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パソコン事始め続編1

平成 6年 3月 1日(火):初稿 平成17年 1月 8日(土):更新
平成三年三月東北弁連会報一一号に、「パソコン事始」と題して、当時パソコン歴わずか三ヵ月の「初心者」としてパソコン紹介記事を書いております。 あれから丸三年が経過しました。当時と比べるとパソコンを導入する事務所も増えてきました。そこで、パソコン歴三年三ヵ月の「初中級者」の「パソコン事始」続編として、当事務所のパソコン使用方法等を紹介させて頂くことにしました。

<ワープロ専用機とパソコン>
 ワープロ専用機とパソコンのどちらがよいかと議論されてきました。しかし、この議論は用途を明らかにしない限り水掛け論です。
 用途を単に訴状や準備書面等の文書作成機能に限定するのであれば、ワープロ専用機で十分であり、パソコンは不要です。
 その決定的な理由は価格です。ワープロ専用機はパソコンワープロの半分以下の予算で購入出来るからです。
 しかし、単なる文書作成に留まらず、作成した文書のデータベース化、会計処理のための計算機能、判例マスター等のCD-ROMの使用等、発展的な利用を考えている場合は、パソコンが必須になります。
 パソコンであればソフトを加えれば、その用途は限りなく広がります。

<複数パソコン-簡易LAN方式>
 当事務所では、現在三人の事務員が各一台と私が一台の計四台のパソコンを使用し、各パソコンは各々ケーブルで接続して、各々のパソコンのデータを互いに読み書き出来、且つ各々パソコンが一台のプリンターを使用できるようにしております(データとプリンターの共有)。
 この方法はピア・ツー・ピア型LANシステム(簡易LAN)と呼ばれています。当事務所は最も値段の安いメルコ社のWEBを採用しております。 これは、一台当りの実売価格二万五〇〇〇円で四台分でも一〇万円足らずで済みました。
 つい数年前までは数百万円の投資をしなければLANシステム構築は出来ないとされており、その頃から見ればこれほど安いLANシステムの出現は夢のような話です。

 パソコン四台の各事務員別々の使用(スタンドアローンと呼びます)は以下の点で不便でした。
①他のパソコンのデータ検索が不便。そのパソコンを使用中は、使用者以外はそのパソコン内のデータを見ることは出来ません。
②必要なデータが他のパソコンにある場合は、自分のパソコンで使用するために、いったんフロッピーディスクにコピーして移す作業が必要。
③プリンター使用はパソコン毎にいちいち切替が必要。
 しかし、四台をLANシステムでつないでからは、データは全て筆頭事務員が使用するハードディスク(記憶装置)に一括して保存し、他のパソコンからも原則として自由にデータのやり取りが出来るようになり、且つプリンター使用に当り切替も不要になりました。その結果、①、②、③の不便は解消しデータの保存及び再利用の効率が飛躍的に上昇しました。

<使用ソフト>
 当事務所のパソコンには、私が趣味的に色々なソフトを集めたために、数十種のソフトが入っております。
 しかし、実際には、ワープロソフト「松」、データべースソフト「桐」、ファイル管理ソフト「HF」の三ソフトのみで、殆どの法律業務をこなしております。

 MS-DOSの基本ソフトの他には、この三つのソフトがあれば、法律事務には必要にして十分と考えております。
 「松」、「桐」は市販有料ソフトで、「HF」はパソコン通信で入手できる無料ソフトです。
 今はやりの「ウインドウズ」ソフトは、筆書きでの葉書の表書きや、趣味の団体の新聞作りなど、いわば付録として使用している程度です。

 尚、新日本法規の「判例マスター」も使用しております。これは最初の購入時に二六万七〇〇〇円必要で更に購入後も毎年八万円の更新料を支払わなければなりませんので、導入前は無駄な出費になるのではと危惧しておりました。しかし、導入してみると、実に重宝であり、出費は無駄ではありませんでした。
 これは、ここ数年内に法律事務所の必須商品になると思います。

<データ管理方法>
 当事務所では、前述したように文書等のデータは全て筆頭事務員使用のパソコンのハードディスクに一括保存しております。
 作成したデータを漫然とハードディスクに保存したのでは、後で探すときに大変です。
 そこでハードディスクを四分し、うち一つを事件事務に使用し、この部分を民事事件、民事終了、民事書式等一〇種のディレクトリを作成し、さらに民事事件ディレクトリの中に各依頼者名(ex甲野太郎)のディレクトリを作成し、その中にその依頼者の訴状や準備書面等のデータファイルを保存します。

 ディレクトリというのは、ハードディスクの中を区分けするために作成する伸縮自在な箱のようなもので、箱の中に更に箱を作成することが出来ます。これを階層構造といいます。
 民事終了ディレクトリは、売買請負、相続家族等一〇種のディレクトリに分け、終了した事件は、民事事件ディレクトリから民事終了ディレクトリの各該当する事件種類のディレクトリに移して保管します。
 この保管方法により、後の検索がとても便利になりました。
 これらのデータ管理は、前述の無料ソフト「HF」で簡単に出来ます。

<ワープロソフト「松」>
 パソコン導入当初一年間は定番ワープロソフト「一太郎」を使用しておりました。しかし以下の理由で、途中で「松」に切り換えました。
①「松」は、後述する「桐」と同一会社の製品で、その相性が良い。
②動作が軽快で、特に印刷が迅速。
③メモリーをあまり食わない。
 「松」の難点は、漢字の変換効率がかなり悪いことです。しかし、これはマメに辞書登録をすれば克服できます。
 尚、ワープロについては専用機もパソコンも大きな差はないと思います。結局は「慣れた」ものが一番です。
 パソコンが威力を発揮するのは以下に述べるデータベース等のワープロ以外のソフトです。

<データベースソフト「桐」>
 当事務所で最も重宝し、又パソコンの効果を最大限発揮してくれるソフトが「桐」です。
 我がパソコン師匠の小高弁護士は、平成三年一月二六日付会報記事の中で「桐」について
「奥が深く、法律事務所で使う ならもうこれっ『桐』ない」
と表現されています。

 「桐」は基本的にはデータベースソフトですが、優れた計算機能があり、表計算ソフトとしての働きもしてくれます。
 データベースソフトの特徴は、入力したデータについて、一定の条件での「選択」「検索」「整列(並換え)」「集計」等を一瞬のうちになし、人手では困難なデータの処理・加工を素速くしてくれることです。
 以下次号に「桐」の具体的な利用方法について述べます。

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