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うつ病発症自殺と交通事故との因果関係を認めた判例1

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平成23年 5月21日(土):初稿
○当事務所では、ここ数年常時20件以上の被害者側交通事故事件を抱えていますが、いずれも難しい案件ばかりです。難しくて当事者と保険会社の主張の隔たりが大きいからこそ弁護士に相談するのですから、いずれも難しい案件となるのは当然と言えば当然です。しかし、簡単な事件でも弁護士に相談し、更に請求交渉を弁護士に任せることによって獲得金額が大きくなる可能性が高いですので、簡単な事件でもご遠慮なく、ご相談頂ければと思っております。

○当事務所が平成23年5月現在抱えている被害者側交通事故事件で、特に難しいものとして、追突事故で精神疾患を発症して労働能力を失った事案で、その精神疾患と事故との因果関係が認められないものがあります。保険会社側は、軽微な追突事故であり、事故による傷害は軽い頸椎捻挫だけで、頭部を打撲したわけでもなく、事故による傷害と精神疾患には全く因果関係がないと主張します。

○交通事故後、事故による傷害を苦にしてうつ病になり、最終的には自殺した案件で、事故と自殺による死亡との因果関係があると主張し提訴された案件は相当数あります。当事務所の案件での精神疾患はうつ病ではありませんが、頭部打撲はなく、頸椎捻挫で精神疾患の一種であるうつ病が発症した点では共通する案件の大阪地裁昭和60年4月26日判決を紹介します。

事案は以下の通りです。 
・被害者甲は昭和55年5月19日出勤のため普通乗用自動車を運転し、交差点手前で停止信号に従つて停止していたところ、加害者乙運転の普通乗用自動車が追突
・この事故で甲は頸部挫傷等の傷害を受け、事故当日はA病院で治療を受け、翌日からB病院に15日間入院。その後甲は、B病院、C病院、D病院で通院治療を受けたが、頭痛、頸部痛のこりが強度となり、病状の改善がなされず、うつ病に罹患し、同年12月20日に自殺。
・甲の相続人であるXらが、甲の自殺と本件事故との間に因果関係があると主張して、乙らに対し損害賠償請求。
乙らは、責任原因は認めたが、Aの自殺はAの内因性うつ病によるものであり本件事故との間には因果関係はないと主張。


これに対する判決概要は以下の通りです。
・詳細に事実を認定したうえ、Aの自殺は、本件事故が原因となり、うつ状態あるいはうつ症候群によつて引き起こされたものというべきであり、Aの自殺はAの内因性うつ病によるものであるとは認め難いと認定。

・Aの自殺と本件事故との間の相当因果関係については、本判決判示のとおり、事故の被害者が、絶望のあまり自殺することは予見不可能な希有の事例であるとはいえないし、交通事故により被害を受けて苦しむ人の悲惨さを思うときに、自殺が本人の自由意思であるとして相当因果関係を否定するのは、損害の公平な負担の理念に反し妥当でない

・しかし、自殺の場合には本人の自由意思による面があることも否定できないから、自殺を選択した自由意思の程度や通常人が同一の状態におかされた場合の自殺を選択する可能性等を比較し、事故による受傷の自殺への寄与度を勘案し、その割合に応じて加害者乙らに賠償責任を認めるのが発生した損害の公平な負担の理念にかなうものというべきであり、賠償額については事故による受傷の自殺への寄与度を考慮し、甲の被つた損害のうち、死亡による損害については、その4割の賠償を認める。


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