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弁護士職務基本規程第3章依頼者との関係における規律

平成25年 3月13日(水):初稿
○「弁護士職務基本規程第1章基本規程~第2章一般規律」の続きです。

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第3章 依頼者との関係における規律
第1節 通則
第20条(依頼者との関係における自由と独立)

弁護士は、事件の受任及び処理に当たり、自由かつ独立の立場を保持するように努める。

第21条(正当な利益の実現)
弁護士は、良心に従い、依頼者の権利及び正当な利益を実現するように努める。

第22条(依頼者の意思の尊重)
弁護士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うものとする。
2 弁護士は、依頼者が疾病その他の事情のためその意思を十分に表明できないときは、適切な方法を講じて依頼者の意思の確認に努める。

第23条(秘密の保持)
弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない。

第24条(弁護士報酬)
弁護士は経済的利益事案の難易時間及び労力その他の事情に照らして適正かつ妥当な弁護士報酬を提示しなければならない。

第25条(依頼者との金銭貸借等)
弁護士は、特別の事情がない限り、依頼者と金銭の貸借をし、又は自己の債務について依頼者に保証を依頼し、若しくは依頼者の債務について保証をしてはならない。

第26条(依頼者との紛議)
弁護士は、依頼者との信頼関係を保持し紛議が生じないように努め、紛議が生じたときは、所属弁護士会の紛議調停で解決するように努める。

第2節 職務を行い得ない事件の規律
第27条(職務を行い得ない事件)

弁護士は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第三号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
三 受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
四 公務員として職務上取り扱った事件
五 仲裁、調停、和解斡旋その他の裁判外紛争解決手続機関の手続実施者として取り扱った事件

第28条(同前)
弁護士は、前条に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第一号及び第四号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合、第二号に掲げる事件についてその依頼者及び相手方が同意した場合並びに第三号に掲げる事件についてその依頼者及び他の依頼者のいずれもが同意した場合は、この限りでない。
一 相手方が配偶者、直系血族、兄弟姉妹又は同居の親族である事件
二 受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手方とする事件
三 依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件
四 依頼者の利益と自己の経済的利益が相反する事件

第3節 事件の受任時における規律
第29条(受任の際の説明等)

弁護士は、事件を受任するに当たり、依頼者から得た情報に基づき、事件の見通し、処理の方法並びに弁護士報酬及び費用について、適切な説明をしなければならない。
2 弁護士は、事件について、依頼者に有利な結果となることを請け合い、又は保証してはならない。
3 弁護士は、依頼者の期待する結果が得られる見込みがないにもかかわらず、その見込みがあるように装って事件を受任してはならない。

第30条(委任契約書の作成)
弁護士は、事件を受任するに当たり、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない。ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由が止んだ後、これを作成する。
2 前項の規定にかかわらず、受任する事件が、法律相談、簡易な書面の作成又は顧問契約その他継続的な契約に基づくものであるときその他合理的な理由があるときは、委任契約書の作成を要しない。

第31条(不当な事件の受任)
弁護士は、依頼の目的又は事件処理の方法が明らかに不当な事件を受任してはならない。

第32条(不利益事項の説明)
弁護士は、同一の事件について複数の依頼者があってその相互間に利害の対立が生じるおそれがあるときは、事件を受任するに当たり、依頼者それぞれに対し、辞任の可能性その他の不利益を及ぼすおそれのあることを説明しなければならない。

第33条(法律扶助制度等の説明)
弁護士は、依頼者に対し、事案に応じ、法律扶助制度、訴訟救助制度その他の資力の乏しい者の権利保護のための制度を説明し、裁判を受ける権利が保障されるように努める。

第34条(受任の諾否の通知)
弁護士は、事件の依頼があったときは、速やかに、その諾否を依頼者に通知しなければならない。

第4節 事件の処理における規律
第35条(事件の処理)

弁護士は、事件を受任したときは、速やかに着手し、遅滞なく処理しなければならない。

第36条(事件処理の報告及び協議)
弁護士は、必要に応じ、依頼者に対して、事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し、依頼者と協議しながら事件の処理を進めなければならない。

第37条(法令等の調査)
弁護士は、事件の処理に当たり、必要な法令の調査を怠ってはならない。
2 弁護士は事件の処理に当たり必要かつ可能な事実関係の調査を行うように努める

第38条(預り金の保管)
弁護士は、事件に関して依頼者、相手方その他利害関係人から金員を預かったときは、自己の金員と区別し、預り金であることを明確にする方法で保管し、その状況を記録しなければならない。

第39条(預り品の保管)
弁護士は、事件に関して依頼者、相手方その他利害関係人から書類その他の物品を預かったときは、善良な管理者の注意をもって保管しなければならない。

第40条(他の弁護士の参加)
弁護士は、受任している事件について、依頼者が他の弁護士又は弁護士法人に依頼をしようとするときは、正当な理由なく、これを妨げてはならない。

第41条(受任弁護士間の意見不一致)
弁護士は、同一の事件を受任している他の弁護士又は弁護士法人との間に事件の処理について意見が一致せず、これにより、依頼者に不利益を及ぼすおそれがあるときは、依頼者に対し、その事情を説明しなければならない。

第42条(受任後の利害対立)
弁護士は、複数の依頼者があって、その相互間に利害の対立が生じるおそれのある事件を受任した後、依頼者相互間に現実に利害の対立が生じたときは、依頼者それぞれに対し、速やかに、その事情を告げて、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。

第43条(信頼関係の喪失)
弁護士は受任した事件について依頼者との間に信頼関係が失われかつ、その回復が困難なときは、その旨を説明し、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。

第5節 事件の終了時における規律
第44条(処理結果の説明)

弁護士は委任の終了に当たり事件処理の状況又はその結果に関し必要に応じ法的助言を付して、依頼者に説明しなければならない。

第45条(預り金等の返還)
弁護士は、委任の終了に当たり、委任契約に従い、金銭を清算したうえ、預り金及び預り品を遅滞なく返還しなければならない。


以上:2,957文字

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