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”自由と正義”H24年11月号懲戒例-注意すべき典型例多数

平成24年11月16日(金):初稿
○繰り返し記載していますが、日弁連機関誌”自由と正義”が配送されると最初に見るのが懲戒処分広告記事で、特に「戒告」処分を受けた例は、入念に読んでいます。過去には、最初に弁護士のエッセイ「ひと筆」を読むと書いていましたが、最近は、「ひと筆」は興味の湧く記事が少なくなり、余り読まなくなりました。

○平成24年11月15日に配送された同年11月号懲戒処分広告記事は、いずれも「戒告」例が8件も掲載されており、いずれも弁護士として特に注意を要するものばかりで、弁護士「べからず集」として貴重な記事となっています。以下、要点のみ備忘録として掲載します。

・本人意思確認の重要性
ご本人からの直接意思確認を怠り、娘さんからの依頼で受任し、ご本人の訴訟能力が否定されて訴えが却下され、相手方から懲戒請求されて「戒告」となった例。

※特に老人等精神能力に問題がありそうな方から事件を依頼される場合は、ご本人からの直接意思確認は必須であり、委任状を書いて貰うときは面前が必須で、私の場合は、委任状を記載する様子をデジカメ撮影することを原則としています。

・訴訟準備書面等での相手方への過度な攻撃・非難表現
相手方弁護士に対し「被害者を食い物にした卑劣極まる弁護士の犯罪である」、「ペテン師や事件屋の手口そのものである」等の記載で相手方弁護士から懲戒請求されて「戒告」となった例。
債務整理事件で、債権者に対し「口汚い表現で罵倒する内容のファクシミリを3回に渡って送信」して「戒告」となった例。

※激しい争いがあり、お互いに相手方を厳しい非難の応酬がある事件では、お客様から準備書面等相手方に提出する書面内容について厳しく相手を攻撃・非難することを要求されることが良くあります。しかし、無用に相手を刺激する過度な攻撃・非難表現は、百害あって一利なしと覚えておいた方がよいでしょう。非難応酬の悪循環に陥り、紛争をいたずらに激化させるだけだからです。何事にも節操が必要です。私自身も保険会社顧問医意見書をぼろくそに非難する癖を直さねばなりません(^^;)。

・受任事件長期放棄事例
自己破産受任通知から4年間自己破産申立を行わず「戒告」となった例
遺産分割調停申立事件を受任し、約2年3ヶ月調停申立をせず、且つ、調停申立後、調停委員会から戸籍謄本・登録事項証明書等補完を要請されるもこれを放置して、調停をしない措置を取られて終了するもこれを当事者に報告せず「戒告」となった例。

※特に破産申立事件はお客様が必要な書面を準備しなかったり打ち合わせに来なかったりして申立が遅れることが良くあり、事件数の多かった時代は、他の同種事件の処理のためつい放置状態になることがありました。しかし、今は、1週間に1回は事件点検日を設けて、債務整理事件に限らない全事件についてその処理状況の確認をしています。

・打ち合わせ約束の重要性
後遺障害等級認定変更のため担当医師との面談に同席する予定を事前連絡無しにキャンセルし、事務所内での打ち合わせ予定を事前の連絡無しにキャンセルして「戒告」となった例

※今回の懲戒公告例で一番衝撃を受けたのこの事例でした。勿論、打ち合わせ予定を2度に渡って事前連絡無しにキャンセルすることは到底許されませんが、打ち合わせ予定日を間違ってスケジュール管理表に記載することはたまにあり、当日になって気付くも他の予定のためキャンセルせざるを得ず,丁重にお詫びした経験は32年の弁護士経験の内何回かあります。お客様は内心では相当お怒りになったと思われますが、幸い、懲戒申立をされるまでには至りませんでした(^^;)。
しかし、これからの時代、打ち合わせ予定キャンセルも懲戒処分の対象となることを肝に銘じて、スケジュール管理はシッカリとやらなければなりません。

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