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不動産共有持分権放棄は所有権移転登記手続とした最高裁判決紹介

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令和 4年10月14日(金):初稿
○不動産の共有持分権を放棄したいのですが、その登記方法はどうなりますかとの質問を受けました。民法は、持分の放棄及び共有者の死亡として、第255条で「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」と規定しており、AとBの各2分の1の共有不動産について、Bがその持分を放棄したときは、Aの帰属になり、Aの単独所有となります。この登記方法についての質問です。

○放棄は、単独行為でBの一方的意思表示で可能ですから、理屈上は、Bの持分権について抹消登記かなとも思いましたが、判例を調べてみると、昭和44年3月27日最高裁判決(判時554号40頁、判タ234号125頁)で、すでに共有の登記のなされている不動産につき、その共有者の1人が持分権を放棄し、その結果、他の共有者がその持分権を取得するに至つた場合において、その権利の変動を第三者に対抗するためには、不動産登記法上、右放棄にかかる持分権の移転登記をなすべきとされており、B・Aの共同申請による持分権の移転登記によっておこなうことになります。

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主   文
原判決中上告人に対し本件不動産の持分権取得登記の抹消登記手続を命じた部分を破棄する。
右破棄部分につき本件を大阪高等裁判所に差し戻す。
その余の部分に対する上告人の上告を棄却する。
右棄却部分に関する上告費用は上告人の負担とする。

理   由
 上告代理人○○○○の上告理由第一および第二について。
 本件不動産(原判決の引用する第一審判決添付目録記載の土地、建物を指す。以下同じ。)は当初上告人および原審控訴人Aの共有に属するものであつたところ、昭和19年3月1日ころ上告人がその持分権を放棄し、その結果、右Aがその持分権を取得して、右不動産の単独所有者となつたとする原審の認定判断は、原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができないわけではない。原判決に所論の違法はなく、論旨は、ひつきよう、原審の適法にした証拠の取捨判断および事実の認定を非難するか、または、独自の見解を主張するものであつて、採用することができない。

 しかしながら、職権をもつて審案するに、本件のごとく、すでに共有の登記のなされている不動産につき、その共有者の1人が持分権を放棄し、その結果、他の共有者がその持分権を取得するに至つた場合において、その権利の変動を第三者に対抗するためには、不動産登記法上、右放棄にかかる持分権の移転登記をなすべきであつて、すでになされている右持分権取得登記の抹消登記をすることは許されないものと解すべきところ(大審院大正3年11月3日決定、民事判決録20輯881頁以下参照。)、原判文によれば、原審は、本件不動産につき右のごとき事実関係の存在することを認定しながら、上告人に対し右不動産の持分権取得登記の抹消登記手続を命じているのであるから、原判決中上告人に対し右登記手続を命じた部分は不動産登記法の解釈適用を誤つたものというべきであり,かつ、この違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。
 してみれば、原判決中右部分は破棄を免れないが、その余の部分は正当であつて、これに対する上告人の上告は棄却すべきである。
 よつて、民訴法407条1項、396条、384条、95条、89条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 大隅健一郎 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎 裁判官 岩田誠)
以上:1,508文字

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