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体罰についての胸のすく最高裁判例登場3

平成21年10月 3日(土):初稿
○体罰についての胸のすく最高裁判例登場についてのニュース報道は以下のものがありました。

胸元つかみ「体罰に当たらず」=教員の実力行使、初容認
=「指導の範囲」・最高裁平成21年4月28日11時38分
 教員が小学2年男児の胸元をつかんだ行為が体罰に当たるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(近藤崇晴裁判長)は28日、「教育的指導の範囲を逸脱せず、体罰には当たらない」として、体罰を認定し損害賠償を命じた一、二審判決を破棄し、男児側の請求を棄却した。
 教員による実力行使が、学校教育法で禁じる体罰に当たらない場合があり得るとした最高裁の初判断で、教育現場に影響を与えそうだ。 
 判決によると、2002年11月、熊本県本渡市(現天草市)の市立小2年男児に背後から尻を2回けられた男性臨時講師(当時)が、逃げた男児を追い掛け、胸元を片手でつかんで壁に押し付けた。講師が大声で「もう、すんなよ」としかった。
 同小法廷は講師の一連の行為について、「児童の身体に対する有形力の行使だが、悪ふざけへの指導として行われており、肉体的苦痛を与えるためではないことは明らか」と指摘。「目的、態様、継続時間などから判断して、教員が児童に対して行うことが許される指導の範囲内」として、体罰には当たらず、違法性はないと結論付けた。
 男児側は「威圧的な言動で体罰を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になった」として市などを提訴。一審熊本地裁は講師の行為を体罰と認定し、PTSDの発症も認めて市に約65万円の賠償を命じた。二審福岡高裁はPTSDを否定して賠償を約21万円に減額したが、体罰との認定は維持した。
 学校教育法は、教育上の必要がある場合に教員が児童や生徒に懲戒を加えることを認めているが、体罰は禁止している。(了)
近藤崇晴、本渡
[時事通信社]


○ところが、平成21年10月1日、以下のニュース報道が出て来ました。

小5自殺は体罰が原因 北九州市に賠償命令
< 2009年10月1日 21:05 >
 06年に北九州市若松区で小学5年・永井匠くん(当時11)が自殺したのは担任の教諭の体罰が原因だったとして両親が北九州市などを訴えていた裁判で、福岡地裁小倉支部は1日、教諭の体罰を認定し、計約3600万円の賠償を命じた。

 永井くんの両親は「自殺は担任の教諭の体罰が原因」として、北九州市などに約1億円の損害賠償などを求めていた。判決で岡田健裁判長は、担任の教諭から怒鳴られたり胸ぐらをつかまれたりした体罰が自殺の原因だと認定。北九州市などに計約3600万円の支払いを命じた。

 これに対し、北九州市は「主張が認められず、厳しい判決だと受け止めています」とコメントしている。


自殺に追い込んだと認定された「怒鳴られたり胸ぐらをつかまれたりした体罰」とは、具体的にはどのようなものだったのか、この判例が公刊されたら是非勉強したいと思いました。北九州市はおそらく控訴するものと思われますが、経緯を見守りたいと思っております。

○小学生の自殺というと珍しいと思われますが、私の小学4~6年生時代の昭和36~38年の小学生の自殺について、少年犯罪データベースの少年の自殺というコンテンツで見てみると、当時も結構ありました。中にはアッと驚く態様のもののありますが、教師に叱られたものでは、次のデータがありました。この程度の叱り方では、問題にされなかったとは思いますが、目の前で自殺された教師は大変な衝撃を受けたと思います。

昭和38年(1963).2.13〔小6が宿題を忘れ、授業中に飛び降り自殺〕
 大阪府大阪市城東区の小学校で、小学6年生(12)が授業中に窓から飛び降り、死亡した。クラスの2割ほどが宿題を忘れていたが、女性教諭(37)が少年に対して「きのうも忘れましたね。家の人に学校に来てもらいますよ」と注意すると、少年は真っ赤な顔をしながら頭を抱え、突然、窓から飛び降りたもの。陽気な性格で、日頃「僕はどんなことでもやったる」と話していた。
以上:1,666文字

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