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婚姻費用分担義務についてのその他の問題

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平成18年 1月27日(金):初稿
○婚姻費用分担義務についての話を続けます。
離婚後にも婚姻費用の分担を請求できるか
婚姻費用分担請求はあくまで夫婦の資格に基づく請求であるから、離婚によってその資格を失うので離婚後は請求できないと言う考え(神戸家審昭和37.11.5月報15-6-69)と、民法が離婚後2年間は財産分与の請求を認めているので、これを類推適用して過去の生活費の精算未了分について分担を求めることが出来るとの考え(神戸家審昭和46.4.9月報24-5-50)があります。

婚姻費用分担審判の変更
一度裁判所で婚姻費用額が決められたら変更は出来ないものではなく、その後の事情変更によって、その内容を維持することが不当になったときは、先の審判を後の審判によって取り消し、変更することが出来ます(広島家三次支審昭和43.10.17月報21-3-61)。

預金を持ち出して別居した妻からの婚姻費用分担申立
妻が別居に際し夫婦の共有財産である預金を持ち出して別居した場合、その預金の2分の1は夫に帰属するものですから、妻が婚姻費用分担請求をしても預金の2分1相当額は支払済みとして差し引かれます。

婚姻費用分担審判前の保全処分
婚姻費用分担請求は、当事者間で話が付かない場合、通常先ず調停申立をして、調停不成立の場合、審判に移行して最終的に裁判官から審判(支払命令)が出され、更にこの審判に対し即時抗告という不服申立が出来ますので、実際にお金を受け取るまで相当程度の時間がかかります。
そこでそれまで待っていたのでは請求者(通常は妻)とその子供達の生活が成り立たない場合、審判の申立と同時に最低限度の生活費の仮払いの申立もすることが出来ます。これを審判前の保全処分と言います。

○審判前の保全処分としての支払命令が出た場合、それでも支払わない相手方に対しては直ちに給料差押等の強制執行が出来ます。この仮処分に不服があっても即時抗告は出来ません(東京高決昭和51.11.15判時844-38)。

○審判前の保全処分としての支払命令が出た場合、その後請求者の妻に生活保護費支給がなされたとしても審判取り消し申立は認められず(東京高決昭和63.11.22月報41-5-56)、また離婚訴訟が係属して第一審で離婚判決が出たとしても、離婚判決が確定しない限り、離婚判決が出ただけの理由では保全処分取消は認められません(東京高決平成1.1.25月報41-6-59)。
以上:997文字

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