サイト内全検索
 

[全 5584頁] 本日 昨日累計
ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
なお、出典を明示頂ければ、全データの転載もご自由で、転載の連絡も無用です。しかし、データ内容は独断と偏見に満ちて正確性に欠けることがありますので、決して鵜呑みにすることなく、あくまで参考として利用されるよう、予め、お断り申し上げます。データに関するご照会は、電話・FAXではなく、全て投稿フォームでお願い致します。
■ 携帯電話やスマートフォーンでご覧いただいてます皆様へ。下記からもアクセス可能です。ご利用下さい
・モバイル版トップページ http://komatsu-law.com/ ・交通事故関係http://komatsu-law.com/koutu/
 ・男女問題関係  http://komatsu-law.com/danjyo/ ・相続家族関係 http://komatsu-law.com/souzoku/

H29- 9-20(水):妻から不貞行為第三者ではなく夫への損害賠償請額を増額した高裁判例紹介
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「妻から不貞行為第三者…」←リンクはこちらでお願いします
○「妻から不貞行為第三者ではなく夫への損害賠償請求を認めた地裁判例紹介」の続きで、その控訴審の平成29年8月10日仙台高裁判決(LEX/DB)の判断部分全文を紹介します。
夫の妻への夫経営会社への出社拒否等妻が主張する不法行為について全部を一審地裁判断同様に不法行為に該当しないとしながら、妻が,自殺未遂,パニック障害,神経性不眠症と診断され、これらの精神的苦痛の程度,その他本件に顕れた諸般の事情を考慮し、妻が被った精神的苦痛を慰謝するには,200万円の支払をもってするのが相当としました。妻としては、僅かの金額である50万円の増額です。

○婚姻中に妻が夫の不貞行為を理由に夫の不貞行為相手方である女性に請求する裁判例は相当数ありますが、不貞行為第三者への請求はせず、夫だけに損害賠償請求をする裁判例は、余り見つけられません。この例は夫が憎たらしくて堪らず、形式的には婚姻中に夫に請求したようです。いっそ離婚して請求した方が、婚姻破綻に到ったとの理由が加わり、損害賠償認容額は増額される可能性があるのですが、離婚は求めていません。

○夫から妻へ離婚請求は、有責配偶者として棄却される可能性が高いためしておらず、妻としては、妻の地位にある限り、相続権と婚姻費用請求権があるため離婚請求はせず、損害賠償のみの請求になったと思われます。


***************************************

第3 当裁判所の判断
 当裁判所は,控訴人の請求のうち200万円及びこれに対する平成27年4月8日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める部分は理由があり,その余の請求は理由がないものと判断する。その理由は,次のとおりである。

1 不貞行為及びその後の被控訴人の控訴人に対する対応について
(1)被控訴人が,平成22年8月頃以降,Cと性交渉を持つようになり,平成23年1月1日,控訴人と生活していた自宅を出て,その後,Cのマンションで同人と同棲するようになり,同人との間に3人の子供をもうけた事実は当事者間に争いがない。

(2)被控訴人は,平成20年頃には控訴人との間の婚姻関係は破綻していた旨主張する。
 しかしながら,被控訴人の供述によっても遅くとも平成22年初め頃まで,控訴人の供述によれば平成23年1月まで,両者の間には性交渉があったというのであるし,平成22年10月には,被控訴人の両親や妹らが出席する食事会に控訴人及び被控訴人がともに出席しており,平成23年1月にも花巻温泉に二人で出かけていたこと,また,花巻温泉に旅行に行った際,控訴人は被控訴人との婚姻関係を維持する意思を有していたこと(甲26,控訴人本人,被控訴人本人)などに照らせば,被控訴人が主張する平成20年頃はもとより,被控訴人とCが性交渉を持つようになった平成22年8月頃においても,控訴人と被控訴人の間の婚姻関係が破綻していたとは認められない。

(3)なお,控訴人は,〔1〕不貞行為(前記第2の3(控訴人の主張)(1)ア)と,〔2〕その後控訴人が,平成22年9月,被控訴人に対して問い質したところ,被控訴人は,不貞行為に及んでいることを認め,控訴人に対し,他の女性と不貞行為に及ばない旨を約束したにもかかわらず,被控訴人はCとの不貞行為を継続し,控訴人が,同年12月,Cの経営する飲食店に行き,同人に対して被控訴人との不貞行為の有無を問い質した際,同人は被控訴人と共謀して不貞行為があることを否定し,また,被控訴人は,このことに関し,Cの飲食店に損害を与えたとして,100万円を賠償するように要求した上,平成23年1月頃には自宅を出てCのマンションで同人と同棲し始めた行為(同(2)ア)とは,それぞれ別個の不法行為である旨主張する。

 しかしながら,上記〔1〕において控訴人が主張する不貞行為が上記〔2〕の平成22年9月以降も継続された不貞行為及び控訴人と生活を共にした自宅を出てCと同棲するようになったことを含んでいることは,その主張事実自体から明らかであって,これを別個の不法行為とみることは相当ではない。
 そして,上記〔2〕の主張事実のうち,被控訴人とCが共謀の上,控訴人に対して不貞行為の継続を否認したことについては,被控訴人が控訴人に対して不貞行為の継続を自白すべき不法行為上の注意義務があったとはいえない以上,不法行為の成立を認めることはできない。また,上記〔2〕の主張事実のうち,被控訴人が,控訴人に対し,Cの飲食店に損害を与えたとして100万円の賠償を要求したことについては,それが被控訴人の控訴人に対する法律関係に関する意見表明の域を超えて,社会的に不相当な手段又は方法によってされたものと認めるに足りる証拠がない以上,これも不法行為の成立を認めることはできない。

2 訴外会社への出社拒絶等について
 控訴人は,平成23年3月まで訴外会社に出社して主に経理事務等を行っていたが,被控訴人が,〔1〕控訴人が取締役として保管していた訴外会社の代表印及び銀行預金通帳を控訴人の承諾なく奪い取った上,〔2〕訴外会社が新事務所に移転した際,控訴人に対し,「おまえなんか,必要ない。会社に来なくていい。」などと罵詈雑言を浴びせて訴外会社への出社を拒絶し,〔3〕控訴人の印鑑を冒用して控訴人名義の辞任届を偽造し,控訴人の取締役辞任登記という内容虚偽の役員変更登記をして,控訴人を訴外会社から追い出そうとしたことが不法行為に当たる旨主張する。

 しかしながら,上記〔1〕の主張事実については,被控訴人は訴外会社の代表者である以上,訴外会社の代表印及び銀行預金通帳の保持権限を有しているというべきであり,しかも上記代表印及び銀行預金通帳を現実に保持するに当たって社会的に相当でない手段又は方法を用いたと認めるに足りる証拠がないから,この点につき不法行為の成立を認めることはできない。

 上記〔2〕の主張事実については,控訴人の主張を前提としても,被控訴人が脅迫的な言辞を用いるなどしていたものといえないから,被控訴人の上記発言をもって不法行為の成立を認めることはできない。
 上記〔3〕の主張事実については,被控訴人が控訴人名義の辞任届を偽造したことや控訴人の取締役辞任登記が内容虚偽のものであることを認めるに足りる客観的証拠はない。
 したがって,被控訴人が違法な目的を有していたか否かを検討するまでもなく,この点に関する控訴人の主張は理由がない。

3 生活費の減額について
 控訴人は,被控訴人との間に,控訴人の生活費として被控訴人が控訴人に月額40万円を支払う旨の合意があったにもかかわらず,平成23年7月以降は上記支払額を減額し,平成24年1月以降は月額20万円しか支払わなかったことが控訴人に対する不法行為に当たる旨主張する。また,控訴人は,上記合意の存在を裏付ける証拠として授受金額一覧表(甲19,25の7)を提出しているほか,少なくとも平成23年1月及び同年2月に関しては,被控訴人が控訴人に対して生活費として各40万円を支払ったことが認められる。

 しかしながら,上記認定事実及び書証を踏まえた上でも,控訴人と被控訴人の間に,被控訴人が控訴人の生活費として月額40万円を将来にわたっても継続的に支払う旨の合意が成立していたことを認めるには足りないし,他に上記合意を認めるに足りる証拠はない。
 また,仮に,被控訴人が控訴人に対して生活費として一定額を支払うべき義務を負っていたとしても,その支払をしない旨の控訴人の主張は,結局のところ,被控訴人の金銭債務の不履行を述べるものに過ぎないのであって,約定又は法定の利率以上の損害賠償を求めることはできないというべきである(最高裁昭和48年10月11日第一小法廷判決・裁判集民事110号231頁参照)し,その不払自体が債務不履行を超えて不法行為に当たるとまで認めるに足りる証拠はない。
 したがって,この点に関する控訴人の主張は理由がない。

4 自宅を補修せず放置したことについて
 控訴人は,その居住する自宅が東日本大震災により損壊したところ,被控訴人は,控訴人に対し,上記自宅を補修すると約束をし,また補修のための補助金等の交付を受けたにもかかわらず,その補修工事をせず,放置したものであり,これは,控訴人を傾いた自宅に居住させ続けるとともに,Cとの不貞行為を維持したいという違法な目的によるものである旨主張する。そして,控訴人の上記主張に沿う証拠(甲25の7,32,33,控訴人本人)もある。

 しかしながら,被控訴人が控訴人に対して自宅の補修を約束したという事実については,被控訴人はこれを否認している上,上記証拠によっても,上記主張に係る約束をした日時や約束に係る具体的な文言も明らかでないことに照らせば,上記事実を認めることはできない。その他,被控訴人が自宅の補修をすべき不法行為上の注意義務を負っていたと評価するに足りる事実はない。
 そうすると,被控訴人に違法な目的があったか否かを検討するまでもなく,自宅を修理せず放置したことについて被控訴人の不法行為が成立すると解すべき余地はない。

5 慰謝料額について
 上記1から4までの検討によれば,控訴人が主張するもののうち,被控訴人がCと不貞行為をしたことは不法行為と認められる。そして,控訴人が平成23年1月に自宅を出て控訴人と一方的に別居し,その後,Cと同棲し,その間に3人の子をもうけたという不貞行為の態様,その結果,控訴人が,平成28年5月に自殺未遂に及び,パニック障害,神経性不眠症と診断されたこと(甲5の1,21,22,25の2,32,控訴人本人,弁論の全趣旨)から窺われる控訴人の精神的苦痛の程度,その他本件に顕れた諸般の事情を考慮すると,上記不法行為により控訴人が被った精神的苦痛を慰謝するには,200万円の支払をもってするのが相当というべきである。

6 まとめ
 以上によれば,控訴人の請求は,200万円及びこれに対する平成27年4月8日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余の請求は理由がないから棄却すべきであるから,これと異なる原判決を上記のとおり変更して,主文のとおり判決する。
仙台高等裁判所第2民事部 裁判長裁判官 古久保正人 裁判官 杉浦正典 裁判官 坂本浩志
以上:4,250文字
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「妻から不貞行為第三者…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-19(火):妻から不貞行為第三者ではなく夫への損害賠償請求を認めた地裁判例紹介
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「妻から不貞行為第三者…」←リンクはこちらでお願いします
○婚姻中の一方配偶者が不貞行為をした場合、配偶者ではなく不貞行為相手方に対する請求が多いのですが、妻である原告が、夫の不貞行為相手方には請求せず、夫に対してのみ、不貞行為をしたことなどが不法行為に当たるとして、2000万円の慰謝料の支払等を求めた事案において、被告がCと不貞行為を行ったことは、原告に対する不法行為に当たるものと認め、被告夫に対し、慰謝料150万円の支払を命じた平成29年3月13日仙台地方裁判所判決(LEX/DB)全文を紹介します。

○この判決は、妻側が認容金額が150万円では足りないとして控訴し、平成29年8月10日仙台高裁判決(LEX/DB)で200万円に増額されています。「うつ病にり患し,また,不貞行為の有無を問い質した際にも頭ごなしに怒鳴られたため,病状が悪化し,平成23年5月20日,未遂に終わったものの,原告は自殺を図るに至った」等の妻の主張を見る限り、おそらく少なくとも慰謝料は500万円程度認められるのではと踏んで2000万円もの請求をしたと思われます。

○ですから妻としては200万円でも不満と思われますが、確かに20年位前であれば、このような事案で結構な金額の慰謝料が認められた例もあります。しかし、殆どが多くても500万円止まりであり、不貞行為に関する慰謝料金額の低額化傾向が見られ近時は、200万円の認容は多い方と思われます。

**************************************

主   文
1 被告は,原告に対し,150万円及びこれに対する平成27年4月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを40分し,その37を原告の負担,その余を被告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は,原告に対し,2000万円及びこれに対する平成27年4月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
1 本件は,妻である原告が,夫である被告に対し,被告が不貞行為をしたことなどが不法行為に当たるとして,慰謝料2000万円及びこれに対する平成27年4月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

2 争いのない事実等
(1)原告と被告は,平成3年11月13日に婚姻した夫婦であり,その間に平成4年○月○○日生の長女,平成5年○○月○○日生の二女及び平成7年○月○○日生の三女をもうけている(甲1の1,1の2)。
(2)原告と被告は,原告住所地において同居して生活していたが,平成23年1月1日,被告は,同所を出て,それ以降,別居している。
(3)平成27年12月18日,原告と被告は,仙台家庭裁判所において,婚姻費用の分担に関する調停を成立させた(甲18)。
(4)被告は,株式会社○○○○(以下「訴外会社」という。)の代表取締役を務めており,平成26年3月まで,原告も訴外会社の取締役として登記されていた(甲6の1,6の2)。

3 争点
 原告の被告に対する慰謝料請求の当否
〔原告の主張〕

(1)被告は,原告に対し,下記のとおりの不法行為を行ったものであり,これによる原告の精神的損害は2000万円と評価するのが相当である。
ア 平成22年8月頃以降,被告は,訴外C(以下「C」という。)と性交渉を続け,平成23年1月頃にはCのマンションで同棲するようになり,同人との間に,平成23年○○月○○日生,平成25年○月○○日生,平成28年○月○○日生の3人の子供をもうけた。
 上記の結果,原告は,うつ病にり患し,また,不貞行為の有無を問い質した際にも頭ごなしに怒鳴られたため,病状が悪化し,平成23年5月20日,未遂に終わったものの,原告は自殺を図るに至っている。

イ 平成22年12月,原告がCの経営する飲食店に行き,同人に対して被告との不貞行為の有無を問い質した際,同人は被告と共謀して不貞行為があることを否定し,また,被告は,そのことに関し,Cの飲食店に損害を与えたとして,100万円を賠償するように要求した。

ウ 原告は,平成23年3月に東日本大震災が発生するまで,被告が代表取締役を務める訴外会社で経理等の事務に従事していたが,同社が新事務所に移転した際,「おまえなんか,必要ない。会社に来なくていい。」などと罵詈雑言を浴びせ,出社を拒否した。

エ 被告は,原告に対し,平成23年6月まで生活費として月額40万円を支払っていたが,原告に無断で,同年7月から同年12月までは月額30万円,平成24年1月から平成27年4月までは月額20万円しか支払わなかった。

オ 東日本大震災により,原告の居住する自宅建物は損傷したが,その補修のために国からの補助金400万円及び保険金900万円の合計1300万円が被告に支給された。
 しかし,被告は,原告に対し,自宅を補修すると約束したにもかかわらず,補修工事をせず,放置した。

(2)被告は,平成20年頃には,原告と被告の婚姻関係は破綻していたと主張するが,平成23年1月1日に被告が自宅を出ていくまで,原告と被告は一つの布団で寝ていて,性交渉をもっていたこと,就寝前には,毎日,原告が被告の腰をマッサージするなどしていたこと,原告と被告は,沖縄や花巻温泉に旅行したり,家族の食事会に出席していたことなどからすれば,その間の婚姻関係が破綻していたとはいえない。

〔被告の主張〕
(1)
ア 原告主張の頃から被告がCと性交渉をもち,平成23年1月1日から原告と別居し,その後,Cと同棲し,その間に3人の子をもうけた事実は認める。
 しかし,平成20年頃には,原告と被告の婚姻関係は回復不能な程度に破綻していた。

イ 平成22年12月,原告がCの経営する飲食店に行き,同人に対して被告との不貞行為の有無を問い質した事実は認めるが,その余の事実は否認する。

ウ 平成23年3月まで,原告が訴外会社に出社していた事実は認めるが,その後,被告が原告の出社を拒否したり,罵詈雑言を浴びせるなどした事実は否認する。
 被告が原告に対し,出社しないでほしいと述べたことはあるが,これは,原告が,新たに採用した事務員に対し,「あんた誰に雇われてんだ。」,「なんでここにいるんだ。」などと言うようになったため,被告が原告に対し,そのようなことを言うなら,出社しないでほしいと言っただけである。また,原告は,被告とCの関係を知った後,訴外会社の役員を辞めたいと言うようになっていた。

エ 被告が原告に交付していた生活費の内容は,原告が主張するとおりであるが,婚姻費用については調停も成立しており,本訴の訴訟物とは無関係である。

オ 原告が主張する自宅の補修のための補助金等についても,本訴の訴訟物とは無関係である。

(2)原告は,不貞行為による慰謝料を請求するが,平成20年頃には,原告と被告の婚姻関係は修復不能なほどに破綻していた。

第3 争点に対する判断
1 不貞行為について

(1)原告は,被告の不法行為を基礎づける事由として種々の主張をするので,まず,このうちの不貞行為による慰謝料請求について判断するに,平成22年8月頃以降,被告がCと性交渉をもつようになったこと,平成23年1月1日,被告は自宅を出ていき,その後,Cのマンションで同棲するようになり,同人との間に,3人の子供をもうけた事実は,いずれも当事者間に争いがない。

 なお,上記の結果,原告は,うつ病にり患し,また,不貞行為の有無を問い質した際にも頭ごなしに怒鳴られたため,病状が悪化し,平成23年5月20日,未遂に終わったものの,原告は自殺を図るに至った旨主張するが,これは,被告の不貞行為と別個の不法行為ということはできず,不貞行為による慰謝料を算定する際の事情として考慮すべきものというべきである。


(2)上記のとおり,被告は,平成22年8月頃からCと性交渉をもつようになった事実を認める一方で,平成20年頃には,原告と被告の婚姻関係は破綻していたと主張するが,被告の供述によっても,遅くとも,平成22年初め頃までは,両者の間で性交渉があったということや,帰宅後に被告から腰をマッサージしてもらっていたということなどからすれば,平成20年頃に原告と被告の婚姻関係が破綻していたなどということはできない。

 また,被告がCと性交渉をもつようになった平成22年8月頃についても,被告は婚姻関係は破綻していた旨の供述をするものの,原告は平成23年1月まで被告と性交渉をもっていたと供述していること,原告及び被告ともに,平成23年1月1日に被告が家を出ていくまで,両者は一つの布団で寝ていたと供述していること,平成22年10月には,原告,被告ともに,被告の両親や妹らが出席する食事会に出ており,平成23年1月にも花巻温泉に二人で出掛けていたこと,また,花巻温泉に旅行に行った際,原告は被告との婚姻関係を維持する意思を有していたこと(甲26,原告,被告),などからすれば,少なくとも,被告がCと性交渉をもつようになった平成22年8月の時点において,原告と被告の婚姻関係が破綻していたものと認めることはできない。

(3)上記によれば,被告がCと不貞行為を行ったことは,原告に対する不法行為に当たるものと認められる。

2 Cに対する損害賠償の要求について
 原告は,平成22年12月に原告がCの経営する飲食店に行き,同人に対して被告との不貞行為の有無を問い質した際,同人は被告と共謀して不貞行為があることを否定し,また,そのことに関し,被告が原告に対し,Cの飲食店に損害を与えたとして,100万円を賠償するように要求したことが不法行為に当たると主張する。

 しかし,Cが被告との不貞行為を否定する発言をしたとしても,そのことのみで原告に対する不法行為に当たるということはできず,また,そのことに関し,被告が原告に対し,Cの飲食店の損害を賠償するように求める発言をしたことがあったとしても,原告が実際に上記支払をしたわけではなく,また,被告がそれ以上に支払を強要するなどした事実も窺われないことからすると,被告が上記発言をしたことがあったとしても,そのことのみをもって,原告に対する不法行為に当たるものということはできない。

3 訴外会社への出社拒否について
 原告は,東日本大震災で被災した訴外会社が新事務所に移転した後,被告が原告の出社を拒否するなどしたことが不法行為に当たると主張するところ,東日本大震災により訴外会社が被災するまで,原告が同会社に出社して事務を行っていたことは原告,被告ともに供述するところであるが,他方において,原告自身,訴外会社を辞める旨の発言をしたことがあることを認める供述をしていることや,原告の主張を前提としても,被告が強迫的な言辞を用いるなどしていたものとはいえないことからすれば,仮に原告が主張する発言を被告がしていたとしても,そのことだけで,原告に対する不法行為に当たるとまでいうことはできない。

4 生活費の不払について
 原告は,被告が支払ってきた生活費を減額したことが不法行為に当たると主張するが,被告が減額した生活費を原告に交付していた時点において,被告が原告に対して支払うべき生活費(婚姻費用)の額に関する合意等が当事者間に成立していたものと認めるに足りる証拠はない。
 また,前記のとおり,被告が支払うべき婚姻費用については,平成27年12月18日に調停が成立しており,その時点での解決が図られている上,そもそも,金銭債権である婚姻費用の支払債務の履行遅滞があったとしても,法律に別段の定めがある場合を除き,約定または法定の利率以上の損害の賠償を求めることはできないのであるから(最高裁昭和48年10月11日第一小法廷判決・裁判集民事110号231頁)、いずれにせよ,原告の上記主張には理由がない。

5 自宅の補修にかかる補助金について
 原告は,自宅の補修に関する補助金及び保険金が支払われたにもかかわらず,被告が同工事をしなかったことが不法行為に当たると主張するところ,仮に,これらの事情が認められたとしても,被告の原告に対する不法行為に当たるものということはできない。原告の主張は,独自の不法行為を主張するものとしては失当というほかない。 

6 上記によれば,原告が主張するもののうち,被告がCと不貞行為を行ったことは原告に対する不法行為と認められるが,当該事実に加え,平成23年1月1日には被告は家を出て一方的に別居し,その後,Cと同居するようになり,その間に3人の子供をもうけたこと,上記不貞行為と原告がうつ病にり患し,自殺未遂に至ったこととの間の相当な因果関係を認めるに足りる証拠はないものの,原告が相当な精神的な苦痛を受けたことは容易に認められることなどの事情を考慮すると,上記不貞行為によって原告が被った精神的苦痛は150万円と評価するのが相当である。

7 以上によれば,原告の請求は,慰謝料150万円及びこれに対する不法行為後の平成27年4月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。
 よって,主文のとおり判決する。なお,被告は,仮執行免脱宣言の申立てをするが,相当ではないので,付さないこととする。
仙台地方裁判所第1民事部 裁判官 高宮健二
以上:5,468文字
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「妻から不貞行為第三者…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-18(月):映画”キング・コング”平成17年・平成29年版二作鑑賞比べ
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”キング・コング…」←リンクはこちらでお願いします
○平成29年9月17日(日)は、午前から夕方にかけて、平成17(2005)年12月公開「キング・コング」(188分、以下、05キング・コングと言います)、平成29(2017)年3月公開「キング・コング髑髏島の巨神」(118分、以下、17キング・コング)の二本立いずれもBlu-ray特別版4KUltraHD版を自宅マイルームのサムスン有機ELテレビOLED55C6Pで鑑賞しました。

○05キング・コングから鑑賞し始めましたが、11年8ヶ月前の平成18年1月にMOVIX仙台で鑑賞したことを「映画『キングコング』を観て」に記載していました。しかし、冒頭場面から殆ど記憶に残っていません(^^;)。12年近く時間がたつと相当記憶から消えるものですが、俳優達の顔だけは覚えていました。

○今回は、ナオミ・ワッツ扮するヒロインとキングコングの交流シーンが、胸にジンと響き、特に最後のエンパイヤステートビル頂上で、山のような銃弾を浴びて力尽きたキング・コングが静かに落下していく直前のシーンには涙がボロボロ出てきて止まりませんでした。12年前映画館で観たときは涙ぐみそうになったことはありましたが、ボロボロこぼれ落ちることはなく、どうやら、人間歳を取ると涙もろくなるようです。

○感じ入ったのは1933年当時米国では、地上102階建て高さ443mもの巨大ビルをニューヨークに有していたことでした。05キング・コングは1930年代のニューヨークが舞台ですが、その他にも巨大ビルが林立しています。日本の真珠湾攻撃の10年前にあれだけの巨大ビルを有し、日本とは圧倒的に経済力の差があった米国に、よくぞ日本が戦争を仕掛けたものだと改めて驚き、まだ行ったことのないニューヨークを訪れたいと思いました。

○3時間以上の長丁場で、昼食休憩を挟んで鑑賞しましたが、12年前の作品のため流石に映像には少々難点があり、続けて鑑賞した17キング・コングの滑らかな映像に12年経過によるカメラ性能の向上を実感しました。17キング・コングは、半年前の平成29年3月に観たばかりで「映画”キングコング髑髏島の巨神”を観て」を記載しており、こちらは、ほぼ覚えており、ホッとしました(^^;)。

○それども失念していたシーンもあり、特にエンドクレジット終了後に続編を予想させる帰国後のシーンは、出てきて思い出しました。キング・コングと言えば最後にエンパイヤステートビル頂上から落下するものとばかり思っていましたが、元祖1933年版がそうだったからです。その他76年版、86年版はどうなっているのでしょうか。33年版のBDが発売されており、早速、注文しました。

○視聴者評価は05キング・コングより17キング・コングの方が僅かに高いようですが、今回二作連続で観ると、私としては、ヒロインとキング・コングの交流の厚みを尊重して僅差で05版に軍配を上げます。
以上:1,193文字
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”キング・コング…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-17(日):映画”ダンケルク”を観て-戦場恐怖感を味わえます
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”ダンケルク”を…」←リンクはこちらでお願いします
○平成29年9月16日(土)、「TOHOシネマズ仙台」「IMAX®デジタルシアター」で映画「ダンケルク」を観てきました。たまたま「TOHOシネマズ仙台」HPでその2分24秒間の比較的長い予告編を観て、これは面白そうだと思ったからです。説明冒頭は、「1940年、フランス北端のダンケルク港に追い詰められた英仏連合軍の兵士40万人。祖国への生還を誓った若者たちのドラマが描かれる。」となっています。

○大学受験で世界史を選択しましたが、中身は殆ど忘却の彼方で、「ダンケルクの戦い」の習ったはずのところ、全く覚えていませんでした(^^;)。ウィキペディアでは、「第二次世界大戦の西部戦線における戦闘の一つで、ドイツ軍のフランス侵攻の1940年5月24日から6月4日の間に起こった戦闘である。追い詰められた英仏軍は、この戦闘でドイツ軍の攻勢を防ぎながら、輸送船の他に小型艇、駆逐艦、民間船などすべてを動員して、イギリス本国(グレートブリテン島)に向けて40万人の将兵を脱出させる作戦(ダイナモ作戦)を実行した」と解説されています。

○イギリス国内から軍艦の他に民間の漁船やヨット、はしけを含む、あらゆる船舶を総動員して、最終的に40万人の将兵の内36万人が救出され、この時のイギリス国民団結の精神についてダンケルク・スピリッツなる言葉も生まれたそうです。しかし、私はこのような予備知識もなく、且つ、映画解説等も読まず鑑賞しました。これが却って良かったようで、結末不明のまま、これからどうなる、どうなると、正にハラハラ・ドキドキ・ワクワクで映画に浸ることが出来ました。

○この映画は、是非とも、巨大スクリーンの「IMAX®デジタルシアター」で観るべき映画です。冒頭若い兵士がドイツ軍の弾丸から逃げるシーンから始まりますが、ドイツ軍は、降り注ぐ弾丸・砲弾・魚雷・飛行機武器弾薬のみで、人間は一人も出てきません。登場人物間のセリフも極端に切り詰められ、戦場の轟音が強い振動を伴って響き渡ります。これが、戦場の恐怖感をより盛り上げます。巨大スクリーンに囲まれると、まるで自分も戦場のなかに放り込まれたような気分になり、正に手に汗を握る状況となります。

○戦争映画というと、砲弾で人間が吹き飛ばされ、手足が分断される残酷シーンがつきものですが、この映画では、そのような残酷シーンは殆どありません。流血場面が全くありません。しかし、押し寄せるドイツ軍の恐怖は十二分に伝わります。パンフレット解説第1頁に「クリストファー・ノーラン監督が実話に挑んだ106分 究極の映像体験」、「ハリウッドの天才が戦争映画の常識を覆す」と銘打ってますが、正にその通りで、一見の価値ある映画です。
以上:1,119文字
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”ダンケルク”を…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-16(土):2017年09月16日発行第205号”ガラスの家の弁護士”
ホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター2 > 「2017年09月16…」←リンクはこちらでお願いします
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成29年9月16日発行第205号「ガラスの家の弁護士」をお届けします。

○弁護士の仕事は「他人に石を投げる」こと即ち「他人のアラ探し」と大山先生は、仰いますが、言われてみるとその通りの面があります。離婚訴訟なんかは、正に、夫婦のアラ探しの典型です。これでもか、これでもかと、相手のアラ探しに徹します。ですから私は、特に奥様に逃げられ、納得できないと頑として離婚を拒否する旦那様には、裁判になると、公の場で、お互いのアラ探しとなり、恥かき合戦になりますよ言って、穏便に別れることを提案します。

○離婚紛争の一般的傾向として、旦那様は私のアドバイスに従う方が多いのですが、旦那様に逃げられた奥様側は、私のアドバイスを聞く耳を持たない方が多いと感じています。奥様は、納得できない・離婚しないと決めたら、訴訟になろうと頑として離婚に応じない方が多くいらっしゃいます。

○私は、頑として離婚に応じないと言う方の弁護をして訴訟までを担当することは、これまで38年の弁護士稼業で、勤務弁護士時代を除いて、殆どありません。離婚は認めても財産分与・慰謝料・親権争いで離婚を拒否する場合は別ですが、離婚そのものを拒否する側の代理人になったことはありません。離婚訴訟では、いつも逃げる側専門です(^^;)。「逃げられたらお終い」という考えが強いからです。

○逃げる側になった場合は、「他人に石を投げる」、「他人のアラ探し」に徹せざるを得ず辛い面もありますが、これが弁護士の仕事だと割り切ってやるしかありません(^^;)。

*******************************************
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

ガラスの家の弁護士


英語のことわざには、面白いものが沢山あります。読んでると、ドキッとしたり、思わず笑ってしまいます。「今日考えて、明日話せ。Think today and speak tomorrow.」なんて耳が痛いです。弁護士稼業は、まず話して、後から考えるのが普通ですから。ううう。

この親にしてこの子あり。Like father, like son.」は、自分の子供のことを考えると頭が痛い。これって事務所のボスと、勤務弁護士の関係でも真実です。ボスの弁護士がダメな事務所は、まともな勤務弁護士は辞めていき、残るのはボスと同じ問題弁護士だということはよくあります。う、うちは大丈夫です。。。

亀の甲より年の功。The older, the wiser.」なんていいですね。若手より自分の方が優れているのだと、根拠のない自信を持てます。

と、いろいろとことわざはありますが、私が一番好きな英語のことわざはこれですね。「ガラスの家に住む者は、石を投げてはいけない。People who live in glass houses should not throw stones.」他人に石を投げると、相手も投げ返してきますよね。自分の家がガラスで出来ていれば、相手の投げた石によって壊れてしまいます。だから、スネに傷持つものは、他人を攻撃しちゃいけないという、とても有難いアドバイスです。

でも、これって守れない人が多いんですね。政治家の場合なんか、本当にたくさんあります。自分が野党のときは与党の「強行採決」を強く非難しておきながら、自分が与党になると、同じことして批判されるんですね。政治家の不倫問題なんて、凄く世間を騒がせます。別に私生活のことなんだから、政治家としての能力とは関係ないじゃんと、私なんか思います。

しかし、他の政治家の不倫問題のときには、鬼の首をとったかのように攻撃していた人が、自分も不倫していたなんてことになれば、やはり非難されてもやむを得ないと思います。なんだってガラスの家に住んでたのに、他人に平気で石を投げてたんだろうと、呆れかえるのです。

しかし考えてみますと、弁護士なんてまさに、他人に石を投げることばかりしている商売なんです。例えば刑事事件の場合、多くの弁護士が被告人の人権を守るために、様々な主張をしますよね。場合によっては、被害者側に問題があったくらいのことを言います。被告人を罰しようとする検察官を、非難さえします。

ところが最近、被害者側に弁護士を付ける制度ができたんです。そうすると、被害者側の弁護士は、被告人を厳しく攻撃しはじめました。私の実感ですと、被害者についた弁護士は、検察官の1.7倍くらい、被告人に厳しい主張をします。や、止めてください。

私だって他人のことは言えません。労働裁判などで、うちの事務所では企業側を代理することが多いんですが、そういうときには会社の立場で労働者側の不当性を攻撃します。ところが、労働者側をもって裁判するときには、似たような問題でも、会社に問題があるって主張しちゃいます。(おいおい!)

まあ、こういうことは、依頼者のためにベストを尽くす弁護士としての職業上の問題ですから、ある意味やむを得ないのかもしれません。その一方、弁護士として本当に恥ずかしい話もあるんです。

不倫した政治家や財界人を強く非難していた弁護士が、自分もしていたなんてことはよくあります。大企業や業界の既得権益に反対し、我こそは正義の味方みたいな主張している弁護士も沢山います。ところが、弁護士の既得権益が剥奪されるそうになると、そういう人ほど目を三角にして反対します。わ、私は大丈夫ですよ!

*******************************************

◇ 弁護士より一言

寄宿舎生活をしている高校1年の娘が、週末家に戻ってきたときに言いました。「政治家の不倫の話、ニュースになってたでしょう。相手が弁護士だって聞いて、パパじゃないかって、心配になっちゃった!」
し、失礼な。「なんで弁護士というだけで疑うんだよ?」と、娘を非難したんです。
「ただの弁護士じゃなくて、『イケメンのヤリ手弁護士』ってテレビで言ってたからだよ!!」
ほ、ホントかよ。うーん。ゆ、許す!
以上:2,524文字
ホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター2 > 「2017年09月16…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-15(金):”自由と正義”H29年08月号懲戒例-ヒヤッとする懲戒事例紹介3
ホーム > 弁護士等 > 弁護士法関連 > 「”自由と正義”H29…」←リンクはこちらでお願いします
○「”自由と正義”H28年09月号懲戒例-ヒヤッとする懲戒事例紹介2」の続きです。
今回は、夫の不貞行為相手方女性に対する損害賠償請求訴訟事件で、被告女性の父親にこの損害賠償請求訴訟を提起した事実を通知したことが懲戒理由となっています。処分理由全文は、以下の通りです。
3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は2015年7月2日、Aの代理人として懲戒請求者を被告とする損害賠償請求訴訟を提起したところ、同日、通知をする必要性、相当性が認められないにもかかわらず、懲戒請求者の父親宛てに、懲戒請求者がAの夫と交際していること、懲戒請求者を被告とする不貞行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起したこと等を記載した通知書を送付した。

(2)被懲戒者はAの代理人として提起した上記訴訟において、事実に反するとの認識を有しながら、訴状に「弁護士費用」の請求の理由として「被告が任意の賠償に応じなかったため、本件訴訟を余儀なくされた」との事実と異なる記載をした。

(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士法第23条項、上記(2)の行為は弁護士職務基本規程第5条に違反し、いずれも、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
○私自身は、繰り返し記載していますが、不貞行為第三者への請求事件は原則として受任しません。相談は、多数受けていますが、不貞行為第三者への請求についての、現在時点での学説、欧米諸国の立法例等を説明し、且つ、裁判所での現時点での認容金額例等を説明して、受任はやんわりとお断りして、他の弁護士を紹介しています。

○この種事件の相談過程では、不貞行為相手方への憎しみの余り、相手の親にも請求できないか、またはせめて通知くらいできないかとの相談も日常茶飯事にあります。不貞行為をされた方は、不貞行為をした人間を、極悪人と確信していますので、そんな人間に育てた親にも責任があるのではないか、せめて、その事実を親に知らせて当然だと考えています。

○この懲戒例での弁護士さんも、おそらく、依頼者の女性から相手の親に請求して欲しい、せめて通知くらいはして欲しいと強く迫られたものと思われます。そこで、「懲戒請求者の父親宛てに、懲戒請求者がAの夫と交際していること、懲戒請求者を被告とする不貞行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起したこと等を記載した通知書を送付」した思われます。

○また、普通は文書による請求から始まるのですが、相手方憎しのあまり、いきなり裁判を出して欲しいと要請される場合もあります。この懲戒例では、その任意請求の段階を踏まず、訴えを提起し、弁護士費用請求型どおりの文言である「被告が任意の賠償に応じなかったため、本件訴訟を余儀なくされた」をそのまま記載してしまったようです。

○最近、不貞行為第三者への請求事件は、相当増えており、若い弁護士さんも、請求する側として、相当受任されています。依頼者から本件のように相手の親、相手方の上司、相手方の会社等への通知を強く要請される例も多いと思われますので、注意が必要です。
以上:1,259文字
ホーム > 弁護士等 > 弁護士法関連 > 「”自由と正義”H29…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-14(木):不動産を時価より低く買い受けみなし贈与適用を免れる方法は1
ホーム > 法律その他 > その他法律その他 > 「不動産を時価より低く…」←リンクはこちらでお願いします
○Aさん所有土地建物合計時価3000万円の物件をB株式会社に1000万円で売り渡し、その1000万円で債務整理をして、債務整理後、その物件を1000万円で買い戻したいとの相談を受けています。このような場合、通常は、その時価3000万円の物件を売り渡すのではなく、譲渡担保にし、受領する1000万円は、売買代金ではなく借入金として、AさんとB社の間では、譲渡担保付消費貸借契約書を作成します。

○ところがB社は貸金業者ではないので、B社が、取引上全く無関係のAさんに1000万円もの貸付をするのは、業務とは出来ないので、1000万円をAさんに支出するのはあくまで売買契約締結による売買代金でなければならないとの事情がある場合、1000万円の売買契約をしても問題ないでしょうかとの質問を受けています。

○当然、問題があります、との回答にならざるを得ません。以下の相続税法第7条の規定が適用される可能性があるからです。
注!!
ある公認会計士の方から重要な指摘を受けました。以下はあくまで個人対個人の説明であり、個人対法人の場合の説明は別になります。
個人対法人の場合の説明は、別コンテンツで行い、ここでは、税務素人の見せしめのため記載を残します。
絶対に鵜呑みにしないで下さい!!


第7条(贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合)
 著しく低い価額の対価て財産の譲渡を受けた場合においては当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があつた時における当該財産の時価(当該財産の評価について第三章に特別の定めがある場合にはその規定により評価した価額)との差額に相当する金額を当該財産を譲渡した者から贈与(当該財産の譲渡が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。


国税庁の「負担付贈与又は対価を伴う取引により取得した土地等及び家屋等に係る評価並びに相続税法第7条及び第9条の規定の適用について」との通達の一部を抜粋します。

 対価を伴う取引による土地等又は家屋等の取得が相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合」又は相続税法第9条に規定する「著しく低い価額の対価で利益を受けた場合」に当たるかどうかは、個々の取引について取引の事情、取引当事者間の関係等を総合勘案し、実質的に贈与を受けたと認められる金額があるかどうかにより判定するのであるから留意する。

(注)その取引における対価の額が当該取引に係る土地等又は家屋等の取得価額を下回る場合には、当該土地等又は家屋等の価額が下落したことなど合理的な理由があると認められるときを除き、「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合」又は「著しく低い価額の対価で利益を受けた場合」に当たるものとする。


○この問題の裁判例としては、平成19年8月23日東京地裁判決(判タ1264号184頁)があり、概要は、親族から土地の持分を買った原告らが、当該購入代金額は相続税法7条の規定する「著しく低い価額の対価」であり時価との差額は贈与による取得と見なされるとして、贈与税の決定または更正およびこれに伴い無申告加算税または過少申告加算税の賦課決定を受けたため、原告らが、当該代金額は相続税評価額と同額であるから同条は適用されず各処分は違法であると主張して、取消を求めて提訴した事案において、「著しく低い価額」の対価とは、経済的合理性がないことが明らかな場合をいい、財産の種類、性質、取引の実情等を勘案して、社会通念に従って判定されるべきであり、相続税評価額と同水準の価額かそれ以上の価額を対価とした場合には原則として「著しく低い価額」とはいえないと判示し、本件各売買の代金額はいずれも「著しく低い価額」にあたらないとしたものです。

○「相続税評価額と同水準の価額かそれ以上の価額」の要件は、結構、厳しく、前記時価3000万円を1000万円での売買とした場合、みなし贈与は免れ得ないと思われます。そこで、1000万円で売買契約と同時に3年以内に買い戻しをするとの買戻特約をつければみなし贈与を免れることができないかどうかを調べているところです。買戻特約の内容にもよると思われますが、買主の支払う対価と時価との関係で、実質、贈与にならない買戻特約文言の工夫が必要と思われます。

○以下の国税庁通達「No.3120 譲渡担保により資産を移転したとき」が見つかりましたので紹介します。
但し、これは個人対個人の場合で、個人対会社の場合は適用にならないようです。
[平成29年4月1日現在法令等]
 債務者が、債務の弁済の担保としてその所有する資産を譲渡した場合において、その契約書に次のすべての事項を明らかにし、かつ、その譲渡が債権担保のみを目的として形式的にされたものである旨の債務者及び債権者の連署による申立書を提出したときは、その譲渡がなかったものとして取り扱われます。
1 その担保にかかる資産を債務者が従来どおり使用収益すること。
2 通常支払うと認められるその債務にかかる利子又はこれに相当する使用料の支払に関する定めがあること。
 なお、その後、これらの要件のいずれかを欠くこととなったとき又は債務不履行のため資産がその弁済に充てられたときは、これらの事実が生じたときにおいて、譲渡があったものとして取り扱われます。
 また、形式上、買戻条件付譲渡又は再売買の予約とされているものであっても、上記のような要件を満たしているものは、譲渡担保に該当するものとしてこの取扱いが適用されます。(所基通33-2)

以上:2,286文字
ホーム > 法律その他 > その他法律その他 > 「不動産を時価より低く…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-13(水):心因性視力障害について5割の素因減額で因果関係を認めた判例紹介
ホーム > 交通事故 > 交通事故重要判例 > 「心因性視力障害につい…」←リンクはこちらでお願いします
○「裁判所鑑定心因性視力障害で素因減額が否定された例1」で、主治医は外傷性視神経障害と診断しながら、裁判所鑑定では心因性視力障害とされた事案について、素因減額することなく交通事故との因果関係が認められた事案について紹介しました。

○交通事故によって頭部傷害を受け、その後強度の心因性視力障害となった方が、上記記事を見て、当事務所に相談に来ました。そこで心因性視力障害と交通事故による傷害との因果関係を争点とする判例を探しています。停車中の追突事故で視力障害を発症する被害者の事案で、心因的要素や発症の機縁が必ずしも解明されておらず、時期の経過等による回復の可能性もないわけではないものと、5割の心因性減額を適用した平成11年10月26日広島地方裁判所判決(自動車保険ジャーナル・第1341号)関連部分を紹介します。

*********************************************

三 権利侵害
 請求原因3のうち、原告は本件事故により頸椎捻挫、脳挫傷(疑)、胸腰部打撲、右下肢打撲等の傷害を受け、太田川病院に右事故当日の平成5年7月19日から8月31日まで44日間入院し、同年9月1日から平成8年6月30日まで通院した(実日数134日)ほか、その間別途次のとおり通院治療を受けたことは、当事者間に争いがない。

木原耳鼻咽喉科医院
平成5年7月27日から8月10日まで通院(実日数2日、耳の治療)
広島鉄道病院
平成5年8月6日通院(頭部MRI検査)
同病院眼科
平成5年8月6日から平成8年3月31日まで通院(実日数31日、眼の治療)
マツダ病院脳神経外科  平成6年6月17日通院(頭痛、気分不良)
広島市民病院脳神経外科 平成6年6月23日
広島鉄道病院耳鼻咽喉科 平成7年6月30日から9月1日まで通院(実日数2日、耳の治療)

(証拠略)によれば、次の事実が認められる。
 本件事故の際、原告(昭和48年5月10日生)の運転する被害車両は前方赤信号により先行車両の後方に停止中、被告松尾運転の加害車両により後方から激しく追突され、その反動で前方に押し出され、先行車両の後部に激突した。原告は救急車で太田川病院に運ばれたが、事故直後の意識は朦朧とし、前後の記憶は定かではなく、同病院到着後徐々に意識は回復したが、診察中気分不良となり、入院した。強い頭痛、頸部痛、肩背部痛のほか、吐気、腰痛、右足痛等を訴え、当初の診断は頸椎捻挫、全身打撲、頸部痛、腰痛、背部痛であり、保存療法が施行された。

 入院翌日、原告は前日の症状に加えて、視界が二重に見え、目がかすむなどの眼科的症状を訴え、その後まもなく耳の痛み等の耳鼻科的症状を訴えるなどし、太田川病院では頸椎捻挫や全身打撲のほかに脳挫傷の疑いを持ち、その頃CT検査を実施し、原告の脳の第四脳室背部に直径約3乃至5㎝の石灰化を認め、血管腫又は類皮腫を疑った。

 このため原告は太田川病院入院中その紹介により平成5年7月27日及び同年8月10日の2回木原耳鼻咽喉科医院に通院して診察治療を受け、広島鉄道病院放射線科で同年8月6日頭部MRI検査を受け、同病院眼科で同日から平成5年8月6日から平成8年3月31日まで通院(実日数31日)治療を受けるなどしたが、軽快せず、更に、マツダ病院脳神経外科に平成6年6月17日頭痛、気分不良等のため通院し、広島市民病院脳神経外科に同月23日通院し、広島鉄道病院耳鼻咽喉科に平成7年6月30日、同年9月1日、平成8年4月2日の3回通院するなどした。

 神経的整形外科的症状については、原告は太田川病院入院当初より継続的に頭痛、頸部痛、両肩関節痛、両上肢痛及び異常感覚、右下肢痛、歩行困難、吐気並びに気分不良等を訴え、平成5年8月31日最終的に退院したが、以後も頭痛、頸部痛及び左上肢の痺れ等を訴えて通院し、投薬、運動療法及び理学療法等を受け、平成8年5月頃同病院において頭痛、頸部痛及び両上肢の異常感覚の自覚症状、肩関節に軽い運動制限の後遺障害がある旨の症状固定診断を受け、これについて自動車保険料率算定会広島調査事務所により自賠責後遺障害等級14級10号の認定を受けた。

 脳の所見については、広島鉄道病院では前記MRI検査によるも特段の異常を認めず、CT検査による石灰化についても外傷に起因するものではないものと考えているが、原告やその家族らは本件事故による脳の障害の現れではないかとおびえている。

 眼科的症状については、本件事故前の原告の視力は裸眼1・5程度で、運転免許証にも眼鏡の条件はなく、眼科的異常はなかったのに、右事故後まもなく前記のように複視やかすみ等の症状を訴え、視力も広島鉄道病院眼科での平成5年8月6日検査時点では両裸眼0・05、矯正0・07と悪化しており、その後更に低下して最終的には両裸眼及び矯正とも0・01乃至0・03程度にまで落ち、調節機能は測定不能で、視野も平成6年7月19日検査以降両眼とも各方向約10度乃至20度(通常は鼻側60度、上方50度、耳側90度、下方60度程度)であり、高度の求心性視野狭窄と診断されている。

 もっとも、両眼とも前眼部、中間透光体及び眼底に器質的病変は見当たらず、対光反応にも異常所見はなく、他覚的所見としては軽度の近視性乱視が認められたのみであった。また、前記脳のCT所見が原告のような眼科的症状に繋がるとの一般的知見は目下存しない(求心的視野狭窄は大脳皮質両側の循環障害の場合に発現することがある)。

 このため原告の症状は器質的客観的所見からは一般的には説明がつかないものであるが、同病院眼科担当医は、原告の受診態度や主訴の態様等からして詐病の疑いは持ち得ないとして、この種の症状には現在の医療技術では発見できない脳や神経系統に関する異常に起因する場合があり得ることも必ずしも否定できず、頭頸部外傷の後に眼科調節機能障害の一種である調節緊張に心因性の要因が加わった場合に原告のような両眼同程度の視力低下及び視野狭窄が起こり得ることが報告されている(通常の眼障害では両眼同程度というのは珍しい)ことなどから、心因性の視力障害を推定した。

 なお、心因性視力障害は心因となったものが除去された場合(時が経過し、原因となっている問題が解決し、環境が変化したなどの場合も含む)には回復することもあるが、心因性視力障害の発症の機縁自体が解明されておらず、心因を突き止めることは一般には困難であり、回復は必ずしも容易ではないとされていることから、右担当医は原告について傷病名を両眼調節障害、視力障害、視野狭窄と、自覚症状を両眼視力障害、羞明とし、他覚所見として前眼部、透光体、眼底のいずれも両眼に異常なく、視力、視野の異常の原因となるような器質的病変は認められないが、心因性視力障害が疑われ、回復の見込みは少ない旨の平成8年4月2日付症状固定診断を行った。

 耳の症状については、原告には当初の木原耳鼻咽喉科の平成5年7月27日の初診時に耳鳴り、耳痛の自覚症状があるも、これに対応する鼓膜異常や出血等の所見はなく、いくらか聴力障害が認められ、同年8月10日の再診時には聴力軽快気味であった。その後平成7年6月30日の広島鉄道病院耳鼻咽喉科の受診時には外耳道及び鼓膜の所見に著変はなく、軽度の難聴が疑われる程度で、同年9月1日の再診時にも軽度の難聴が疑われる程度で左右差も認められない状態であったが、平成8年4月2日の3回目の診察の際にはやはり器質的障害は認められなかったものの、コミュニケーシヨンはほとんどとれず、両側感音性難聴及び耳鳴りと診断された。

 右3回の受診時の聴力検査結果は初回右25・0dB、左19・2dB、2回目右65・8dB、左50・8dB、3回目右85・0dB、左88・3dBと回を追うごとに悪化している。原告は目下補聴器を使用している。

 原告の前記目の症状及び耳の症状については前記広島査定事務所により自賠責後遺障害等級の認定はなされていない。

 原告は本件事故当時20歳の独身女性で高校中退後店員として働き或いは叔父の看護に当たるなどしていたが、右事故後退院してからも頭痛、頸部痛、耳鳴り、眼の障害等のため就労しておらず、広島市より外傷による両眼0・03(3級)、両眼視野2分の1以上欠損(5級)の障害により身体障害者等級表による種別3級の身体障害者手帳の交付を受け、生活保護を受けながら1人暮しをしている。性格的にはおとなしく引っ込み思案で内向的であり、眼、耳その他の身体不調が右事故による脳の障害に起因するのではないかと畏れ、思い悩んでいる。

 以上のとおり認められる。

 右認定の本件事故状況、特に衝突の激しさ、原告の右事故直後における意識障害様の症状、当初よりの整形外科的症状、早い段階における目や耳の症状の発現、脳挫傷(疑い)診断、脳のCT検査による石灰化診断、その後の諸症状の変遷の経緯、眼機能に関する器質的病変の不存在、詐病の疑いの不存在、未解明の神経的異常の存在の可能性、頭頸部外傷に心因性の要因が加わった場合の両眼同程度の視力低下及び視野狭窄の発現例に関する知見、身体障害者認定、原告の境遇、性格、脳の障害に対する畏怖、眼及び耳に関する症状について自賠責後遺障害等級認定がなされなかった経緯等を総合考慮すると、原告の前記認定の症状固定診断時における整形外科的神経症状が右事故による後遺障害であることは明らかに認められるとともに、少なくとも眼科的症状については眼科の担当医の見解と同様に右事故による受傷に原告の境遇、性格、後遺症不認定等により心因性の要素(心因及び発症の機縁の解明は困難であるが)が加わって生じた後遺障害と認めるのが相当である。

 なお、原告の眼の症状について前記広島査定事務所は自賠責後遺障害等級の認定をしていないが、右不認定は心因的要素を無視したことによるものと推測され、前記説示に照らし、妥当とはいいがたく、採用しがたい。

(中略)

6 逸失利益 2405万4771円
 前記3認定の原告の本件事故による後遺障害である整形外科的神経症状及び眼科的症状に照らすと、その程度は自賠責後遺障害等級14級10号及び4級1号に該当するものということができ、これに原告の症状固定後の症状や生活状況等をも加味すると、原告の逸失利益算定における労働能力喪失率は92%と認めて差し支えないものというべきである。

 したがって、原告の後遺障害による逸失利益は原告主張にかかる前記4の年間平均給与額225万1000円に症状固定(平成8年4月2日)後の就労可能年数45年(67歳まで)に対応する新ホフマン係数23・231を乗じて労働能力喪失率として0・92を乗じた4810万9543円と認めるのが相当である。

 なお、被告らは請求原因に対する認否第三段第三文のとおり原告の視力障害が心因性であることなどを理由に労働能力喪失割合及び期間の限定を主張するところ、前記三認定のとおり心因性視力障害の心因的要素や発症の機縁が必ずしも解明されておらず、時の経過等による回復の可能性もないわけではないことなどの諸事情に加えて、心因というもの自体が元来患者の内部的主観的な問題で、客観化が困難であることをも考慮し、更に原告の障害の内容等をもあわせ鑑みると、衡平の観点から心因性を賠償損害額の減額要因として評価し、前記算出の逸失利益額の半額2405万4771円を被告らの負担とするのが相当と解する。

7 後遺症慰謝料 700万円
 前記3認定の後遺障害の内容、程度等を総合考慮し、前項同様に心因性を損害額の減額要因として加味すると、後遺症慰謝料は700万円と認めるのが相当である。
以上:4,797文字
ホーム > 交通事故 > 交通事故重要判例 > 「心因性視力障害につい…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-12(火):米朝軍事衝突が起きたら…「朝鮮半島ほぼ壊滅」元在韓米軍大尉が警告
ホーム > 弁護士等 > 政治・社会・司法等 > 「米朝軍事衝突が起きた…」←リンクはこちらでお願いします
○最近のどこかの世論調査で、対北朝鮮政策について、直ちに武力行使を支持する割合が10%もあったとのニュース報道を聞いて戦慄を覚えました。数ヶ月前にアメリカがシリアに武力攻撃をしたことがありますが、これはシリアが一般人に対し化学兵器を用いて攻撃し多数の犠牲者が出たとの前提がありました。この化学兵器使用前提の存否が争われては居ますが、一定の武力行使に対する反撃としての武力行使でした。

○北朝鮮は、確かにミサイル発射、核実験を繰り返していますが、これはあくまで実験であり、特定の国に対する武力攻撃ではありません。従って現時点で武力攻撃なんてとんでもない話しと思っておりますが、世論調査で10%もの人が直ちに武力攻撃の意見を持っているとの報道には驚愕です。万が一、米朝軍事衝突が起きた場合のシミュレーション記事は、何件かありますが、私の目についたものを備忘録として掲載します。

**********************************************

米朝軍事衝突が起きたら…「朝鮮半島ほぼ壊滅」 元在韓米軍大尉が警告
産経新聞9/10(日) 7:55配信


【ワシントン=黒瀬悦成】北朝鮮と米国との緊張が臨界点に達し、軍事衝突が起きたとき、何が起きるのか。在韓米軍で対北朝鮮軍事演習のシナリオ策定に携わったチェタン・ペダッダ退役陸軍大尉は米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」(電子版)への寄稿で、「北朝鮮は間違いなく敗北するが、朝鮮半島の大半が壊滅する」と警告する。

◆数時間で死者数万人
寄稿で描かれた想定では金正恩(キム・ジョンウン)体制は国際社会の制裁で危機に陥り、体制の維持が困難になったと判断した場合、「韓国への奇襲攻撃」で活路を見いだそうとする。ただ、北朝鮮軍は弾薬や食糧不足などから戦闘能力は「数日間」しか持続せず、一気に決着をつけようと、最初の数時間で南北非武装地帯周辺や在韓米軍駐屯地、日本の海空防衛施設にミサイルで集中攻撃をかけてくるとみられる。

北朝鮮は約2500~3千立方トンのサリンやVXガスなどの化学兵器、炭疽(たんそ)菌などの生物兵器を保有し、これらをミサイルに搭載して米韓の空軍基地や補給ルートに撃ち込み、米韓の作戦遂行や兵力の移動能力の減衰を図る可能性が高い。
同時に北朝鮮のサイバー部隊121局が米韓の銀行や韓国の送電施設にサイバー攻撃を展開。停電や通信遮断による社会混乱への対処で米韓軍や警察が人員を割かれる状況となる。

北朝鮮による攻撃開始から数時間で死者は数万人に達し、ソウルの大半が灰燼(かいじん)に帰する。数百万人が国内避難民と化すとみられる。

◆日米中に大量の難民
在韓米軍は初日で数百~数千人が犠牲になるが反撃。米軍は日本や豪州、米本土から増援部隊を数日以内に送り込む一方、航空機や巡航ミサイルで非武装地帯周辺の砲兵部隊や北朝鮮全土の空海軍基地を攻撃。数時間後、北朝鮮の陸海空軍は事実上壊滅する。
しかし、北朝鮮は沖合の潜水艦から特殊部隊を韓国沿岸に上陸させ、非武装地帯に掘られた地下トンネルを通じて部隊を韓国領内に侵入させる。トンネルは1時間に8千人を移動させることが可能とされる。

韓国潜伏の北朝鮮工作員が韓国政府要人暗殺やサボタージュなどのゲリラ戦術も展開。最後は米韓軍に撃退され金正恩体制も崩壊するが、死者は数十万人に達することが確実視される。
中国に難民が流入し、日米は南北から大量の受け入れを強いられる。朝鮮半島の復興には数十年かかる。

これは北朝鮮が核兵器使用に踏み切らない場合のシナリオで、日本や米西海岸に核弾頭搭載の弾道ミサイルを撃ち込んだ場合、被害は桁違いに増大する。


*********************************************

米朝衝突「その時」日本はここが狙われる
現代ビジネス9/9(土) 8:00配信 「週刊現代」2017年9月2日号より


トランプと金正恩、どちらが引き金を引くかは不明だ。だが、このチキンレースが終わるときに、日本が「戦場」になることは間違いない。今、日本人が聞いたことのない半鐘が鳴りはじめている。

米朝衝突「その時」日本はここが狙われる
三沢、横須賀、そして東京

「日本では、北朝鮮による攻撃のもっともありえる標的は東京だ。3500万もの人口を抱える政治・商業の中心地である」――ニューヨーク・タイムズ紙(8月9日付)
「金正恩が(爆撃に)関心を寄せる場所に、東京近郊の3つの在日米軍基地(横田、横須賀、座間)がある。ここを叩けば東京を壊滅させられる」――ワシントン・ポスト紙(7月25日付)

米主要紙は、北朝鮮によるミサイル攻撃のターゲットとして、「日本」を具体的に名指しし始めている。もはや、空想の世界ではないのだ。

米朝戦争は、明日にも始まる可能性がある。豪政府系の戦略政策研究所上級アナリストのマルコム・デービス氏が言う。
「北朝鮮からグアム沖にミサイルが発射され、12カイリ外に落ちようとも、あるいは途中で撃ち落とされようとも、挑発行為だとしてトランプが報復すれば、北朝鮮は間違いなく反撃します。危機が段階的に高まり、朝鮮半島で戦争になれば、有史以来もっとも強烈で暴力的な衝突になる」

8月21日から米韓合同軍事演習が始まり、緊張が高まる。本誌が前号で報じたとおり9月9日にトランプが北朝鮮を空爆するかどうかは、金正恩の出方次第だ。
米朝が開戦すると、日本はどうなるのか。本誌は、長期にわたって米朝の開戦シミュレーションに関与してきた米軍の高位の退役軍人から、驚きの証言を得た。

「米韓の軍事作戦の鍵は、日本だ。レッドラインを超えて開戦に至った際、北朝鮮を壊滅させるのに必要なのは防空圏を叩くことだ。三沢基地の第35戦闘航空団F-16部隊による北朝鮮爆撃が、作戦の第一条件になる」

――何が起こる? 
「北朝鮮もそれをわかっているから、F-16戦闘機の攻撃の先手を打ち、日本の三沢をノドンミサイルで爆撃するだろう」

――三沢以外には? 
「空海軍の要衝である岩国や嘉手納といった基地は当然狙ってくる。連中からもっとも近い前線基地だから」

戦後72年、はじめて日本が戦争当事国になる可能性が出てきたのは、この「在日米軍」の存在ゆえだ。東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏が言う。
「ジュネーブ条約第一追加議定書では、攻撃する相手国の軍事施設を目標に反撃するのは違反ではないので、北朝鮮が正当防衛を理由に在日米軍基地を攻撃することは可能です」

先の米軍高官も言う。
「ミサイル発射が在日米軍基地に対して始まれば、日本では個別的自衛権だ、集団的自衛権だ、という議論になるだろう。だが日本がアメリカに協調しないことはあり得ない。必ず日米が共同で北朝鮮のミサイルを迎撃することになる」

軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏も続ける。
「日本海に常駐しているイージス艦のSM3や国内のPAC3で迎撃することになります。実験結果からすると、ほとんど撃ち落とせるでしょう」
撃ち落とせなかったミサイルは基地に着弾するか、精度が悪く基地周辺の民家やビルに落ちるかもしれない。ただ、攻撃の当初で核弾頭が積まれることは考えにくいため、落ちてしまってもそれほど甚大な被害にはならないと黒井氏は言う。
「日本全土を攻撃する1300kmという射程距離を考えれば、ノドンに載せられる弾頭は700kgが限界です。ビル一棟を壊せるレベルではなく、家屋を6~7軒壊す程度の威力しかありません」

岡崎研究所の村野将氏もこう語る。
「日本に届く北朝鮮のミサイルはノドン約200発+αだが、開戦初期の数時間で発射できるのは最大で50~60発ほど。迎撃効率も考えれば、実際に飛んでくるミサイルはもっと少なく、基地周辺が火の海になるという事態は避けられるでしょう」
そもそも、北朝鮮が在日米軍基地の攻撃を意図するとすれば、「軍事的には、朝鮮半島に向かうための兵站・補給支援を断ち切り、日米の軍事能力をそぎ落とすのが狙いであり、いきなり一般の住宅にミサイルを撃ち込むというのは考えにくい」(村野氏)からだ。

だが、問題はその先だ。先の米軍高官が言う。
「在日米軍基地へのミサイル発射に対しては、自衛隊は在日米軍とともに迎撃し続ける。北朝鮮は自暴自棄になって、日本のインフラの壊滅を狙いにいくだろう」

――具体的には? 
「サイバーテロに原発テロ、化学兵器によるテロも考えられる。だが、まずは東京周辺の基地、具体的には横須賀を狙うだろう。基地攻撃だという言い訳が立つ上に、都市部に近いことで威嚇効果を上げられるからだ」

核兵器を使う可能性
東アジア情勢に精通するカナダ人ジャーナリストのマシュー・フィッシャー氏も語る。
「米軍が北朝鮮本土への大規模攻撃やインフラ破壊の工作を続ける選択をするならば、北朝鮮は政権の生き残りをかけて、日本の人口密集地域に対してもノドンを撃つだろう。米軍はさらなる反撃を続け、最終的には北朝鮮側も、核兵器を使用しても、もはや失うものは何もないと結論づけることになる」

日本の人口密集地域への攻撃――。しかも、核兵器の使用もありうる? 
前出の村野氏も言う。
「東京を核攻撃して、脅しの信憑性を高める。こんなことをすれば当然アメリカは核で報復するでしょうが、北朝鮮が米都市部を狙える核ICBMを複数持てば、東京を攻撃しても報復を抑止できると誤認する恐れがあります」

'03年に米韓の研究者によって行われた核戦争シミュレーション(マイケル・ユー/デクスター・イングラム「ウォー・シミュレイション」)は、12級の核爆弾が東京で地面爆発するケースを詳細に扱っている。

12級というのは、'16年に北朝鮮が行った核実験の数値とほぼ同じ。東京・永田町付近に、午前8時、核兵器を搭載したミサイルが着弾するシナリオだ。
〈(着弾地点半径)2.5km以内に存在する人の90%以上は、核爆弾が投下された瞬間、苦痛を感じることもなく、カメラのフラッシュのような閃光を見た瞬間に消える〉
約10万人が爆弾投下直後に死亡し、その後強い放射能や火事と酸素欠乏で、30日以内に約32万人が死亡、合計42万3627人が死亡するという。

前出のマルコム・デービス氏も、もっともひどいシナリオは、核戦争の勃発だと証言する。
「私が所属する豪政府系シンクタンクASPIの見解は『あと6~9ヵ月ほどで半島で紛争が起きる可能性がある。そうなれば第2次大戦以降はじめて核兵器が使われる可能性がある。数万という犠牲者が出た後、北朝鮮の政権は壊滅するが、それに伴い韓国の大部分も破壊され、日本も大きな被害を受ける可能性が高い』というものです。

北朝鮮は最大60発の核兵器を持っているとみられますが、現時点では、核弾頭は韓国や日本までしか飛ばせそうにない。事態がエスカレートすれば、被害に遭うのは日本や韓国です。非常に危険な状況にあります」

米朝開戦へのカウントダウンは、もうすでに始まっている。
以上:4,473文字
ホーム > 弁護士等 > 政治・社会・司法等 > 「米朝軍事衝突が起きた…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-11(月):第20回弁護士業務改革シンポジウム開催報告at東京大学
ホーム > 弁護士等 > 日弁連 > 「第20回弁護士業務改…」←リンクはこちらでお願いします
○平成29年9月9日(土)午前10時から東京大学本郷キャンパスで第20回業務改革シンポジウムが開催されました。土曜日開催は、若手弁護士・学生も参加しやすくするためで、また、懇親会も会費を従前より相当安くするため日弁連会館クオレで開催しました。その目的を達し、事前申込がおよそ1000名程度だったものが、最終参加者これまでで最高のおよそ2400名に達したとのことでした。



以下、取り敢えず写真集です。



1.生まれて初めて訪れる本郷キャンパス東大赤門、安田講堂で全体会が開催されます、  
    


2.東大キャンパス内部に入りました、受付警備員と案内板表示です、東大公式グッズなんて販売していました  
    


3.シンポは全9部会でしたが、彼方此方の校舎に分かれており、私が参加した第4分科会は法科大学院校舎でした  
    


4.第4部会参加者と発表者の面々  
    


5.分科会終了後、安田講堂での総括全体会、  
    


6.第4分科会藤原座長等各分科会座長の総括報告と最後の西村委員長の挨拶  
    


7.日弁連会館クオレでの懇親会、マグロ解体ショーに三味線等邦楽  
    


8.和太鼓の演奏と次期開催地京都弁護士会のご挨拶、同志社大学キャンパスで行うとのことです  
    
以上:534文字
ホーム > 弁護士等 > 日弁連 > 「第20回弁護士業務改…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9-10(日):不貞行為の疑いによる衆議院議員民進党離党騒ぎ雑感ー擁護派もいた
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「不貞行為の疑いによる…」←リンクはこちらでお願いします
○「不貞行為の疑いによる衆議院議員民進党離党騒ぎ雑感」の続きです。
不倫疑惑の山尾議員に対してネット上では非難の嵐となっていますが、中には擁護意見もありました。小林よしのり氏は,「山尾議員叩きは民主主義の破壊だ!」とまで言っています。

○私は,山尾議員に限らず,少し古くはタレントのベッキーさんの余りに過剰な不倫報道・ネット上意見に、基本的に当事者間の問題なのに,何故,関係ない他人が大騒ぎするのかと強い違和感を感じながら、谷沢永一先生仰る「人間性の最も根深い怨念に発する趨勢」なので仕方がないのかとも思っていました。

○この大騒ぎについて,精神科医片田珠美氏の「怒りの発火点 -不倫有名人をつるし上げる人のゲスな動機」という小気味よい論評が見つかりました。少々長いのですが、大変,勉強になりますので,以下,引用させて頂きます。

*******************************************

怒りの発火点 -不倫有名人をつるし上げる人のゲスな動機
斉藤由貴 山尾志桜里 今井絵理子…
政治・社会 2017.9.9 精神科医 片田 珠美


まるで日本中が他人の不倫に憤っているようだ。直近では、民進党の山尾志桜里議員、自民党の今井絵理子議員、女優の斉藤由貴さん、俳優の渡辺謙さんなどが週刊誌の標的になった。テレビでも社会問題のように取り上げられている。しかし不倫は不道徳な行為ではあるものの、犯罪ではない。他人の不倫に激しく怒る人たちは、どんな精神構造なのか。精神科医の片田珠美氏が、そこにある「不純な動機」を解説する。

○なぜ世間は「斉藤由貴」が憎いのか?
政治家や芸能人などの不倫が報じられると、怒る人が少なくない。そのたびに私は強い違和感を覚える。

もちろん不倫の当事者が怒るのは当然だ。たとえば、女優の斉藤由貴さんが、「家族ぐるみでお世話になっている」という50代の医師と熱い口づけを交わしている写真が写真週刊誌『FLASH』(9月19日号)に掲載された。この写真は2人のどちらかによる「自撮り」のようで、これを手に入れられるのは非常に近い人物と推測され、写真を流出させた人物の激しい怒りと復讐願望が透けて見える。

あくまでも推測の域を出ないが、この「自撮り」写真を見つけて、「裏切られた!」と激怒した人物が、復讐のために出版社に持ち込んだ可能性が高い。写真を見つけた時点で相手に怒りをぶつけて問い詰めなかったのかという疑問が湧くが、そうしなかったのだとすれば、より効果的に復讐を果たすためだろう。

私の外来を受診した60代の女性も、夫への復讐をより効果的なものにするために、爆発しかけた怒りを抑え込んだという。
遊びに来た孫がたまたま本棚の奥に隠されていた箱を見つけたので、その中にあったSDカードを自分のスマホに挿入した。すると、夫と不倫相手のツーショット写真がたくさん保存されていて、ショックを受けた。その晩から眠れなくなったが、すぐに問い詰めるようなことはしなかった。

何食わぬ顔でSDカードを箱に入れて元の場所に戻しておいた。その後、何度もSDカードを取り出し、増え続けるツーショット写真を自分のスマホに保存した。もちろん、夫が定年を迎えたら一連の写真を不貞の証拠として突きつけ、退職金の半分と莫大な慰謝料を請求するためで、すでに弁護士に相談しているという。

○不倫に怒る人に潜む“不純”な3つの成分
不倫は配偶者を裏切る行為なので、配偶者や子どもなどが怒るのは当たり前だ。だが、当事者以上に世間が怒り、激しくバッシングすることが少なくない。
このような反応を目の当たりにすると、世間の怒りには、不倫は「悪」だから許せないという倫理観だけでなく、それ以外の“不純”な成分も含まれているように思われてならない。

少なくとも、次の3つの成分が含まれているように見える。
1) 否認
2) 羨望=他人の幸福が我慢できない怒り
3) 怒りの「置き換え」

自分も不倫中で後ろめたいから他人の「悪」を攻撃
1) 否認=自分には不倫願望などないと自己正当化
まず、不倫という他人の「悪」を徹底的に攻撃することによって、自分にはそんな「悪」などないかのようなふりができる。とくに誠実であるべき責任を分かち合う配偶者の前で、他人の不倫を攻撃すれば、自分には不倫願望のようなやましい欲望などないのだと自己正当化できる。

夫婦生活において大切な誠実さが、絶え間ない誘惑をしりぞけて初めて守られることは、既婚者であれば誰でも多かれ少なかれ経験しているはずだ。だからこそ、不倫願望を心の奥底に秘めていながら、我慢せざるを得ず、実行に移せない人ほど、他人の不倫を激しくたたく。あるいは、自分が実際に不倫という「悪」に手を染めているからこそ、他人の同じ「悪」に敏感で、目ざとく見つけて攻撃する場合もあるだろう。

数年前、朝のワイドショーで「ご意見番」として正論を吐いていた演出家に長年不倫関係にある「第二夫人」がいると週刊誌で報じられたが、この演出家はタレントのスキャンダルを激しく糾弾することで有名だった。若い俳優が二股騒動を起こしたときは、「とんでもない男。誰にでも結婚しようと言っている」「本当にうさんくさい」などと厳しく追及したものだ。

このように、他人の「悪」をたたいておきながら、実は自分も似たようなことをやっているのは、この演出家に限らない。以前、戦場取材で知られたジャーナリストの不倫騒動を厳しく非難した“ロックンローラー”が、不倫相手の女性から別れ話を持ち出され、脅して復縁を迫ったなどとして逮捕された事件があったが、これなんか典型だろう。
いずれも、不倫という「悪」など自分にはないのだと否認するためにこそ、他人を責める。当然、後ろめたいところがあるほど、攻撃は激しくなる。いわば自己防衛のために他人を攻撃するわけだが、これは不倫に限った話ではない。

○妻の浮気を疑って責める一方、自分は若い女の子と浮気
たとえば、「政務活動費」架空発注疑惑で議員辞職した元神戸市議の橋本健氏は、他の神戸市議の不正流用が発覚したとき、激しく攻撃したという。
「2年前、市議の不正流用が発覚した際、橋本はそれに多少なりとも関わった議員を全員呼び出し、“自分ら大変なことをしてくれたな!”“今の状況わかっとるんか!”などと上から目線で責め続けました」
と、神戸市の自民党関係者が証言している(『週刊新潮』9月7日号)。

その本人が同じ時期に不正に手を染めていたのだから、笑ってしまうが、こういう人はどこにでもいる。他人がちょっとでも嘘をつくと激しく非難するのに、自分は嘘八百のニセ医者女史とか、妻の浮気を疑って責めるくせに、自分は若い女の子と浮気している夫とか、枚挙にいとまがない。

この手の人を見るたびに、「もしわれわれに全く欠点がなければ、他人のあらさがしをこれほど楽しむはずはあるまい」というラ・ロシュフコー(17世紀のフランスの貴族・文学者)の辛辣な言葉を思い出す。後ろめたいからこそ、他人のあらを見つけると、必要以上に怒らずにはいられないのだろう。

○議員辞職、離党、番組降板に追い込むと満足する
2)羨望=他人の幸福が我慢できない怒り
有名人の不倫が報じられると、「けしからん」「許せない」などと声高に叫びながら、一緒になってたたく人の胸中には、羨望が潜んでいる可能性が高い。

羨望というのは、他人の幸福が我慢できない怒りなのだ」と言ったのは前出のラ・ロシュフコーだが、まさにその通りで、不倫が発覚した有名人が手にしている「幸福」が我慢できず、怒りを覚える。
羨望の対象になる「幸福」は大きく二つに分けられる。一つは、自分がやりたくてもやれないことや、やりたいのに我慢していることを易々とやってのける「幸福」。もう一つは、有名人が手にしている成功、名声、富などの「幸福」。

だから、自分自身も不倫願望を抱きながら、それほどモテないとか、その機会がないという人ほど羨望にさいなまれやすい。また、有名人が手にしている成功、名声、富などと自分は無縁だったことで欲求不満を抱いている人も、羨望にさいなまれやすい。両方そろっていたら、それこそ羨望の塊になり、不倫が報じられた有名人を、これでもかというくらい激しくたたく。

○不倫有名人が出演するCM企業に電話
こういう人は、羨望の対象である有名人を引きずりおろさないと気がすまない。そのため、ネット上の掲示板に書き込んだり、不倫が報じられた有名人がCM出演するスポンサー(広告主)に電話したりする。その結果、降板や活動休止、議員辞職や出馬断念などに追い込んだら、満足するようで、さすがにバッシングはおさまる。

3) 怒りの「置き換え」=鬱憤を晴らすため“弱者”に怒りぶつける
有名人の不倫に激怒するのは、腹の中にたまった怒りをぶつけて鬱憤を晴らしたいからにすぎない場合もある。上司に怒られたり、同僚ともめたりして、怒りがたまっているが、そのはけ口がないと、誰でもいいから怒りをぶつけたくなる。

これは、劇作家の寺山修司が見抜いているように「怒りというのは排泄物のようなもので、一定量おなかのなかにたまるとどうしても吐きださざるを得なくなる」からだ(角川文庫『家出のすすめ』内のエッセー「醒めて、怒れ!」)。
ところが、怒りの原因になった当の相手が自分より強い立場だと、怖くて、怒りをぶつけられない。そのため、怒りの矛先を弱い相手に向け変える。これを精神分析では「置き換え」と呼ぶ。

○不倫は犯罪ではなく、外野が口をはさむ問題ではない
この「置き換え」は、至るところで起こっていて、部下、後輩、非正規社員、さらには言い返せない飲食店やコンビニの店員、駅員などへと怒りが連鎖する。それでも怒りがおさまらないと、不倫という「悪」を犯して反論できない立場の有名人をたたく。

不倫を擁護するつもりはないが、不倫は犯罪ではなく、当事者同士で解決すればすむ話だ。少なくとも、外野が口をはさむ問題ではない。ところが、不倫した側に負い目があって反論できないのをいいことに、ここぞとばかりにたたく。

結局、本音は自分の怒りを誰かにぶつけてスッキリしたいだけで、その格好の相手が不倫した有名人なのではないかと疑わずにはいられない。
不倫が報じられた有名人を槍玉に挙げ、溜飲を下げている方は、胸に手を当てて自分の怒りを分析すべきである。

以上:4,228文字
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「不貞行為の疑いによる…」←リンクはこちらでお願いします
H29- 9- 9(土):不貞行為の疑いによる衆議院議員民進党離党騒ぎ雑感
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「不貞行為の疑いによる…」←リンクはこちらでお願いします
○「不貞行為を理由とする衆議院議員辞職事例発生雑感」の続きです。
一線を越えていない」との釈明で有名になった今井絵理子参議院議員の不貞行為疑い騒ぎから1ヶ月半も経っていない平成29年9月2日、前原民進党幹事長になるかと思われていた山尾志桜里衆議院議員がチェックインした品川の高級ホテルの同じ部屋に、9歳年下の若手イケメン弁護士が入り,翌朝早朝チェックアウトしたから始まる週刊文春の「山尾志桜里43イケメン弁護士9歳下と『お泊まり禁断愛』」と題する記事によって、山尾議員は民進党幹事長就任どころか,離党に追い込まれ,ネット上では非難の嵐になっています。

○山尾議員は,「男女の関係はない」と釈明していますが,おそらく100人中100人が「そんな馬鹿な」と思われる状況です。不倫の疑いに対しては,たとえベッドに一緒に居るところに踏み込まれても,「一緒に居るだけで何もしていない」と言い張れ、と言うのが鉄則で、山尾議員もこの鉄則に従っています(^^)。この山尾議員の離党受理について前原民進党代表が、「甘い!」と非難され,正に前原民進党船出から大きく躓いたと報道されています。

○私から言わせると、山尾議員,なかなかの美貌で,9歳年下のイケメンを捕まえるのだから,流石だと思うだけで、あくまで個人的な男女の仲でプライバシー問題であり,双方,配偶者持ちとのことですから、先ずはお互いの配偶者に詫びるべきとは思いますが,その他の方々には関係がないことです。しかし、これだけ大騒ぎになり、改めて畏敬する谷沢永一先生の以下の言葉が思い起こされます。
人間の性をめぐる怨念が解消される日は来ないであろう。ゆえに性の次元で自由を享受している奴は許せない。性的放縦に対する弾劾が何よりの憂さ晴らしとなる。(中略)この趨勢を反映し代表して暴露を旨とする報道(マスコミ)が発達する。これからは政治家も経営者も芸能人も、およそ世に顕れでるほどの人は、性的奔放に対する集中砲火を避け得ないであろう。社会的平等化に不可欠の必要経路である。言論の自由の副産物である。人間性の最も根深い怨念に発する趨勢であるゆえ、世に立つ者は身を慎む以外にないであろう。(「人間通」の「怨念」より)
○それにしても議員の不貞行為でこれだけ大騒ぎをするのは先進国で日本以外にあるのでしょうか。アメリカ現職大統領のトランプ氏は,大変女性好きのようで,3回も結婚しており、選挙期間中も、セクハラを受けたと称する女性も現れ,「女癖が悪い」典型のようにも思われますが,それでも大統領に当選しています。日本でも田中角栄氏当たりまでは,議員が二号さんを持つのは当然の如く思われ,妻以外に二号,三号を持つのは男の甲斐性とも思われていました。

○問題は,配偶者以外と性関係を持つことは,不貞行為とされ、民事上損害賠償義務を負う違法行為と評価されていることでしょう。日本の解釈では,もし山尾議員とイケメン弁護士が性関係があったとすれば、山尾議員は,自らの配偶者とイケメン弁護士の配偶者に対する不法行為を働いたとして民事上損害賠償義務を負い、議員様とあろうものが、そのような不法行為をするとは「けしからん」となります。山尾議員は,議員としては,極めて優秀で,実績も積んでいるということで、前原民進党代表は,幹事長にするつもりだったものが、このスキャンダルでパーになりました。

○私から言わせれば,もし本当に男女の仲であれば、お互いに配偶者持ちですから,もっと行動が慎重になるべきところ,文春記事によるとかなり大胆・おおっぴらに行動されており,案外,男女関係がなかったのではと思えるところもないわけではありません。いずれにしても政治家として極めて優秀と評価されている方が,過剰なスキャンダル報道で失脚させられるのは誠に残念なところです。
以上:1,569文字
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「不貞行為の疑いによる…」←リンクはこちらでお願いします