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H29-11-20(月):過労うつ病自殺に素因減額否認平成12年3月24日最高裁判決紹介1
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○社員が過労自殺した会社からの相談を受けており、有名な電通事件平成12年3月24日最高裁判決(判時1707号87頁、判タ1028号80頁)全文の分析が必要になりました。判決要旨は、大手広告代理店に勤務する労働者Aが長時間にわたり残業を行う状態を1年余り継続した後にうつ病にり患し自殺した場合において、

①Aは、業務を所定の期限までに完了させるべきものとする、一般的、包括的な指揮又は命令の下にその遂行に当たっていたため、継続的に長時間にわたる残業を行わざるを得ない状態になっていたものであって、Aの上司は、Aが業務遂行のために徹夜までする状態にあることを認識し、その健康状態が悪化していることに気付いていながら、Aに対して業務を所定の期限内に遂行すべきことを前提に時間の配分につき指導を行ったのみで、その業務の量等を適切に調整するための措置を採らず、その結果、Aは、心身共に疲労困ぱいした状態となり、それが誘因となってうつ病にり患し、うつ状態が深まって衝動的、突発的に自殺するに至ったなど判示の事情の下においては、使用者は、民法715条に基づき、Aの死亡による損害を賠償する責任を負う

②業務の負担が過重であることを原因として労働者の心身に生じた損害の発生又は拡大に右労働者の性格及びこれに基づく業務遂行の態様等が寄与した場合において、右性格が同種の業務に従事する労働者の個性の多様さとして通常想定される範囲を外れるものでないときは、右損害につき使用者が賠償すべき額を決定するに当たり、右性格等を民法722条2項の類推適用により右労働者の心因的要因として斟酌することはできない

というものです。

Aは、出勤したまま帰宅しない日が多くなり、帰宅しても、翌日の午前6時30分ないし7時ころで、午前8時ころまでに再び自宅を出るという状況となった。 (中略) 一方、Aは、前述のような業務遂行とそれによる睡眠不足の結果、心身共に疲労困ぱいした状態になって、業務遂行中、元気がなく、暗い感じで、うつうつとし、顔色が悪く、目の焦点も定まっていないことがあるようになった。」との業態は凄まじいとしか言えません。

以下、判決全文の前半です。

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主  文
一 平成10年(オ)第217号上告人の上告を棄却する。
二 原判決中平成10年(オ)第218号上告人らの敗訴部分を破棄し、右部分につき本件を東京高等裁判所に差し戻す。
三 第一項に関する上告費用は、平成10年(オ)第217号上告人の負担とする。

理由
第一 平成10年(オ)第217号上告代理人○○○○の上告理由及び同○○○○の上告理由の第一ないし第五について

一 本件において、甲野一郎(以下、Aという)の相続人である平成10年(オ)第217号被上告人ら・同第218号上告人ら(以下、それぞれを「一審原告太郎」のようにいい、右両名を併せて「一審原告ら」という。)は、平成10年(オ)第217号上告人・同第218号被上告人(以下「一審被告」という。)に対し、Aの一審被告に対する民法715条に基づく損害賠償請求権を相続したとして、その支払を求めているところ、所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし、首肯するに足りる。これによると、本件の事実関係の概要は、次のとおりである。

1 Aは、昭和41年11月30日、一審原告らの長男として出生した。Aは、健康で、スポーツが得意であり、その性格は、明朗快活、素直で、責任感があり、また、物事に取り組むに当たっては、粘り強く、いわゆる完ぺき主義の傾向もあった。平成2年から3年当時、Aと一審原告らは同居しており、一審原告らはそれぞれ職を有していた。

2 Aは、平成2年3月に○○学院大学法学部を卒業し、同年4月1日、一審被告の従業員として採用され、他の178名と共に入社した。採用の約2か月前にAに対して行われた健康診断においては、色覚異常があるとされたほかは、格別の問題の指摘はなかった。

3 新入社員研修を終え、Aは、平成2年6月17日、一審被告のラジオ局ラジオ推進部に配属された。同部の部長はBで、同部には13名の従業員が所属し、二つの班に分けられていた。Aは、Cを班長とする班に属するものとされて、C外二名の従業員と共に、築地第七営業局及び入船第八営業局関係の業務を担当することとなった。

4 平成2年当時、一審被告の就業規則においては、休日は原則として毎週二回、労働時間は午前9時30分から午後5時30分までの間、休憩時間は正午から午後一時までの間とされていた。そして、平成10年法律第112号による改正前の労働基準法36条の規定に基づき一審被告と労働組合との間で締結された協定(以下「36協定」という。)によって、各労働日における男子従業員のいわゆる残業時間の上限は、6時間30分とされ、平成2年7月から平成3年8月までの間の各月の合計残業時間の上限は、ラジオ推進部の場合、別紙の「月間上限時間」欄記載のとおりとされていた。

 ところで、一審被告においては、残業時間は各従業員が勤務状況報告表と題する文書によって申告することとされており、残業を行う場合には従業員は原則としてあらかじめ所属長の許可を得るべきものとされていたが、実際には、従業員は事後に所属長の承認を得るという状況となっていた。一審被告においては、従業員が長時間にわたり残業を行うことが恒常的に見られ、36協定上の各労働日の残業時間又は各月の合計残業時間の上限を超える残業時間を申告する者も相当数存在して、労働組合との間の協議の席等において問題とされていた。

 さらに、残業時間につき従業員が現に行ったところよりも少なく申告することも常態化していた。一審被告は、このような状況を認識し、また、残業の特定の職場、特定の個人への偏りが問題であることも意識していた。一審被告は、午後10時から午後5時までの間に業務に従事した従業員について所定労働時間に対する例外的取扱いを認める制度を設けていたほか、午前零時以降に業務が終了した従業員で翌朝定時に出勤する者のために一審被告の費用で宿泊できるホテルの部屋を各労働日において5室確保していたが、一審被告による周知徹底の不足等のため、これらは、新入社員等には余り利用されていなかった。

5 Aは、ラジオ推進部に配属された当初は、班長付きと称される立場にあって、日中はおおむねCと共に行動していた。その業務の主な内容は、企業に対してラジオ番組の提供主となるように企画書等を用いて勧誘することと、企業が宣伝のために主宰する行事等の企画立案及び実施をすることであった。Aは、労働日において、午前8時ころまでに自宅を出て、午前9時ころまでに出勤し、執務室の整理など慣行上新入社員が行うべきものとされていた作業を行った後、日中は、ほとんど、勧誘先の企業や一審被告の他の部署、製作プロダクション等との連絡、打合せ等に忙殺され、午後7時ころに夕食を取った後に、企画書の起案や資料作り等を開始するという状況であった。Aは、業務に意欲的で、積極的に仕事をし、上司や業務上の関係者から好意的に受け入れられていた。

6 平成2年7月から平成3年8月までの間にAが勤務状況報告表によって申告した残業時間の各月の合計は、別紙の「申告残業時間」欄に記載のとおりである。しかしながら、右申告に係る残業時間は、実際の残業時間よりも相当少なく、また、右各月においてAが午前2時よりも後に退勤した回数は、別紙の「午前2時以降退勤」欄に記載のとおりであった(同欄の括弧内の数字は、右のうち終夜退勤しなかった回数である)。Aは、退勤するまでの間に、食事、仮眠、私事等を行うこともあったが、大半の時間をその業務の遂行に充てていた。

7 Aは、ラジオ推進部に配属されてからしばらくの間は、出勤した当日中に帰宅していたが、平成2年8月ころから、翌日の午前1、2時ころに帰宅することが多くなった。同月20日付けのBのAに対する助言を記載した文書には、Aの業務に対する姿勢や粘り強い性格を評価する記載と共に、今後は一定の時間内に仕事を仕上げることが重要である旨の記載があった。一方、Aは、同年秋ころに一審被告に提出した文書において、自分の企画案が成功したときの喜びや、思っていた以上に仕事を任せてもらえるとの感想と共に、業務に関する不満の一つとして、慢性的に残業が深夜まであることを挙げていた。なお、同年秋に実施されたAに対する健康診断の結果は、採用前に実施されたものの結果と同様であった。

8 Aは、平成2年11月末ころまでは、遅くとも出勤した翌日の午前4、5時ころには帰宅していたが、このころ以降、帰宅しない日や、一審原告太郎が利用していた東京都港区内所在の事務所に泊まる日があるようになった。一審原告らは、Aが過労のために健康を害するのではないかと心配するようになり、一審原告太郎は、Aに対し、有給休暇を取ることを勧めたが、Aは、自分が休んでしまうと代わりの者がいない、かえって後で自分が苦しむことになる、休暇を取りたい旨を上司に言ったことがあるが、上司からは仕事は大丈夫なのかと言われており、取りにくいと答えて、これに応じなかった。

9 平成3年1月ころから、Aは、業務の7割程度を単独で遂行するようになった。このころにAが一審被告に提出した文書には、業務の内容を大体把握することができて計画的な作業ができるようになった旨の記載のほか、今後の努力目標として効率的な作業や時間厳守等を挙げる記載や、担当業務の満足度に関しては仕事の量はやや多いとする記載等があった。Aの業務遂行に対する上司の評価は概して良好であり、Bらがこのころに作成した文書には、非常な努力家であり先輩の注意もよく聞く素直な性格であるなどと評価する記載があった。

10 Bは、平成3年3月ころ、Cに対し、Aが社内で徹夜していることを指摘し、Cは、Aに対し、帰宅してきちんと睡眠を取り、それで業務が終わらないのであれば翌朝早く出勤して行うようにと指導した。このころのBらのAについての評価は、採用後の期間を考慮するとよく健闘しているなどというものであった。平成2年度においてAが取得することができるものとされていた有給休暇の日数は10日であったが、Aが実際に取得したのは0.5日であった。

11 Aの所属するラジオ推進部には、平成3年7月に至るまで、新入社員の補充はなかった。同月以降、Aは、班から独立して業務を遂行することとなり、築地第七営業局関係の業務と入船第三営業局関係の業務の一部を担当し、入船第八営業局関係の業務の一部を補助するようになった。

 このころ、Aは、出勤したまま帰宅しない日が多くなり、帰宅しても、翌日の午前6時30分ないし7時ころで、午前8時ころまでに再び自宅を出るという状況となった。一審原告花子は、栄養価の高い朝食を用意するなどしてAの健康に配慮したほか、自宅から最寄りの駅まで自家用車でAを送ってその負担の軽減を図るなどしていた。これに対し、一審原告太郎は、Aと会う時間がほとんどない状態となった。一審原告らは、このころから、Aの健康を心配して体調を崩し、不眠がちになるなどしていた。一方、Aは、前述のような業務遂行とそれによる睡眠不足の結果、心身共に疲労困ぱいした状態になって、業務遂行中、元気がなく、暗い感じで、うつうつとし、顔色が悪く、目の焦点も定まっていないことがあるようになった。このころ、Cは、Aの健康状態が悪いのではないかと気付いていた

12 Aは、平成3年8月1日から同月23日までの間、同月3日から同月5日までの間に旅行に出かけたほかは、休日を含めてほぼ毎日出社した。Aは、右旅行のため同月5日に有給休暇を取得したが、これは、平成3年度において初めてのものであった。Aは、同月に入って、Cに対し、自分に自信がない、自分で何を話しているのか分からない、眠れないなどと言ったこともあった。

13 平成3年8月23日、Aは、午後6時ころにいったん帰宅し、午後10時ころに自宅を自家用車で出発して、翌日から取引先企業が長野県内で行うこととしていた行事の実施に当たるため、同県内にあるCの別荘に行った。この際、Cは、Aの言動に異常があることに気付いた。Aは、翌24日から同月26日までの間、右行事の実施に当たり、その終了後の26日午後5時ころ、行事の会場を自家用車で出発した。

14 Aは、平成3年8月27日午前6時ころに帰宅し、弟に病院に行くなどと話し、午前9時ころには職場に電話で体調が悪いので会社を休むと告げたが、午前10時ころ、自宅の風呂場において自殺(い死)していることが発見された。

15 うつ病は、抑うつ、制止等の症状から成る情動性精神障害であり、うつ状態は、主観面では気分の抑うつ、意欲低下等を、客観面ではうち沈んだ表情、自律神経症状等を特徴とする状態像である。うつ病にり患した者は、健康な者と比較して自殺を図ることが多く、うつ病が悪化し、又は軽快する際や、目標達成により急激に負担が軽減された状態の下で、自殺に及びやすいとされる。

 長期の慢性的疲労、睡眠不足、いわゆるストレス等によって、抑うつ状態が生じ、反応性うつ病にり患することがあるのは、神経医学界において広く知られている。もっとも、うつ病の発症には患者の有する内因と患者を取り巻く状況が相互に作用するということも、広く知られつつある。仕事熱心、凝り性、強い義務感等の傾向を有し、いわゆる執着気質とされる者は、うつ病親和性があるとされる。また、過度の心身の疲労状況の後に発症するうつ病の類型について、男性患者にあっては、病前性格として、まじめで、責任感が強すぎ、負けず嫌いであるが、感情を表さないで対人関係において敏感であることが多く、仕事の面においては内的にも外的にも能力を超えた目標を設定する傾向があるとされる。

 前記のとおり、Aは、平成3年7月ころには心身共に疲労困ぱいした状態になっていたが、それが誘因となって、遅くとも同年8月上旬ころに、うつ病にり患した。そして、同月27日、前記行事が終了し業務上の目標が一応達成されたことに伴って肩の荷が下りた心理状態になるとともに、再び従前と同様の長時間労働の日々が続くことをむなしく感じ、うつ病によるうつ状態が更に深まって、衝動的、突発的に自殺したと認められる。

以上:5,932文字
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H29-11-19(日):大好きな落花生の栄養素等備忘録-薄皮に重要栄養素レスベラトール
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○「大好きな落花生の栄養素等備忘録」で「殻付ですから殻を割って皮を取って食べるのにちと時間がかかり、この殻を割って皮をむく作業が楽しみの1つです。」と記載していました。「皮をむく作業」とは、落花生本体を覆っている赤茶色の薄皮を剥くことです。私は、この赤茶色の薄皮は食べられないものと思っていました。ところが、「ピーナッツは渋皮付きで1日20粒がお薦めという理由」という記事を読んで、ビックリというかガッカリしました。

○驚いたのは「渋皮にポリフェノール」という部分で次のように記載されています。
ピーナッツ本体を包む赤茶色の「渋皮」には、ブドウの皮や赤ワインにも多く含まれる。特筆すべきが、抗酸化作用のある「ポリフェノール」の一種「レスべラトロール」が豊富に含まれているということだ。このレスべラトロールは非常に抗酸化力が強いポリフェノールで、悪玉コレステロールを減少させて動脈硬化を防ぎ、心臓病やがんを予防する効果が高いというのである。
○ガッカリしたのは、いままで薄皮は食べられないとばかり思って食べてこなかったことです。「ポリフェノール」の一種「レスべラトロール」が豊富に含まれているとのこの薄皮は、これまで全て殻と一緒に捨てていました。

○「レスべラトロール」は、「サンタベリーやブドウなどに含まれるポリフェノールの一種であり、サプリメントや化粧品に配合され美容成分として高い注目を集めています。強い抗酸化力を持ち、細胞の酸化を防ぐとともに、肌の弾力を改善するなど、体を健康的に若々しく保つ効果が期待される成分です。」と解説されています。

○更に神経質な私は必ずピーナッツを二つに分けて、なんと呼ぶのか不明ですが、頭の部分を取り除いて食べるのが習慣になっていました。昔、この部分に発がん物質が含まれていると何かで呼んだ記憶があったからです。しかし、「ピーナッツ 発がん物質」でネット検索をするとピーナッツに生えたカビ或いは中国産ピーナッツに発がん物質があるとの記事が相当出てきますが、ピーナッツの頭の部分に発がん物質が含まれているとの記事は見当たりません。赤茶色の薄皮にくるまれた状態で薄皮ごと食べるのが一番栄養が取れるのであれば、頭の部分も含めて丸ごと食べるのが一番良いことになります。

○ピーナッツの頭の部分とは、左のピーナッツ写真上部の出っ張った部分です。この部分が健康に悪いとの強い印象を持っていつも取り除いて食べる習慣でした。しかし、ここに更に重要な栄養素が入っているとしたら、勿体ない食べ方をしてきたことになります。この部分についての解説をしばらく探していきます。
以上:1,080文字
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H29-11-18(土):残念!全面禁煙厚労省改正案風前の灯火か-東京都全面禁煙条例に期待
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○厚労省が塩崎恭久氏から加藤勝信氏に替わったことで予想されていたことですが、誠に残念なニュースが飛び込んできました。平成29年11月16日付の「<受動喫煙対策>喫煙可、飲食店150平方メートル以下」というニュースです。

○平成29年7月5日付で「小池都知事、受動喫煙対策で国に先行 秋にも条例案」とのニュースもありましたが、どうなっているのでしょうか。小池都知事、希望の党の凋落、共同代表辞任で受動喫煙防止条例までやる気を失っていては困ります。東京都がいち早く厚労省の従前案同様厳しい受動喫煙防止条例を制定してくれれば、自民党の規制賛成派の力になるはずです。なんとしても頑張って貰いたいところです。

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<受動喫煙対策>喫煙可、飲食店150平方メートル以下
11/16(木) 7:00配信 毎日新聞


厚生労働省が受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正について、焦点となっている飲食店は店舗面積150平方メートル以下なら喫煙を認める新たな案を検討していることが分かった。当初の30平方メートル以下のバーやスナックに限る案から面積規制を大幅に緩める一方、新規出店や大手資本の店は認めないなどの要件も付ける方向。与党と調整した上で、2020年東京五輪・パラリンピックまでの全面施行を目指し来年の通常国会に法案提出する構えだ。【阿部亮介】

新たな案では、飲食店内は原則禁煙(喫煙専用室設置は可)だが、店舗面積150平方メートル(客席面積100平方メートル)以下なら店側の判断で喫煙可としてもいい。ただし、施行時点で開業し、大手チェーン店などではない中小企業や個人事業主が運営する店に限るなど、一定の歯止めをかける。面積による線引きは「臨時の措置」と位置づけるが、見直しの時期は明示しない。

また、未成年の受動喫煙被害を防ぐため、20歳未満の客や従業員の喫煙スペースへの立ち入りを禁じる。人気が高まっている「加熱式たばこ」については、一定の健康被害が確認できるとして、当面の間は喫煙スペースでのみ認める。

厚労省は病院や学校などの禁煙を19年9月開幕のラグビー・ワールドカップまでに先行実施し、20年4月に飲食店を含めた全面施行を目指す。世界保健機関(WHO)の受動喫煙対策の格付けが最低ランクの4番目から3番目に上がるのは、当初案と変わらない。

政府・与党は今年の通常国会で法改正する構えだったが、自民党が「飲食店が廃業に追い込まれかねない」などと厚労省案に反発。店舗面積150平方メートル以下なら喫煙できるとの対案をまとめ、厚労省は法案提出すらできなかった。法案作成を主導した塩崎恭久氏に代わって加藤勝信厚労相が就任したことで自民党案に近付いたが、党内には規制賛成派と緩和派がおり、調整が難航する可能性もある。受動喫煙対策の推進を求める患者団体などからも反発が出そうだ。


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小池都知事、受動喫煙対策で国に先行 秋にも条例案
2017/7/5付日本経済新聞 朝刊


東京都の小池百合子知事は4日、日本経済新聞の単独インタビューに応じ、自身が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」が都議選の公約に掲げた受動喫煙防止条例案を、早ければ9月の都議会定例会に提出する考えを示した。2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、受動喫煙対策で都が国より先行し、改革姿勢をアピールする狙いがある。

条例案は原則、屋内禁煙で罰則付きで、家庭内や車での喫煙を制限する「努力義務」も盛り込む予定。喫煙可能な飲食店の範囲を巡り、厚生労働省と自民党で調整がまとまらず、先の通常国会では受動喫煙対策を強化した健康増進法改正案の提出が見送られた。

小池氏は「国がもたついている中で、(五輪の)ホストシティーとしての役割を果たしていく」と強調。都議会改革を進めるため都民フの議員提案を軸に条例案を検討する考えを示した。都議選で小池支持勢力は過半数を超える79議席を獲得、条例案の成立は確実だ。

また、小池氏は「都政にまい進していく」と現段階での国政進出を否定し、都民フを支援した国会議員との連携については「国の改革を進めていくのを、遠くから応援したい」と述べた。

以上:1,783文字
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H29-11-17(金):極楽(しあわせ)・地獄(ふしあわせ)の岐(わか)れ路(みち)紹介
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○先日、広島県尾道市にある中国観音霊場第十番札所大宝山権現院千光寺をお参りしてきたという友人から「極楽(しあわせ)・地獄(ふしあわせ)の岐(わか)れ路(みち)」というパンフを頂きました。ネットを見ると、千光寺だけでなく、多くのお寺で配布しているようですが、少しでも「幸福への近道」に近づけるように備忘録とします。

   幸福への近道        不幸を自分で造る人
 □早起する人・熟睡できる人   □心の暗い人・不愉快に暮らす人

 □感謝して真剣に努力する人   □絶えず不満や愚痴の多い人

 □仕事を趣味に能率を計る人   □やる気がなくよくサボル人

 □義務も責任も進んで果す人   □無責任な人・法規を守らぬ人

 □時間を守る人・礼儀正しい人  □時間も「物」も無駄にする人

 □頼もしい人・融和を計る人   □陰口が多く人の和を乱す人

 □人も自分をも尊敬できる人   □卑下する人・自信なく焦る人

 □常に反省し素直に改める人   □信仰心がなく自我の強い人

 □何事も善意に解釈する人    □神佛に無理な願いをする人

 □注意深い人・決断の速い人   □心が狭くすぐ腹を立てる人

 □心身の健康を心掛ける人    □暴飲暴食・自分を粗末にする人

 □質素で金を活かして使う人   □お金を浪費し賭事をする人

 □孝心深い人・恩に報いる人   □悪友も道楽・閑(ひま)も多すぎる人

 □親切で人の為によく尽くす人  □公徳心なく迷惑を掛ける人

 □良心と優しい愛情に満ちた人  □利己的・気侭・自分本意の人

 □恥を知る人・偽りのない人   □迷いも取越苦労も多い人

 □信念に徹した人・辛抱強い人  □欲の深い人・自惚れの強い人

 □どんな苦難も悠々耐える人   □依頼心の強い人・苦労に負ける人

 □生き甲斐を求め精進する人   □義理より権利を主張する人

 □夢と希望に笑顔で生きる人   □貴重な一生を無為に過ごす人

以上:798文字
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H29-11-16(木):2017年11月16日発行第209号”弁護士のハムレット”
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横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成29年11月16日発行第209号「弁護士のハムレット」をお届けします。

○「簡潔さがウイットの本質」との言葉がハムレットが出典なんて初めて知りました(^^;)。「ウィット」とは、機知・頓知・才知なんて意味のようですが、「簡潔さ」は何事にも重要ですね。特に文章は、長く書けば説得力が出てくるなんて大間違いで、長い文章ほど読む方は読む気がなくなります。

○当HPは平成16年8月から始まっていますが、当初、一コンテンツ文字数は、800~1200位でしたが、年を経るほどに増えてここ数年は1500文字を超えるコンテンツばかりになっています。最近、アクセス数が減っているのは、この文字数が多すぎるのが原因の一つと考えています。他人のブログでも長いのは読む気にならないからです。反省して、判例紹介以外の記事は、長くても1200文字以内で、「簡潔」に表現する努力をしようと思った次第です。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士のハムレット


私は、劇を見るのが趣味なんです。少し前に、内野聖陽主演の蜷川ハムレットを見てきましたが、この劇は本当に「名言」の宝庫ですね。今更あらすじを書くのもなんですが、国王が不審な死を遂げた直後に、王妃が亡き国王の弟と結婚するわけです。国王である父を心から愛しているように見えた母が、あっという間に叔父と結婚したことを受けて、ハムレットは女性に対して強い不信感を持ちます。女には強い意志などなく、言い寄られるとすぐにナビクのだと言って、この名言が出てくるんです。「弱きもの、汝の名は女。

まあそうは言いましても、男も女も弱いものですから、あまり人のことは言えません。私なんか減量を決意して、何度くじけていることか。刑事事件を起こした人で、薬物や万引きを止められない人も沢山いるんです。「弱きもの。汝の名は人間。」です。

女性不信のハムレットですから、恋人にも冷たく当たります。「私はどうすればいいのでしょう」と恋人に聞かれたときの「名言」がこれです。「尼寺に行け!」。瀬戸内寂聴かよ!と、思わず突っ込みを入れたくなります。確かに尼寺に行けば、心変わりや不倫の心配はないけど、そういうもんじゃないでしょう。

ただ、刑事事件でも同じようなことがあるんです。罪を犯した人を弁護するときに、絶対に更生させますなんて主張するんです。痴漢を止められない人に、心療内科やカウンセリングを紹介して、立ち直りを助けるのも弁護士の仕事です。そういう努力を、検察官や裁判官に評価してもらい、少しでも軽い処分をお願いするわけです。でも、基本的に検察官は冷たいんですね。私が「こういう風に立ち直りの努力をしていますので、是非ご配慮をお願いします。」と検察官に言ったところ、「そういう人を直すところが刑務所です。」と言い返されちゃいました。け、「刑務所へ行け!」ですか。検事さん、あんまりだ。ううう。。。

女性不信のハムレットは、自分の母親にもお説教をします。「美徳を身につけていないのなら、せめてそのフリをしなさい。」貞節でなくとも、せめて見た目だけはそうしろと言うんです。い、嫌な息子だなあ。

でも、私も裁判の準備のときに、刑事事件の被告人に同じようなことを言うんです。大多数の被告人は、心から反省していますが、中には全く反省していない人が相当数います。自分は運が悪かったとか、本当に悪いのは被害者側だなんて思っているんですね。こんなこと、裁判で言われたらぶち壊しです。そこで私もハムレットに倣ってアドバイスしちゃいます。「反省していないのなら、せめてそのフリをして下さい。

このほかにも、ハムレットには本当に沢山の「名言」が出てきます。「金の貸し借りをしてはならない。金を貸せば金も友も失う。」なんて、現代日本でも普通に使われてますよね。

簡潔さがウイットの本質」なんていうのも、よく使われる名言です。ハムレットの中でこの名言を言う人が、自分自身では長々と退屈な話をするところがまた面白いんです。私も、若手弁護士には「もっと簡潔に!」なんて言いますが、自分は長々とした文章を書いちゃいます。。。「人が粗削りをすると、神が仕上げをしてくれる。」なんて名言も好きですね。うちの事務所でも、私がざっくりと「こうやろう!」と決めると、後は若手弁護士が細部までちゃんとやってくれるのです。おいおい。

劇の最後で、ハムレットも、叔父の国王も王妃も、みんな死んでしまいます。ハムレットの最後の名言が、またカッコいいんです。「あとは、沈黙。

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◇ 弁護士より一言

子供が大きくなって、この「一言」に書くことも無くなってきました。そこで娘に相談したんです。
「これからは、見た芝居について書こうと思うんだけどどう?内野聖陽の「ハムレット」の他にも生田斗真・菅田将暉の、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」も見ましたって。」娘は、「自慢?メチャクチャ嫌味じゃん!一言だけ読んでるファンは本物じゃないよ。本文頑張って!」もうすぐ娘は留学しちゃいます。心細くなってきたのでした。
以上:2,215文字
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H29-11-15(水):初めての北海道帯広行き-帰りは陸路で青函トンネル走行
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○「初めての北海道帯広行き-途中列車の揺れのひどさに驚き」の続きです。
平成29年11月14日(火)は帯広から仙台まで空路を使わず陸路で9時間の長旅でした。行程は、
帯広発08:51特急スーパーとかち4号→南千歳着11:07・同発11:15特急スーパー北斗10号→新函館北斗14:09着・同発14:44R新幹線はやぶさ26号→仙台着17:29
でした。

北海道新幹線は、平成28年3月26日に新青森-新函館北斗間が開通していました。最終的には、新青森-札幌間を結びますが、その開通予定は平成42年度末(2030年度末)とのことで平成29年現在まだ13年も先になります。新青森-新函館北斗間で青函トンネルを走行する北海道新幹線をいつか利用したいと思っており、帯広行きを機会に初めて利用できました。

○列車の遅れがあり帯広から特急スーパーとかち4号で2時間30分近くかけて南千歳へ、南千歳から特急スーパー北斗10号で3時間近くかけて新函館北斗駅に到着した時は、合計乗車時間6時間で結構疲れました。両列車ともグリーン席でしたが、揺れが相当酷かったからです。揺れのためノートPCでマウスを操るのが大変でした。

○特急スーパーとかち4号は、すれ違いの特急が遅れているとのことで、途中停車が2回ほどあり、予定より7分遅れで、南千歳駅に着いたのが午前11時15分近くで、乗換の特急スーパー北斗10号が、隣のホームに到着とほぼ同時でした。特急スーパーとかち4号ホームから特急スーパー北斗10号到着ホームに、重い旅行バッグを抱えて、必死で階段を駆け上がり、必死で降りて、間一髪乗車できました。遅れた列車を待ってくれるかと思っていたら、全く待ってくれません。日本の列車の運行時刻は厳格なことを実感しました。

○新函館北斗駅では35分程待ち時間があり、新幹線待合室で待っている内に「最初で最後のはやぶさグランクラス紹介1」で紹介したグランクラスに乗車したくなり、駅員にグリーン席との差額料金を確認するとなんと8120円とのこと。随分高いなと思いながら6年に1回くらい良いだろうと無理して、グランクラスに変えました。北海道内の揺れの酷い2つの特急に6時間も乗車して疲れを感じていたからです。

○新函館北斗駅でのグランクラス乗車客は2名だけでしたが、定刻スタートした瞬間、先ほどまでの北海道内特急列車と揺れが全く異なることを実感しました。音で表現すると「ガタゴト」が「スー」と言う感じです。出発後、瞬時に日本の新幹線技術力の高さは凄いものだと実感しました。ノートPCのマウス操作が机の上と同様に安定してできたからです。普段、仙台から東京行き新幹線で当たり前のことが、北海道内特急列車の揺れのお陰で、実は大変有り難いことが良く判りました。

○青函トンネルは、随分昔、在来線で通過し、途中で停車したような記憶がありますが、定かではありません。初めての北海道新幹線で青函トンネルの通過は、53.6㎞の案内が出ましたが、思ったより長くかかりました。その間、Wifiテザリングが圏外でネット使用ができなかったため長く感じたのかもしれません。勿論、途中停車もなく通過しましたが、普通のトンネルと変わりませんでした(^^)。
以上:1,327文字
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H29-11-14(火):初めての北海道帯広行き-途中列車の揺れのひどさに驚き
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○平成29年11月13日から「書留郵便等に付する送達)・公示送達のために必要な現地調査1」に記載した4代ほど前のご先祖様名義の土地について,全国に散らばった100数十名の相続人の方々を被告として、訴えを提起している事案のため帯広に来ています。

夕暮れのJR帯広駅近辺
    

○平成29年11月13日早朝仙台を出て、「平成28年事務所旅行石垣島・西表島・沖縄本島巡り第1日目スタート」以来、1年ぶりに仙台空港から北海道千歳空港までのANA国内便に乗りました。このときPCディスプレイ世界最薄15.6型液晶ASUS「MB168B+」2台を入れたまま旅行バッグを手荷物カウンターに預けたら、内1台液晶が壊れていました。

○そのためいつもの旅行バッグは、手荷物カウンターに預けないで、手荷物として機内持ち込みにしました。ところが手荷物チェックで旅行バッグの中に金属品があると指摘を受け、何度もチェックを繰り返されました。何度かチェックしているうちに小さな袋に入れたままにしていた「初めての熊本市ー歓楽街は仙台よりずっと広いです」にも記載していたアーミーナイフが出てきました。

○これは機内に持ち込めないとのことで、小さな段ボール箱に入れて貰い手荷物カウンターに預けることになりました。ところが手荷物カウンターで、これだけ預けるのも無駄となり、結局、小さな段ボール箱から取り出し、元の通り旅行バッグの小さな袋に入れて、更に旅行バッグからからPCディスプレイ2台を取り出し、旅行バッグ自体を預けることになりました。このアーミーナイフの遣り取りに20分近く時間を取られてイライラすることこの上ありませんでした。

○「初めての熊本市ー歓楽街は仙台よりずっと広いです」に「このアーミーナイフは小さなハサミや缶切り等色々な機能があり、安比高原への旅行に持参していましたが、こんなものでも危険物として機内持ち込み厳禁で、飛行機を利用するときは注意が必要です。 」と記載していたことをスッカリ忘れていました。

○南千歳駅から特急スーパーおおぞら5号グリーン席に乗車して2時間近くかけて帯広駅に着きましたが、列車の揺れがひどいのに驚きました。いつものようにノートPCを取り出して使用するも列車の揺れのためにマウスポインタが、安定せず、必要なクリックが中々決まりません。東北新幹線ではこのような経験はなく、東京都内から乗車する普通車両でもこれほど揺れを経験したことは殆どありません。日本国内、皆、同じ規格の線路を使っているはずなのに、特急スーパーおおぞら5号がこれほど揺れるのか不思議でした。

○初めて下りた帯広市は、相当寒いだろうと厚着をして行きましたが、まだそれほどの寒さではありませんでした。ホテルにチェックイン後、タクシーで住所を告げて調査目的地に向かうも、乗車したタクシーにはナビが着いていません。「書留郵便等に付する送達)・公示送達のために必要な現地調査1」に記載した横浜・川崎・江戸川区の調査では、ナビ付きタクシーで一発で目的地に到達しましたが、帯広では運転手さんの感で目的地に向かうもなかなか到達せず、乗車メーターを切って何度も周辺をぐるぐる回ってようやく目的地に到達した時は、ホッとして釣りは運転手さんにプレゼントしました。

付録 東京駅近辺建物(縦長写真)  
    
以上:1,366文字
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H29-11-13(月):建物建築請負人に建替費用相当額損害賠償を否定した神戸地裁判決紹介2
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○「建物建築請負人に建替費用相当額損害賠償を否定した神戸地裁判決紹介1」の続きで、昭和63年5月30日神戸地裁判決(判時1297号109頁、判タ691号193頁)の理由文の後半です。解説は、別コンテンツで行います。


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3 材料の品質、美粧仕上げ、空間性能
(一)使用木材の品質
 (証拠省略)によれば、室内のいわゆる見えがかりを持つ柱は、本件請負契約では、少なくても一面以上節のない柱を使用する約定であったのに、本件建物には、そのような無節の柱は全く使用されていない事実が認められ(る。)(証拠判断省略)
 右事実によれば、柱材については、その品質において本件請負契約に反する瑕疵があるというべきである。
 また、本件建物の小屋組材の一部に日本農林規格に適合しない品質の木材が使用されており、建築基準法37条違反の瑕疵があることは前示のとおりである。

(二)軸組架構
 柱の一部に傾きがある事実は当事者間に争いがないが、(証拠省略)によれば、本件建物は過半数の柱が一又は二方向に倒れており、特に顕著な傾きを示すものが一階に七本、二階に二本もあり、また敷居やかもいが傾斜している開口部や建具の立て付けが悪く隙間を生じ、居住性や美観上問題のある箇所もあるなどの事実が認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。
 前示のとおり、請負契約においては、明示の特約がなくても、請負の目的物が通常備えるべき品質・性能を具備すべきことは黙示に合意されているとみるべきところ、右事実によれば、本件建物は、柱の傾きや敷居・かもいの傾斜、建具の立て付け不良が顕著で、建物が通常備えるべき品質・性能を欠くといわざるをえないから、本件建物には、右の点について、本件請負契約(黙示の合意)違反の瑕疵があるというべきである。

(三)床面
 (証拠省略)によれば、本件建物には、1、2階共に床面の傾斜・不陸があり、その程度は顕著で0・5パーセントを越える部分もあって、静止させたラムネの玉が自然に転がり出すほどである事実が認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。
 右事実によれば、本件建物には、床面が水平であるという建物が通常備えるべき品質・性能を欠いているから、本件請負契約(黙示の合意)違反の瑕疵があるというべきである。

(四)室内高
 (証拠省略)によれば原告は背丈が高いほうであり、子供達も伸び盛りなので、原告は、本件請負契約において、かもい高(敷居からかもいまでの内法の高さ)を180センチメートルにするよう注文し、被告会社もこれを承諾したこと、しかるに、施工の結果はかもい高が175センチメートルしかなく、原告らは日常生活のうえで不便をしている事実が認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。
 右事実によれば、本件建物のかもい高には、請負契約に反する瑕疵があるというべきである。

(五)土壁及び小舞下地
 (証拠省略)によれば、本件建物では荒壁の裏返し塗りが施工されてなく、また壁の下地に竹小舞のほかラスボードが使用されている事実が認められ、他に右認定に反する証拠はない。
 しかし、これらは、本件請負契約に別段の約定はなく、建物が通常備えるべき品質を欠くものともいえず、かつ、建築法規に違反するものでもないから、いずれも瑕疵ということはできない。

4 まとめ
 以上のとおり、本件建物は、随所に本件請負契約の約定や建築基準法・同法施行令の関係条項に違反する瑕疵を帯有しており、いわゆる欠陥住宅である。とりわけ基礎及び軸組構造は、本件建物に作用する荷重や外力に対して法定の構造耐力上の安全性に欠けているから、本件建物は、地震や台風等の振動・衝撃を契機にして倒壊しかねない危険性を内蔵する建築物であるといわざるをえない。

四 被告らの責任
1 被告芦田

(一) 被告会社が木材販売業のかたわら建築請負業を営む株式会社であり、被告芦田がその代表取締役で、本件建築工事の施工を担当した事実は弁論の全趣旨により明らかである。

(二) (証拠省略)によれば、被告会社は、建築工事の施工に当たり、使用木材は自ら調達したが、基礎工事・木工事等の主要部分の工事はそれぞれの専門業者に下請負いさせ、そのうち木工事については、かねてよく頼んでいた大工に依頼できなかったため、初めて頼む業者に発注し、木工事全般を施工させたことが認められ、他に右認定に反する証拠はない。

 前示のとおり、本件建物には、基礎や軸組構造の欠陥、柱の傾き、床面の不陸及びかもい高の不足等、その随所に瑕疵がみられるが、これら瑕疵は、使用木材の品質不良を除き、下請業者の工事の手抜き又は工事の不十分さに起因するものと認められ、本件建築工事の施工を担当した被告芦田としては、絶えず工事現場に臨み、下請業者に対し適切な指示を与えるなどして、本件建物が請負契約及び建築基準法・同法施行令に適合し、かつ、住宅として通常備えるべき品質・性能を保持すべき建築物に仕上げるよう、下請業者の施工を十分に管理すべき注意義務があったというべきである。

 しかるに、(証拠省略)によれば、被告芦田は、木材の取引については豊富な実務歴を有するものの、建築について専門に学んだことはなく、友人の大工の手伝いをしたりするうち見よう見真似で住宅建築の一通りの工程を身に付けたものに過ぎず、建築基準法や建築基準法施行令で定める建物の構造基準等に関する知識はきわめて乏しいことが認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。(証拠省略)は「急所急所は行っていました」と述べるものの、右のように建築法規にうとい被告芦田であってみれば、工事現場に臨んでも、下請業者に対し、建築基準法や同法施行令に適合する建物に仕上げるよう適切な指示を与えることなど期待しうべくもなく、十分な施工管理ができたということは到底できない。

 のみならず、柱の傾きや床面の不陸など本件建物が住宅とした通常備えるべき品質・性能を欠いていることや、かもい高の不足のように明示の約定に反して施工がなされた事実は、被告芦田の施工管理がいかに杜撰であったかを推認するのに十分である。
 以上によれば、被告芦田には少なくとも施工管理上の過失があるというべきである。

(三)右認定のとおり、本件建物に使用された木材は、木材販売業をも営む被告会社が自ら調達したものであるが、前示したとおり、使用木材のうち、小屋組材の一部には建築基準法に適合しないものがあり、また、本件請負契約に反して本件建物には室内のいわゆる見えがかりを持つ柱に無節の柱が全く使用されていないのである。
 右事実によれば、被告会社の代表者である被告芦田には品質不良の木材を使用することについて故意が認められる。

(四)よって、被告芦田には、本件建物の瑕疵について、故意又は過失があるから、民法709条に基づく不法行為責任を負うべきである。

2 被告会社
(一)前示のとおり、被告会社は昭和54年5月20頃建築工事を完了し、その頃本件建物を原告に引渡したが、本件請負契約に基づく本件建物の施工に関して前記の瑕疵が存在するのであるから、被告会社は、原告に対し、民法634条二項による担保責任として、瑕疵の修補に代わる損害賠償をすべき責任がある。

(二)被告会社の代表取締役である被告芦田に不法行為が成立すること前示のとおりであるから、被告会社も、民法44条一項に基づき不法行為責任を負い、原告の蒙った損害を賠償すべきである。

(三)原告は、選択的(択一的)主張ながら、被告会社に対し、民法415条に基づき債務不履行(不完全履行)による損害賠償を求めている。
 しかし、請負工事の瑕疵による請負人の責任については、不完全履行の一般理論は排斥されると解すべきである。けだし、請負工事の瑕疵による請負人の責任については民法634条以下に詳細な規定があり、これらは不完全履行に関する一般理論の特別規定とみるのが相当であるからである。

(四)以上によれば、被告会社は、請負人の担保責任又は法人の不法行為責任のいずれかにより、原告に対し、本件建物の瑕疵による損害について賠償責任を負うものである。

五 原告の損害について
1 本件建物の前記瑕疵のうち、火打材・振れ止め・根がらみ貫等の欠落、床面の不陸、建具の立て付け不良等の部分的瑕疵が相当な方法により修補可能であることは弁論の全趣旨により明らかである。しかし、建物の基礎や軸組構造にかかわるその余の瑕疵、及び柱の傾き、かもい高の不足、使用木材の品質不良等の瑕疵は、これらを瑕疵のない完全なものとするためには新しく建て替えるか、又はこれに匹敵する大修繕を必要とするものばかりであるから、その修補が物理的に不可能ではないにしても、社会通念上は、これらの瑕疵の修補は不能というべきである。そして、本件建物では、修補可能な瑕疵は全体の瑕疵の一部に過ぎず、大半の重大な瑕疵はいずれも修補不能な瑕疵であることを考慮すると、本件建物の瑕疵は全体として修補不能であるとみて、原告の損害額を検討するのが相当である。

2 原告は、本件建物が木造住宅としての安全性にかけ、強風や地震により倒壊する恐れがあることや、新築注文住宅なので、瑕疵修補の方法は単に性能を回復するだけの継ぎはぎだらけのものであってはならないことを理由に、本件建物の瑕疵を除去するには、これを取り壊し設計図書通りに再度建て替えるほかに相当な修補方法はなく、これに相当する損害が原告に生じているとして、本件建物の建替え費用等の損害賠償を請求している。

 しかし、当裁判所は、原告の右主張のうち、建替え費用及び建替えを前提とする諸費用についても本件建物の瑕疵により原告の蒙った損害であるという部分は、到底採用しえないものであると考える。その理由は次のとおりである。
(一)原告は、本件建物の瑕疵の修補が物理的に不可能ではないことを前提に、その修補に要する費用(建替え費用)等相当額を損害と主張しているものと解されるが、本件建物の瑕疵は、前示のとおり社会通念上修補不能であり、そもそも瑕疵修補の請求はできない事案である。

(二)瑕疵修補の請求ができない場合に、注文者が請負人に対して請求しうる損害賠償の額は、一般的に言って、瑕疵を修補するために要する費用ということはできない。このことは、民法634条1項但書の趣旨からも明らかである。

(三)民法635条但書により、建物やその他の土地の工作物については、契約の目的を達することのできない瑕疵があっても、請負契約を解除することはできず、右規定は強行規定と解されているのに、建替え費用等を損害と認めることは、実質的に契約解除以上のことを認める結果になる。

(四)瑕疵修補の請求ができない場合の損害賠償の額は、目的物に瑕疵があるためにその物の客観的な交換価値が減少したことによる損害を基準にして、これを定めるのが相当である。何故なら、右の考え方は、財産上の損害のとらえ方について、請負人の担保債任、売主の瑕疵担保責任及び物の毀損による不法行為責任の全てに共通した理解を可能にするからである。

 以上によれば、本件建物の瑕疵により原告の蒙った財産上の損害は、瑕疵があるために本件建物の客観的な交換価値が減少したことによる損害と解すべきであるから、原告主張の損害のうち,本件建物の建替え費用及び建替えを前提とする諸費用(請求原因5の(二)の(1)ないし(3)及び(6))は全て理由がなく、失当といわざるをえない。

 原告は、本件建物の瑕疵により原告の蒙った損害として、瑕疵があるために本件建物の客観的な交換価値が減少した事実を明示的に主張するものではないが、原告の主張中にこれが黙示的に含まれるものと善解しても、原告は、建替え費用及び建替えを前提とする諸費用の請求に固執する余り、右瑕疵による本件建物の価値の減少額について鑑定等による立証を何らしようとせず、結局、本件において右価値の減少額を認めるに足る証拠は皆無なのである


3 調査・鑑定費用
 (証拠省略)によれば、原告は、本件建物の瑕疵に関する資料を収集するため、建築専門家による調査・鑑定を必要としたことから、本件建物の瑕疵とその修補の方法・費用等について一級建築士に調査・鑑定を依頼し、その費用として45万円を支払ったことが認められ、他に右認定に反する証拠はない。そして、前記認定のような本件建物の瑕疵の内容、程度、その判定の困難性等を考えると、原告の支出した調査・鑑定費用45万円は、本件建物の瑕疵と相当因果関係にある損害と認めるのが相当である。

4 慰謝料
 (証拠省略)によれば、原告は、念願の自宅を新築したものの、本件建物に入居直後から種々の欠陥に悩まされ、やがて建築専門家に調査・鑑定を依頼した結果、本件建物には基礎や軸組構造に重大な瑕疵があることが判明し、大きな精神的打撃を受けたことが認められる。そして、本件建物の瑕疵の内容・程度その他一切の事情を総合し、とりわけ本件建物がいわゆる欠陥住宅でその瑕疵は重大であるのに、原告の主張立証のまずさから瑕疵の修補に代わる損害賠償が認容されなかった事情があるので、この回復されない損害をも考慮して、慰謝料の額は100万円を相当と認める。

5 弁護士費用
 (証拠省略)によれば、原告は、本件訴訟の追行を弁護士である原告訴訟代理人に委任し、相当額の費用・報酬の支払いを約したことが認められる。そして、被告芦田が不法行為責任を、被告会社が担保責任のほか不法行為責任を負うことは前示のとおりであるから、本件事案の内容、損害額その他一切の事情を考慮し、被告らが負担すべき相当因果関係にある原告の弁護士費用は100万円とするのが相当である。

6 まとめ
 以上によれば、原告の損害額は245万円となる。

六 相殺
1 対立する債権
(一)本件請負契約の工事代金が1160万円で、うち1050万円が支払済みであること、被告会社主張の追加工事のうち、水洗便所・風呂場関係について工事代金が合計22万円で、うち20万円が支払済みであること、以上の事実は当事者間に争いがない。

(二)(証拠省略)によれば、右水洗便所等以外にも、代金35万円で屋根の庇を銅版葺にした工事及び代金3、4万円で外裏の窓を一か所開けた工事はいずれも原告の注文による追加工事であったことが認められ(る。)(証拠判断省略)しかし、被告会社主張のその余の追加工事については、原告との間にそのような工事を約した事実を認めるに足る証拠はない。
 右によれば、原告は、被告会社に対し、前記水洗便所・風呂場関係のほか、庇の銅版葺及び外裏の窓関係の追加工事代金として少なくとも38万円を支払うべき義務があるというべきである。

(三)以上によれば、本件建物の請負代金は本工事分1160万円、追加工事分60万円であるところ、原告は、本工事分のうち1050万円、追加工事分のうち20万円をそれぞれ支払っているから、請負代金の残金は150万円となる。

(四)一方、(証拠省略)によれば、原告は、本工事代金のうちガス工事費・掃除養生費等合計27万1150円を、本件建築工事中被告会社のために立替えた事実が認められ、他に右認定に反する証拠はない。したがって、原告は、被告会社に対し、右同額の求償債権を有するものというべきである。

(五)その他、原告が被告会社に対し245万円の損害賠償債権を有することは前示のとおりである。

2 相殺の効果
(一)原告が、昭和61年11月5日の本件第24回口頭弁論期日において、被告会社に対し、原告の損害賠償債権及び求償債権をもって被告会社の請負代金債権と、その対当額で相殺する旨の意思表示をした事実は訴訟上明らかである。

(二)ところで、相殺の効力は相殺適状の生じた時にまで遡るので、対立する各債権の弁済期について検討するに、(証拠省略)によれば、請負代金は工事完成時に完済する約定であったこと、また前記認定の事実によれば、原告の立替金は遅くとも工事完成前に支出されたことがそれぞれ認められ、他に右認定に反する証拠はない。そして本件建物の瑕疵による損害賠償債権は、その根拠が請負人の担保責任であれ、不法行為責任であれ、いずれも建物の引渡しの時に発生するものと解するのが相当である。

 前示のとおり、本件建物の完成は昭和54年5月20日頃で、その頃本件建物が原告に引き渡されているから、右各債権の弁済期は昭和54年5月20日とみるべきであり、本件相殺はその日に遡って効力を生じたことになるが、立替金をもって先ず請負代金と対当額で相殺することが原告の意思に合致するものと推認されるから、相殺の結果、原告は、被告会社に対し、122万1150円の損害賠償債権を有することになる。

七 結論
 以上の理由により、原告は、被告芦田に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、245万円及びこれに対する不法行為の日の後であり、本件訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな昭和56年8月13日から、被告会社に対し、請負人の担保責任による瑕疵の修補に代わる損害賠償請求権又は不法行為による損害賠償請求権に基づき、122万1150円及びこれに対する本件建物の引渡しの日かつ不法行為の日の後であり、本件訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな昭和56年8月13日から、各支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める権利があるというべきである。
 よって、原告の本訴請求は、右の限度で理由があるから認容するが、その余は失当として棄却することとし、民訴法89条、92条本文、93条一項本文、196条一項を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 白井博文)

別紙 物件目録(省略)
以上:7,291文字
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H29-11-12(日):TS協会平成29年11月例会-バグパイプ演奏を聴く会開催
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○平成29年11月11日(土)は、東北スコットランド協会(TS協会)の平成29年11月例会として会員鈴木富延氏のバグパイプ演奏を聴く会をツルカメ第二スタジオで開催しました。参加者は、会長引地功侃さん、事務局長鈴木澄男さんの外会員(予定者含む)12名の14名でした。メインイベント、富延さんのバグパイプ演奏は、マンションサイズ48㎡(14.52坪)、天井高2.3mのツルカメ第二スタジオには、耳を塞ぎながら聴いている会員もいたほどの物凄いとしか表現できない強大な音でした。

○富延さんは、平成2年頃、たまたま出会ったバグパイプ演奏に強く惹かれて、日本から遙か離れたスコットランドのエジンバラバグパイプスクールに通ったほどのバグパイプ好きで、平成3年頃から当時仙台で唯一のバグパイプ奏者故吉田正三氏に師事して研鑽を積みました。そして、平成2年から始まったTS協会主催「スコッチウイスキーの夕べ」冒頭の「ハギスセレモニー」でのバグパイプ演奏を、平成5年頃から、吉田正三氏を引き継いで担当して頂きました。確か、当時、吉田正三氏は80代に達しており、強く大きな肺活量を必要とするバグパイプ演奏が困難になり、唯一の弟子の富延さんと交替しました。

○「東北スコットランド協会便りの一例紹介」での平成4年5月1日発行「東北スコットランド協会便り」には、「5月30日現在で、会員約100名のうち約30名の会員が1991 年度の会費が未納です。」なんて記載があり、平成2年に設立したTS協会は、一時は100名近い会員を集めて、年1回のメインイベント「スコッチウイスキーの夕べ」を始め、結構、積極的に活動していました。日本スコットランド協会(JSS)の会員の方々がTS協会にも参加して頂いたからでした。

○そのTS協会、平成2年10月に第1回「スコッチウイスキーの夕べ」を当時の宮城第一ホテル大広間で開催し、その後、毎年秋の恒例行事となり、平成12年頃まで11,2回開催したところで、いったん、休止となりました。事務局長鈴木澄男さんや私も業務多忙となって、メインイベント「スコッチウイスキーの夕べ」開催準備等協会活動に負担を感じてきたからでした。何よりも、10回も開催したら飽きてきたことでした(^^;)。

○それが「東北スコットランド協会再興会議と規約」記載の通り、平成19年1月、再興しようとなり、細々とながら、内輪での会合を年に1,2回ほど開催を継続してきました。TS協会活動は、事務局長鈴木澄男氏の意欲にかかっていますが、同氏はここ数年の想定外の激務から解放されて、これからは積極的に活動していくと張り切っています。

○富延さんのバグパイプ演奏を聴く会ですが、前座として会員素人演芸を披露することになり、中原寛子会員のオカリナ演奏、庄子善昭氏の木管フルート演奏、それに私のフラメンコギターと厨川謙次氏のボンゴ、更に飛び入りとして中学3年生女子の見事なピアノ演奏まで加わりました。

○私の演奏は、ツルカメ第二スタジオの4台のハイビジョンカメラを配置して「HDMI対応4chコンパクトスイッチャーVR-4HD」で切り替えながら録画を試みました。カメラの1台は、右手の動きをアップで写すものもありました。しかし、例によって小心者の私は、カメラに囲まれ、更に聴衆に囲まれて、スッカリ緊張して、ミスを連発して、到底、その録画を見る気持にはなれない最悪の出来でした。飛び入りで、全くミスなく難曲を弾き熟し、聴衆に感動を与えてくれた中学3年生の強心臓が羨ましい限りです(^^;)。
以上:1,463文字
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H29-11-11(土):建物建築請負人に建替費用相当額損害賠償を否定した神戸地裁判決紹介1
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○「建物建築請負人に建替費用相当額損害等賠償支払を命じた大阪地裁判決紹介2」に続いて、建物建築の請負人に対する瑕疵修補に代わる損害賠償につき、建替え費用相当額の損害を否定した昭和63年5月30日神戸地裁判決(判時1297号109頁、判タ691号193頁)の理由文を2回に分けて紹介します。

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理   由
一 原告が、昭和53年11月16日、被告会社との間で、原告を注文者、被告会社を請負人として、本件建物の建築工事に関する請負契約を締結し、右請負契約に基づき、被告会社が、昭和54年5月20日頃、右建築工事を完了し、その頃、本件建物を原告に引渡した事実は当事者間に争いがない。

二 (瑕疵の判断基準)
1 請負の仕事の目的物に瑕疵があるとは、完成された仕事が契約で定めた内容通りでなく、不完全な点を有することであるから、瑕疵があるか否かを判断するに当っては、まず契約によって定められた仕事の具体的内容が何であったかを図面や見積書、当事者間の了解事項等で確定する必要があり、これに反する工事内容があったり、低級の品質の材料が使用されておれば、仕事の目的物に瑕疵があることになる。

 また、明示の特約がなくても、請負の目的物が通常備えるべき品質・性能を具備することも黙示に合意されているとみるべきであり、建物の建築工事において、雨漏りや顕著な壁の亀裂、柱の傾き、床の不陸があれば、仕事の目的物に瑕疵があることになる。そのほか、建物の建築工事において、契約の内容が不明確な場合は、当事者間には少なくとも建築基準法の「第二章建築物の敷地、構造及び建築設備」(同法施行令の関係部分を含む。)に適合した建築工事をする合意ができたものと推認するのが相当であり、同法に適合しないことは建築工事に瑕疵があるというべきである。蓋し、建築基準法第二章は、建築物が安全であるための構造等に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図ることを目的とし、国民に対してその遵守を義務づけているからである。

2 本件建物が住宅金融公庫の融資住宅でない事実は当事者間に争いがないが、原告は、本件請負契約において、被告会社が工事内容は公庫基準及び公庫仕様に拠る旨を約したとして、本件建物には公庫基準及び公庫仕様に適合しない瑕疵があると主張する。
 右約定の存在について、(証拠省略)はその主張に沿う供述をし、(証拠省略)にも検査時期の欄に「国庫に準ず」なる記述が認められるけれども、(証拠省略)に照らすと、原告本人の右供述はにわかに措信し難く、また甲第一号証の一の右記述も未だ原告主張の約定を認めるのに十分ではなく、他に右約定を認めるに足る証拠はない。

 原告は、公庫基準及び公庫仕様は我が国における木造庶民住宅の標準仕様であるから、仮に被告会社との間で、これに拠る旨の明示の約定がなかったとしても、黙示の合意はあったとみるべきであるし、これに拠るべき事実たる慣習も存在すると主張する。しかし、そのような黙示の合意も、事実たる慣習も、これを認めるに足る確たる証拠はない。
 したがって、本件建物の建築工事において公庫基準及び公庫仕様に適合しない箇所があっても、それを理由に瑕疵があると極め付けることは相当ではない。

三 そこで、右の判断基準に従い、本件建物の瑕疵について判断する。
1 基礎
(一) 割栗地業

 (証拠省略)によれば、本件建物の基礎の下には、割栗石がなく、土木工事の道路用砕石(クラッシャランのようなもの)が投込み敷きに敷いてあるだけの状態であること、公庫仕様では、割栗地業は割栗石を根切り底に隙間なく小端立てに張り込み、目潰し砂利を敷き、ランマー等で十分に突き固めることとしていること、割栗地業は地盤の突固めを効果的に行うことを主な目的としていること、以上の事実が認められ(る。)(証拠判断省略)

 ところで、地業の形態については、本件請負契約に具体的定めはなく、建築基準法施行令38条1項は「建築物の基礎は、建築物に作用する荷重や外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない」と定め、地業も広義の基礎工事の一部に含まれるけれども、右規定が地業の形態を割栗地業でなければならないと定めたものとも解されず、他にこれを定めた法規はない。そして、本件地業が、本件建物の基礎のための地業として構造耐力上の安全性に欠けることを認めるに足る証拠はないから、公庫仕様と比較し、地盤補強の上で些か劣るものがあることは否定できないけれども、これをもって未だ建築工事の瑕疵ということはできない。

(二)基礎底盤
 (証拠省略)によれば、本件建物の布基礎(帯状の基礎コンクリート)は、投込み敷きに敷いてある砕石の上に、型枠なしに流し打ちした不整形のコンクリートがあり、その上に立上がり部分が作られているもので、布基礎の下部に逆丁字型の整形された底盤は存在しないこと、流し打ちしたコンクリートの厚さは7~10センチメートルあるが、幅は一定しないこと、公庫仕様では、本件建物と同じ木造二階建住宅の布基礎には、型枠施工による厚さ12センチメートル・幅32センチメートルのフーティング(基礎底盤)が必要とされ,布基礎の形状は逆丁字型でなければならないこと、型枠なしにコンクリートを流し打ちした場合、水分が地盤に吸収されて強度の落ちる恐れがあり、また、底盤が不整形の場合は不同沈下のため底盤がせん断する恐れもあること、基礎底盤は、基礎の接地面積を広げ、建物の基礎をして荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、構造耐力上安全なものにするため有効なものであること、以上の事実が認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。

 ところで、本件建物の基礎の形状については、本件請負契約にも、また建築基準法・同法施行令にも別段の定めはないが、建築物の基礎は、前記のとおり、「建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない」(建築基準法施行令38条一項)とされているから、本件建物の基礎の形状の当否及びその構造耐力上の安全性は、右条項に照らして検討されなければならない。そして、建築基準法20条二項に規定する建築物(同法六条一項2、3号に掲げる建築物)の構造計算は、建築基準法施行令「第八節 構造計算」の規定によらなければならない(建築基準法施行令81条一項)が、本件建物は木造二階建てであり、右建築物に含まれないこと明らかであるから、本件建物の基礎の安全性は、建築基準法施行令所定の構造計算によるまでもなく、他の証拠によりこれを判断しうるものである。もっとも右法定の構造計算により、その安全性を確かめることを妨げられるものではないが、本訴においては、そのために必要な資料が十分でなく、本件建物の基礎の安全性を構造計算によって判断することは困難である。

 そこで、更に検討するに、(証拠省略)によれば、建築業界の通念として木造二階建住宅の布基礎には底盤が必要であり、その底盤は逆丁字型の整形されたものであることが望ましいこと、型枠なしにコンクリートを流し打ちした場合でも、そのコンクリートに十分な幅と厚さがあれば構造耐力上差し支えなく、底盤付き布基礎と見られなくもないが、本件建物の基礎に流し打ちされた前認定のような形状のコンクリートでは、幅・厚さ共に不足しており、到底基礎底盤とはいえないことが認められ(る。)(証拠判断省略)

 被告らは、いわゆるツーバイフォー工法(枠組壁工法)による二階建ての建築物では、建設省告示で基礎底盤は不要とされている以上、本件建物の基礎底盤には鉄筋が入れてあるから、本件建物の基礎は安全性において十分である旨主張する。
 しかし、先ず、枠組壁工法を用いた建築物は、その構造方法の特殊性の故に、建設大臣が定めた安全上必要な技術的基準に従えば足りる(建築基準法施行令80条の二第一号)が、(証拠省略)によれば、枠組壁工法を用いた建築物は、在来工法による建築物と比較し、建築物の固定荷重(自重、建築基準法施行令83、84条参照)が著しく軽いことが認められ、一方、本件建物が在来工法による建築物であることは弁論の全趣旨により明らかであるから、被告ら主張のとおり、建設省告示で枠組壁工法により二階建ての建築物には基礎底盤が不要とされているにしても、これをもって本件建物の基礎の安全性に関する判断基準にすることは相当でない。また、本件建物の布基礎に底盤といいうるものがないことは前示のとおりであるが、底盤に代えて流し打ちしたコンクリートの中に鉄筋が入れてある事実も、これを認めるに足る証拠はない。

 以上によれば、基礎底盤は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全な基礎にするため、木造二階建住宅には必要なものであるのに、本件建物にはこれがないから、本件建物の基礎には、建築基準法施行令38条1項所定の構造耐力上の安全性に欠ける瑕疵があるというべきである

2 軸組構造
(一)繋ぎはり

 (証拠省略)によれば、軒けたの水平方向の移動を防ぐ構造部材である繋ぎはりが、本件建物では要所で多く欠落している事実が認められる。構造部材であるはりの配置について、本件請負契約に具体的定めはないが、建築基準法施行令36条2項によれば、「建築物に作用する水平力に耐えるように、つりあいよく配置すべきものと」されているから、繋ぎはりの欠落は建築工事に瑕疵があるというべきである。

(二)使用木材の品質
 (証拠省略)によれば、目視できる範囲で、二階大屋根の小屋組に使用されている丸太はりに虫が生存していた形跡があり、また、小屋組材には総じて割れ・腐れ・欠け・虫穴・入り皮が多く見られ、一部に日本農林規格に適合しない品質の木材が使用されている事実も認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。横架材(はり、けた)、小屋組等の「構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質」について、本件請負契約に格別の定めはないが、建築基準法施行令41条によれば、「節、腐れ、繊維の傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものでなければならない」とされており、また、これら主要構造部の建築材料の品質は、日本農林規格に適合するものでなければならない(建築基準法37条)から、小屋組材の一部には、構造耐力上の欠点を問うまでもなく、建築基準法37条違反の瑕疵があるというべきである。しかし、右丸太はりについては、構造耐力上の欠点や日本農林規格に適合しない品質のものである事実を認めるに足る証拠はない。

(三)仕口・継手
 仕口・継手の方法について、本件請負契約に別段の定めはないが、建築基準法施行令47条一項は、「構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、ボルト締、かすがい打、込み栓打その他これらに類する構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならない」と定めている。ところが、本件建物の目視可能な小屋組構造部材の仕口をみるに、(証拠省略)によれば、小屋づかとけた、はりとの結合にかすがい等の金物補強が全く無く、小屋づかの上部・下部の仕口も、ほぞ・ほぞ穴の加工が粗雑で結合が甘く、つかが倒れていたり、母屋が浮き上がっていたり、ほぞとほぞ穴の方向が合わず、ほぞを切り落として突付けにし釘一本止めのまま放置している箇所などがあり、また繋ぎはりに仕口のほぞ加工がなく、突付けで釘打ち止めをしただけのものもあること、鑑定の結果によれば、筋かいとはりとの間に約1・5センチメートルの隙間がある上に補強金物もない等の事実が認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。
 右事実によれば、本件建物は構造耐力上主要な部分である仕口が十分に緊結されているとはいえず、建築基準法施行令47条1項に反する瑕疵があるというべきである。

(四)斜材又は軸組
(1)壁又は筋かい入り軸組

 本件請負契約に約定はないが、建築基準法施行令46条一項によれば、木造建物「にあっては、すべての方向の水平力に対して安全であるように、各階の張り間方向及びけた行方向に、それぞれ壁を設け又は筋かいを入れた軸組をつりあいよく配置しなければなら」ず、二階以上の木造建物では、右壁又は筋かいを入れた軸組の量は各階ごとに法定の必要数値を充足する必要があり、その数値の算定式が法定されている(同条三項)。ところが、(証拠省略)によれば、本件建物の一階における壁又は筋かいを入れた軸組は、法定の必要数値に対し、けた行方向で56・6パーセント、張り間方向で79・9パーセントしかなく、法定の構造基準を充足していないこと、また、鑑定の結果によれば、取り付けられた筋かいに、はりとの間に約1・5センチメートルの隙間があり、金物補強もなく、筋かいとして有効でないものがあること、以上の事実が認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。
 右事実によれば、本件建物は建築基準法施行令46条1、3項に反し、水平力に対して安全性を欠く瑕疵があるというべきである。

(2) 火打材
 火打土台が土台のゆがみを防ぐため、また火打ばりがはりとけたの接合部を固めるため、土台、二階の床組及び小屋はり組のすみずみに取り付けられる斜材で、いずれも建物のすみを平面的に固めるため、耐震、耐風上有効な補強構造部材であることは(証拠省略)により明らかであり、そのため、建築基準法施行令46条二項は「床組及び小屋はり組の隅角には火打材を使用しなければならない」と定め、(証拠省略)によれば、本件請負契約の図面でも二階床組及び小屋はり組の一部には火打ばりを取り付けることになっていることが認められる。しかるに、本件建物に火打土台の取付けが全くない事実は当事者間に争いがなく、(証拠省略)によれば、火打ばりも目視可能な範囲で欠落が多く、取り付けてある火打ばりには、仕口加工が悪く緊結されていないため、有効な火打ばりとして機能していないものがある事実が認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。

 右事実によれば、本件建物は本件請負契約及び建築基準法施行令46条2項に反し、構造耐力上の瑕疵があるというべきである。
 (なお、被告らは、建築基準法施行令46条においても、火打材は絶対不可欠のものとされているわけではないと主張する。しかし、現行の同条2項には但書で例外が設けられているが、本件請負契約が締結された昭和53年11月当時施行の同条2項には但書はなく、火打材の使用は絶対不可欠であったことを付言しておく。)

(3)小屋組の振れ止め・けた行筋かい・小屋筋かい
 本件請負契約に約定はないが、建築基準法施行令46条2項は「小屋組には振れ止めを設けなければならない」と定めている。(証拠省略)によれば、振れ止めは、和式小屋組が水平外力に対して比較的脆弱なことから、小屋組を補強するため取り付けるものであることが認められるから、右にいう振れ止めには、同じ目的のいわゆる小屋筋かい及びけた行筋かいを含むものと解すべきである。ところが、小屋組の振れ止めを施工していない事実は当事者間に争いがなく、(証拠省略)によれば、本件建物には振れ止めのみならず、これら小屋組補強の三部材が全く欠落していることが認められ、他に右認定に反する証拠はない。
 右事実によれば、本件建物には建築基準法施行令46条2項に反する瑕疵があるというべきである。

(4)根がらみ貫
 本件建物に根がらみ貫の施工のない事実は当事者間に争いがない。
 (証拠省略)によれば、根がらみ貫の取付けは、床の移動荷重や衝撃荷重によってつかがつか石から浮き上がったり、移動することを防止するのが目的であり、確立された床組の補強材であることが認められる。したがって、請負契約に別段の定めはないけれども、建築基準法施行令36条1項は建築物に根がらみ貫の取付けを義務付けているものと解すべきであるから、本件建物には右の点につき瑕疵があるというべきである。
以上:6,622文字
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H29-11-10(金):建物建築請負人に建替費用相当額損害等賠償支払を命じた大阪地裁判決紹介2
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○「建物建築請負人に建替費用相当額損害等賠償支払を命じた大阪地裁判決紹介1」の続きで理由文の後半です。
昭和59年12月26日大阪地裁判決(判タ548号181頁)理由文前半で、以下の通り、瑕疵のオンパレードを列挙しています。

・本件建物の土工事及び基礎底盤には、いずれも基礎の構造耐力に影響を及ぼす欠陥があると認められるから、土工事及び基礎底盤工事の瑕疵がある
・通し柱に、新築建物に不相当な腐朽部分及び入り皮のある材が使用されたことにより、本件建物の構造耐力に影響を及ぼすものと認められるから、通し柱工事の瑕疵がある
・人の目につきやすい和室の管柱に新築建物に不相当な美匠上見苦しい材が使用されているのであるから、管柱工事の瑕疵がある
・新築建物に不相当な不良材が使用されているのであるから小屋裏の梁材工事に瑕疵がある
・基準法施行令に違反する筋かい材の設計・施行がなされているのであるから、筋かい材の設計及び施行の瑕疵がある
・木材の品質において約定より劣るものが採用されているのであるから、部材の施工に瑕疵がある
・瑕疵(3)の(イ)(ロ)(ト)は、本件請負契約に違反し、瑕疵(3)の(ニ)は建築基準法施行令46条2項に、同(3)の(ホ)は同施行令47条1項に、同(3)の(ヘ)は同施行令43条5項に違反しており、瑕疵(3)の(チ)の点も、建物の施工における基本的な欠陥というべきであるから、本件建築工事の瑕疵にあたる
・構造計算上の安全性を考慮して間仕切り壁の設計をなさなかつた点に間仕切りに壁設計の瑕疵がある
・本件床下の地盤高工事については、敷地の衛生面に関し、基本的な欠陥があると認められるから、床下地盤高工事の瑕疵がある
・天井裏の電気配線の接続結線部分がすべて露出状態のままとなつていることから電気配線の接続工事に瑕疵がある
・屋外排水管の施設についての基本的な欠陥というべきであるから、本件建築工事の瑕疵にあたる


○よくぞ、ここまで瑕疵のある建物を建築したものだと、感嘆する程の瑕疵のオンパレードです。その結果、「本件建築工事の瑕疵を修補するためには、結局、本件建物を建て替えるのと同程度の規模の工事を必要とする」と認定され、建物の取毀し再築期間中の「代替建物の賃料」、「引越し費用」、「鑑定調査費用」、「慰謝料」、「弁護士費用」を加えて、1545万円の支払が命じられました。

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三 被告の責任
(一) 前記認定のとおり、被告は、昭和54年12月23日、本件請負工事を完了し、同日、本件建物を引渡したが、本件請負契約に基づく本件建物の設計、施工に関して前記の瑕疵が認められるのであるから、被告は瑕疵の修補に代わる損害賠償責任を負担すべきである。

 さらに証人大塚孝雄の証言によれば、被告は、本件建物の設計監理及び施工について、その従業員である一級建築士大塚孝雄をもつてその任にあたらせていたことを認めることができる。後記認定のとおり、前記の本件建物の瑕疵は木造建築物として重大かつ基礎的なものであるから、右大塚は本件建物の設計監理及び施工に関し、その専門的知識と経験に基づいて適切な指導監督をなすべき義務を有するにもかかわらず、この義務に違背したものといわざるをえず、その点において過失がある。よつて右大塚の使用者たる被告は、その事業の執行につき、原告に加えた損害を賠償する責に任ずべきである。

(二) 示談契約の成立
 被告は、本件建物の瑕疵のうち、通し柱に腐朽材を使用した点(瑕(2)の(イ))については、被告が126万9100円相当の門塀等の新設工事を賠償として施工することにより、原被告間に示談契約が成立した旨主張する。
 証人大塚孝雄、同速川岩雄の各証言によれば、被告が前記の通し柱の腐朽をめぐる原被告間の紛争の際、被告により、約100万円程度を要する門塀、照明器具、内装材等のグレードアップの工事がなされ、右工事費用は、本件請負代金額に含まれていないことを認めることができるが、右認定の事実のみによつては、通し柱に腐朽材を使用した点について、原被告間に示談契約が成立したものと推認することはできず、他に右事実を認めるに足りる証拠はない。被告の右抗弁は理由がない。

四 原告の損害
(一) 修補の内容

 本件建物には、前記認定のとおり、本件請負契約に基づく設計、施工に関して、瑕疵が存在する。
 そして、前記認定事実、〈証拠〉によれば、本件建物には、その基本的、構造的部分に重大な瑕疵があること、特に基礎底盤、構造の仕口、通し柱の瑕疵等について、建築基準法、同施行令に定められている構造耐力を維持するための修補をするには、本件建物をその当該工事時点まで戻す必要があり、そのためには、本件建物の基礎部分、内外装等を一旦撤去する必要があること、新築建物を前提とすれば、住居としての美匠上も一部補修をなすことではまかなえないし、一旦、軸組みに組みこまれた木材は、それ自体欠陥のない木材でも一種の変形をきたしているから、当該内外装材をそのまま使用するためには、かえつて多額の費用を必要とし、その他経費上も、個々の部分的な補修より新規に建て替えた方が経済的であること、したがつて、本件建築工事の瑕疵を修補するためには、結局、本件建物を建て替えるのと同程度の規模の工事を必要とすることが認められ、〈証拠〉中、右認定に反する部分は前掲証拠と対比して信用できず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。

 被告は、本件建物は、構造計算上、安全性に支障がないから、個別に修補補強すれば足りる旨主張し、〈証拠〉によれば、構造計算上、基礎断面及び柱は、現況において特に支障があるものでないこと、換気孔部のひび割れは収縮クラックと思われ、特に支障はないこと、火打梁、火打土台、耐力壁を新設し、その他仕口等の不備な部分を補強すれば、構造計算上、現行基準上の耐力は確保できるものであることが認められる。

 しかし、建物の構造上の安全性とは、単に計算上の安全値をいうものではなく、前記認定にかかる資材の不均質や作業工程上の瑕疵等諸々の要因によつて惹起される危険性をも充分考慮に入れたうえで、建物が本来備えているべき機能に支障を来すことがないと考えられる程度の安全域をいうものでなければならないのであるから、仮に、前記諸要因を無視してなされた乙第1、2号証の構造耐力計算の過程に誤りがなく、基礎断面、柱が現況において特に支障があるものではないとの結論が得られたとしても、これをもつて本件建物が安全であるということはできないし、右構造計算自体、既に火打梁、耐力壁の新設、仕口等の不備な部分を補強することを前提として計算されているのであるから、被告の右主張は採用できない。

(二) 損害額の算定
(1) 建替え費用

〈証拠〉によれば、原告は、昭和56年10月20日当時における本件建物を建て替えるのと同程度の規模の補修工事をするには、本件建物解体工事費60万0100円、新規建築工事費973万7673円、諸経費176万5617円、合計1210万円(万円未満切捨て)の費用を要することが認められ、原告が、被告に対し、瑕疵の修補に代わる損害賠償請求をした昭和56年6月3日当時においても同程度の費用を要したものと推認することができる。

 なお、前記認定のとおり、本件請負契約は、原告が被告との間で、本件建築工事費用として当初の請負代金額1108万円から減額された1100万6410円の請負代金で本件建築工事を注文することにより成立したものであることが認められるから、原告は被告に対し、本件建築工事を注文することによつて、1108万円相当の価額を有する建物を建築して取得する意思であつたものと推認でき、本件建物が前記認定の瑕疵のない建物として完成された場合には、少なくとも1108万円相当の価値を有する建物であつたものということができる。

 そうすると,先に認定した瑕疵の修補費用1210万円は、瑕疵のない本件建物の価額相当の1108万円を超えることになる。しかし、本件建物の修補の内容は、前記のとおり、本件建物を建て替えるのと同程度の規模のものを要するのであるから、修補費用としては、建て替え費用1150万3290円のほかに、建物の取り毀し費用60万0100円が含まれているものである。又、昭和54年12月の本件建物の完成時から瑕疵の修補に代わる損害賠償請求をしたことが記録上明らかな昭和56年6月3日までの間において、建築資材、人件費等が値上がりしているものと容易に推認できるのであるから、他に建て替え後の建物が、瑕疵のない本件建物の価値を大幅に上回る等の特段の事情の認められない本件においては、前記認定の1210万円をもつて、瑕疵の修補に代わる損害賠償額と認めるのが相当である。

(2) 代替建物の賃料
〈証拠〉によれば、原告は、本件建物の建て替え期間中、代替建物に入居せざるを得ないことになること、本件建物と同等の建物の賃料相当額は1か月10万円を下らないこと、本件建物の取毀し再築には、少なくとも4か月間を要することが認められる。従つて、原告は、取毀し再築期間中、本件建物に相当する建物の賃料として、40万円の負担をすることになり、同額の損害を受けることになる。

(3) 引越し費用
 弁論の全趣旨によれば、原告は、本件建物の取り毀し再築前及び再築後に2回にわたり、代替建物との間で引越しをしなければならないこと、引越しには少なくとも1回につき10万円を要することが認められるから、原告は引越し費用として20万円の負担を余儀なくされ、同額の損害を蒙ることになる。

(4) 鑑定調査費用
〈証拠〉によれば、原告は、本件建物の建築工事の設計施工に関する瑕疵についての資料を収集するため、建築専門家による鑑定、調査を必要としたことから、一級建築士岩永健一に対して、本件建物の欠陥部分、本件建物の補修工事の内容及びその費用等について、調査、鑑定を依頼し、鑑定料として55万円を支出した事実を認めることができる。そして、前記認定のような本件請負工事の瑕疵の内容、程度、その判定の困難性等を合わせて考えると、原告が支出した右鑑定料55万円は、本件請負工事の瑕疵と相当因果関係にある損害と認めるのが相当である。

(5) 慰謝料
〈証拠〉によれば、原告は、念願の自宅を新築したものの、建築途中から通し柱の腐朽をめぐる紛争に悩まされ、建築後も前記認定の数多くの瑕疵の存在が判明し、大きな打撃を受けたことが認められる。そして瑕疵の内容、程度、契約及び工事の経緯等一切の事情を総合し、原告に生じた算定困難な諸々の損害をも含めて考えれば、その額は80万円と考えるのが相当である。

(6) 弁護士費用
 本件弁論の全趣旨によれば、原告は、本件訴訟の追行を原告訴訟代理人に委任し、相当額の費用、報酬の支払を約したことを認めることができる。そして、被告が瑕疵担保責任のほか、不法行為責任を負担することは前認定のとおりである。本件事案の内容、損害額その他弁論の全趣旨を考慮し、被告が負うべき相当因果関係にある原告の弁護士費用は140万円とするのが相当である。

〈以下、省略〉

(福永政彦 森宏司 神山隆一)

物件目録
徳島県○○郡○○町○○1番地9
家屋番号 同所一番69
木造スレート葺二階建居宅
床面積 一階 74・11平方メートル
二階 28・98平方メートル
以上:4,705文字
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H29-11- 9(木):建物建築請負人に建替費用相当額損害等賠償支払を命じた大阪地裁判決紹介1
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○建物建築請負工事において重大な瑕疵のため建物が人が住めない状況となったとして建替費用相当額の損害賠償請求ができないかとの相談を受け、関連判例を探しています。
比較的古い判例で、
①建物建築の請負人に建替費用相当額の損害賠償、
②損害賠償請求訴訟の資料収集のため支出した訴訟外の鑑定の費用の損害賠償、
③瑕疵修補に代わる損害賠償と併せて慰藉料の支払い

のいずれも認めた昭和59年12月26日大阪地裁判決(判タ548号181頁)の主文と理由文を2回に分けて紹介します。

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主   文
一 被告は、原告に対し、1545万円及びこれに対する昭和56年6月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用はこれを8分し、その1を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。
四 この判決は、原告が200万円の担保を供するときは、原告勝訴部分に限り、仮に執行することができる。

事   実

《省略》

理   由
一 請負契約の成立と本件建物の引渡

 原告が被告との間で、昭和54年5月24日、原告を請負人、被告を注文者として、公庫基準に適合することを内容とする本件請負契約を締結したこと、被告が、昭和54年12月23日、本件建築工事を完了し、同日、本件建物を原告に引渡した事実は、当事者間に争いがない。

二 本件建物の瑕疵
 そこで、本件建物の建築工事による瑕疵について判断する。
(一) 基礎
(1) 土

〈証拠〉によれば、公庫基準では、土工事は割栗石を根切り底に入れ、すき間なく小端仕立てに張り込み、目潰し砂利を敷き十分に突き固めた上、割栗石の上面を捨てコンクリートで均一な平面にならすべきものとしていること、ところが、本件建築工事の土工事においては、割石の大きさを整合することなく、小端仕立てもなく、投げ込み敷であり、目つぶし砂利も入れていないこと、小端仕立ては投げ込み敷の場合より、建物の荷重を地盤に均等に伝えやすくすることができ、基礎構造の強さに差があることが認められ、証人大塚孝雄及び同速川岩雄の各証言中、右認定に反する部分は前掲各証拠と対比して信用できず、他に右認定を覆えすに足りる証拠はない。

(2) 基礎底盤
〈証拠〉によれば、公庫基準では、基礎底盤は、巾32センチメートル以上、厚さ12センチメートル以上の形態が必要とされており、本件請負契約においても、巾、厚さが一定の直方体状の基礎底盤が約定されていること、ところが、本件建築工事においては、型枠なしの引均しコンクリートがなされているにすぎず、基礎底盤が不整形の形態をなしており、フーチングの測定がなされていないこと、このように、基礎が不整形の場合、不同沈下のため、基礎の底盤が破綻することがあり、型枠なしにコンクリートを流し込んだ場合、水分が土に吸収され、強度のおちる可能性があり、厚さ、幅の一定しない捨てコンクリートは、基礎構造のための補助手段にすぎず、フーチングと同視できないことが認められ、〈証拠〉中、右認定に反する部分は、前掲証拠と対比して信用できず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。

(3) 右事実によれば、本件建物の土工事及び基礎底盤には、いずれも基礎の構造耐力に影響を及ぼす欠陥があると認められるから、土工事及び基礎底盤工事の瑕疵があるというべきである。

(二) 木材
(1) 通し柱

〈証拠〉によれば、本件建物の階下洋間と階上和室の各東南端を結ぶ通し柱の外側部分に、長さ約1メートルの腐材部分があり、入り皮も認められること、本件建築工事の際、腐朽部分は削りおとされ、化粧材を貼り、更に側面から、60ミリメートル×100ミリメートル大の補強材が添えられているが、入り皮部分はそのままであること、入り皮とは、形成層を含む部分が、種々の外傷をうけて傷害組織が形成され、その中に樹皮が巻き込まれて材中に認められるものであつて、この通し柱の腐朽をめぐつて、昭和54年8月ころから、原被告間に紛争が生じ、被告から、本件建物を買取り、適当な代替地を見つけて建て替えしたいという提案もなされたことのあることが認められる。
 右事実によれば、通し柱に、新築建物に不相当な腐朽部分及び入り皮のある材が使用されたことにより、本件建物の構造耐力に影響を及ぼすものと認められるから、通し柱工事の瑕疵があるというべきである。

(2) 管柱
〈証拠〉によれば、公庫基準では、建築材料は、日本農林規格に適合する品質のものを求めているところ、日本農林規格では、管柱のねじれはきわめて軽微であることを要求していること、ところが、本件建物の階下和室八帖の間の西側の窓両側の管柱二本に最大幅約3ミリメートルのねじれがあり、このねじれは、人が認識可能な程度であることが認められる。右事実によれば、人の目につきやすい和室の管柱に新築建物に不相当な美匠上見苦しい材が使用されているのであるから、管柱工事の瑕疵があるというべきである。

 原告は、階下和室六帖の間の南側テラス窓西側の管柱二本にも、ねじれのある不良材が使用されている旨主張するが、本件全証拠によるもこれを認めることはできない。

(3) 小屋裏の梁材
〈証拠〉によれば、小屋裏の梁材に小口割れの著しい材が使用されている事実を認めることができ、新築建物に不相当な不良材が使用されているのであるから小屋裏の梁材工事に瑕疵があるというべきである。

(4) 筋かい材
〈証拠〉によれば、本件建築工事当時の建築基準法施行令45条2項では、筋かい材の大きさは、これに接する柱の三つ割の木材と規定されており、これに従えば、本件工事では、筋かい材は10・3センチメートル×3・4センチメートルの木材でなければならないこと、本件請負契約では、筋かい材として、8・7センチメートル×3・0センチメートルの木材を用いることになつており、本件工事では、10・0センチメートル×2・8センチメートルの木材が使用されていること、木造軸組の筋かいは専ら圧縮力に対するものであるから、材の厚みは挫屈に抵抗する大切な要素であり、材料工学的に比較するために断面二次モーメントの計算をすると、現況使用材及び本件請負契約の木材の性能は、いずれも本件建築工事当時の前記法令の規定する材より劣ることが認められる。

 右事実によれば、前記基準法施行令に違反する筋かい材の設計・施行がなされているのであるから、筋かい材の設計及び施行の瑕疵があるというべきである

(5) その他の部材
〈証拠〉によれば、本件請負契約では、一般の市場寸法が日本農林規格による標準寸法より2ないし3ミリメートル小さいことを考慮して本件建物の各部材の寸法が定められていること、部材は、これにかんなをかけて仕上げた上、用いられることから、各面一ないし、1・5ミリメートルの減損が見込まれること、しかし、柱、和室柱、間柱、母屋の使用材は、右市場寸法と標準寸法の差、かんな仕上げによる減損を考慮しても、なお小さく標準寸法において一ランク小さい材が使用されていることが認められる。右事実によれば、木材の品質において約定より劣るものが採用されているのであるから、部材の施工に瑕疵があるというべきである。

 原告は、火打ち梁も部材の断面寸法が約定より小さく施工されている旨主張するが、本件全証拠によるもこれを認めることはできず、むしろ、標準寸法をわずかに下回る断面寸法で施工され、約定寸法よりは大きい部材が使用されていることが認められるから、右原告の主張は理由がない。

(三) 木構造の瑕疵
(1) 一階床組に火打土台の取付けがないこと(原告主張の瑕疵(3)の(イ))

 二階小屋組西南隅角に火打ち梁の取付けがなく、火打ち梁と二階床組、小屋の組各横架材との仕口が、材それ自体を結合した上でボルトで緊結接合するかたぎ胴付き短ほぞ差しボルト締めとなつておらず、材を釘のみで打ちつけボトルで締めるだけの仕口加工のない突き付け納めとなつていること(瑕疵(3)の(ロ))、
小屋組に梁をつなぐ振れ止め、垂直材である小屋束を相互につなぐ小屋筋かい、けた行筋かいの取付けがないこと(瑕疵(3)の(ニ))、
小屋組構造材の継手、仕口が適切な緊結金物で補強されておらず、羽子板ボルトの取付けがない箇所もあること(瑕疵(3)の(ホ))、
1、2階の接合部の西南隅の柱又はこれに準じる柱に、通し柱もしくはこれに代わるべき耐力補強が施工されていないこと(瑕疵(3)の(ヘ))、
床下の束と束とを相互に直交して貫材でつなぐ床束根がらみの取付けがないこと(瑕疵(3)の(ト))、
勝手口蹴込みの立上り下地を囲んでいるラス下地ベニヤ板が地面と接する部分に相当な防湿方法がなされていないこと(瑕疵(3)の(チ))
は当事者間に争がない。
そして、前記甲第3号証の1、第4号証によれば、瑕疵(3)の(イ)(ロ)(ト)は本件請負契約の内容とされている公庫基準の内容とされていることが認められる。

 右事実によれば、瑕疵(3)の(イ)(ロ)(ト)は、本件請負契約に違反し、瑕疵(3)の(ニ)は建築基準法施行令46条2項に、同(3)の(ホ)は同施行令47条1項に、同(3)の(ヘ)は同施行令43条5項に違反しており、瑕疵(3)の(チ)の点も、建物の施工における基本的な欠陥というべきであるから、本件建築工事の瑕疵にあたるというべきである。

(2) 間仕切り壁(原告主張の瑕疵(3)の(ハ))
〈証拠〉によれば、構造計算上、安全な耐力を保つためには、本件建物には、本件請負契約の内容となつている間仕切り壁のほかに、なお数箇所に間仕切り壁を増設する必要があることが認められる。右事実によれば、構造計算上の安全性を考慮して間仕切り壁の設計をなさなかつた点に間仕切りに壁設計の瑕疵があるというべきである。
 間仕切り壁に、壁すじかいがないことについては、これを認めるに足りる証拠はない。

(四) 床下地盤高
〈証拠〉によれば建築基準法19条1項、本件請負契約及び公庫基準では、建物の防湿上、屋内地盤には、若干の盛土をして屋外地盤面より約5ないし6センチメートル高くしなければならないこととされていること、本件工事でも、屋内地盤に約3ないし4センチメートルの盛土をしたが、竣工間際に植木植栽のため、庭に10センチメートルばかりの盛土をした結果、屋内地盤面が、屋外地盤面より約5センチメートル低くなつたまま、特に防湿対策も施されていないことが認められる。

 右事実によれば、本件床下の地盤高工事については、敷地の衛生面に関し、基本的な欠陥があると認められるから、床下地盤高工事の瑕疵があるというべきである。

(五) 小屋裏換気孔
〈証拠〉によれば、本件請負契約と公庫基準では、特に断熱材施工をしたときには、小屋裏には換気孔を設けなければならないとされていること、もつとも、徳島県下では、台風等のため雨風が非常に強いため、実際には、換気孔を設けず、飾りにすることが多いが、屋根裏換気孔を設けても雨が入らないようにする施工は可能であること、本件建物では、断熱材施工が付されているのに、屋根裏換気孔が施工されず、飾りがつけられているにすぎないが、被告から原告に、徳島県下の右事情を説明した上で、その取付けが省略されたものではないことが認められる。
 右事実によれば、外気に対する室内空間の温度、湿度の調整、家屋全体の空気の清浄化等に重要な役割を果たす屋根裏換気孔が設けられていないのであるから、尾根裏換気孔工事の瑕疵があるというべきである。

(六) 設備
(1) 屋外給湯ボイラー

 原告は、屋外給湯ボイラーが極端に外壁面に近接して設置されている旨主張するが、本件全証拠によるも、これを認めることはできないので原告の右主張は理由がない。

(2) 電気配線のジョイントカバー
〈証拠〉によれば、公庫基準では、電気工事は、電気事業法による電気設備に関する技術基準、電気供給事業者の諸規程に従い施工することを義務づけているところ、社団法人日本電気協会内線規定では、床下、天井裏等における電気配線は、その接続結線部分においては、ねずみ等の被害により、火災等の危険がない様に、適当な接続箱を用いなければならないこととされていること、本件建物では、天井裏の電気配線の接続結線部分がすべて露出状態のままとなつていることが認められる。
 右事実によれば、電気配線の接続工事に瑕疵があるというべきである。

(3) 屋外排水管
 屋外排水管の溜桝から溜桝までの間に90度の角度で三か所の曲りがあるが、その一か所に溜桝が設置されていないし、他の二か所は溜桝に直線で連結することが困難なために成り行きまかせに連結されていることは、当事者間に争いがない。
 右事実によれば、屋外排水管の施設についての基本的な欠陥というべきであるから、本件建築工事の瑕疵にあたるものというべきである。

(七) 雨漏り
〈証拠〉によれば、本件建物の引渡し前に、一階台所の天井から雨漏りがあつたことが認められる、しかし、他方、〈証拠〉によれば、右雨漏り箇所は、既に被告によつてコーキングによる補修がなされ、現在では、雨漏りが停止していることを認めることができる。

 これらの事実に照らし考えると、現時点でも、吹き上げる強い雨の時には、本件建物に雨漏りがあることを推認することはできず、本件建物に雨漏りの瑕疵があるということはできない。
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