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”自由と正義”H29年09月号懲戒例-ヒヤッとする懲戒事例紹介5

平成29年10月 7日:初稿
○「”自由と正義”H29年09月号懲戒例-ヒヤッとする懲戒事例紹介4」の続きです。
紹介事案は、懲戒請求者はBの代理人とありますので相手方弁護士ですが、弁護士に限らず、準備書面或いは通知書等での「言い過ぎ」をけしからんと憤って懲戒請求する例が増えているように感じます。

○激しい争いとなっている事案で、お客様から相手方の言動についての厳しく非難する文章の記述を依頼されることは、弁護士業務において、日常茶飯事的にあります。しかし、お客様が、そうだと信じて疑わないことであっても、それを裏付ける証拠等が乏しい事案で、お客様の言い分を断定的に記述することは、大変危険です。お客様の言うことをそのまま準備書面に記載し、弁護士ともあろうものが、証拠も無しに、事実を断定するとは何事だと、相手方本人から懲戒請求される事案は、各地で相当増えていると思われます。

○以下の例は、事実の断定と言うよりは、評価の表現が明らかに行き過ぎた例ですが、おそらく、自分の依頼者から、とんでもないことを主張している、徹底的に反論して欲しいと依頼されたものと思われます。しかし、評価の表現の上で最も注意すべきは、抽象的・一方的表現で、相手を全否定することです。以下の例では、「読む方が恥ずかしくなる」、「陳述することに抵抗感はないのか」等の抽象的評価記述が問題です。

○抽象的表現で相手を全否定する言葉を発するのは、相手を決定的に怒らせるので、相手と完全に決別するときは、有効だとの記述を、昔、読んだ記憶があります。自分がそのような言葉を受けたときの心情を思うと納得します。訴訟においては、裁判官に納得して貰うための表現に徹すべきで、裁判官の心証形成に何の影響もなく、むしろ悪影響を与える相手を否定するだけの抽象的非難表現は、避けるべきでしょう。

○後記弁護士が裁判官を訴えた例では、裁判官の「こんな訴訟活動をやっているようでは、先生がこれからも弁護士としてやっていくことに不安を覚えますよ。」との言葉も、正に「言い過ぎ」で、相手を全否定する言葉であり、弁護士が「正に怒り心頭に発する」のが当然です。紛争の渦中にあると、このような表現をしたくなることは、良くありますが、自分の独り言とすべきで、決して、相手に伝えてはいけません。

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3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2014年8月5日、Aの代理人としてBらに対し、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起し、懲戒請求者がBらの代理人に選任されたところ、被懲戒者は上記訴訟の複数の準備書面において、本人の判断と代理人の判断をあえて区別してそのいずれかを殊更問うことは訴訟上何の意味もなく記載する必要性がないにもかかわらず『これは、被告の意思に基づく行為か、それとも被告訴訟代理人の指示か』等と執拗に問う記載をし、Bらの主張に対し『読む方が恥ずかしくなるような主張だ。こんなことを準備書面に書いて、陳述することなどに抵抗感はないのだろうか。』と記載するなど正当な訴訟活動、弁論活動として許容される範囲を超える記載をした。

 被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。


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賠償提訴「侮辱された」弁護士が 裁判官「先生に不安覚える」
毎日新聞2017年2月23日 地方版茨城県

 担当していた民事訴訟で昨年11月、水戸地裁龍ケ崎支部の裁判官に侮辱されたとして、千葉県弁護士会所属の弁護士が国を相手に110万円の損害賠償を求める訴訟を同支部に起こしたことが22日、分かった。「先生が弁護士としてやっていくことに不安を覚える」などと言われたという。水戸地裁で審理される。

 訴状によると、弁護士は、妻に不貞行為があったとして夫が損害賠償を求めた民事訴訟で妻の相手とされる男性の代理人を担当。昨年11月2日の弁論準備手続きで、夫婦関係が破綻していたことを示すため、妻が夫に対して起こした離婚訴訟の書面を提出した。

 これに対し裁判官は「こうした内容を主張されても(夫が)事実だと認めるわけがないのだから、意味がないでしょう」「こんな訴訟活動をやっているようでは、先生がこれからも弁護士としてやっていくことに不安を覚えますよ」などと発言。弁護士は、侮辱や人格非難の要素を含んでおり、訴訟指揮権を逸脱していると主張している。
以上:1,862文字

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