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映画「ゲッタウェイ」を観て(ネタバレ注意)

平成19年 8月19日(日):初稿
○平成19年8月18日、久しぶりにヨドバシ仙台店に行ってDVD売り場のブルーレイディスクコーナーで、昔懐かしいスティーブ・マックイーン主演「ゲッタウェイ」BD版が発売されているのを見つけて購入しました。BD版の映画はまだまだ数が少なく、おそらく100タイトルにも行ってないと思われ、少しでも知っているものであれば、LDやビデオで持っていても購入してしまいます。

「ゲッタウェイ」は、10数年前にLDを購入し、何度か観ていましたが、妻役のアリ・マッグローのスラリとした姿態特にゴミ収集車からゴミ捨て場に落とされる時の悩ましい姿が記憶に残っていましたが、ストーリーについては、ラストの爽快感が強く印象に残っているものの、中身は、兎に角、バイオレンスシーンが凄かっただけの記憶でした。

○10年ぶり位に「ゲッタウェイ」をBD版で観ると、さすがに、輪郭がキッチリとして、映画館で観るよりも解像度が高いのではと感激しました。ところがストーリーは、最初の鹿のシーンから、サッパリ記憶がありません。刑務所内部のシーンにいたり少しずつ記憶が蘇るも次の展開が殆ど予想できず、最初に観ると同様に、ハラハラドキドキの映画の醍醐味を味わいました。

○次から次への息も継がせずハラハラドキドキの連続で、次は一体どうなるかと、完全にストーリーに感情移入させられ、手に汗握る展開で、大いに楽しめました。こういう映画を観ると、正に映画はストーリーだと実感します。

○久しぶりに観て、大いに感激しましたが、見終えて、この映画は、洋の東西を問わず強く逞しいのは女だと強調していたのではと感じました。スティーブ・マックイーン演ずる主人公ドク・マッコイは、強盗の罪で服役中ですが、仮釈放が認められず、アリ・マッグロー演ずる妻キャロルに仮釈放を左右できる悪徳政治家ジャック・ベニヨンに取り入り仮釈放を実現するよう命じます。

○妻キャロルは、ジャック・ベニヨンに近づき身体を与えてドクの仮釈放を実現しますが、ドクが、ジャックの手下どもと銀行強盗を働くことが条件で、ドクは釈放後、ジャックに指示されるままアル・レッチェリ演ずるルディらと銀行強盗を働き、50万ドルを手にします。

○ところが妻キャロルは、ジャックと出来ており、ジャックが銀行強盗で大金を手にしてジャックの屋敷に来たら、キャロルが夫のドクを殺すとの手はずを整えていました。ところが、キャロルは夫の背中側に忍び寄り、その背中に向けた銃口をすんでの所で向かいのジャックに向けて発砲し、ドクは全てを覚ります。

○すんでの所でジャックを銃殺するもいったんは自分の背中に銃口を向けたキャロルに対し、ドクは暴力と言葉で使ってジクジク責め続けます。しかし、愛想が尽きかけたキャロルの「最後はあなたを選んだのに!」とビシッとした一言に、何も言えなくなり、結局、キャロルの軍門に下り、もう二度と過去のこと責めないと約束させられます。

○キャロルは、夫ドクが4年間服役中に他の男と遊んだことを示唆するシーンもありましたが、悪徳政治家ジャックと関係が出来てからは、夫ドクとジャックを天秤にかけ、ジャックを通じて夫ドクを銀行強盗させて大金を得させ、最終的にどちらの男が自分のためか、判断し、実直な夫を選んだものと思われます。2人の男を手玉に取ったとも評価できます。

○女の逞しさは最後のシーンにも出てきました。メキシコに逃亡するために乗っ取ったボロトラック所有者の爺さんにドクが年収を尋ね、5000ドルと答えを聞くと、1万ドルで譲って欲しいと頼みます。これに対し爺さんは2万ドルでどうかとはったりをかますと、キャロルは3万ドルだと爺さんに渡して、爺さんは思わぬ大金を得て嬉嬉として上機嫌で歩き出します。男のせこさと女の逞しさを最後まで実感させてくれました。
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