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H29- 7-20(木):民事執行法第4章第196条以下”財産開示手続”決定後の手続概要
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○「民事執行法第4章第196条以下”財産開示手続”書式等」を続けます。
民事執行法では財産開示手続実施決定が出た後の手続は次のように規定されています。

第198条(期日指定及び期日の呼出し)
 執行裁判所は、前条第1項又は第2項の決定が確定したときは、財産開示期日を指定しなければならない。
2 財産開示期日には、次に掲げる者を呼び出さなければならない。
一 申立人
二 債務者(債務者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、債務者が法人である場合にあつてはその代表者)

第199条(財産開示期日)
 開示義務者(前条第2項第二号に掲げる者をいう。以下同じ。)は、財産開示期日に出頭し、債務者の財産(第131条第一号又は第二号に掲げる動産を除く。)について陳述しなければならない。
2 前項の陳述においては、陳述の対象となる財産について、第2章第2節の規定による強制執行又は前章の規定による担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項その他申立人に開示する必要があるものとして最高裁判所規則で定める事項を明示しなければならない。
3 執行裁判所は、財産開示期日において、開示義務者に対し質問を発することができる。
4 申立人は、財産開示期日に出頭し、債務者の財産の状況を明らかにするため、執行裁判所の許可を得て開示義務者に対し質問を発することができる。
5 執行裁判所は、申立人が出頭しないときであつても、財産開示期日における手続を実施することができる。
6 財産開示期日における手続は、公開しない。
7 民事訴訟法第195条及び第206条の規定は前各項の規定による手続について、同法第201条第1項及び第2項の規定は開示義務者について準用する。

第206条(過料に処すべき場合)
 次の各号に掲げる場合には、30万円以下の過料に処する。
一 開示義務者が、正当な理由なく、執行裁判所の呼出しを受けた財産開示期日に出頭せず、又は当該財産開示期日において宣誓を拒んだとき
二 財産開示期日において宣誓した開示義務者が、正当な理由なく第199条第1項から第4項までの規定により陳述すべき事項について陳述をせず、又は虚偽の陳述をしたとき。
2 第202条の規定に違反して、同条の情報を同条に規定する目的以外の目的のために利用し、又は提供した者は、30万円以下の過料に処する。


○民事執行法第197条の「債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定」が確定すると1箇月ほど後の日が財産開示期日として指定されます。財産開示期日の約10日前の日が債務者の財産目録提出期限と指定されます。提出された財産目録は,申立人外債務名義を有する者(民事執行法201条)に限り,財産開示期日前においても閲覧,謄写することができ、開示義務者が財産目録を提出した後は,債務者の同意がない限り,財産開示手続申立事件を取り下げることはできません(民事執行法20条,民事訴訟法261条2項)。

○申立人(申立人が法人の場合は代表者),同代理人弁護士,同許可代理人は,財産開示期日に出頭し,執行裁判所の許可を得て,開示義務者に対し質問することができます(民事執行法199条4項)が,根拠のない探索的な質問や債務者を困惑させる質問は許可されません。財産開示期日の円滑な実施のため,質問がある場合は,事前に質問書を提出します。開示義務者が財産開示期日に出頭しなかった場合,財産開示手続は終了します。正当な理由のない不出頭には30万円以下の過料に処せられます(206条)。

○財産開示手続では、事前に申立人が質問事項書を提出しますが、この質問内容が重要です。
以下、小林茂秀弁護士著「財産開示の実務と理論」403頁に記載されている質問事項サンプルを掲載します。

□給与振込先・電話代・光熱費の引落銀行口座
□インターネットバンキング・証券取引・外貨取引・金取引等金融取引の有無
□子どもや家族名義も含め、債務者の計算で、預貯金・学資保険等積立型保険の有無
□給料以外の副収入
□債務者所有でない自動車・バイクを使用している場合、それは誰からどのような約束で借りているか
□事前提出財産目録作成後新たに取得した財産の有無
□ここ数年のうちに不動産又は自動車等高額動産売却の有無、有る場合、その代金使途・現在残額の有無
□その他、次のような財産があるか-絵画・美術工芸品・船舶・建設機械・地上権・借地権・リゾート会員権・特許権・著作権・実用新案権・商標権等
□その他債務者の財産に関連する事項一切
以上:1,845文字
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H29- 7-19(水):民事執行法第4章第196条以下”財産開示手続”書式等
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○「民事執行法第4章第196条以下”財産開示手続”勉強開始宣言」の続きです。
勉強開始宣言をしながら3年間サボったままでした(^^;)。現在、判決等債務名義を持ちながら回収できない事案を数件抱えています。財産開示制度の利用を検討しなければと思いながらも、時々、僅かの送金があって消滅時効が中断されると、そのままになってしまいます。

○ネットで調べると裁判所HP「財産開示手続を利用する方へ」で詳しく解説されています。おそらくこのサイトだけの情報で財産開示申立は可能と思われます。以下、必要事項についての備忘録です。

先ず必要条文です。

第196条(管轄)
 この章の規定による債務者の財産の開示に関する手続(以下「財産開示手続」という。)については、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
第197条(実施決定)
 執行裁判所は、次のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本(債務名義が第22条第二号、第三号の二、第四号若しくは第五号に掲げるもの又は確定判決と同一の効力を有する支払督促であるものを除く。)を有する金銭債権の債権者の申立てにより、債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
一 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より6月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。
二 知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。


実務で利用されるのは、ほとんどが第197条1項二号です

○申立要件は、①「執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者」で、②「知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明」をすることだけで、極めてシンプルです。この第197条1項二号要件は、実際に強制執行を実施することは必ずしも要件ではありません。しかし、強制執行を実施して不奏功に終わったことは、「強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないこと」の有力な疎明資料になります。

○以下、第197条1項二号申立書式です。

財産開示手続申立書サンプル

仙台地方裁判所第4民事部 御中

平成 年 月 日

申立人○○○○代理人弁護士   小  松  亀  一  印

電話;022-266-8255、FAX;022-266-8255

          当事者 別紙当事者目録記載のとおり
          請求債権 別紙請求債権目録記載のとおり

 申立人は、債務者に対し、別紙請求債権目録記載の執行力ある債務名義の正本に記載された請求債権を有しているが、債務者がその支払をせず、下記の要件に該当するので、債務者について財産開示手続の実施を求める。

民事執行法第197条1項2号要件
 知れている財産に対する強制執行を実施しても、金銭債権の完全な弁済を得られない(2号)

(添付書類)
1.執行力ある債務名義の正本  通
2.同送達証明書  通
3.同確定証明書  通
4.資格証明書/住民票  通

(証拠書類)
財産調査結果報告書(甲第  号証)
不動産登記事項証明書(甲第  号証)


財産調査結果報告書

仙台地方裁判所第4民事部御中

平成 年 月 日

   申立人代理人弁護士 小  松  亀  一  印


債務者○○○の財産を調査した結果(調査方法を含む)は、下記のとおりです。
           記
1.不動産
 (1)債務者の住所地or本店・支店の不動産


 (2)その他の不動産


2.債権
 (1)預貯金


 (2)給与or売掛金等営業上の債権


 (3)その他の債権


3.動産
以上:1,581文字
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H29- 7-18(火):大久保仙台座禅断食会と断食奏功のメカニズム等補足
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○「大久保直政先生主催第43回仙台座禅断食会参加第1・2・3日目終了」の続きです。
大久保直政先生主催第42回仙台座禅断食会参加第1日目」記載の通り、仙台座禅断食会は、「野口法蔵師」が20数年にわたり指導してきた2泊3日の短期間の坐禅断食で、宮城県では平成17年に第1回を開催し,第7回目までは野口法蔵師が直接指導し,第8回目以降が「大久保直政先生」の指導で開催されています。

○会場は、遠刈田温泉蔵王高原荘ですがノートパソコン使用の関係で大久保先生にお願いして一人部屋を提供頂いています。一人部屋にはトイレ、バスがなく、共同トイレ、温泉浴場の利用になります。参加費用は、2泊3日で3万円ですが、3日間、大変、充実した濃密な指導を受け、且つ、生体エネルギーを活用するため多数の装置を持ち込んでの良好環境を考慮すると大変安いものです。

「野口法蔵師」式座禅断食会は、仙台座禅断食会の他にも全国に20箇所程度あります。今回、仙台座禅断食会の参加者は、男性5名、女性9名の14名でしたが、半分が関東等宮城県以外の地区からの参加者でした。他の「野口法蔵師」式座禅断食会に参加された方の話しを聞きましたが、仙台座禅断食会の良さを強調されていました。

○以下、野口法蔵師著「座禅断食」からの絶食と断食についての備忘録です。
・宗教的背景での修行としての断食を近代医学の立場から見直し、東北大学医学部で絶食療法として定着させ、昭和55年、日本絶食療法学会が発足
・絶食療法は、比較的短期間に生体に急激なストレスを負荷し、病的ホメオスターシスを揺さぶり、自己調整機能=自然治癒力の強力な発動を得て、生体をより強力なホメオスターシスの再統合へ向かわせるもの
※ホメオスターシスとは、和訳「恒常性」で、生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す。

・断食奏功のメカニズム
カロリー・電解質の外部補給が断たれ、生体エネルギー源が糖質から体内蓄積脂肪に転換→急激な代謝面の変化誘発
血糖が低下、肝グリコーゲンは、2,3日以内に消化し尽くされる
血中脂質やケトン体(体の脂肪組織が分解し、肝臓で変化したもの)が高値を維持
脳組織の代謝エネルギーも糖質からケトン体に転換→脳内の代謝過程に変調が生じ、脳波はα波が増加・除波化→自律神経機能・内分泌機能に広範な変調
依存性・被暗示性が高まる微妙な意識の変容状態が生じ、融通性を欠いていた意識は、柔軟性のある視点を持つことができるようになる
以上:1,060文字
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H29- 7-17(月):大久保直政先生主催第43回仙台座禅断食会参加第1・2・3日目終了
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○「大久保直政先生主催第42回仙台座禅断食会参加第1日目」記載の通り、平成29年3月10日から2泊3日、遠刈田温泉蔵王高原荘で開催された宮城真向法体操会会長大久保直政先生主催第42回仙台座禅断食会に参加しました。平成29年7月15日から私にとっては2回目となる第43回仙台座禅断食会に参加しています。

○本日平成29年7月17日は最終日3日目になりますが、3月の初めての参加の時の3日目は、「3日目の朝は、心臓が動悸し、結構な胃のむかつきも感じて、これは体調に異変を生じたと大いなる不安感を感じ」るものでした。しかし、今回は朝5時30分に目覚め心臓の動悸もなく、胃のもたれ感はありますが、初回に比べて3日目の体調は比較的良好です。

○前回の3月は、1日目から「朝・昼食を自主断食で、水補給だけでご集合下さい」と指示されていたところ、朝は蜂蜜入り豆乳250ccを飲み、夕方蔵王温泉行きバスの中でポカリスエット1本飲んで行きましたので、1日目は水補給だけではなく、少しばかり、糖分が身体の中に入っていました。今回は、1日目の朝から麦茶以外は一切飲食せず、正に水補給だけで夜から座禅断食会に臨みました。

○スケジュールは、3日間で座禅各20分を15回、合間の読経・合唱行・講話、3日目の明け食・宿便取り等前回と全く同じ内容でした。今回も最も辛い修行は2日目13時からの合唱行でした。これは摩訶般若波羅蜜多心経(般若心経)合唱を5回程繰り返し20分程度に渡って半跏趺坐ではない普通の正座で両手をシッカリ伸ばして頭の上に上げ両手のひらをくっつけた姿勢で継続するものです。両手のひらをくっつけたまま頭の上に置いておくのに疲れて、途中、胸の辺りまで両手を下げ、少し疲れが取れると頭の上に挙げることを繰り返しました。

○終わったときは、前回3月の時より、遙かに汗びっしょりとなっていました。そこでコップ一杯の赤色野菜ジュースが出されて、少しずつ飲みましたが、その美味いこと、美味いこと。野菜ジュースがこれほど美味いと感じたのは生まれて初めてでした。たとえるとテニスで汗びっしりになった直後に飲む生ビールより美味しいと感じました。それは1日半糖分を全く取らないで居たところに、僅かの糖分が入ったからと思われ、その甘さに大感激でした。

○その後午後3時に始まる座禅まで1時間半程休憩時間となり、早速、一番で入浴しました。そして汗びっしょりとなったランニングシャツと白ブリーフを風呂の洗い場でシッカリと洗いました。2泊3日なので着替えを2日分しか持ってこなかったからです。部屋干ししたのですが、夏の暑い時期のため夜の入浴時にまでには乾いており助かりました。夏の座禅会では2日でも着替えを4回分は準備する必要を感じました。

○前述の通り、今回は3日目も心臓の動悸もなく、以下の写真に示される明け食は、前回より更に美味いと感じて、全部平らげ、それでも足りないと感じました。明け食は、先ずどんぶり一杯のぬるま湯300ccを飲み干し、次にこのどんぶりに大根汁と梅干しを入れてただ煮ただけの大根を食べます。何の味付けもないただ煮ただけの大根が大変美味く感じます。このどんぶり大根を梅干しを追加しながら、3~4杯飲食します。この時点でトイレに立つ人がぼちぼち出てきますが、私は全く催さず、少々焦りました。その後、トマト・キュウリ・にんじんを食べ、更にキャベツを全部食べても、まだ催しません。本当は、一部通過した後に食べなければならない、バナナを全部食べたところでようやく催し始めました。

○いったん催し始め、第一便を通過させると、後は、怒濤の如く、快適に通便が始まり、5~6回トイレに行った後、最後には、これが最後と判る最終便が出て、スッキリしました(^^)。2回目は1回目に比較して、少しばかり余裕があり、20分間の座禅もそれほど苦ではなく、良好に過ごすことが出来ました。生体エネルギー充実のため様々な装置を施して良好環境を準備して頂いた大久保直政先生にはあらためて感謝申し上げます。

私の明け食写真、これらの外にオレンジジュース、食パン、ミルクティーも出て、全て気持ちよく平らげました。 
    
以上:1,717文字
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H29- 7-16(日):2017年07月16日発行第201号”三酔人人権問答”
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横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成29年7月16日発行第201号「三酔人人権問答」をお届けします。

○平成29年7月15日夕方から遠刈田温泉蔵王高原荘で開催されている宮城真向法体操会会長大久保直政先生主催第43回仙台座禅断食会に参加しています。時間がなく、感想等は後日補充します。




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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

三酔人人権問答


中江兆民といえば、明治時代の大思想家ですね。ルソーの社会契約論を日本に紹介したことで有名な人です。一方、兆民大先生は、奇人変人としても有名です。

子供に名前を付けるのに、丑(うし)年生まれの息子に丑吉、申(さる)年生まれの娘に猿吉と命名するような人です。酒癖も悪くて、輿入れしてきたばかりの奥さんともすぐに破談になったなんて話もあります。

女性にとって、結婚と売春は同じものだという理論を展開したのも、兆民先生のはずです。結婚は独占的な長期契約、売春は非独占的な短期契約という違いがあるだけで、本質的には同じものなんだそうです。

そんな中江兆民の代表作といえば、なんといっても「三酔人経綸問答」ですね。酒好きの大思想家、南海先生のもとに、民主主義を信奉する「洋学紳士君」と、国粋主義者の「豪傑君」が訪ねてきて、3人でお酒を飲みながら、政治や軍事について問答をするという、とても面白い話しです。今から130年前に書かれた本ですが、日本の国防問題など、この本の内容から一歩も進展していないといわれているのです。

洋学紳士君は、軍備撤廃・完全非武装の理想論をぶち上げます。これに対して、豪傑君は厳しく批判するんですね。つまり、軍備をなくすというのは、そういう考えに感心したアメリカなどの国が、支援してくれると期待しているだけじゃないのかという批判です。

この辺のやりとりは、三酔人経綸問答から60年後にできた日本国憲法のもとでも、まったく同じ応酬がなされています。豪傑君は、洋学紳士君の軍備撤廃論をさらに攻撃します。狂暴な国(将軍様?)が、我が国の非武装に乗じて、攻め入ってきたらどうするのかという質問です。そんなときに、国民を守るための秘策が何かあるのかと、追求します。

これに対する洋学紳士の回答が凄いんです。「そのときは銃弾を受けて死ぬのみ。別に秘策無し。」これを読んだときに、「えー、死んじゃうの、それって無責任では。。。」と思ったことも事実です。その一方、この回答に清々しさを感じたのも間違いないところです。あまり言いたくないんですが、現代日本の非武装論者がインチキ臭いのは、豪傑君の問題提起に対して、言葉を飾ってごまかすだけで、洋学紳士の誠実さがないためだと思います。

話は変わって、現代の人権問題についてです。犯罪者を取り締まらないと、国民は安心して暮らせませんよね。その一方、刑事事件では、被疑者や被告人の人権を守ることも大切です。どの程度疑わしい人を逮捕したり、有罪とするかというのは、とても難しい問題なわけです。少しでも疑わしい人は逮捕して有罪にしろなんて考えは論外です。

その一方、ほんの少しでも疑問があれば、みんな無罪にして釈放してしまえというのも、かなり怖い考えですよね。実際問題、「無罪」とされた犯人が、また殺人事件を犯したなんてケースはいくつもあります。「悪人を野放しにして、国民を危険にさらすのが人権保護かよ!」なんて批判する人がいるのも当然のことでしょう。

「9人の真犯人を無罪としても、1人の冤罪者を出さないようにしないといけない。」というのが、多くの弁護士の見解です。でもこれって、10人釈放したら、そのうちの9人は犯罪者で、再び殺人などの罪を犯す可能性があるということですよね。豪傑君から、「釈放された犯罪者がまた人を殺そうとしたときに何か秘策があるのか?」と問い詰められたときに、洋学紳士と同じ回答ができるのか?「人権!人権!」と安易に口にする「人権弁護士」の、誠実さが問われていると思うのです。

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◇ 弁護士より一言

小学校6年生の息子が修学旅行に行きます。妻が新しいパジャマを買おうと提案しましたが結局、手持ちのジャージとTシャツを持って出かけました。少し前までは、仮面ライダーや戦隊ものがついたパジャマをあんなに欲しがってたのに!なんだか少し寂しい気持ちになったのでした。近いうちに、パパとおそろいで買った「おさるのジョージ」のTシャツも着なくなるのではと心配しています。子供は親離れしていくが、親の子離れはなかなか難しいようです。
以上:1,967文字
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H29- 7-15(土):不動産売主なりすまし詐欺加担責任巨額損害賠償を弁護士に命じた判例まとめ
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○「不動産売主なりすまし詐欺加担責任巨額損害賠償を弁護士に命じた判例紹介4」の続きで、まとめと感想です。
先ず登場人物と事案概要です。
(登場人物)
売買対象本件不動産真の所有者B、Bになりすました自称B、本件不動産買主原告、原告に本件不動産を紹介したG、Gに本件不動産を紹介したF、Fがかつて業務を依頼した被告弁護士

(経緯)
H25.9頃;Fが本件不動産の情報を得てGに伝える
h25.10頃;Gが本件不動産に興味を抱き、Fに対し窓口となる弁護士の面会を求め、本件不動産購入を打診
h26.1.23頃;Fが被告に本件不動産売主が、売買契約の立会弁護士を探しており、立会を依頼
h26.2.13;Fは自称Bを伴い被告事務所を訪れ、自称Bが持参した住基カードで自称Bを確認、自称Bは被告に売買立会希望表明
h26.2.17;Fが被告に、本件不動産登記識別情報通知紛失を理由にBの本人確認情報作成を依頼、
h26.2.18;Fは自称Bを伴い被告事務所を訪れ、住基カードでBを確認し本件不動産登記識別情報通知紛失状況説明資料追加を求めた
h26.2.19;Fの要請で被告がGと面会、Gは被告が売主本人確認情報を作成することを知った
h26.2.23;GがFに原告が本件不動産を購入すると連絡
h26.2.25;F・自称Bが被告事務所で遺産分割協議書写しと本件不動産登記識別情報通知紛失確認書、関係者印鑑登録証明書を被告に提示
h26.2.26;被告事務所ビル地下会議室で売主側関係者自称B・F・被告、買主側関係者原告・G・司法書士・弁護士等10名集合し、売買契約書作成締結
     原告側司法書士が所有権移転登記申請をして原告・Gは、現金2億4000万円を自称Bに支払
h26.2.27;本人確認情報作成・売買契約締結立会報酬としてBから31万5000円受領
h26.3.31;本物Bが、本件不動産の移転登記を知り、本件不動産処分禁止仮処分申立・命令発布
     自称Bが被告に持参した住基カード、遺産分割協議書、印鑑登録証明書等は全て偽造されたものであることが発覚
     本物Bは、原告に本件不動産所有権移転登記抹消登記手続訴訟を提起した
h27.10.27;原告は本物Bとの間で本件不動産所有権移転登記の抹消登記手続をするとの和解成立
     原告は、被告所属弁護士会に被告の懲戒請求、自称Bを氏名不詳の者として刑事告訴


○被告弁護士は、僅か31万5000円の本人確認情報作成・売買契約締結立会報酬のために自称Bの代金2億4000万円の詐欺に過失によって加担したとして、1億6044万円もの大金を損害賠償として支払を命じられました。弁護士としては、正に恐怖の体験です。幸い弁護士賠償責任保険に加入していたようですが、未加入で破産に至ったら弁護士資格を失ったところでした。

○私自身も売買契約の立会を求められることがありますが、私自身が関与しない売買契約の立会だけの業務を行っておりません。まして本人確認情報作成業務は、これまで一度も依頼されたことはなく、仮に依頼されても断ります。理由は、「怖い」の一言です。この判決をつぶさに読んで益々怖くなり、絶対に受任しないことを更に強く自覚しました。
以上:1,324文字
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H29- 7-14(金):不動産売主なりすまし詐欺加担責任巨額損害賠償を弁護士に命じた判例紹介4
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○「不動産売主なりすまし詐欺加担責任巨額損害賠償を弁護士に命じた判例紹介3」を続けます。
この平成28年11月29日東京地裁判決(金法2067号81頁)の裁判所判断部分3回目最終回です。


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(4) 次に,結果回避義務について検討する。
ア 不動産登記規則72条2項1号が,資格者代理人による本人確認は,運転免許証,住民基本台帳カード,旅券等,在留カード,特別永住者証明書又は運転経歴証明書のうちいずれか1以上の提示を求める方法によって行う旨定めていることからすれば,原則として上記方法により本人確認をすれば結果回避義務を尽くしたと評価することができる。

 そして,資格者代理人が面識のない者について住民基本台帳カードの提示を受けて本人確認をする場合,その方法は,「提示を求める」方法と定められているところ,被告は自称Bに本件住基カードの提示を求めて本人確認を行っており,提示された本件住基カードも,そのコピーが登記申請書の添付書類として東京法務局港出張所に提出され,その職員から住民基本カードの様式と異なるといった指摘を受けたものでもないから,不動産登記法及び同規則に定められた方法による本人確認は行われており,その内容も,申請者代理人として通常要求される程度のものを満たしているということができる。

 この点について,原告は,本人確認情報制度が事前通知制度に代替するものであり,資格者代理人になることができる者が公証人や弁護士,司法書士といった一定の職種の者に限られていること,住民基本台帳カードが導入された当時QRコードまでは導入されていなかったことから,不動産登記法及び不動産登記規則がQRコードの読取りに関する規定を設けていないとしても,現在においては,QRコードが一般的に普及し,その読取りが容易となっているなどの事情があるのだから,「提示を求める」方法にはQRコードの読取りが含まれるとの解釈をすべきとの主張をする。

 しかし,平成26年の時点で,住民基本台帳カードに付されたQRコードが,住民基本台帳カードの偽造ないし変造の有無を確認するためのものとして一般的に周知されていたとか,資格者代理人になることができる者を対象とするQRコードの読取りができる機器を使用することを推奨するようなマニュアル類が存在していたとか,資格者代理人の間では通常QRコードの読取りによる確認が行われていたといった事情が存在していたと認めるに足りる証拠はない。

イ もっとも,登記申請手続を遂行するに当たり職務上知り得た事情に照らし,当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを疑うに足りる事情が認められる場合には,上記方法によって本人確認を行ったことによって直ちに注意義務を尽くしたと評価することはできず,さらに,当該事情の内容に応じた適切な調査をする義務を負うというべきである。

 これを本件についてみると,本人確認の追加資料として提出された本件遺産分割協議書は,かえって本人確認に当たり疑義を抱かせる体裁のものであり,本件売買契約の履行態様も不自然なものであったのだから,提示を受けた本件住基カードが一見して真正なものと判断されるようなものであったとしても,成りすましによって発行を受けたり,偽造によるものであるという可能性を疑うべきであり,自らBの自宅に赴くか,Bの自宅に確認文書を送付して回答を求めるなどして,本人確認を行う義務があったというべきである(なお,QRコードの読取りは,スマートフォンなどの電子機器及びアプリケーションが必要であるため,他の方法で本人確認をすれば足り,必ずしも義務とまではいえないし,QRコード自体の偽造や成りすましによる取得も考えられるから,QRコードの読取りを行っても注意義務を尽くしたとは評価できない場合があり得る。)。

 また,本件売買契約の締結までに,上記のような他の手段による本人確認をする時間的余裕がなかったのであれば,被告において,本人確認情報の作成や本件売買契約書調印の機会に,更に本人確認のための調査をする必要があることを指摘し,本人確認が完了するまでは本人確認情報の提供に応じられないことを申し入れ,自称Bが同申入れを拒否するのであれば,本人確認情報の提供を拒絶すべき義務があったというべきである。

 そうであるのに,被告は,上記のような措置を講じることなく,追加資料の提出を受けた翌日である平成26年2月26日に本人確認情報を作成及び提供するとともに,登記申請代理人として登記申請書の作成に関与したのであるから,結果回避義務に違反したというべきである。

ウ これに対し,被告補助参加人は,契約の相手方の本人確認は,専ら契約当事者がなすべきものであり,資格者代理人は,契約の相手方との関係で本人確認義務を負うものではないと主張する。

 しかし,不動産登記制度は,外部からは必ずしも明確ではない不動産に関する権利関係を登記簿により公示して,権利者の権利を保全するとともに,第三者に不測の損害を与えることを防止して,取引の安全を保護しようとする趣旨のものである。したがって,資格者代理人の行う本人確認情報の提供の制度は,登記義務者のみを保護するためのものではなく,登記権利者を保護する趣旨も含んでいると解すべきであり,被告補助参加人の主張は採用できない。

(5) 被告補助参加人は,本件売買契約締結に係る一連の経緯が極めて不自然であり,原告及びGにおいて,自称Bが権利者ではないことを認識していたと主張する。しかし,被告補助参加人の指摘する各事実によっても,原告及びGにおいてかかる認識があったと推認することまではできず,被告補助参加人の上記主張は採用できない。

3 争点(2)(弁護士費用を除く損害)
(1) 前記1(10)において認定したところによれば,原告は,本件売買契約の締結後,Gをして,Fが運転し自称Bの同乗していた自動車に,2億4000万円を運び込ませることによって,同額の売買代金の支払をしたということができる。したがって,上記支出は,被告の不法行為と相当因果関係のある損害と認められる。

 なお,被告は,コフジインテグレーション社に注意義務違反があることを理由に上記因果関係が否定されると主張する。しかし,仮にコフジインテグレーション社に注意義務違反が認められた場合であっても,被告とコフジインテグレーション社がそれぞれ原告に対して損害賠償義務を負うというにすぎず,被告の注意義務違反と上記損害との間の因果関係を左右するものではない。

(2) また,前記認定事実(9)のとおり,原告は,本件所有権移転登記の申請費用として,原告補助参加人に309万7300円を支払ったものであるから,上記支出は,被告の不法行為と相当因果関係のある損害と認められる。(コフジインテグレーション社の注意義務違反によってこの結論が左右されないことは上記(1)と同様である。)

(3) 次に,上記認定によれば,原告がGに対して5000万円を支払ったことが認められるところ,原告は,同額が,本件不動産の購入のためのあっせんの対価であると主張する。しかし,証拠(甲21)によれば,上記5000万円は,原告がGに対して本件不動産の取得についての一切の業務を委託し,Gがかかる業務を行うことの対価として定められたものと認められ,また,前記認定のとおり,Gが宅地建物取引業の免許を有していないこと,原告はコフジインテグレーション社との間で一般媒介契約を締結し,Gは本件売買契約締結のための手配の一部をコフジインテグレーション社に指示して又は共同して行っていること,本件売買契約書の調印の場にはGに加えてIが同席しており,原告がコフジインテグレーション社に対して一般媒介契約の報酬として750万円を支払っていること,以上の事実からすれば,原告がコフジインテグレーション社に対する上記報酬とは別にGに対して5000万円の報酬等を支払ったことが被告の注意義務違反によって通常生ずべき損害であるということはできない。

 そして,本件売買契約書には,本件不動産の売買代金が2億5000万円と記載されているのみであって,上記5000万円の報酬に関する記載はなく,他に同報酬について記載した文書が見当たらないこと,被告は,自称Bから本件売買契約の立会いを依頼されるとともに登記申請の委任を受けたにすぎず,原告とGとの間における報酬合意の内容を知るべき立場にはなかったのであるから,これらの事情からは,原告がGに5000万円の報酬を支払う合意をしていたという事情を予見していたとか,予見することができたと認めることはできず,他にこれらの事実を認めるに足りる証拠はない。

 したがって,上記5000万円は,被告の注意義務違反と相当因果関係を有する損害とは認められない。

(4) 以上によれば,被告の注意義務違反と因果関係を有する損害(ただし,弁護士費用は除く。)は,上記(1)及び(2)の合計額である2億4309万7300円と算定することができる。

4 争点(3)(過失相殺)
(1) 契約当事者は,自らの責任において,契約の相手方と名乗る者が真実の相手方であるかどうかの本人確認をすべきであり,契約の相手方と名乗る者から契約の立会人となること及び本人確認情報の作成を依頼された者がおり,それが弁護士であったとしても,原告自らが被告に本人確認を依頼したものではないから,原告においても本人確認をすべきであることについて何ら変わるところはない。(なお,原告は,被告が本件売買契約について売主代理人として行動したため,そのように認識し信頼していたと主張するが,被告が売主代理人であったと認めるに足りる証拠はない。)

 そして,前記認定事実によれば,原告が本件売買契約の具体的条件を知ったのは契約締結日の4日前である平成26年2月22日であるところ,その後,原告は,自ら及びGをして本件不動産及び本件売買契約についてJ弁護士と相談し問題ないとの回答を得て,同月23日又は24日に,同月26日に代金約2億4000万円を現金で支払うとの内容の本件売買契約を締結することについて,売主と面接することや本件不動産の現地を確認することなく電話でGに承諾をしているのであるから,自ら又はGをして売主の本人確認をした事実はおよそ見出せず,他にかかる事実を認めるに足りる証拠はない。

 もっとも,他方において,被告が本人確認情報を作成したことは,不動産登記規則に基づき資格者代理人となることができる者として限定列挙されている弁護士の地位に基づいて本人確認情報を作成したのであるから,原告においては,被告が作成した本人確認情報について一定の信頼を抱き,それ以上の調査を行わなかったことについて無理からぬ面があったということもできる。

 上記事情を考慮すると,原告が被告の不法行為により被った全損害から4割の過失相殺をすることが相当である。

 なお,被告は,原告補助参加人及びコフジインテグレーション社の過失をも原告側の過失として考慮すべきと主張するが,両者はいずれも原告とは独立して職務を行うものであり,原告と身分上ないし生活関係上一体をなす関係にある者とはいえないから,これらの者の過失を原告側の過失として考慮することはできない。

(2) 以上によれば,過失相殺後の原告の損害は,上記3で認定した損害額2億4309万7300円から4割を控除した1億4585万8380円と算定することができる。

5 争点(2)(弁護士費用相当損害額)
 原告が本訴の提起及び追行を弁護士に委任したことは当裁判所に顕著であるところ,事案の内容及び当裁判所の認定した弁護士費用以外の損害額その他本件に現れた一切の事情を考慮し,被告の不法行為と相当因果関係を有する弁護士費用相当損害額は,上記3(3)の1億4585万8380円の1割に相当する1458万5838円と認められる。

 したがって,弁護士費用を含めた原告の損害額は,1億6044万4218円と算定することができる。

6 結論
 以上より,原告の請求は,1億6044万4218円及びこれに対する不法行為の日である平成26年2月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
 東京地方裁判所民事第23部 (裁判長裁判官 酒井良介 裁判官 児島章朋 裁判官 三浦あや)
以上:5,171文字
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H29- 7-13(木):不動産売主なりすまし詐欺加担責任巨額損害賠償を弁護士に命じた判例紹介3
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○「不動産売主なりすまし詐欺加担責任巨額損害賠償を弁護士に命じた判例紹介2」を続けます。
この平成28年11月29日東京地裁判決(金法2067号81頁)の裁判所判断部分2回目です。



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(9) 本件売買契約書の調印等
ア 平成26年2月26日午後2時頃,本件売買契約を締結するため,被告の事務所があるビルの地下にある会議室に,本件不動産の売主側関係者として自称B,被告及びF,買主側関係者として原告,G及び原告補助参加人,媒介業者としてI,コフジインテグレーション社と付き合いのある弁護士であるLなど,合計約10名が集まった。(証人G,被告本人)

イ 原告と自称Bは,前記アの日時において,Iから重要事項説明を受けた上で,本件売買契約書に署名押印した。(甲1,39)

ウ 被告は,作成済みの平成26年2月26日付けの本人確認情報は持参していたが,本人確認情報の提供によって登記申請をするに当たり,提供者が資格者代理人であることを証するために弁護士会が発行した職印に関する証明書を添付する必要があったところ(不動産登記法23条4項1号,不動産登記規則72条3項,不動産登記事務取扱手続準則49条2項2号),同証明書を持参していなかったため,途中で調印の場から席を外し,弁護士会にこれを取得しに行った。

 また,本人確認情報を提供して登記申請を行う場合,その提供者は登記申請代理人である必要があるところ(不動産登記法23条4項1号),被告は登記義務者(売主)側の登記申請委任状を持参していなかった。そこで,被告が席を外している間に,まず,自称Bが,原告補助参加人が持参していた代理人及び委任者の欄が空白になっている登記申請委任状に署名押印し,その上で,原告補助参加人が同委任状の代理人欄に被告の事務所及び氏名を代筆した。

 さらに,原告補助参加人は,被告が弁護士会から戻った後に,代理人欄のみを空白にして作成してあった登記申請書の義務者代理人欄に被告の事務所及び氏名の記載されたゴム印並びに職印を押捺した。そして,被告は,本人確認情報に職印を押捺し,本件住基カードのカラーコピーを原告補助参加人に交付した上で,原告補助参加人が被告を登記申請代理人とする登記申請委任状及び登記申請書を作成したことを了承した。

 これによって,被告を登記義務者であるBの登記申請代理人,原告補助参加人を登記権利者である原告の登記申請代理人とする登記申請委任状及び登記申請書並びに本人確認情報が完成したため,原告補助参加人は,これらの書面を受け取るとともに,原告から,登記移転手続の費用として,現金309万7300円の支払を受けた。(甲4ないし10の1,甲11,12,19,証人Z,被告本人)


(10) 登記移転手続と代金支払
ア 前記(9)の後,被告は他の打合せをするために自らの事務所に戻り,原告補助参加人とIは,東京法務局港出張所に行って登記申請書その他必要書類を提出した。原告とGは,売買代金を準備するために城南信用金庫銀座支店に向かった。(証人Z,同G,被告本人)

イ 原告とGは,午後4時頃,城南信用金庫銀座支店において現金2億4000万円を支払う準備をしていたところ,原告補助参加人から,登記申請が無事に終了したと連絡を受けたため,Fに連絡し,代金を現金で支払うから同支店に来てほしいと伝えた。その後,Fから,自動車で同支店に到着したとの連絡があり,Gが1億円の入ったジュラルミンケース2個を,同支店の職員が4000万円の入った紙袋をそれぞれ持ち,同支店の駐車スペースに向かったところ,Fが自称Bを乗せて運転する自動車が到着したため,Gは,自称B(ただし,GにおいてはBであると認識していた。)が同乗していたことを確認の上,上記ジュラルミンケース2個と紙袋を同自動車のトランクに入れて,同支店の職員がジュラルミンケースを開錠し,その中からビニールパックでまとめられた現金2億円を出した上で,ジュラルミンケースのみをトランクの外に出すことにより,現金2億4000万円を引き渡した。(証人G,同K,同F,原告本人)

ウ 原告は,その後,城南信用金庫銀座支店において,預金口座から現金750万円を払い戻し,Iに対し,一般媒介契約の報酬として同額を支払った。(甲26,27,原告本人)

エ 被告は,平成26年2月27日,本人確認情報の作成及び売買契約締結の立会いに対するBからの報酬名目で,31万5000円の支払を受けた。(乙14)

(11) 成りすましの発覚及びそれに関する事情
ア Bは,遺産分割により取得した本件不動産を他に売却してEに代償金を支払う必要があったため,平成26年1月31日,本件不動産の売買契約を締結したところ,同年3月28日,買主である不動産会社が本件不動産の引渡しを受ける準備として本件不動産の登記簿を確認した際に,同年2月26日に本件所有権移転登記がされていることが発覚した。このため,Bは,同年3月31日,東京地方裁判所に本件不動産の処分禁止仮処分を申し立て,その旨の命令が出された。(甲2の1ないし9,甲3ないし16,乙23,24)

イ Bは,住民基本台帳カードの発行を受けたことはなく,本件不動産の登記識別情報通知を紛失せずに保有していた。また,Bが他の相続人との間で行った上記遺産分割協議は,Bが相続財産を全て相続する内容のものではなく,自称Bが被告に提示した本件遺産分割協議書の内容とは異なるものであった。さらに,本件所有権移転登記の際に法務局に提出するために自称Bが持参した印鑑登録証明書の印章は,Bが印鑑登録している印鑑の印章と異なるものであった。

 これらの事情から,被告がBの本人確認情報を作成するために提示を受けた本件住基カード,本件確認書及び本件遺産分割協議書並びに本件所有権移転登記の際に提出されたB名義の印鑑登録証明書は,全て偽造されたものであることが判明した。(甲2の1ないし9,甲3ないし16,43,乙2,3,24,弁論の全趣旨)

ウ 本件住基カードの記載上,Bの生年月日は昭和10年○月○日であるのに対し,被告がカラーコピーをした本件住基カードに付されたQRコードを読み取ると,生年月日が昭和17年○月△日であることを示す「17○△」との数字を確認することができる。

 もっとも,住民基本台帳カードが導入されたのは平成15年8月25日であり,住民基本台帳カードにQRコードが導入されたのは平成21年4月20日であり,また,住民基本台帳カードの有効期限は10年であるから,平成26年2月26日の時点において発行されていた住民基本台帳カードには,QRコードが記載されているものと記載されていないものが存在していた。(甲10の1及び2,甲23,25の1及び2,乙16)

エ 本件遺産分割協議書には,被相続人であるCの死亡日が平成25年7月28日と記載されており,本件不動産の登記事項証明書に記載された相続開始日である平成25年2月28日と異なる。また,本件遺産分割協議書には,相続開始日が,本件遺産分割協議書の作成日と同じ日である平成25年12月10日と記載されている。(甲2の1ないし9,乙2)

オ Bの氏の読みは「△△」であるところ,被告が最初に自称Bに会った際,自称Bは,自らの氏を「□□」との読み方により名乗っており,Fも,同じ読み方で自称Bを紹介していた。(被告本人,弁論の全趣旨)

(12) 別件訴訟等
ア Bが,原告に対し,本件不動産の所有権移転登記抹消登記手続を求める訴えを提起したところ(東京地方裁判所平成26年(ワ)第7980号),平成27年10月27日,原告が被告に対して本件不動産の所有権移転登記について正当に登記を保持する権原がないことを認め,抹消登記手続をすることなどを内容とする和解が成立した。(甲40)

イ Gは,第二東京弁護士会に対し,自称Bの本人確認という事実関係の調査において必要とされる注意義務を怠ったことを理由に被告の懲戒請求をしたところ,同弁護士会が,平成27年10月26日,被告を懲戒しない旨の決定をしたため,さらに日本弁護士連合会に対して異議申出をしたが,日本弁護士連合会は,平成28年3月22日,同申出を棄却する決定をした。(乙16,27)

ウ 原告は,平成28年4月11日,自称BがBに成りすまして本件売買契約を締結し,原告から売買代金2億4000万円を騙取した行為が詐欺罪に該当するとして,被告訴人を,Bこと氏名不詳の者(自称B)として,刑事告訴した。(甲44)

2 争点(1)(不法行為の成否)
(1) 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記を申請する等の場合で,不動産登記法第22条ただし書の規定により申請人が登記識別情報の提供をすることができないときにおいて,登記官は,登記義務者に対して当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときはその旨の申出をすべき旨の通知(事前通知)をしなければならないが(同法第23条1項),

 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人(資格者代理人)によってされる場合であって,登記官が当該資格者代理人から当該申請人が登記義務者であることを確認するために必要な情報(本人確認情報)を受け,かつ,その内容を相当と認めるときには,上記事前通知を要しない(同条4項)。

 本人確認情報は,これを提供する資格者代理人が申請人の氏名を知らず,又は当該申請人と面識がないときは,資格者代理人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために当該申請人から提示を受けた書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由を明らかにするものでなければならず,確認のために提示を受ける書類として,資格者代理人が提示を受ける日において有効な運転免許証や住民基本台帳カード等が定められており,運転免許証や住民基本台帳カードによる確認方法は,定められた書類のうちいずれか一以上の提示を求める方法による必要がある(不動産登記規則第72条1項3号,同条2項)。

(2) 本人確認情報に係る規定は不動産登記法及び不動産登記規則を根拠とするものであって,直ちに私法上の法律関係を規律するものではない。そして,契約の相手方の本人確認は,本来的には契約当事者がなすべきものである。しかし,登記手続に当たり,資格者代理人が,誤った登記義務者の本人確認情報を提供し,登記申請の委任を受けた場合,登記権利者において,資格者代理人が本人確認をして本人確認情報を提供し,登記申請の委任を受けているという事実に一定の信頼を寄せ,登記原因たる契約の締結に当たり,自らなすべき本人確認の一資料とすることは十分あり得ることであって,不合理なことではない。

 また,資格者代理人の制度は,直接的には登記義務者の権利を保護するものであるが,不動産登記制度は取引の安全を図ることを目的とするものであるから,当該登記を信頼して法律上の利害関係を有するに至った者も保護の対象に含まれると解すべきである。

 したがって,被告が,資格者代理人として本人確認情報を提供し,登記申請の委任を受けたという本件事実関係のもとにおいては,被告は,誤った本人確認をすることによって,原告が不測の損害を被る可能性があることについて,予見可能性を有し得る立場にあったとういうべきである。

(3) そこで,本件の具体的事実関係のもとにおいて上記予見可能性があったか否かを検討する。
ア 前記認定事実(3)イのとおり,被告は,自称Bが登記識別情報通知を紛失したとして本人確認情報の作成を依頼したのに対し,紛失した状況が不明であることから追加資料の提出を求めている。そして,証拠(乙2)によれば,自称Bが提出した本件遺産分割協議書の記載内容は,Hの死亡日が「平成44年9月17日」とされていること,相続開始日と被相続人の死亡日が異なっていること,上記相続開始日及び被相続人の死亡日がいずれも本件不動産の登記事項証明書に示された相続開始日(すなわち被相続人の死亡日)と異なっているという明らかに誤った内容を含むものであり(認定事実(11)エ),遺産分割協議の内容を正確に示すものではなく,そのままでは遺産分割協議に基づく登記申請に用いることができないことを容易に気付くことができる内容のものである。

 被告は,この点について,登記申請に先立ち法務局に確認したところ,上記のような誤記があった場合,窓口で補正する扱いが一般的であるという回答を受け,登記が完了しているのであるから申請の際には原本を補正して法務局に提出したのだろうと考えたと供述する。しかし,それだけでは,本件遺産分割協議書に誤った内容が記載されており,その訂正がされていないことについて合理的な説明になっていない。

 被告は,本件売買契約書の調印前に,自称Bに対し,本件遺産分割協議書の記載に誤りがあることを話したところ,自称Bが,「全部先生に任せてあるんで自分では分からない」と答えたと供述するが,それ以上の確認はしておらず,結局のところ,本件遺産分割協議書の誤記に関して調査,確認を何ら行ってないものと同然の状況にあるというほかはない。

イ 本件売買契約における決済は,最終的に,自称Bが現金で2億4000万円を受け取ることになったものであるところ,それ自体異例な決済方法であるし,昭和10年生まれで決済当時78歳の高齢であるはずの自称Bに上記のような多額の現金を交付することは,著しく安全を欠く行為といわざるを得ない。また,上記決済方法は,銀行振込による方法などと異なり,金銭が移動した痕跡が残らないものであり,成りすましによるものであった場合,その後の金銭の流れを調査することが著しく困難になる。

ウ 以上の事実関係を考慮すると,被告には,自称Bの本人確認において,成りすましによるものであることを疑うべき事情があったというべきであり,これによって原告が損害を被ることについての結果予見可能性があったものと認められる。


以上:5,793文字
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H29- 7-12(水):不動産売主なりすまし詐欺加担責任巨額損害賠償を弁護士に命じた判例紹介2
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○「不動産売主なりすまし詐欺加担責任巨額損害賠償を弁護士に命じた判例紹介1」を続けます。
この平成28年11月29日東京地裁判決(金法2067号81頁)は、結構、長文ですので、裁判所の判断部分のみを3回に分けて紹介します。



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第3 当裁判所の判断
1 認定事実

 前記前提事実に証拠(甲28,36ないし38,乙15,丙1,丁3のほか,以下に掲記のもの)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。
(1) Fが本件不動産をGに紹介した経緯
ア Gは,かつて不動産会社に勤務していたことがあり,本件売買契約締結の当時,不動産仲介業を行っていたが,宅地建物取引業の免許を有していなかった。原告は,Gが不動産会社に勤務していた平成12年頃以降,Gから延べ約10件の物件の紹介をしてもらっていた。また,a社は,平成25年11月29日に,神奈川県座間市に所有していた土地及びその上の共同住宅を代金1億1000万円で売却しており,原告は,その頃から,上記売却により得た代金を使って他の不動産を購入することを検討していたため,いい不動産があれば紹介してほしいとGに話していた。(甲45の1及び2,証人G,原告本人)

イ Fは,金融取引や不動産取引のブローカーを仕事とする者である。Gは,平成25年の春頃に,不動産会社に勤務していたときの取引先の社長からFを紹介され,以後,Fから2件の不動産の紹介を受けたことがあったが,いずれの不動産についても売買契約の成立には至らなかった。(証人G,同F)

ウ Fは,平成25年9月頃,仕事上の付き合いがあった者から紹介を受けたブローカーらから,本件不動産についての情報を得て,同年10月頃,その情報をGに伝えた。Fは,上記ブローカーらから,本件不動産はBが相続により取得したものであることや,本件不動産を売るに当たり弁護士を関与させる必要があることを聞き,弁護士を探すよう指示を受けた。(証人F,同G)

エ Gは,平成25年10月頃,Fから本件不動産の情報を得ると,本件不動産の現地を確認した上で,本件不動産の場所,売却希望価格(売買代金2億5000万円とその他費用4000万円の合計2億9000万円による現金一括決済を条件とするものであった。)などの点から本件不動産に興味を抱き,Fに更に詳細な情報を求めたところ,本件不動産は売主が相続により取得した不動産であるが親族間で揉め事があること,売買代金を税金の支払に充てるため売却を急いでいること,売主の側に交渉の窓口として弁護士が関与することなどを聞き,Fに対し,窓口となる弁護士との面会を求めた。また,並行して,原告や複数の不動産業者に対し,本件不動産を購入できるかもしれないとしてその購入を打診した。(証人F,同G)

(2) 被告が本件不動産の売買契約に関与した経緯
ア Fは,平成26年1月23日頃,以前に数回商標登録等の業務を依頼したことがあった被告に対し(被告はかつて弁理士登録をしていた。),本件不動産の売買契約について,売主となる者が弁護士が契約締結の立会人となるよう希望していることを話した上で,本件売買契約に弁護士として立ち会ってほしいと依頼した。被告は,不動産の売買契約であれば弁護士が立ち会う必要はないと考え,同依頼を断ったが,その数日後に,Fから,どうしても弁護士の関与が必要であるとして再度の依頼を受けたため,売買契約への立会いを承諾し,売主となる者と一緒に被告の事務所に来るようFに指示した。(証人F,被告本人)

イ Fは,平成26年2月13日,自称Bを伴い,被告の事務所を訪れた。被告が,自称Bに対して身分証を持参しているかを尋ねると,自称Bは,本件住基カードを被告に提示した。そこで,被告が,本件住基カードのカラーコピーをとった上で,自称Bに対し,氏名,住所及び生年月日を尋ねたところ,自称Bは本件住基カードに記載のとおりの回答をした。さらに,被告が,弁護士の関与が必要である理由を尋ねると,自称Bは,本件不動産は夫の遺産であり遺産分割協議により自らが単独で所有することになったが,不動産の売買は初めてであり,不安があるため,弁護士に契約締結に立ち会ってほしいと思ったとの回答をした。(被告本人)

(3) 本人確認情報作成の依頼等
ア Fは,平成26年2月17日,被告に対し,電話で,Bが本件不動産の登記識別情報通知を紛失したため被告に本人確認情報の作成を依頼したいと言っていることを伝え,本人確認情報の作成が可能かを尋ねた。被告は,本人確認情報の作成は司法書士が行えば足りる業務であると考えていったんこれを断ったが,同日中に,Fとの再度の電話のやり取りにおいて,Bの本人確認情報作成の依頼を引き受けることとし,翌日である同月18日に本人確認情報作成のための自称Bとの面接を行うこととした。(証人F,被告本人)

イ Fは,平成26年2月18日,自称Bを伴い,被告の事務所を訪れた。被告が自称Bに対して本人確認のための書類の提示を求めると,自称Bは,被告に本件住基カードを手渡した。被告は,本件住基カードを手に取り,その記載内容が自称Bに見えないようにした上で,自称Bに氏名,住所及び生年月日を質問したところ,自称Bは,前回の面接の際と同様に,本件住基カードの記載どおりの回答をし,さらに,干支を正しく告げた。続いて,被告が,本件不動産の登記識別情報通知が紛失したことについての状況が分かるような追加の資料の提出を求めると,自称Bはこれを承諾し,その日の面接は終了した。(証人F,被告本人)

ウ 被告は,それまで不動産登記申請における本人確認情報を作成したことがなかったため,前記イの面接の後,その日のうちに,法令及び書式を調べた上で,弁護士事務所の事務員に指示をして,書式を参考にしながら日付部分を空欄にしたBの本人確認情報を作成させた。また,その頃,Fから電話があり,本人確認情報の作成及び本件売買契約の立会いの報酬を30万円とすることが合意された。さらに,被告は,Fから,翌日である平成26年2月19日に,買主の関係者と会ってほしいと求められ,会議があるため時間がないとしてこれを断ったものの,どうしても会ってほしいとFから頼まれたため,飯田橋で同日の午後7時頃であれば会議を中座して買主関係者と面会することができるとして,買主関係者と面会することになった。(証人F,被告本人)

(4) 被告とGとの面会
 Gは,Fから,平成26年2月19日午後7時頃であれば本件不動産の売主側の窓口となる弁護士と面会できると言われ,同日の同時刻に,Fから指定された場所である飯田橋の喫茶店に行き,Fを介して,被告と名刺交換をするなどした。被告は,仕事中で急いでいるため本件不動産の売買契約について詳しい話はFから聞いてほしいと言ってGとFを残して先に店を出た。Gは,この日に,本件不動産の登記識別情報通知が紛失されているために被告が売主の本人確認情報を作成することを知った。(証人G,同F,被告本人)

(5) Gが原告に本件不動産の購入を提案した経緯
ア Gは,前記(4)の被告との面会を終えて,コフジインテグレーション社のI(以下「I」という。)に被告のホームページを確認させるなどした結果,本件不動産の購入について具体的な提案をすることが可能だと判断したが,それまでGから本件不動産の購入を打診していた複数の不動産業者が,いずれも短期間で現金一括決済によるという条件に応じられないとのことであったため,原告に本件不動産の購入の具体的な提案をすることとし,平成26年2月22日の夜,原告に対し,電話で,近日中に代金約3億円を一括決済する方法により本件不動産を購入することが可能かどうか打診した。(証人G,原告本人)

イ 原告は,Gから前記アの電話を受けた際,シンガポールへの出張を翌日に控えて成田のホテルに宿泊していたところ,Gに対し,前記(1)アのとおりa社が不動産を売却したことによる余剰資金を原資にすれば本件不動産の購入が可能と思われるが,念のため知り合いのJ弁護士にも取引条件を確認してほしいため,J弁護士に取引条件を伝えるようにと言った。(証人G,原告本人)

ウ Gは,平成26年2月23日,J弁護士に対し,本件不動産の取引が代金約3億円の現金決済によるものであること,登記識別情報通知が紛失されており,被告が売主の側に関与していることなどを説明したところ,J弁護士から,法的には問題ないだろうとの回答を受けた。そこで,Gが,Fに,原告が本件不動産を購入することになったと連絡すると,Fから,本件不動産の売買契約締結日を平成26年2月26日とするとの連絡を受けた。(証人G)

エ 原告は,平成26年2月23日及び24日に,シンガポールで行われていた国際交渉の合間にGやJ弁護士と電話をする中で,J弁護士から,書類上は取引に問題点がみられないこと,被告の経歴からすれば被告を信頼できるだろうということを告げられた上で,さらに,Gを信頼するかどうかは原告が判断する必要があること,本件不動産を購入するのであれば現地を確認すべきであるとの助言を受けた。そして,原告は,Gから,本件売買契約の締結日が同月26日となったが決行してよいかと聞かれ,その日はJ弁護士が契約締結に立ち会うことができないとのことであったが,同日に契約を成立させることを承諾した。また,原告は,これらのやり取りの中で,Gから,本件不動産の代金が約2億5000万円であるが,その他にGに報酬として5000万円を支払う必要があること,その中には本件不動産の居住者を退去させるための費用などが含まれていることを聞いた。(証人G,原告本人)

オ 原告は,前記エと並行して,城南信用金庫の千代田支店長に電話をし,本件不動産を総額約3億円で購入することについて,相場からみて適正な価格かどうかを調査するよう依頼した。これを受けて,平成24年6月頃から原告及びa社など原告の経営する会社の取引の担当をしていた同金庫厚木支店の営業職員であるK(以下「K」という。)が,不動産業者に問い合わせたところ,Kは,相場の範囲内であり代金額に違和感はないとの回答を受けたため,その旨を原告に伝えた。そして,原告が,平成26年2月24日,Kに,本件不動産を購入することを決意したこと,同月26日に売買契約を締結するところ,現金で一括決済する必要があることを告げると,Kは,同日に城南信用金庫銀座支店での現金決済ができるよう準備を始めた。また,原告は,同月25日,原告名義の城南信用金庫の預金口座に3億0500万円を振り込んだ。(甲27,証人K,原告本人)

(6) 原告補助参加人への依頼
 FとGは,平成26年2月24日,Gが日頃から仕事を依頼している司法書士から同月26日は都合がつかないと言われたため,Fの提案により,Fの知り合いの弁護士から紹介を受けた原告補助参加人に,本件不動産の売買契約において原告の登記申請代理人となってほしいと依頼した。原告補助参加人は,同月25日,GとFから,売主が登記識別情報通知を紛失しているため,弁護士である被告が売主の本人確認情報を作成すること,したがって被告が原告の登記申請代理人となることは利益相反になることの説明を受け,原告の登記申請代理人となることを引き受けた。(証人G,同Z)

(7) 本人確認のための追加資料の提出
ア Fは,平成26年2月25日,自称Bを伴い,被告の事務所を訪れた。自称Bは,平成25年12月10日付けでD及びEとともに作成したとされる,Bが本件不動産を取得し,本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産はBが取得する旨の記載のある本件遺産分割協議書の写しと,上記3名が遺品の整理中に誤って紛失したため登記識別情報通知が存在しないことを確認するとの内容の平成26年2月20日付けの確認書の写し(以下「本件確認書」という。),これらに押捺されたD及びEの印鑑についての印鑑登録証明書を持参しており,これらを被告に提示した。(乙2,3,4の1及び2,被告本人)

イ 被告は,上記アの際に,Fから,本件不動産の売買契約の締結日が翌日である平成26年2月26日になったと聞いた。被告が,同日の午後3時から30分間程度であれば時間があると言ったところ,Fがこれを了承し,同日の午後3時に被告の弁護士事務所において本件売買契約を締結することが合意された。(証人F,被告本人)

(8) 本件売買契約締結当日のやりとり
ア 原告は,平成26年2月26日午前8時30分にシンガポールから帰国し,成田空港まで原告を迎えに来たGとともにGの車で本件不動産に行き,現地の確認を行い,さらに,昼頃にGとともにコフジインテグレーション社に行き,同社との間で一般媒介契約を締結するとともに,宅地建物取引主任者であるIから,本件不動産の売買についての重要事項説明を受けた。(甲26,39,証人G,原告本人)

イ その後,原告とGは,平成26年2月26日午後2時前に,城南信用金庫銀座支店に行った。Gは,Fの指示により,被告の事務所で売買契約を締結し代金を支払うつもりでいたところ,Kから,2億4000万円もの現金を被告の事務所まで運搬することには賛成できないと言われたため,売買契約書の調印は被告の事務所で行い,その後,現金の授受を城南信用金庫銀座支店で行うことにした。そのため,原告は,まず,Gの口座に報酬等として5000万円を送金するとともに,売買代金として現金2億4000万円を預金口座から払い戻して同支店に預けた上で,登記関係費用として現金310万円を払い戻し,これを持ってGとともに被告の事務所に向かった。(甲20の1の1及び2,甲20の2,甲21,27,証人G,同K,原告本人)


以上:5,701文字
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H29- 7-11(火):不動産売主なりすまし詐欺加担責任巨額損害賠償を弁護士に命じた判例紹介1
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○真実の不動産所有者Bになりすました自称Bと原告の代金2億5000万円での売買契約立会人となり、同契約に基づく登記移転手続のために,Bの本人確認情報を作成した上で,登記義務者である自称Bの登記申請代理人として,所有権移転登記の申請を行った弁護士に対し、代金を支払いながら不動産を取得できなかった買主からこの立会人弁護士に約3億2240万円の損害賠償請求がなされ、内約1億6044万円の損害賠償が命じられた平成28年11月29日東京地裁判決(金法2067号81頁)の、先ず、事案概要を紹介します。

○弁護士にとっては大変怖い話しですが、幸い、弁護士賠償責任保険に加入していたようで、その保険会社も被告弁護士側補助参加人として訴訟に加わっています。


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第1 請求
 被告は,原告に対し,3億2239万7300円及びこれに対する平成26年2月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は,不動産を購入して代金を支払い,自己に対する所有権移転登記を経た原告が,売主の依頼によって当該不動産の所有権移転登記申請に当たり売主の本人確認情報を提供した弁護士である被告に対し,被告が,過失により,売主の本人確認の際に提示を受けた住民基本台帳カード等の書類が偽造されたものであることに気付かないまま誤った本人確認情報を提供し,このために,真実の所有者から所有権移転登記抹消登記手続を求められ,当該不動産の所有権を取得することができなくなったと主張して,不法行為に基づき,当該不動産の売買代金,登記申請費用,不動産の紹介者に対して支払った報酬及び弁護士費用相当額の合計3億2239万7300円並びにこれに対する不法行為の日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

1 前提事実(以下の事実は争いがないか,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる。)
(1) 当事者等

ア 原告は,畜産業を主な目的とする有限会社a(以下「a社」という。)及びその関連会社を経営し,社団法人b協会の会長を務めている者である。(甲41の1)

イ 被告は,第二東京弁護士会に所属する弁護士である。(乙16)

ウ B(以下「B」という。)は,平成26年2月26日当時,港区○○c丁目1番65,同番66,同番105,同番133,同番135,同番140及び同番141の7筆の土地並びにその一部の土地上にある3階建共同住宅(以下,これらの土地及び建物を併せて「本件不動産」という。)及び2階建ての未登記建物の所有権を有していた者である。
 登記記録上,他に,上記の一部の土地上に平家建ての建物が存するが,上記時点においては存在していなかった。

エ 本件不動産は,かつてBの夫であるC(以下「C」という。)が所有していたものである。本件不動産のうち上記ウの1番65の土地の持分100分の8については,Cが平成5年10月17日にBに贈与し,同月21日,その旨の登記がされた。本件不動産のその余の部分は,Cが平成25年2月28日に死亡したため,Bが,同年12月10日,Cの子であるD(以下「D」という。)及びE(以下「E」という。)との間で行った遺産分割協議によって単独で相続し,同月24日,その旨の登記をした。(甲2の1ないし9,乙24)

(2) 被告が本件不動産の売買契約に関与した経緯
ア 被告は,平成26年1月23日頃,かつて法律事件の委任を受けたF(以下「F」という。)から,本件不動産の売買契約について,売主が売買契約の立会人となる弁護士を探しており,その旨引き受けてもらいたいとの依頼を受け,これを承諾した。

イ 被告は,平成26年2月13日,F及びBを名乗る女性(以下「自称B」という。)と面会した。

ウ 被告は,平成26年2月17日,Fから,Bが本件不動産の所有権移転登記手続のために必要な登記識別情報通知を紛失したから本人確認情報を作成してほしいとの依頼を受け,これを承諾した。

(3) 本件不動産の売買
ア 原告と自称Bは,平成26年2月26日,被告の弁護士事務所において,本件不動産に関する不動産売買契約書(以下「本件売買契約書」という。)に署名押印し,Bが原告に対し代金2億5000万円で本件不動産を売り,同日引き渡すこと,原告が契約締結日に上記代金のうちの2億4000万円を支払い,残代金1000万円については,平成26年3月末日までに本件不動産における共同住宅に居住する賃借人を退去させるまで支払を留保することなどを内容とする売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結した。

イ 被告は,平成26年2月26日,本件売買契約の締結に当たり,同契約に基づく登記移転手続のために,Bの本人確認情報を作成した上で,同日,登記義務者であるBの登記申請代理人として,所有権移転登記の申請を行った。被告は,前記(2)イ以前にBと面識がなかったため,上記本人確認情報に,自称Bから提示を受けた住民基本台帳カード(以下「本件住基カード」という。)の顔写真により同一性を確認し,さらに氏名及び住所,年齢,干支等の申述を求めたところ,正確に回答したと記載した。(甲4ないし9,10の1,甲12,被告本人)

ウ 上記イの所有権移転登記申請により,平成26年2月26日,本件不動産の所有権がBから原告に移転した旨の所有権移転登記がなされた(以下「本件所有権移転登記」という。)。(甲2の1ないし9)

(4) 成りすましの発覚
 Bは,平成26年3月31日,原告に本件不動産を売却した事実がないこと,本件所有権移転登記の申請書に添付されているB名義の本件住基カード及び印鑑登録証明書が偽造されたものであることなどを理由に,東京地方裁判所に,原告を債務者とする本件不動産についての処分禁止の仮処分を申し立て(東京地方裁判所平成26年(ヨ)第1008号),同裁判所は,同年4月2日,その旨の仮処分命令を発した。(甲2の1ないし9,甲3ないし16)

(5) 本件住基カード
 本件住基カードは,券面事項確認利用領域であるQRコードが付されたもので,スマートフォン等の電子機器を利用してこのQRコードを読み取ると,生年月日情報を読み取ることのできるものであった。(甲10の1及び2,甲17)

(6) 補助参加人の関与
ア 原告補助参加人は,司法書士業を行う者であり,前記(3)イの原告の登記申請代理人として本件所有権移転登記の申請を行った者である。

イ 被告補助参加人は,損害保険事業を目的とする会社であり,被告との間で,弁護士法に規定される弁護士の資格に基づいて遂行した同法3条に規定される業務に起因して被告が法律上の賠償責任を負担することによって被る損害について保険金を支払う旨の弁護士賠償責任保険契約を締結している。
以上:2,836文字
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H29- 7-10(月):石原医師”老いるほど若く見える健康法”紹介-朝食抜きの合理性
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○「石原医師”老いるほど若く見える健康法”紹介-ルイジ・コルナロとは」の続きです。
ルイジ・コルナロ氏は、1464年から1566年まで102年間も生きて「無病法」という著作を残しましたが、550年も前に生まれた方が、少食を説いていたのには驚きました。

○しかし、石原医師著「老いるほど若く見える健康法」によるとおそらく3000年以上前に作られたエジプトのピラミッドの碑文に「人は食べる量の4分の1で生きている。残りの4分の3は医者が食べている」というのがあり、エジプトの貴族たちの挨拶は、「吐きますか、汗をかきますか」だった、つまり、過食や運動不足の害を知っていたとのことです。

○古代ローマ、古代ギリシャ、古代エジプトなどの文明国は、文明が頂点を極めたときに、黒死病(ペスト)、疱瘡、麻疹……などの疫病が流行し、国が衰亡していく大きな要因となったが、疫病が流行した原因は、文明の発展と共に怠惰で美食・飽食の生活にどっぷりつかったため、運動不足と食べ過ぎであったと断定されています。

○「腹八分に病なし、腹十二分に医者足らず」と言う格言があるそうです。「腹八分に病なし」は、良く聞きますが、「腹十二分に医者足らず」は余り聞きません。古代エジプトピラミッド碑文「残りの4分の3は医者が食べている」に通じるものでしょう。日本は、この40年で医者の数が約3倍の30万人を超え、医療・医学が発達しているのにも拘わらず、病気・病人は増える一方で、平成28年の日本の医療費は41兆円を超え、国家財政赤字増加の要因となっているそうです。

○「腹十二分」を「腹八分」にするには、一日3食を1食抜き「空腹」時間を作るべきで、一番理にかなっているのは「朝食抜き」とのことです。その理由は、人体には「吸収は排斥を阻害する」との鉄則があり、食べるほど消化・吸収のため胃や小腸に血液が集まり、その分、大腸・直腸・腎臓・膀胱へ巡る血液量が減るため、大小便の排泄が悪くなるからとのことです。朝食を抜けば、胃や小腸への血流が少なくなり、大腸・直腸・腎臓・膀胱への血流が増え、排泄が促進されるとのことです。

○さらに睡眠中は、「断食」しているので、朝は排泄が促進され、体内・血液内の汚れを排泄する時間帯であり、朝、ご飯やパンなどの固形物を食べ、胃腸が動き始めると、排泄が阻害され、折角の血液浄化反応も抑制されるので、血液浄化反応を促進し、病気予防、改善を図るには朝食を抜くことが一番と力説されています。

○朝食を抜くと昼食は、断食後の捕食にあたるので軽めで良く、お薦めはそばとのことです。そばは、炭水化物だけかと思っていたら、何と、8種類の必須アミノ酸を含むタンパク質、動脈硬化を防ぐ植物性脂肪、エネルギー源の炭水化物(糖)をはじめ、ほとんどのビタミン、ミネラルが含まれる「完全栄養物」だそうです。これに、体を温め、血行をよくするネギ、すり下ろしショウガ、七味唐辛子を存分にかけるて食べると理想の昼食だそうです。そばもラーメンと同じ炭水化物がメインと思って避けてきましたが、見直しました。
以上:1,263文字
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H29- 7- 9(日):石原医師”老いるほど若く見える健康法”紹介-ルイジ・コルナロとは
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○「石原医師”老いるほど若く見える健康法”紹介-少食の効用」の続きです。
石原医師”老いるほど若く見える健康法”紹介-少食の効用」で紹介した「イタリア・ヴェネツィア貴族ルイジ・コルナロ」は、初めて知りましたが、「ルイジ・コルナロ」でネット検索すると、結構、関連サイトが出てきます。「アーユルヴェーダと民間療法」というサイトの紹介記事をリンクします。

「【無病法】 ルイジ・コルナロ「極少食の威力」 Luigi Cornaro 」というサイトでは、コルナロの肖像画入りで、「極少食」の威力を解説しています。以下の説明が、気になりました。
あるイギリス人栄養学者が、1920年にフンザの食事(全粒穀物と生野菜、生牛乳-殺菌牛乳でない)、インドの食事(米、豆、野菜、肉などをスパイスを使って調理した物)、イギリスの食事(白パン、バター、ミルク、砂糖、缶詰の肉、ハム、ソーセージなど)をラットに与えて研究した所、インド食を食べたラットのグループは、多くの場合、眼疾、潰瘍、腫瘍、不良歯、脊柱後湾、脱毛、貧血、皮膚病、心臓病、胃腸障害などが見られ、イギリス食では、インド食と同じような異常のほか、神経系までおかされて凶暴化し、互いにかみ殺し合うという地獄絵のような光景が見られたという。フンザ食では全てのラットが例外なく健康だったという。
○早速、アマゾンに「無病法」を注文し、ついでに「食べない、死なない、争わない (人生はすべて思いどおり--伝説の元裁判官の生きる知恵)」なんて本も注文してしまいました。

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アマゾンでの「無病法」内容紹介
西欧では、歴史的に最も有名な長寿者であるにもかかわらず、日本ではほとんど知られていない人物。それが本書の著者ルイジ・コルナロである。コルナロはいわば「食べない健康法」の元祖。
時は16世紀のイタリア。病気がちで生死の淵をさまよった彼は、医師の忠告で節食生活を始める。すると、たちまち病は快癒し、ついには当時としては異例の102歳という天寿を全うする。彼はその体験をもとに、食を節すること(極少食)がいかに心身ともに良い影響を与え、また人間の運命をも変え得るものかを83歳から書いて配り始めた。

その手記は評判を呼び、各国で翻訳されながら読み継がれ、後にフランシス・ベーコンやニーチェほか多くの有名人が言及しているほどである。
この「食養のバイブル」とも言われる古典的名著が、ついに待望の邦訳! 活性酸素やサーチュイン遺伝子など現代の知見から見た懇切な解説も付いており、より深い理解を助けてくれる。

内容(「BOOK」データベースより)
16世紀のイタリアで、自らの体験をもとに食を節することの素晴らしさを説いた貴族の手記。欧米各国で読みつがれてきた健康法の古典的名著、待望の邦訳(解説付き)。


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すべては裡に。今こそ、全人類に。
投稿者 ponpokorin 投稿日 2016/6/12


直前まで、元気に、健やかに、活発に過ごし、ある日、睡眠や午睡からそのまま目が醒めずに、フッとろうそくの灯りがさりげなく消えるように、逝く。それが本来の人間の姿であり、誰でもそれが可能である、と語る。

今まで、「これなら絶対に健康になる」「病気が治る」という特定の方法というものはなく、あくまでもそれは個人によると考えてきたが、この本の内容は、それを覆すものである。

80歳を過ぎてからが、最も人生の良い時であると力強く主張する、500年前当時にはおそらく異常な長寿だったであろう筆者は、40代の時に飽食によって命に関わる大病を患い、医者に、もう出来ることは何もないと見放された状態から、大復活を遂げた。

この15世紀から16世紀を生きた著者の主張の中で、最も特筆すべきは、「自分自身で試行錯誤を繰り返すことでしか、自分にとって良い食べ物はわからない」「最高の名医は自分自身である」、つまり、自分の命には自分で完全に責任を持つ、という部分だ。

現代でも、すべて医者任せ、医者のいいなり、また、「奇跡の治療法」「最高の健康法」を求めて彷徨うのではなく、まず、自分自身を軸に持つ、という考え方が増えてきている。
この事を、この時代にこれほど力強く訴えて、そして、500年たった今も、イタリア以外ではほぼ無名の著者によるこの本は、世界中で読み継がれているのだ。その事実だけで、この本の価値を語るに十分だ。

日本語に、病を授かる、という表現がある。
そう捉えられるようになるには、努力は必要だが、葛藤はしないことだ。
抵抗し、葛藤をすることは、苦しみを生む。
受け入れ、出来る限りの努力をする。

病は、最大のチャンス。
この著者も、大病をしなければ、この本を書く事も、102歳まで生きることも、こうやって、500年後の人類に影響を及ぼすことも、おそらく、なかったであろう。

病に向かいあっている、またそれを支える方々に、ぜひとも、読んでいただきたい。
私は、周りにプレゼントし、常に身近に置いている。
以上:2,128文字
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