破産申立をするか、他の債権者全員と即決和解手続によって債務名義を取得し参加差押して頂くことで対抗して平等配当を実現する予定でいました。

○今回の最高裁判決は事業政務整理のために資産売却・債権回収等で預かった資金について前払費用として転付命令の対象にならないとの構成を可能にするもので、万一の場合使える判例と思った次第です。
以上:1,087文字

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