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競落したマンションが自殺物件-瑕疵担保責任追及不可

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平成19年 4月 3日(火):初稿
○不動産業者のAさんは、競売で中古マンションを1200万円で競落し、これを1800万円でBさんに売却して、取得費用・リフォーム費用等経費を差し引いても400万円の利益を得る目論見でした。ところがBさんは売買契約直前にいたり、自殺物件であることが判明したとして買い受け申込を撤回してきました。

○驚いたAさんはそのマンション管理人などから事情を聞いたところ、この中古マンションの前所有者Cさんは、借金等の理由で3年前に妻と離婚し一人暮らしをしていたところ、2年前にマンションのリビングルームで借金を苦にして首つり自殺をしていたことが判明しました。

○Aさんには離婚した妻との間に子供が居ましたが、借金が多いため子供、親、兄弟姉妹全員が相続放棄して、相続人不存在となり、相続財産管理人が選任され、このマンションの名義人は亡C相続財産に変更され、1年前に住宅ローン債権者が担保権を実行して競売開始決定となり、半年前にAさんが、Cさんの自殺を全く知らずに入札して競落していまいた。

○「自殺があった建物売買と瑕疵担保責任」に記載したとおり、元所有者が自殺した建物を購入して、自殺の事実を建物の「瑕疵」(かし、行為・物・権利などに本来あるべき要件や性質が欠けていること。意思表示の取消し、売主の担保責任などの前提となる。。[株式会社岩波書店 広辞苑第五版])として、この事実を隠していた売主に対し民法570条瑕疵担保責任によって解除が認められた例が結構あります。

○競売は裁判所が強制的に売買を行うものですが、売主はあくまで債務者であり、裁判所(国)が売主としての責任を負うことはありません。従って国に対し売買契約の解除を主張することは出来ません。競落した不動産に数量の不足や一部滅失があった場合、民法568条「強制競売における買受人は、第561条から前条までの規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。」との規定により売買契約を解除し代金返還請求が出来ます。

○支払遅滞によって競売申立を受ける債務者に代金返還請求しても、普通は支払不能状態で返還は実現できませんので、民法568条2項「債務者が無資力であるときは、買受人は、代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部又は一部の返還を請求することができる。」との規定で配当金の返還請求も出来ます。

○本件でのAさんは残念ながら売買の解除、代金減額等の請求は出来ません。自殺は「瑕疵」であり民法570条瑕疵担保責任は競売の場合適用されないからです。Aさんが受けた損害を回復するにはどのような方法があるでしょうか。
以上:1,083文字

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