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30年前の弁護士収入事情と平成21年現在との比較雑感

平成21年12月23日(水):初稿
「弁護士業界も競争原理導入で貧富の差拡大か?」で、平成20年6月実施の平成19年弁護士収入アンケート調査結果での統計について「この数値で驚いたのは経験20年以上になっても売上2000万円未満が17%あるところ、売上1億円以上が9.6%もあったことです。ごく大雑把に言うと5人に1人が2000万円未満であるところ、10人に1人が1億円以上になり、弁護士業界でも収入格差が相当開きつつあります。」と紹介しました。

○私が司法修習生になったのは昭和53年4月ですが、修習生になって間もない頃、郷里の大先輩で東京で開業されているあるA弁護士の事務所にご挨拶がてらお訪ねして色々東京の弁護士事務所事情をお伺いしたことがあります。当時A先生は弁護士20年を少し過ぎた位でしたが、東京の弁護士は経済的に大変だと話されたことが印象に残っています。

○当時、我が郷里気仙沼市には、2人の弁護士が居ました。当時は毎年4月に1000万円以上の高額所得者(所得公示制度は、昭和58年までは申告納税額1000万円以上ではなく申告所得額が1000万円以上でした。)が地元新聞三陸新報に掲載され、2人の弁護士がほぼ常時高額所得者として載っていました。高額所得と言っても1000万円台だったと記憶していますが。

○当時私は郷里気仙沼に弁護士事務所を開業したい旨を話すと、都会の弁護士は大変なので、これからは地方で開業した方が良いというような話をされました。A先生は、日弁連や所属弁護士会での会務も熱心にされていた方で、弁護士の平均収入等についても詳しく、確か、日弁連調査による当時の弁護士売上は平均で1000数百万円程度で申告所得では700万円程度と説明されました。弁護士の収入なんて「そんなものですよ」と言われたことが妙に強く印象に残っています。

○後日、日弁連では業務改革(対策)委員会で、10年毎に弁護士の経済的基盤調査を行っており、昭和50年代の調査では、売上平均1500万円程度だったものが、その10年後の調査では売上で3000数百万円、申告所得で1000数百万円に倍増していたという情報に接しましたが、「昔の弁護士は儲かる商売ではなかったはず」に記載したとおり、昭和40年代或いは昭和50年代の弁護士は、経済的にはそれ程恵まれた商売ではなく,普通のサラリーマンよりは多少は良い程度だったように記憶しています。

○日弁連では、10年毎の詳細多岐に渡る弁護士の経済的基盤調査とは別に数年前から毎年質問事項をより簡便にした弁護士センサスと称する調査をしていますが、こちらの調査結果が弁護士白書や日弁連HPで公開されています。私の感想ではこの弁護士センサスは平成20年調査までは右肩上がりのように記憶していますが、それは弁護士広告普及による営業拡大と何よりここ数年続いている過払いバブルによるものと思われます。この過払いバブルはほぼ終焉に近づいており、過払いバブル終演後の弁護士売上調査の結果が気になるところです。
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