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カップヌードル事件

平成17年 8月25日:初稿
判例研究−最高裁判所昭和55年10月16日第1小法廷判決  担当山村邦夫

事案の概要
日清食品株式会社(以下「日清食品」という。)は、意匠にかかる物品を「包装用容器」とする意匠登録を行っていた。
その内容は、お馴染みの「CUP NOODLE」の図柄である。
ある人(個人)が、特許庁に対して、この意匠登録無効の審決を求めたところ、請求不成立との審決が下った。

特許庁の判断は次のとおりである
「(日清食品のカップヌードルの)容器の形状と類似する形状の容器が、出願前に公知であるとしても、この意匠は、横縞条の帯状及び文字などの図形が表されており、しかも文字もその構成態様に創作があり模様と認められる範囲のものであるから、単に形状の類似する容器と類似しているということはできない。よって、この意匠は、公知の意匠に類似する意匠ではなく、無効ではない。」
そこで、この個人は、審決取消請求訴訟を東京高等裁判所に提起した。

東京高等裁判所の判断
「元来は文字であっても模様化が進み言語の伝達手段としての文字の本来の機能を失っているとみられるものは、模様としてその創作性を認める余地がある。」
「本件意匠では、CUP及びNOODLEは、ローマ字を読むための普通の配列方法で配列されており、カップ入りのヌードルをあらわす商品名をあたかも商標のように表示して、これを見る者をしてそのように読み取らせるものであり、かつ読み取ることが十分可能とみられるから、いまだローマ字が模様に変化して文字本来の機能を失っているとはいえない。
「よって、本件意匠は模様とは認められない。」

日清食品はこの判決に対し上告した。
最高裁判所の判断
「原審の認定判断は、正当として是認することができ、その過程に緒論の違法はない。」

判例の検討
第1 そもそも文字が模様たり得るか。
判例「模様化が進み言語の伝達手段としての文字の本来の機能を失っていると見られる」

第2 本来の機能を失っているかどうかの基準
 1 見る者をして商品名を読み取らせる目的を有している(主観的要件)
 2 見る者をして、商品名を読み取らせることが十分可能な形状を示していること(客観的要件)
 両方満たしている場合には、まだ本来の機能を失ってはいない。

第3 判例の問題点
 1 どうしてローマ字?

CUPもNOODLEも、英語であって、ローマ字ではない。アルファベットというべきところか?

 2 商品名は模様ではないこととなる
商品名はまさに名であって、文字でなければならない。よって商品名についてどれほどデザインを施そうとも、文字として機能を失わない(というか、文字としての機能を失わせることができない)以上、模様とは認められない。

 3 アルファベット以外の文字だったらどうか(アラビア文字、ヒンドゥー文字)
   (英米で、漢字をあしらったTシャツが流行していることとの対比)

 4 通常の文字に対するデザインは、保護されないことになる
商標法、不正競争防止法による保護の余地
以上:1,233文字
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