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ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
なお、出典を明示頂ければ、全データの転載もご自由で、転載の連絡も無用です。しかし、データ内容は独断と偏見に満ちており、正確性は担保致しません。データは、決して鵜呑みにすることなく、あくまで参考として利用されるよう、予め、お断り申し上げます。
また、恐縮ですが、データに関するご照会は、全て投稿フォームでお願い致します。電話・FAXによるご照会には、原則として、ご回答致しかねますのでご了承お願い申し上げます。
         

R 8- 1-18(日):映画”カッコーの巣の上で”を観て-殆ど感覚が合わず
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○令和8年1月17日(土)は、ツルカメフラメンコアンサンブルの練習日でしたが、練習後、夕食を取りながら、最近購入したBDソフトで1975(昭和50)年製作映画「カッコーの巣の上で」を鑑賞しました。1976年アカデミー賞作品賞、主演男優賞(ジャック・ニコルソン)、助演女優賞(ルイーズ・フレッチャー)ほか主要5部門を受賞した名作中の名作と言われる作品で、映画コムでは、「刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装い、精神病院に入ったマクマーフィは、絶対的な管理体制をしくラチェット婦長のやり方に反発を覚える。マクマーフィは、管理されることに慣れ、無気力になっていた入院患者たちに生きる希望と活力を与えようとするが……。人間の尊厳と社会の不条理を描いたヒューマンドラマの名作。」と解説されています。

○私はジャック・ニコルソン氏の出世作で、名作中の名作という評価だけは知っていましたが、「カッコーの巣」が精神病院を表すことも知らず、内容について全く予備知識なく大いに期待して鑑賞に至りました。しかし、残念ながら「映画”イージー・ライダー”を観て-全く感覚が合わず」とほぼ同じ感想でした。映画「カッコーの巣の上で」は、映画「イージー・ライダー」と並ぶ1960年代後半から1970年代にかけてアメリカ合衆国で製作された映画作品群を指すアメリカン・ニューシネマの代表作と言うことです。映画「俺たちには明日はない」、映画「卒業」等がアメリカン・ニューシネマの代表作で、70年代後半に登場する映画「タワーリング・インフェルノ」、映画「ジョーズ」、映画「スター・ウォーズ」等スピルバーグやジョージ・ルーカス等のハリウッド・ルネッサンス映画の登場で、アメリカン・ニューシネマは終焉を迎えたとのことです。

○どうやら私はアメリカン・ニューシネマには感覚が合わないようですが、映画「イージー・ライダー」の様に全く感覚が合わないとは言えず、部分的に感情移入できるシーンもありましたので、副題としては「殆ど感覚が合わず」としました。何と言ってもジャック・ニコルソン氏の演技の凄さには感服しました。ただストーリーには不自然と感じる部分が多々あり、さらに主人公ジャック・ニコルソン氏演ずる主人公の最後の悲惨な結果には極めて後味の悪いモノでした。

○どこかで見たことがある長い顔に映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク博士役クリストファー・ロイド氏37歳映画初出演を確認して感激しました。2mを越える聾唖を装うインディアン大男と主人公の遣り取りも心温まるものがありました。全体的には不自然さを感じるも、部分的に感じ入るシーンがあり、映画「イージー・ライダー」と違って再鑑賞の意欲は残る映画でした。

映画『カッコーの巣の上で』 - I Want My Cigarettes 日本語字幕


映画『カッコーの巣の上で』一羽は東に 一羽は西に 一羽はカッコーの巣の上を飛んでいった……


以上:1,215文字
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R 8- 1-17(土):2026年01月16日発行第405号”弁護士のアトリビュート”
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○横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和8年1月16日発行第405号「弁護士のアトリビュート」をお届けします。

○アトリビュートなんて言葉は聞いたことはありますが、その意味など考えた記憶がありません。ウィキペディアでは「アトリビュート(英: attribute)は、西洋美術において伝説上、歴史上の人物または神話上の神と関連付けられた持ち物。その物の持ち主を特定する役割を果たす。持物(じもつ・じぶつ)ともいう。正義の女神を例にとると、手に持った秤と剣、それに目隠しである。」と説明されています。初めて知りました(^^;)。大山ニューレターはホントに勉強になります。

○IT用語事典では、「アトリビュートとは、特性、特質、性質、~に要因を求める、~に帰する、などの意味を持つ英単語。ITの分野では対象の性質や設定などを示す付加情報を指すことが多く、「属性」と訳される。」と説明されています。日本語の「属性」でようやく何となく意味が判りました。

○私自身の属性はと考えると、何事にも「せわしない」でしょうか。別に忙しいわけではないのですが、落ち着きがなく「アクビ」は余りしないようです。「アクビ」は余裕がないとできないですね。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士のアトリビュート

漫画家が、キャラクターを描き分けるのに苦労するという話を聞きました。下手をすると、みんな同じような顔になってしまうそうです。そんな問題の簡単な解決方法は、髪の色や服装で、その人だけの特徴を出すことなんです。こういった「その人を特徴つけるもの」をアトリビュートと言います。これは、現代の漫画家だけではなく、古今東西使われている手法です。例えばキリスト教の宗教画では、様々な聖人が描かれていますが、はっきり言って、どれが誰なのかなんてわかりません。そこで登場するのがアトリビュートです。

鍵を持っているおじさんなら、天国の鍵を預かった初代ローマ教皇聖ペテロだと分かります。本を持っていれば、福音書記聖ヨハネだといった具合です。こんなのは良いんですが、殉教した聖人の場合は、一気に趣味が悪くなります。車裂きの刑で殺された聖女カタリナは、車輪を持っています。そういえば以前トンカツ店が、包丁を持った豚の看板を作ったことで非難されたのを思い出しました。生きたまま皮膚を剥がされた聖バルトロマイは、自分の皮を持った姿で描かれます。ここまで趣味が悪いと、かえって感心しちゃうのです。

キリスト教だけでなく、ギリシャ神話の神々もアトリビュートを持っています。ゼウスの雷とか、ポセイドンの三叉戟なんて有名です。中国の豪傑達にもアトリビュートは使われています。青龍偃月刀を持った武将なら、三国志の関羽です。全身に龍の入れ墨がある豪傑は、水滸伝の九紋龍史進といった具合です。現代日本の温泉では「タトゥーのある方は入湯お断り」と表示されていますが、間違いなく対象となりそうです。事程左様にアトリビュートは便利なんです。そういえば「文学」の場合はアトリビュート無しで人物を描き分ける必要があるそうです。一方、娯楽小説や漫画では、その労力を、ストーリーの面白さに向けられます。手塚治虫先生も「漫画の人物は記号だ」と喝破されていました。どちらが良いのかは難しいところですが、私は頑張って描き分けるよりも、アトリビュートを使えばいいと思います。

もっとも、アトリビュートは便利なだけに、ほとんどの人は、そこしか見ないようです。私なんか、張飛が偃月刀を持っていたら、「これは関羽だ!」と即決してしまいます。おいおい。。。 推理小説の古典に「赤毛のレドメイン家」というのがあります。犯人は見事な赤毛で有名な人です。色々な所で目撃されます。しかし、本当は他人が赤毛のカツラを使って、犯人のフリをしていたという話です。「なんじゃそれは?」という気もしますが、読んでると引き込まれる名作推理小説です。

アトリビュートは美術や文学だけの話ではありません。現代社会で一番重要なアトリビュートといえば、何と言ってもブランドでしょう。買う人が、本当に品質で選ぶ目を持っているなら良いのですが、ほとんどの消費者は私と同レベルなので、ブランドしか見ないで、有難がって買う人は相当数います。そんなわけで、ブランドを偽造して消費者を騙す事件が起こるわけです。これは重大事件として、損害賠償だけでなく刑事罰も課せられることがよくあります。

というわけで、弁護士のアトリビュートですが、多分これは、弁護士バッチです。バッチを付けていれば、ほとんどの場合に弁護士と認めてもらえます。裁判所にも、バッチを見せれば、荷物検査など無しで入れてくれます。それだけにバッチの管理は厳しく要求されています。それぞれにシリアルナンバーが付いていて、どのバッチが悪用されたか分かってしまいます。紛失したらすぐに届け出ないといけませんし、凄く怒られてしまうのです。

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◇ 弁護士より一言

「パパのアトリビュートって何だろう?」と娘に聞いたら、「いつもアクビをしていること」と言われました。し、失礼な! 妻からは「ふわふわ白髪のおじさんがいたから、パパだと思って近づいちゃった」と言われたんです。このままではいけないので、カッコ良いアトリビュートを考えたいと思うのです。常に六法全書を持ち歩いているなんてどうでしょうか。。。

以上:2,323文字
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R 8- 1-16(金):保証会社代位弁済があっても本人不払を理由に解除認めた地裁判決紹介
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○原告が、被告に対し、賃料1か月分の不払により賃貸借契約を解除したとして、その終了に基づき、賃貸した建物の明渡しを求めました。

○被告は、その1か月分の賃料等が滞納となっていることを本件訴訟が提起された後に初めて知り、これ以外の賃料等については、Cが原告に対して代位弁済していたので、原告と被告との間の信頼関係は破壊されていないから原告は本件賃貸借契約を解除することはできないと主張しました。

○これに対し、原告による解除の意思表示がされた時点において、被告が、原告に対し、同月分の賃料等の支払を怠っていたことは当事者間に争いがなく、一部の賃料等については、Cが原告に対して代位弁済していたものの、被告は、Cに対し、2万円を入金したのみであり、この時点で原告と被告との間の信頼関係が破壊されていなかったということはできず、原告の解除の意思表示により、本件賃貸借契約は解除されたものというべきであるとして、原告の請求を認容した令和6年12月4日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

○被告は代位弁済したCに対し賃料代位弁済による求償債務合計71万8600円を支払っていますが、後の祭りで、この点は考慮されませんでした。

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主   文
1 被告は、原告に対し、別紙物件目録記載の建物を明け渡せ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 この判決は、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 主文同旨

第2 事案の概要
 本件は、原告が、被告に対し、賃料不払により賃貸借契約を解除したとして、その終了に基づき、賃貸した建物の明渡しを求める事案である。
1 前提事実
(1)原告は、令和4年1月23日、被告との間で、賃貸借契約に基づき引渡していた別紙物件目録記載の建物を、次の約定で賃貸するとの更新合意をした(以下、この契約を「本件賃貸借契約」という。)(争いのない事実)。
ア 賃料等
賃料 月額13万円
共益費(管理費) 月額7000円
イ 支払条件等
 被告は,原告に対し、毎月28日までに翌月分の前記アの賃料等を支払う。

ウ 契約期間
 令和4年2月1日から令和6年1月31日まで

(2)
ア 原告は、令和6年3月8日、被告に対し、賃料及び共益費(以下「賃料等」という。)1か月分の支払を怠っており、また、それに先立ち、賃料等約3か月分の支払を怠ったため、被告の委託を受けて原告に対して本件賃貸借契約に基づく被告の債務を連帯保証したC株式会社(以下「C」という。)が、原告に代位弁済をしたとして、3日以内に賃料等1か月分を支払うよう催告するとともに、これを支払わなかった場合には、本件賃貸借契約を解除するとの意思表示をした(争いのない事実、甲3、乙3)。 

イ 前記アの当時、被告は、原告に対し、令和5年12月分から令和6年3月分までの賃料等の合計54万8000円の支払をしていなかったため、Cが、原告に対し、このうち3か月分の41万1000円を代位弁済していたところ、被告は、Cに対し、2万円支払ったのみであった(甲5)。

(3)被告は、Cから求償権について催告を受け、令和6年4月19日、Cに対し、以下の合計71万8600円を支払った(争いのない事実)。
保証委託料 1万円
保証事務手数料 1万1880円
令和5年12月分 11万9970円
令和6年1月分 13万7000円
令和6年2月分 13万7000円
令和6年2月分 16万5750円
令和6年4月分 13万7000円

2 争点及び争点に関する当事者の主張
 本件の争点は、原告による本件賃貸借契約の解除の可否であり、これに関する当事者の主張は以下のとおりである。
(被告の主張)
 原告による解除の意思表示がされた令和6年3月8日時点において、同月分の賃料等が滞納となっており、原告がCに対してした同年4月19日の入金や、その後の入金によっても、同年3月分の賃料等が滞納のままであることは認めるが、被告は、同年3月分の賃料等が滞納となっていることを本件訴訟が提起された後に初めて知った。そして、これ以外の賃料等については、Cが原告に対して代位弁済していたことからすれば、原告と被告との間の信頼関係は破壊されていないのであって、原告は、本件賃貸借契約を解除することはできない。

(原告の主張)
 原告が被告に対して解除の意思表示をした時点で、被告には令和6年3月分の賃料等の滞納があったし、原告は、被告に対し、予備的に令和6年5月2日に送達された訴状をもって、支払期限の経過した賃料等を3日以内に支払うよう催告し、支払がなければ本件賃貸借契約を解除するとの意思表示をしたから、本件賃貸借契約は解除された。

 また、前提事実(2)の原告による解除の意思表示の時点において、原告は、被告に対して令和6年3月分の賃料等の支払を怠っていたのみならず、令和5年12月分の一部並びに令和6年1月分及び同年2月分の賃料等につき、代位弁済したCに入金していなかった。Cが原告に代位弁済したとしても、被告による賃料等の不払いという事実は変わらないのであり、以上のCに対する滞納状況等にも鑑みれば、上記解除の意思表示の時点において、原告と被告との間の信頼関係は破壊されていたというべきである。

第3 当裁判所の判断
1 前提事実(2)のとおり原告による解除の意思表示がされた令和6年3月8日時点において、被告が、原告に対し、同月分の賃料等の支払を怠っていたことは当事者間に争いがなく、前提事実(2)のとおり、令和5年12月分から令和6年2月分の賃料等については、Cが原告に対して代位弁済していたものの、被告は、Cに対し、2万円を入金したのみであった。

 そして、前提事実(2)によれば、原告は、令和6年3月8日、被告に対し、3日以内に滞納していた賃料等を支払うよう催告し、その支払がないときには解除するとの意思表示をしたのであって、その催告期間内に被告が賃料等を支払ったとは認められないところ、被告は、Cがした41万1000円の代位弁済に関し、Cに対して一部である2万円を支払ったのみで全額の支払をしていなかったというのであるから、この時点で原告と被告との間の信頼関係が破壊されていなかったということはできず、上記解除の意思表示により、本件賃貸借契約は解除されたものというべきである。

2 よって、原告の請求は理由があるから、これを認容することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第7部 裁判官 荒谷謙介

別紙 物件目録
1 所在 世田谷区α×丁目 ××番地×
家屋番号 ××番×の×
種類 共同住宅
構造 鉄筋コンクリート造陸屋根4階建
床面積 1階 107.86平方メートル
    2階 110.23平方メートル
    3階  86.08平方メートル
    4階  63.36平方メートル
上記建物のうち2階×××号室40.64平方メートル部分
以上
以上:2,855文字
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R 8- 1-15(木):不貞期間5ヶ月に慰謝料100万円を認めた地裁判決紹介
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○原告女性は、原告の夫Cと5ヶ月間不貞行為を継続したCと同じ職場の被告女性に対し、慰謝料500万円と弁護士費用50万円の支払を求めました。

○被告女性は不貞の事実は認め、当初20万円の慰謝料支払を提案したことについて、原告は誠意がなく感情を逆なでした、不貞発覚後もCと同じ職場で勤務を継続しており原告の感情を慰謝する態度が微塵もないなどと非難しています。

○これに対し、原告とCは離婚しておらず、Cは、本件の不貞前と同様の生活を継続し、離婚の予定もなく、不貞の期間は5か月余りと短期間であったことから、本件の慰謝料額としては、100万円を認めるのが相当とした令和6年12月9日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

○同じ裁判官が「期間4年の不貞行為について慰謝料100万円を認めた地裁判決紹介」記載の通り、不貞期間4年でも600万円の慰謝料請求に対し100万円の支払を認めています。不貞期間からは100万円の慰謝料は高すぎる感もしますが、最も責任がある配偶者Cはどのような責任をとるのか聞いてみたいところです。

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主   文
1 被告は、原告に対し、110万円及びこれに対する令和5年12月21日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを5分し、その1を被告の負担とし、その余は原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、550万円及びこれに対する令和5年12月21日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は、原告が、原告の夫と不貞行為を行った被告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害金合計550万円(慰謝料500万円、弁護士費用50万円)及びこれに対する不法行為後である令和5年12月21日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

1 前提事実(争いがないか、掲記の証拠等により容易に認められる事実)
(1)原告は、平成14年11月に、C(以下「C」という。)と婚姻した。原告とCとの間には、令和6年5月30日時点で、18歳になる長女と16歳になる長男の2人の子がいる。(弁論の全趣旨)
(2)原告ら家族は、茨城県つくば市で生活していたが、Cの仕事の関係(Dにて勤務)で、平成29年頃から、Cは、平日は品川に単身で居住し、週末は自宅に帰宅する生活を送っていた(争いがない。)。

(3)被告は、令和5年4月から、Eの特別研究員として、Cの主催する研究室に所属することとなった(争いがない。)。
(4)令和5年5月末から、Cと被告は不貞関係になった(争いがない。)。
(5)令和5年11月9日、Cは、原告に対して不貞を認め、同月12日、被告は、原告に対して不貞を認めた。(争いがない。弁論の全趣旨)

2 争点及びこれに関する当事者の主張
 本件においては,被告がCと不貞関係にあったことについては、争いがなく、本件の争点は損害の点である。
(1)原告の主張
ア 慰謝料 500万円
 以下の点を踏まえれば、慰謝料額は500万円を下らないというべきである。 
(ア)原告とCの婚姻期間は20年以上であり、長期に平穏な婚姻生活を築いていたものであるが、被告の不法行為により、一瞬にしてそれは崩れ去った。
(イ)原告とCとの間には、子どもが2人いて、子どもを含めた家庭生活の平穏も害されている。

(ウ)不貞期間は、令和5年5月末から11月までの約半年、不貞の回数もかなりの回数に上っている。
(エ)被告は、当初、20万円という著しく低廉な慰謝料を提示するなど、原告の感情を逆なでしていた。
(オ)被告は、現時点でも不貞行為の相手であるCと同じ職場で働いており、原告の感情を慰謝する態度は微塵も見受けられない。
(カ)不貞行為が発覚してからも、Cと被告は、原告に見つからないようにやりとりを継続していた。

イ 弁護士費用 50万円
 弁護士費用としては、50万円が相当である。

ウ 合計 550万円

(2)被告の主張
ア 争う。
イ 慰謝料額の算定にあたっては、以下の点が斟酌されるべきである。
(ア)原告とCの婚姻関係は破綻していない。
(イ)原告とCの婚姻関係は、もともと円満を欠いていた。
(ウ)被告がCと初めて不貞行為に及んだのが令和5年5月29日で、最後が同年11月6日である。不貞期間は約5か月にすぎない。

(エ)不貞相手である被告の責任は副次的なものとみるべきである。
(オ)被告が不貞関係を主導した事実はない。
(カ)被告は、原告に対して、当初から不貞を認めて謝罪し、誠実な提案をしていた。

ウ なお、原告は、被告に職場を変更するよう要望しているが、被告にこれに応じる法的義務はなく、被告が職場の変更をしないことをもって、慰謝料の増額事由として考慮すべきではない。

第3 当裁判所の判断
1 慰謝料額について

(1)証拠(乙4、被告本人)によれば、被告とCは、令和5年5月29日から同年11月6日まで不貞関係にあったと認められ、これを覆すに足りる証拠はない。そして、前記前提事実(5)のとおり、同月12日までに、C及び被告が原告に対して不貞を認め、原告にCと被告の不貞行為が発覚したことが認められる。

(2)原告とCの婚姻関係は不貞開始時点で20年余り継続していたものであり(前記前提事実(1)、上記(1))、婚姻期間は長期間であったといえる。また、原告とCの婚姻関係が円満でなかったことを示す的確な証拠はなく、証拠(原告本人)によれば、当時、原告及びCは、高校3年生になる長女及び高校1年生になる長男と普通に家庭生活を送っていたものと認められる。

 もっとも、他方において、証拠(原告本人)によれば、原告とCは離婚しておらず、Cは、本件の不貞前と同様の生活(平日は単身赴任先(ただし、不貞後は、平日も、なるべく自宅に戻るようにしている)、週末は自宅に戻る)をしており、離婚の予定もないことが認められる。また、本件の不貞の期間は5か月余りであり、短期間であったといえる。

(3)以上の事情を考慮すると、本件の慰謝料額としては、100万円を認めるのが相当である。

 この点、原告は、被告が職場の変更をしないことや不貞発覚後に秘密のメールアドレスで連絡を取り合っていたことを指摘するが、これらの点をもって、特段慰謝料が増額されることになるとは解されない。
 その他、原告指摘の点、また、被告指摘の点を検討しても、上記判断が左右されることはないと解する。

2 弁護士費用
 上記1の認定額からすれば、弁護士費用としては、10万円を認めるのが相当である。

3 まとめ
 以上より、被告は、原告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、上記損害金合計110万円及びこれに対する不法行為後である原告が起算日としている令和5年12月21日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金を支払うべきである。

第4 結論
 よって、原告の請求は、主文第1項掲記の限度で理由があるから認容し、その余は理由がないから棄却し、訴訟費用の負担につき民訴法64条本文、61条を、仮執行の宣言につき同法259条1項を、それぞれ適用して、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第7部 裁判官 烏田真人
以上:3,051文字
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R 8- 1-14(水):共有物分割訴訟で全面的価格賠償による分割を認めた地裁判決紹介5
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○「共有物分割訴訟で全面的価格賠償による分割を認めた地裁判決紹介4」の続きで、原告持分20分の19、被告持分20分の1の土地について、土地・建物の売買・仲介等を目的とする会社である原告が、民法258条に基づき共有物分割を求め、全面価格賠償による分割を認めた令和6年12月12日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

○判決は、本件各土地の共有物分割の方法として、全面的価格賠償の方法によることを求めているところ、本件各事情によれば、本件各土地について、現物を分割する方法によって分割することは適当ではなく、むしろ、本件各土地の性質及び形状、共有関係の発生原因、原告と被告の持分割合、本件各土地の利用状況及び分割された場合の経済的価値、分割方法に関する原告の意見等を踏まえて、本件各土地を原告に取得させるのが相当であると認められるとしました。

○被告の持分割合(20分の1)を踏まえた使用収益の可能性及び流動性の程度という観点も踏まえると、本件訴訟において、本件各土地の固定資産評価額を基準とすることも相当であると認められ、また、本件各土地上に原告が所有するに至った建物が存在することを考慮すると、建付減価として2割を減じることは相当として、価格賠償額を585万円としました。

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主   文
1 別紙訴状写し物件目録記載の各土地を次のとおり分割する。
(1)別紙訴状写し物件目録記載の各土地を原告の所有とする。
(2)原告は、被告に対し、後記(3)の持分移転登記手続と引換えに585万1083円を支払え。
(3)被告は、原告に対し、前項の金員の支払と引換えに、別紙訴状写し物件目録記載の各土地について、この判決が確定した日の共有物分割を原因とする持分20分の1の共有持分全部の移転登記手続をせよ。
2 訴訟費用は、被告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求

 別紙訴状写し「第1 請求の趣旨」記載のとおりである。

第2 請求原因及び共有物分割に関する原告の意見
 別紙訴状写し「第2 請求の原因」及び別紙原告の令和6年11月1日付け第1準備書面に記載のとおりである。

第3 当裁判所の判断
1 請求の原因について

 証拠(甲1~7)及び弁論の全趣旨によれば、請求原因事実(別紙訴状写し「第2 請求の原因」1項、2項及び3項(1)の各事実)が認められる。

2 共有物の分割方法について
(1)上記1の認定事実のほか、証拠(甲2~9)及び弁論の全趣旨によれば、別紙訴状写し物件目録記載の各土地(以下「本件各土地」という。)の性質、形状、共有関係の発生原因、利用状況等について、別紙訴状写し「第2 請求の原因」の3項(3)ア~エの各事実が認められる。

(2)原告は、本件各土地の共有物分割の方法として、全面的価格賠償の方法によることを求めているところ、上記1及び2(1)の各事情によれば、本件各土地について、現物を分割する方法によって分割することは適当ではなく、むしろ、本件各土地の性質及び形状、共有関係の発生原因、原告と被告の持分割合、本件各土地の利用状況及び分割された場合の経済的価値、分割方法に関する原告の意見等を踏まえて、本件各土地を原告に取得させるのが相当であると認められる。

(3)
ア 全面的価格賠償の方法による共有物分割を命じるためには、共有物を特定の者に取得させるのが相当であると認められることに加えて、その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者にはその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情が必要となる。

イ 原告は、被告が取得する対価(賠償金)の額について、〔1〕本件各土地の令和6年度の固定資産評価額(別紙訴状写し物件目録記載1の土地(以下「本件土地1」という。)につき7609万0500円、同目録記載2の土地(以下「本件土地2」という。)につき7018万6580円)に被告持分割合(20分の1)を乗じた金額(本件土地1:380万4525円、本件土地2:350万9329円)である合計731万3854円を基準額とし、〔2〕本件各土地上に原告所有建物が存在することから、借地権減価率を2割としてこれを減価し(減価後の額は585万1084円)、〔3〕更に流動性の低い持分であることによる3割の減価をした金額が、適正な価格であるとの意見を述べている。また、原告が今後、所在不明の被告に代わって納税を行うものであることを斟酌すべきであり、価格賠償金は550万円が相当である旨の意見も述べている。

ウ 上記原告の意見〔1〕については、被告の持分割合(20分の1)を踏まえた使用収益の可能性及び流動性の程度という観点も踏まえると、本件訴訟において、本件各土地の固定資産評価額を基準とすることも相当であると認められる。

エ また、上記原告の意見〔2〕についても、本件各土地上に原告が所有するに至った建物が存在することを考慮すると、建付減価として2割を減じることは相当であると認められる。

オ 他方で、上記原告の意見〔3〕については、共有物分割の結果として、原告が本件各土地の単独所有者となることに加えて、上記ウのとおり、被告の持分割合を踏まえた使用収益の可能性及び流動性について既に斟酌していることも踏まえると、更に流動性を理由とする減価をすることは相当ではない。
 また、原告は、原告が今後所在不明の被告に代わって納税を行うことを斟酌すべきであるとの意見も述べているが、共有物分割における賠償金額を定めるに当たり、共有者間における当該不動産に係る固定資産税の負担状況を斟酌することは困難であり、採用できない。

(4)以上によれば、本件各土地について、全面的価格賠償の方法によって原告の単独所有とする場合における被告共有持分の対価(賠償金)の額は、585万1083円とすることが相当である。
(計算式)
731万3854円(〔1〕)×(1-0.2)(〔2〕)=約585万1083円

(5)原告は、不動産の売買等を目的とする事業者であり、本判決の確定後、価格賠償金を支払う意思及び用意があると認められること(弁論の全趣旨)からすると、原告には被告に支払うべき賠償金の負担能力があると認めることが相当である。

(6)そして、原告の被告に対する本件各土地の被告持分に係る持分移転登記手続請求権と、被告の原告に対する賠償金支払請求権とは、実質的に対価関係にあることからすると、引換給付の判決をするのが相当である。

第4 結論
 よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第16部 裁判官 平井直也

別紙訴状抜粋
第1 請求の趣旨

1 別紙物件目録1及び2記載の各不動産を次のとおり分割する
(1)同目録1及び2記載の各不動産を,いずれも原告の所有とする
(2)原告は,被告に対し,204万7880円を支払え
2 被告は,原告に対し,同目録1及び2記載の各不動産について,この判決確定の日の共有物分割を原因とする持分20分の1の持分全部移転登記手続をせよ
3 訴訟費用は被告の負担とする
との判決を求める。

第2 請求の原因
1 当事者

 原告は,土地・建物の売買・仲介等を目的とする株式会社である(甲第1号証)。

2 共有関係の成立
(1)原告による別紙物件目録1(以下,「本件土地1」という。)及び2(以下,「本件土地2」といい,本件土地1と本件土地2の両土地を指す場合には「本件各土地」という。)記載の土地に関する共有持分の取得
ア 訴外cの死亡に伴う相続の発生
 本件各土地は,訴外cが単独所有していたところ,同人が平成7年8月3日に死亡したため,同日付相続を原因として,訴外d持分10分の2,訴外e持分10分の1,訴外f持分10分の1,訴外g持分10分の6につき,所有権移転登記がなされている(甲第2号証及び甲第3号証)。

イ 原告による本件各土地の共有持分の取得
 訴外gは,平成26年1月17日に死亡し,同日付相続を原因として,その持分全部につき,訴外hへの所有権移転登記がなされている。
 訴外hは,令和6年3月7日,原告に対し,同人が所有する本件各土地の共有持分10分の6を譲渡した。
 訴外fは,令和6年4月26日,原告に対し,同人が所有する本件各土地の共有持分10分の1を譲渡した。
 訴外dは,令和6年5月20日,原告に対し,同人が所有する本件各土地の共有持分10分の2を譲渡した。
 訴外eは,令和4年11月13日に死亡し,同日付で訴外i及び被告が本件各土地の共有持分20分の1をそれぞれ相続し,その後,訴外iは,令和6年8月7日,原告に対し,同人が所有する本件各土地の共有持分20分の1を譲渡した。

ウ 小括
 以上の結果,原告は,本件各土地のうち20分の19の持分を有するに至った(甲第2号証及び甲第3号証)。

(2)被告の持分
 被告は,本件各土地のうち,20分の1の持分を有している(甲第2号証及び甲第3号証)。

3 共有物分割の方法
(1)原告が求める共有物分割の方法
 原告は,被告と本件各土地の共有物分割に関する協議を行おうとしたが,被告は所在不明であり(詳細は後述(3)イ(ウ)の通り。),協議を行うことができなかった。
 これは民法258条1項柱書の「協議をすることができないとき」に該当する。
 そこで,原告は,本件各土地の共有物分割請求の訴を提起し,その方法として,全面的価格賠償による分割を請求する次第である。

以上:3,904文字
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R 8- 1-13(火):財産分与申立中マンション共有物分割請求を権利濫用とした地裁判決紹介
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○原告が元妻である被告に対し共有する建物について財産分与が請求されている中で共有物分割を求めることは権利の濫用であるとされた令和6年9月18日東京地裁判決(判時2635号57頁)関連部分を紹介します。論点が多岐に渡る長文判決であり、共有物分割を求めるcマンションに関する部分のみ掲載します。

○判決は、cマンション及びbマンションの帰するを財産分与手続に委ねた方が、他の夫婦共有財産と併せて分与の額及び方法を定めることができ、被告のみならず、原告にとっても、原被告間の権利義務関係を総合的に解決し得るという意味では利点があるとして、原告の請求を棄却しました。夫婦共有財産として財産分与請求中は、特段に事情がない限りは、共有物分割訴訟はできないと覚えておいて良いでしょう。

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主   文
1 被告は、原告に対し、377万3492円及びこれに対する令和4年2月17日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。
2 原告の本訴請求に係る訴えのうち、別紙物件目録記載3の建物の分割を求める部分を却下する。
3 原告の本訴請求のうち、上記1の請求及び上記2の訴えに係る請求以外の請求をいずれも棄却する。
4 原告は、被告に対し、311万0290円及びこれに対する令和5年3月15日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。
5 被告のその余の反訴請求を棄却する。
6 訴訟費用は、本訴について生じた部分は、これを10分し、その9を原告の、その余を被告の負担とし、反訴について生じた部分は、これを5分し、その2を被告の、その余を原告の負担とする。
7 この判決は、第4項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

1 本訴請求(原告)
(1)別紙物件目録記載1の建物を次のとおり分割する。
ア 別紙物件目録記載1の建物を被告の所有とする。
イ 被告は、原告に対し、ウの原告持分移転登記手続と引換えに、7384万5000円を支払え。
ウ 原告は、被告に対し、イの金員の支払と引換えに、別紙物件目録記載1の建物の持分5分の2について、共有物分割を原因とする原告持分移転登記手続をせよ。
(2)別紙物件目録記載2の建物を売却し、その売却代金から売却手続に要した費用を控除した金額を原告及び被告に各2分の1の割合で分割する。
(3)別紙物件目録記載3の建物を売却し、その売却代金から売却手続に要した費用を控除した金額を原告及び被告に各2分の1の割合で分割する。
(4)被告は、原告に対し、2930万1000円及びこれに対する令和4年2月17日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。

2 反訴請求(被告)
 原告は、被告に対し、537万7287円及びこれに対する令和5年3月15日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本訴事件は、原告が、元妻である被告に対し、同人らの共有名義の建物3戸の共有物分割を求めるとともに、別居後、被告がそのうち1戸の共有建物の賃料等を単独で取得していたと主張して、不当利得に基づいて、被告の利得金及びこれに対する訴状送達日の翌日からの民法所定の割合による遅延損害金の支払を求めている事案である。

 一方、反訴事件は、被告が、原告に対し、別居後、被告が共有建物の住宅ローン,管理費及び固定資産税等の全額を負担していたと主張して、不当利得に基づいて、原告の利得金及びこれに対する反訴状送達日の翌日からの民法所定の割合による遅延損害金の支払を求めている事案である。

1 前提事実(末尾に認定の根拠を掲記しない事実は、当事者間に争いがない。)

     (中略)

3 争点に関する当事者の主張

     (中略)

(2)共有物分割請求が権利の濫用に該当するか(争点2)。
(被告)
 前記(1)(被告)のとおり、夫婦が婚姻中に協力して取得した財産の清算は、財産分与において夫婦共同生活の実態を踏まえて解決されるべきであり、単なる共有持分に基づく共有物分割請求においては、後記(3)(被告)のような実質的な寄与割合を考慮することができないため、被告が原告に財産分与を求める調停事件を申し立てた本件においては、原告の共有物分割請求は権利の濫用に該当するというべきである。

 なお、原告は、前提事実(9)の離婚等請求訴訟において、原告と被告がbマンション及びcマンションを共同購入したとして、財産分与の対象財産確定の基準時である原被告の経済的協力関係が終了した時期は、別居時ではなく、平成23年12月5日であると主張していた。

(原告)
 以下の諸点に照らすと、原告の共有物分割請求は権利の濫用に該当しないというべきである。
ア 財産分与の対象財産確定の基準時は別居時であるところ、cマンションの所有権取得日は別居後の平成20年3月4日であり、売買契約締結日である平成17年8月20日は実質的には売買予約がされた日であると考えるべきであるから、cマンションについては、財産分与請求ができず、共有物分割請求によるしかない。

     (中略)

第3 当裁判所の判断
1 争点1(共有物分割請求に関する訴えの利益の有無)について


     (中略)

2 争点2(共有物分割請求が権利の濫用に該当するか。)について
(1)認定事実
 前記前提事実に証拠(各項に掲記したもの)及び弁論の全趣旨を総合すると、以下の事実が認められる。
ア cマンションを購入する旨の売買契約の締結後、引渡しを受けるまでの経過

     (中略)

(2)検討
ア 前記(1)ア(ア)、(ウ)のとおり、原告と被告がcマンションの引渡しを受けたのは、原告が被告と別居するようになった後であるが、cマンションを購入する旨の売買契約の締結自体は、別居の前にされていること(同(ア))、原告は、別居後も、被告に対し、cマンションの駐車場の位置についての意向を伝えたり、内覧会に出席したり(同(ア)、(イ))、住宅ローンを借入れていること(同(ウ))を考慮すると、cマンションは、原告と被告の別居の時期にかかわらず、原告と被告が合意の上で取得したものであるといえるから、財産分与の対象財産となり得るものである。

また、前提事実(3)、(5)及び(6)のとおり、bマンションは、原告が被告と別居するようになる前に、これを購入する旨の売買契約が締結され、原告に対する引渡しがされたものであるから、財産分与の対象財産となり得るものである(なお、原告も、前記(1)ウのとおり,前提事実(9)の離婚等請求訴訟においては、cマンション及びbマンションが財産分与の対象財産となり得る旨の主張をしていたものである。)。

 そして、cマンション及びbマンションの帰するが財産分与手続に委ねられた場合には、他の夫婦共有財産と併せてその帰するが決せられることになり、cマンションの取得に関する当事者の意向(前記第2の3(3))、cマンションの取得に当たっての被告の特有財産の支出(前記(1)エ)を考慮すると、cマンションの住宅ローンについての原告の内部的な負担部分をゼロにすることで、被告が代償金を支払わずにこれを単独取得することとなる可能性があるが、これを共有物分割手続で処理する場合には被告が代償金を支払わずに単独取得する余地はないから、cマンションの帰するを決するために共有物分割手続を選択することは、被告が代償金を支払わずにcマンションを単独取得する可能性を奪うとともに、代償金の額が被告の資力を上回る場合にはcマンションに居住する被告(前提事実(8))の自宅を奪うこととなり、被告にとって酷な結果となる。
 
 これに対し、原告は、bマンションを売却すれば、cマンションの代償金を支払うことができる旨の主張をするが、その主張自体、被告が代償金を支払わずにcマンションを単独取得する可能性を否定するものであるし、被告は、前記第2の3(3)(被告)のとおり、bマンションの単独取得も希望している。そして、被告がbマンションを単独取得するために必要な代償金の額についても、被告の特有財産の支出等の無形の寄与を考慮できる財産分与手続によるか、これを考慮できない共有物分割手続によるかによって、異なる可能性があり(前記(1)オ(ア)参照)、共有物分割手続による場合には、bマンションの競売を命じた場合に被告が取得できる代金の額も、無形の寄与が考慮されない持分割合に応じたものとなる。

イ 他方、前記(1)エ(イ)、オ(イ)のとおり、cマンション及びbマンションの住宅ローンは、被告が単独で支払っていることが認められるし、前提事実(11)のとおり、原告と被告との離婚を命ずる判決が既に確定し、被告が原告に財産分与を求める調停事件を既に申し立てていることも考慮すると、原告を住宅ローン債務から早期に解放すべくcマンション及びbマンションの帰するのみを先に決するために共有物分割手続によるべき必要性は高いとはいえない。

むしろ、cマンション及びbマンションの帰するを財産分与手続に委ねた方が、他の夫婦共有財産と併せて分与の額及び方法を定めることができ、被告のみならず、原告にとっても、原被告間の権利義務関係を総合的に解決し得るという意味では利点がある。

 これに対し、原告は、前記(1)イ(オ)の債権差押命令により、原告の給与債権が差し押さえられたため、生活が窮乏し、早急に未払婚姻費用を弁済する必要が生じた旨の主張をするが、原告が婚姻費用の支払を怠ったことの結果にすぎない(なお、婚姻費用の減額の必要性が認められない旨の審判がされていることは、前記(1)イ(ウ)、(エ)のとおりである。)。

ウ そして、原告が、前提事実(9)の離婚等請求訴訟において離婚請求を認容する判決が言い渡され、離婚に伴う財産分与手続を進められる余地が生じた後に、本訴請求に係る訴えを提起していること(前提事実(10))、上記の離婚等請求訴訟においては、cマンション及びbマンションが財産分与の対象財産となり得る旨の主張をしていたにもかかわらず(前記(1)ウ)、本訴訟においては、一転して、財産分与の対象財産にならない旨の主張をしていること、婚姻費用の支払も任意に履行せず(同イ(イ))、部下よりも貧相な住まいに住む必要はないことや、被告が億ションに住んでいることへの憤りといった理由から、家賃月額29万5000円の住居に居住している旨の供述をするなどしていたこと(同イ(エ))、cマンションが財産分与の対象財産にならない旨の主張をしながら、原告が5分の2の持分しか有しない同マンションについて、持分の価格ではなく実質的持分2分の1相当の金銭の取得を希望するなどという一貫しない主張をしていること(前記第2の3(3)(原告))を考慮すると、共有物分割手続においてcマンション及びbマンションの帰するのみを先に決することを求める原告の意図は、被告の特有財産の支出等の無形の寄与が考慮された財産分与がされる前に共有物分割手続において持分の価格を取得し、夫婦共有財産の実質的な清算を拒むことで、被告に経済的な不利益を負わせる点にあったと推測される。

エ 以上のような、前提事実(11)の財産分与手続によらずに、本訴訟の共有物分割手続によってcマンション及びbマンションの帰するが決せられることにより原告の受ける利益と被告の被る不利益等の客観的事情のほか、本訴訟の共有物分割手続においてcマンション及びbマンションの帰するを決することを求める原告の意図とこれを拒む被告の意図等の主観的事情を総合考慮すれば、原告があえてcマンション及びbマンションの共有物分割を請求することは、権利の濫用に該当するというべきである。

(3)小括
 以上のとおりであるから、原告の本訴請求のうちcマンション及びbマンションの共有物分割請求は、争点3(cマンション、bマンション及びaマンションの分割方法)について判断するまでもなく理由がないというべきである。

5 結論
 以上の次第で、原告の本訴請求については、主文第1項の金員の支払を求める限度で理由があるから、その限度で認容し、原告の本訴請求に係る訴えのうちaマンションの分割を求める部分は不適法なものであるからこれを却下することとし、上記認容部分及び却下部分に係る各請求以外の請求は理由がないからいずれも棄却することとする。
 被告の反訴請求については、主文第4項の金員の支払を求める限度で理由があるから、その限度で認容し、その余は理由がないからこれを棄却することとする。
 よって、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第26部 裁判官 宮川広臣

以上:5,221文字
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R 8- 1-12(月):映画”コート・スティーリング”を観て-準主役の猫が可愛くて楽しめます
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○令和8年1月11日(日)は、TOHOシネマズ仙台1番シアターで、現在封切り上映中の映画「コート・スティーリング」を鑑賞してきました。タイトルの「コート・スティーリング(Caught Stealing)」は「盗塁失敗」を意味する野球用語で、広義では「チャンスをつかもうとして失敗すること」を指すとのことで、「メジャーリーグ選手の夢が事故の負傷で消え、バーテンダーとして働いていた主人公ハンクが、変わり者の隣人ラスから突然ネコの世話を頼まれ、親切心から引き受けたのもつかの間、街中のマフィアたちが次々と彼の家に殴り込んでくるが、ハンクは、自分が裏社会の大金絡みの事件に巻き込まれたことを知るが、時すでに遅かった」と映画コムでは解説されています。

○主人公ハンク役は、映画「エルヴィス」でプレスリー役を演じたオースティン・バトラー氏ですが、イメージが全く異なり、同一人物とは思えませんでした。これだけ役によってイメージを変えるのは、流石、役者と感じました。この映画では、隣人から猫の世話を頼まれて預かったばかりに、訳の判らないまま酷い暴行・傷害を受けて、入院しおそらく腎臓の一つを摘出手術受けるなど、とんでもない災難に遭い、その後も、次から次へと災難が襲いかかります。その展開がスピーディーで、さて、結末はどうなるか予測もつかず、ハラハラ・ドキドキの連続が楽しめ、全く眠気も生じないままラストを迎えました。

○敵役のマフィアの連中には間抜けぶりにクスリと笑える者も居て、結構楽しめる映画でした。問題の預かった猫も災難に遭いますが、最後まで主人公についてきて、その可愛いことたまりません。20年程前から合計4匹の猫を飼い、現在も2匹の猫と一緒に暮らし、スッカリ猫好きになった私には、猫が準主役のようなこの映画は、最後まで大変楽しく鑑賞できました。どんでん返しとも評価できるラストも良かったのですが、最後のエンドロールも、え、なんだこれはと、大いに楽しめる、サービス精神溢れるモノで、ここは観ての楽しみです。

<マフィアもネコも、バッチこい。>映画『コート・スティーリング』2026年1月9日(金)緊急公開決定


オースティン・バトラー&ゾーイ・クラヴィッツ主演! 犯罪スリラー映画『Caught Stealing』海外版予告編


以上:952文字
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R 8- 1-11(日):令和8年初のツルカメフラメンコアンサンブル練習日
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○令和8年1月10日(土)は、夕方、令和8年初のツルカメフラメンコアンサンブルの練習日でした。当面の目標は、3月28日(土)に開催されるミュージックあ・ら・かるとの定期コンサート出演です。「ミュージックあ・ら・かると」コンサートは、毎年1回ずつ10数年続いているコンサートで、我がツルカメフラメンコアンサンブルのメンバーの1人辻英明さん紹介で、令和5年から出演予定でした。令和5年は、私のコロナ感染でドタキャン不参加でしたが、令和6・7年と2回参加し演奏しました。

○令和8年ミュージックあ・ら・かる定期コンサートは、10チーム参加予定で、1チーム演奏持ち時間は15分です。15分の間に舞台セッティングから後片付けまでしなければならず、演奏時間は10分程度しかないので、3曲の演奏になります。令和8年は、いずれもパコ・デ・ルシア氏が20歳前後に収録したレコードの演奏曲を採譜した曲で、1曲目は辻さんファースト演奏のティコ・ティコ、2曲目は、ペサル・デ・トード、3曲目はチャルダッシュを予定しています。

○いずれの曲も、パコ・デ・ルシアは、凄まじい高速演奏をしています。素人演奏家が、パコ・デ・ルシアと同じ速さで弾くことは、到底、不可能です。せめて80~90%程度の速さで弾けるよう練習に努めます。

Paco De Lucia - Tico Tico (Complete Video)


A Pesar De Todo


Czardas de Monti - Paco de Lucia


以上:632文字
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R 8- 1-10(土):定期金賠償請求を否認し一時払金を認めた高裁判決紹介
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○「定期金賠償請求を否認し一時払金を認めた地裁判決紹介」の続きでその控訴審令和7年7月23日東京高裁判決(LEX/DB)関連部分を紹介します。

○一審原告が原動機付自転車を運転していたところ、一審被告P2が一審被告会社の業務のために運転する大型貨物自動車と衝突する交通事故によって受傷し、高次脳機能障害等の後遺障害が残存したと主張して、一審被告P2に対しては民法709条に基づき、一審被告会社に対しては自動車損害賠償保障法3条又は民法715条に基づき、連帯して、〔1〕後遺障害逸失利益を除く一時金払の損害賠償金等の支払を求めるとともに、〔2〕後遺障害逸失利益の定期金払の損害賠償金等の支払を求め、原審が、後遺障害による逸失利益については一時金による賠償を命ずるのが相当であると判断し、原告の請求のうち、5824万9825円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容し、一審原告及び一審被告らがそれぞれ控訴しました。

○控訴審判決も、一審原告が求める後遺障害による逸失利益を定期金による賠償の対象とすることが、不法行為に基づく損害賠償制度の目的及び理念に照らして相当と認めることはできず、一審原告の後遺障害による逸失利益については一時金による賠償を命ずるのが相当としながら、一審原告の請求は、6487万4776円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があると認められるとして、一審被告らの控訴に基づき原判決を変更し、その余の一審原告の控訴は棄却しました。

○定期金賠償に関する民訴法規定は以下の通りです。
第117条(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)
 口頭弁論終結前に生じた損害につき定期金による賠償を命じた確定判決について、口頭弁論終結後に、後遺障害の程度、賃金水準その他の損害額の算定の基礎となった事情に著しい変更が生じた場合には、その判決の変更を求める訴えを提起することができる。ただし、その訴えの提起の日以後に支払期限が到来する定期金に係る部分に限る。



*********************************************

主   文
1 被告らの控訴に基づき、原判決を以下のとおり変更する。
(1)被告らは、原告に対し、連帯して6487万4776円及びうち4854万5891円に対する令和7年4月16日から、うち485万円に対する平成29年2月18日から各支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
(2)原告のその余の請求をいずれも棄却する。
2 原告の本件控訴を棄却する。
3 訴訟費用は、第1、2審を通じ、これを10分し、その3を被告らの負担とし、その余を原告の負担とする。
4 この判決は、1項(1)に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
(以下、自動車損害賠償保障法を「自賠法」、自動車損害賠償責任保険を「自賠責保険」、自賠責保険の保険金を「自賠責保険金」、自動車損害賠償保障法施行令別表第二を「後遺障害等級表」、労働者災害補償保険法を「労災保険法」という。人証は、いずれも原審におけるものである。)

第1 控訴の趣旨
1 被告らの控訴の趣旨

(1)原判決を以下のとおり変更する。
(2)原告の請求をいずれも棄却する。

2 原告の控訴の趣旨
(1)原判決を以下のとおり変更する。
(2)被告らは、原告に対し、連帯して1466万1752円及びうち357万7313円に対する令和2年9月4日から、うち1108万4439円に対する平成29年2月18日から、各支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
(3)被告らは、原告に対し、連帯して平成30年8月から令和49年1月まで毎月末日限り月額26万3297円及びこれらに対する各支払日の翌日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

     (中略)

第3 当裁判所の判断
 当裁判所は、以下の理由により、原告の後遺障害による逸失利益については一時金による賠償を命ずるのが相当であり、原告の請求は、6487万4776円及びうち4854万5891円に対する令和7年4月16日から、うち485万円に対する平成29年2月18日から、各支払済みまでの遅延損害金の支払を求める限度で理由があると判断する。
1 認定事実

     (中略)

4 後遺障害による逸失利益に係る定期金による賠償の可否
(1)不法行為に基づく損害賠償制度は、被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し、加害者にこれを賠償させることにより、被害者が被った不利益を補填して、不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的とするものであり、また、損害の公平な分担を図ることをその理念とするところである。

このような目的及び理念に照らすと、交通事故に起因する後遺障害による逸失利益という損害につき、将来において取得すべき利益の喪失が現実化する都度これに対応する時期にその利益に対応する定期金の支払をさせるとともに、将来、その損害の額の算定の基礎となった後遺障害の程度、賃金水準その他の事情に著しい変更が生じ、算定した損害の額と現実化した損害の額との間に大きなかい離が生ずる場合には民訴法117条によりその是正を図ることができるようにすることが相当と認められる場合があるというべきである。

 以上によれば、交通事故の被害者が事故に起因する後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合において、上記目的及び理念に照らして相当と認められるときは、同逸失利益は、定期金による賠償の対象となるものと解される。(最高裁平成30年(受)第1856号令和2年8月9日第一小法廷判決・民集74巻4号1204頁)

(2)これを本件についてみると、原告の労働能力喪失期間は41年間と長期間にわたるが、原告の症状固定時における年齢(26歳)、上記2及び3(1)で認定した原告の後遺障害の内容及び程度(後遺障害等級表7級4号に該当する高次脳機能障害、同表14級に相当する嗅覚障害、同表14級に相当する尿道狭窄症)に照らせば、原審及び当審における原告の主張及び立証(甲55~61、80)を踏まえて検討しても、将来、原告の後遺障害の程度、賃金水準その他の事情に著しい変更が生じ、算定した逸失利益の額と現実化した逸失利益の額との間に大きなかい離が生ずる可能性が高いとは認められず、民訴法117条によりその是正を図ることができるようにする必要性があるとはいえない。

 原告は、高次脳機能障害の影響によって金銭管理能力が低下しているため、一時金による賠償を受けた場合、浪費等によって実質的な生活保障を図れなくなるおそれがあると主張する。確かに、先に述べたとおり、原告には、本件事故後、浪費傾向がみられるものの(認定事実(5)イ(カ)、(シ))、その程度は必ずしも明らかでなく、原告が一時金による賠償を受けた場合、浪費等によって実質的な生活保障を図れなくなるおそれがあると認めることは困難である。

 以上によれば、原告が求める後遺障害による逸失利益を定期金による賠償の対象とすることが、上記損害賠償制度の目的及び理念に照らして相当と認めることはできない。


(3)原告は、原告が求める後遺障害による逸失利益について、一時金による賠償とした場合、その算定に当たって控除される中間利息は旧民法が定める法定利率である年5%によることになるところ、現行民法が定める法定利率である年3%による中間利息の控除を受ける者との間で著しい不平等が生じ、憲法14条1項に違反する事態になるとも主張する。

 平成29年法律第44号附則17条2項は、中間利息の控除について定める現行民法417条の2(現行民法722条1項において準用する場合を含む。)の規定は、平成29年法律第44号の施行の日(以下「施行日」という。)前に生じた将来において取得すべき利益又は負担すべき費用についての損害賠償請求権については、適用しないと定める。

 民法の定める法定利率を改正する場合,逸失利益の算定に当たって控除される中間利息の利率について、改正前の法定利率が適用される者と改正後の法定利率が適用される者との間に差異が生じることは避けられないところ、社会経済に混乱をもたらすことなく、できる限り明確かつ公平な適用を確保するという観点から、平成29年法律第44号附則17条2項が、逸失利益に係る損害賠償請求権が生じた時期が施行日前か否かによって、現行民法の規律の適用の可否を決めることとしたことについては、合理性があるというべきである。

 よって、原告が求める後遺障害による逸失利益について、一時金による賠償とし、その算定に当たって、旧民法が定める法定利率である年5%により中間利息を控除することが、憲法14条1項に違反するということはできない。 

(4)以上によれば、原告が求める後遺障害による逸失利益は、定期金による賠償の対象とはならず、一時金による賠償とすることが相当である。

5 損害
 以上の認定・説示を踏まえた原告の損害についての当裁判所の判断は、別紙損害一覧表の「判断」及び「判断理由」の各欄に記載のとおりであり、原告の損害(弁護士費用を除く。)から既払金を控除した残額(自賠責保険金については、受領日である令和2年9月3日までの確定遅延損害金に充当した上、その残額を損害元本から控除する。)は4854万5891円、自賠責保険金の受領日の翌日から労災保険法に基づく障害補償給付の給付金の各受領日(最後に受領した日は令和7年4月15日)までに生じた確定遅延損害金の合計額は1147万8885円、弁護士費用は485万円、その合計額は6487万4776円となる。

6 小括
 そうすると、被告P2は民法709条に基づき、被告会社は自賠法3条に基づき、原告に対し、損害賠償として、連帯して6487万4776円及びうち4854万5891円に対する令和7年4月16日(原告が障害補償給付の給付金を最後に受領した日の翌日)から、うち485万円に対する平成29年2月18日(本件事故の日)から、各支払済みまで旧民法所定の年5%の割合による遅延損害金を支払う義務がある。

第4 結論
 以上によれば、原告の請求は、上記第3の6の金員の支払を求める限度で理由があるから、その限度で認容し、その余の請求は棄却すべきである。そうすると、原判決のうち、原告の請求を棄却した部分は相当であるが、認容した部分は一部相当でない。よって、被告らの控訴は一部理由があるから、これに基づき、原判決を上記第3の6のとおり変更し、原告の控訴は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第11民事部 裁判長裁判官 三木素子 裁判官 下馬場直志 裁判官 南宏幸

以上:4,410文字
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R 8- 1- 9(金):定期金賠償請求を否認し一時払金を認めた地裁判決紹介
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○交通事故で後遺障害を残した場合の将来の逸失利益について通常は一時払い請求をしますが、一定期間毎月定期金を支払う定期金賠償を求めることがあります。支払総額は、定期金賠償の方が、一時払い金額より遙かに大きくなるからです。その理由は、「重度後遺障害被害者逸失利益に定期金賠償を認めた一・二審判決まとめ」に記載しています。

○症状固定時26歳の原告が、交差点において、原告の運転する原動機付自転車(原告車両)が対面の青色信号に従って交差点を直進通過しようとしていたときに、被告会社が所有し、被告P2の運転する大型貨物自動車(被告車両)が対面の信号が赤色信号だったにもかかわらず、直進して原告車両の左側側部に衝突した交通事故について、被告P2に対しては民法709条に基づき、被告P2の使用者である被告会社に対しては自動車損害賠償保障法3条又は民法715条に基づき、連帯して、
〔1〕後遺障害逸失利益を除く一時金払の損害賠償金等の支払
〔2〕後遺障害逸失利益の定期金払の損害賠償金等の支払
を求めました。

○原告が定期金賠償を求める理由は、原告は高次脳機能障害に基づく情動障害・社会的行動障害などのため、保険金を浪費するなど自ら適切な金銭管理をするのが困難で、一時金払いでは賠償金を浪費してしまうおそれがあり、一時金払では現行民法下の者と比べて不公平になるため、憲法14条に違反するとしていました。

○これに対し、被告P2は民法709条、被告会社は民法715条及び自動車損害賠償保障法3条に基づき、原告に対し損害賠償責任を負うことが認められるところ、後遺障害逸失利益について、原告は、一時金払では現行民法下の者と比べて不公平になるため、憲法14条に違反するから、定期金賠償方式が相当であると主張するが、平均余命を前提とした一時金払をすることが損害の公平な分担という理念に照らし、明らかに妥当ではないとはいえないから、憲法14条に反するとはいえず、後遺障害による逸失利益については、一時金による賠償を命ずるのが相当であると判断した令和6年3月26日さいたま地裁判決(LEX/DB)関連部分を紹介します。

********************************************

主   文
1 被告らは、原告に対し、連帯して、5824万9825円及びこれに対する令和2年9月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し、その3を原告の負担とし、その余を被告らの負担とする。
4 この判決は、1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

1 被告らは、原告に対し、連帯して、1466万1752円及びうち357万7313円に対する令和2年9月4日から、うち1108万4439円に対する平成29年2月18日から、いずれも支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告らは、原告に対し、連帯して、平成30年8月から令和49年1月まで、毎月末日限り月額26万3297円及びこれらに対する各翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は、原告が、被告P2の運転する車両が原告の運転する車両に衝突した交通事故(以下「本件交通事故」という)について、被告P2に対しては民法709条に基づき、被告会社に対しては自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条又は民法715条に基づき、〔1〕後遺障害逸失利益を除く一時金払の損害賠償金として、1466万1752円及びうち357万7313円に対する自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)の保険金受領日の翌日である令和2年9月4日から、うち弁護士費用1108万4439円に対する不法行為の日である平成29年2月18日から、いずれも支払済みまで平成29年法律第44号による改正前民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金、〔2〕後遺障害逸失利益の定期金払の損害賠償金として、原告の症状固定月である平成30年8月から原告が75歳に達する月である令和49年1月まで、毎月末日限り月額26万3297円及びこれらに対する各翌月1日から支払い済みまで平成29年法律第44号による改正前民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求めている事案である。

1 前提事実等

     (中略)

2 争点
 損害


3 争点についての当事者の主張
(原告の主張)

     (中略)

(8)後遺障害逸失利益
 労働能力喪失期間について、現在は高齢化社会なので、就労可能年数を75歳にすべきである。
 労働能力喪失期間が長期間であり、原告は、高次脳機能障害に基づく情動障害・社会的行動障害などのため、保険金を浪費するなど自ら適切な金銭管理をするのが困難で、一時金払いでは賠償金を浪費してしまうおそれがあるし、一時金払では現行民法下の者と比べて不公平になるため、憲法14条に違反することから、定期金賠償方式が相当である。
 基礎収入は、賃金センサス(男性・全年齢・学歴計558万4500円)を採用すべきである。
(計算式)
558万4500円×56%×49年÷582か月=26万3297円

     (中略)

(被告の主張)

     (中略)

(8)後遺障害逸失利益
 基礎収入について、賃金センサスにおける25歳男性の平均給与額は月額29万8900円(年収にして358万6800円)であるが、原告の収入はその3割にも満たないから、原告が将来にわたって賃金センサス男子学歴計・全年齢平均を得る蓋然性があるとは認められない。
 労働能力喪失期間については、就労可能期間が67歳を超える個別具体的な立証がないので、就労可能期間を67歳以上とすべき理由はない。
 また、原告について、将来的に労働能力喪失率が大きく変動することが想定されないから、定期金賠償を相当とすべき理由はない。

     (中略)

第3 争点に対する判断
1 争点(損害)について


     (中略)

(8)後遺障害逸失利益
ア 高次脳機能障害が残存しているかについて。
(ア)証拠(甲63、乙1、6、証人P12)によれば、原告の平成29年3月14日の頭部MRI(磁化率強調画像)において、脳幹(中脳)に微小出血、右大脳白質にも多発性の微小出血が認められ、びまん性軸索損傷が認められ、原告の平成29年2月18日午前6時13分の意識障害はJCS〈3〉-100、GCS E1V1M5=7点であり、同日午前7時30分から同月19日午後1時40分の間静脈麻酔薬が投与されたことが認められる。また、事故直後は、原告は理解力が低下して医師の話も理解することが出来なかったが、平成29年4月頃には理解力が戻り、同年5月頃にはコミュニケーションも良好にとれるようになってきたことが認められる。更に、下記のとおり同年10月には些細なことがきっかけで同僚に暴行を振るったこと、その後は暴行事件を起こしていないことが認められる。

(イ)本件事故後1時間以内の意識障害が重度であることから、脳外傷に起因する意識障害が重度だといえる。他方、その後麻酔薬が投与されていることから、意識障害の持続が長いとまではいえない。
 更に、事故後直後は高次脳機能障害の症状といえる理解力の低下がみられ、その後高次脳機能障害の扱いに長けている医療従業者との間ではコミュニケーションが改善したが、一般人である同僚との間のコミュニケーションにおいては高次脳機能障害の症状である易怒性か発現し、その後改善したことが認められるから、事故後発現した症状が時間が経つにつれ徐々に軽減したことが認められる。

 以上によれば、原告に、高次脳機能障害の後遺障害が残存していると認めるのが相当である。
 なお、被告提出の意見書(乙6、10)も、原告に高次脳機能障害が残存していること自体を否定しているとは解されない。

イ 後遺障害の等級(労働能力喪失率)について

     (中略)

 以上によれば、原告は、ミスが多い等のことから一般人と同等の作業を行うことができないといえ、原告が、令和4年夏頃から一人暮らしをし、外出、買い物や役所での手続、自動車の運転も大過なく一人で出来ていることを考慮したとしても、原告の高次脳機能障害は後遺障害等級の7級4号に該当すると認められる。
 原告には、他に嗅覚障害(14級)、尿道狭窄症(14級)の後遺症があることから、7級と14級で重い方の後遺障害等級7級に該当すると認められる。

ウ 基礎収入の額
(ア)証拠(甲20、原告、証人P16)によれば、以下の事実が認められる。
a 原告は平成24年3月に調律学校であるP17を卒業した。調律師の資格は有していない。
b 原告は、P17を卒業後、横浜の調律の会社に就職した。同社では最初の3か月は手取りで月額15万円位の給与が支給されていたが、その後無給になった。原告は、同年秋頃に同社を退職し、携帯の販売等で月21万円程度の収入を得ていた。
c 原告は、平成27年に交際相手が死亡して気分が大きく落ち込んだため、同年から事故時まで新聞配達の仕事をし、収入額は月額平均8万8000円だった。

(イ)原告は当時30歳以下の若年であり、専門学校を卒業し、その経験を生かせる仕事についたが、長続きせず、その後はアルバイト程度の勤務をしていたこと、事故後専門知識を生かして勤務をしており、平成27年からの気分の落ち込みは永続的なものではなかったといえることから、事故前の現実収入を超えて賃金センサス(症状固定時の男性・全年齢・学歴計)の8割程度の賃金を得る蓋然性があったと認められる。
 よって、基礎収入の額は、以下の計算式により、446万7600円となる。
558万4500円×0.8=446万7600円

エ 労働能力喪失期間について
 一般的な就労可能期間は67歳であると認められ、原告がそれ以上勤務可能なことについての個別具体的な立証がないので、就労可能期間を67歳以上とすべきとはいえない。
(計算式)
446万7600円×0.56×17.2944/=4326万8098円

オ 定期金について
 証拠(原告)によれば、現在原告の申し出により自賠責保険金を原告代理人が預かり、原告代理人が原告の口座に毎月17万円を振り込んでおり、途中でその方法を止めたいと申し出たこともないこと、原告の最近の浪費は、5万円のチューニングハンマーや黒毛和牛の購入であることが認められる。

 原告の年齢、後遺障害等級に鑑みれば、障害の程度が非常に重く将来変化する可能性が高いとはいえず、発達により症状が変化する可能性が高いともいえず、既に就労しているから、賃金水準等が社会情勢等の変化により、予測した事情と現実の事情のかい離が生じやすいとまではいえない。また上記認定のとおり症状固定後に大きく症状が悪化したことは認められないから、将来的にみて損害額の算定の基礎となった事情に著しい変更が生じ、予測した損害額と将来現実化する損害額との間に大きなかい離が生じ得る蓋然性が高いとはいえない。金銭管理は定期金払以外の方法で適切にすることができると認められる。どのような事案に改正法が適用されるかは経過措置により定められており、経過措置をあてはめた結果改正法が適用される事案と適用されない事案で損害賠償の額に差が出ることは予め想定されているものといえ、憲法14条に反するとはいえない。
 以上によれば、平均余命を前提とした一時金払をすることが損害の公平な分担という理念に照らし、明らかに妥当ではないとはいえないので、定期金の方法が相当とはいえない。


     (中略)

第4 結論
 よって、原告の請求は、主文1項の限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないからいずれも棄却することとし、主文のとおり判決する。
 主文3項についての仮執行宣言は、相当でないから付さないこととする。
さいたま地方裁判所第5民事部 裁判官 小松美穂子
以上:4,909文字
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R 8- 1- 8(木):内縁関係不当破棄慰謝料請求欠席判決で慰謝料100万円を認めた地裁判決紹介
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○被告女性との内縁関係を主張する原告男性が、被告がCと不貞行為に及んだこと等により精神的苦痛を被ったとして、被告に対して不法行為に基づき慰謝料500万円と弁護士費用を請求しました。

○被告女性と原告男性は、平成28年から内縁関係となり、娘ももうけたのですが、令和2年からCと名乗る男性と交際し、令和3年7月にCと結婚すると述べて5年間の内縁関係を解消して別居しました。原告は、長年事実上の夫婦として生活してきた者からの裏切り行為にショックを受け、うつ病となり、自殺を考えるようになり、勤務先を休職せざるを得ないまでになりました。

○そこで被告女性に対し500万円の慰謝料請求訴訟を提起すると、被告女性は裁判所に出頭せず、擬制自白となったのですが、慰謝料500万円の請求に対し、100万円の支払を認めた令和6年12月25日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

○擬制自白としても慰謝料金額の決定は裁判官の裁量によります。その根拠は、民訴法248条「損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。」との規定によります。精神的苦痛の評価である慰謝料金額は、性質上その額を立証することは極めて困難です。

○判決は、同居期間の長さ、原告と被告との間に現在6歳になる子がいること、被告の不貞行為の態様等を考慮すると、同精神的苦痛に対する慰謝料としては100万円が相当としました。原告としては納得できない判決と思われますが、このような事案の精神底苦痛は人によって相当異なり、判断は極めて難しいためで慰謝料は認めないとの制度もあり、やむを得ない判断と思います。

*********************************************

主   文
1 被告は、原告に対し、110万円及びこれに対する令和6年9月9日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを5分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、550万円及びこれに対する令和6年9月9日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。

第2 当事者の主張等
1 請求原因

(1)原告と被告は、平成28年頃、法律婚をしようと被告の両親に挨拶に行ったが、結婚を反対されたことから、駆け落ちの形で同居を開始した。
 原告と被告の生活は、双方が就労しながら家計を支え、家事を分担して行っていた。また、原告と被告との間には、今年6歳になる娘がいる。
 このように、原告と被告は、双方婚姻の意思がある中で同居生活を開始し、その後、収入面でも家事の面でも約5年間の間同居生活を送っていたもので、内縁関係にあったといえる。

(2)被告は、令和2年からCと名乗る男性と交際するようになり、複数回にわたって不貞行為に及び、その後、被告は、令和3年7月29日、原告に対し、Cと結婚すると述べて、原被告間の娘を連れて自宅を出て行った。

(3)このように、被告がCという男性と不貞行為に及んで自宅を出、別居状態となって一方的に原告との内縁関係を破棄したことで、原告は、甚大な精神的苦痛を被った。原告は、長年事実上の夫婦として生活してきた者からの裏切り行為にショックを受け、うつ病となり、自殺を考えるようになり、勤務先を休職せざるを得ないまでになった。
 また、被告とCという男性は、令和3年8月13日に原告宅を訪問して、玄関の扉をガンガンと叩いたことから、原告が警察に通報したことがあった。
 さらに、被告は、原告に自宅の鍵を返還せず、原告は自宅鍵を交換せざるを得ない事態となり、その費用の負担を余儀なくされた。
 以上のとおり、原告が受けた精神的苦痛は甚大であり、これを金銭に換算すれば、500万円を下らない。

(4)また、原告は、被告のかかる不法行為により、原告は、訴訟代理人に本件訴訟提起及び追行を委任することを余儀なくされた。同不法行為と相当因果関係のある弁護士費用としては、50万円が相当である。

(5)よって、原告は、被告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、550万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和6年9月9日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める。

2 被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しない。

第3 当裁判所の判断
1 上記のとおり、被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しないから、請求原因(1)及び(2)の各事実を争うことを明らかにしないものと認め、これを自白したものとみなす。

2 以上の被告の行為は、原告と被告との間で形成された内縁関係を不当に破棄するもので、原告に対する不法行為に当たる。そこで、上記請求原因(1)及び(2)の事実を前提として、原告の受けた精神的苦痛について判断するに、その同居期間の長さ、原告と被告との間に現在6歳になる子がいること、被告の不貞行為の態様等を考慮すると、同精神的苦痛に対する慰謝料としては100万円が相当である。

 また,原告は、被告に対する権利行使を行うために、原告訴訟代理人弁護士に訴訟提起及び追行を委任することを余儀なくされたところ、被告の同不法行為との間に相当因果関係のある弁護士費用は、10万円が相当である。 

第4 結論
 以上のとおり、原告の請求は、主文第1項掲記の限度で理由があるからこれを認容することとし、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第4部 裁判官 西村康一郎

以上:2,401文字
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R 8- 1- 7(水):”なぜ「運動は万能」と言われる? 物理的刺激が健康にいい理由”紹介
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