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法曹は社会の各分野で羽ばたけ、弁護士就職難対策

平成24年10月25日(木):初稿
○時々訪れるブログに「黒猫のつぶやき」があります。まだお若い弁護士さんのようですが、「かなりの辛口ブログです。」と紹介しているとおり、結構、読むのに骨が折れる充実した記載が多く、勉強になります。この「黒猫のつぶやき」で、「『弁護士は大繁盛するはず』の大ウソ」とのタイトルの記事があり、その中で、神戸大学名誉教授・中央大学総合政策学部教授で弁護士の阿部泰隆氏作成表記「法曹は社会の各分野で羽ばたけ、弁護士就職難対策」との論文を知りました。

○黒猫氏は、阿部泰隆教授の『行政法解釈学』という本の中の「なお,法曹人口増大のため弁護士の就職難が起きているが,弁護士は,司法書士,行政書士,税理士を併営すれば大繁盛するはずであり,心配しなければならないのは,これら他の『士業』である。」との記述を読んだ途端、尊敬する気が一気に失せましたと記載し、同様の論文として阿部泰隆氏の「法曹は社会の各分野で羽ばたけ、弁護士就職難対策」を紹介しています。

○「法曹は社会の各分野で羽ばたけ、弁護士就職難対策」について、黒猫氏は、相当、批判していますが、私自身は、核心を突いたものと同感する記述が多々あり、大いに参考になり、以下に引用させて頂きます。私が、同感した記述は、「もともと、従来なら合格しなかった者が合格するようになったのだから、これまでよりも格落ちはやむをえない。」、「以前なら、司法試験に合格せずに他のさむらい業に就いていた者が、弁護士になるのであるから、他のさむらい業に就いてもともとなのである。戦後大学が濫設され、教授の地位ががた落ちしたのと同じなのである。それでも、弁護士は、さむらい業を別々に行うのではなく、一人で全部行えるのであるから、ものすごい資格なのである。」等々です。

○弁護士の急増によって、10年前までのように、弁護士資格さえあれば食える時代は終焉を迎えましたが、「弁護士は、さむらい業を別々に行うのではなく、一人で全部行えるのであるから、ものすごい資格」であるとの基本は変わりません。この「ものすごい資格」を生かすも殺すも、資格取得後の本人の意欲と努力次第です。この阿部論文を読んで、法科大学院なんて余計な回り道や回数制限なんて不当な制約をなくし、旧司法試験時代のように老若男女関わりなく、働きながらでも、田舎にこもっていても、何十年かかろうと受験可能として、多くの人々がこの資格を目指せる環境作りをして貰いたいと思った次第です。

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神戸大学名誉教授・中央大学総合政策学部教授・弁護士阿部泰隆氏作成

法曹は社会の各分野で羽ばたけ、弁護士就職難対策

 司法試験合格者を急増したので、司法研修を終えても、弁護士事務所に就職できないという問題が生じている。日本の法曹の需要はそんなになかったのだ、合格者増加は失敗だとの意見も出ている。

 しかし、もともと、法曹増加策は、現在の法曹の需要を前提としたものではない。法曹が社会の各分野に進出して、日本を法的なルールできちんと律することを目的としている。

 まず、企業、官庁への就職が期待されている。実際には、採用数は少ないと言われているが、公務員の職場に進出したらよい。難関の司法試験に合格して、たかが公務員といわれるが、もともと、従来なら合格しなかった者が合格するようになったのだから、これまでよりも格落ちはやむをえない。公務員の世界で、活躍すれば,昇進も望める。

 弁護士ゼロワン地域での事務所開設は結構進んでいる。宮崎南では年収4-5000万と聞く。最初に進出した者が実際上勝ちだから、我先に進出すればよい。ただ、すぐ満杯になるだろう。3人もいれば、たいした収入にならないからだ。

 大学の先生を目指すのも良い。ただし、大学の先生が結構良い仕事だとの認識が高まり、これまでよりも激戦になる可能性は高い。司法改革の最大の貢献は、大学教授の給源のレベルアップではないかという気がする。

 市区の議員を目指すのも良い。神戸市では、年収1800万円の他に、例の政務調査費がつく。イソ弁などやっていられない厚遇である。議会の現場は、理論も何もなく、違法状態だから、法曹が議会に入って、筋の通った理論を駆使すれば、議会の活性化にも寄与し、住民にも歓迎される。そして、住民と接触すれば、街弁の仕事も増える。

 さらに、弁護士資格を駆使すれば、街弁としても、大活躍できる。弁護士がこれまでの弁護士業に留まっていては、あまり成功は望めないかもしれないが、弁護士は、税理士、弁理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士という各種のさむらい業を兼ねることができる。それを一人で行うなら、ワンストップサービスで、大繁盛間違いない。たとえば、相続案件があれば、民法、民訴法の知識の他、相続税の関係で税理士業務、登記関係で司法書士業務を一人で行えば、これを別々のさむらいが受任するよりも、安く、かつ、迅速に処理することができる。行政法も必修になったので、行政相手の業務も簡単にできる。行政書士業務を兼ねればよい。

 簡裁の代理権が司法書士に与えられたが、それは弁護士が実際上簡裁業務を行わなかったためである。急増した弁護士は簡裁業務に進出すればよい。弁護士は高そうだと敬遠されて、司法書士に行く者も、弁護士の方が有能だとなれば、当然に弁護士の門を叩く。案件は小さいが、能率良く数で稼げばよい。

 これでは格落ちではないかなどと不満かもしれないが、合格者がこれほどに急増するのであるから、以前なら、司法試験に合格せずに他のさむらい業に就いていた者が、弁護士になるのであるから、他のさむらい業に就いてもともとなのである。戦後大学が濫設され、教授の地位ががた落ちしたのと同じなのである。それでも、弁護士は、さむらい業を別々に行うのではなく、一人で全部行えるのであるから、ものすごい資格なのである。他のさむらいを全て駆逐できるだけの資格である。

 したがって、法曹が急増したので、合格したけど就職がないなどと嘆く必要はない。本当に脅威を感じているのは、弁護士の卵ではない。これら隣接士業である。これら隣接士業は、弁護士が本気になって進出してこれば、風前の灯火なのである。私は「行政書士の未来像」という本を書いたが、未来が明るいか暗いかは書いていない。弁護士などと競争しても勝てるように努力した者だけが明るい未来を迎えるのである。


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