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ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
なお、出典を明示頂ければ、全データの転載もご自由で、転載の連絡も無用です。しかし、データ内容は独断と偏見に満ちており、正確性は担保致しません。データは、決して鵜呑みにすることなく、あくまで参考として利用されるよう、予め、お断り申し上げます。
また、恐縮ですが、データに関するご照会は、全て投稿フォームでお願い致します。電話・FAXによるご照会には、原則として、ご回答致しかねますのでご了承お願い申し上げます。
     

R 7- 6-15(日):映画「スティング」を観て-流石詐欺師映画、スッカリ欺される
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○令和7年6月14日(土)は、午後最近購入した4KUHDソフトで映画「スティング」を鑑賞しました。令和7年からは52年も前の1973(昭和48)年製作の超有名な映画で、BDソフトも所有しており、一度は鑑賞していたと思っていたのですが、全く記憶が無く、初めての鑑賞でした。映画コムでは、「1930年代のシカゴ。大物ギャングに仲間を殺された若き詐欺師フッカーは、その恨みを晴らすため、賭博師ゴンドーフの助けを借りて一世一代の大バクチを打つ。二転三転するストーリー展開と小気味よいテンポが魅力の傑作犯罪ドラマ。」と解説されています。

○1936年・昭和11年のシカゴが舞台で、現在放映中のNHK朝ドラ「あんぱん」の令和6年6月初めの頃の時代設定と同じ時代設定です。昭和11年当時のシカゴは、既に道路は自動車に溢れ、日本とは国力が全く異なると感じました。「映画「父親たちの星条旗」を観て」記載のとおり、太平洋戦争末期の昭和19年当時の「日米の圧倒的な国力の差」を実感しましたが、この映画でも同じ感想でした。日本は、無謀にもこんな国に戦争を挑み徹底的に痛めつけられましたが、必ず勝つと洗脳されていた朝ドラ「あんぱん」での日本国民がこっけいでした。

映画「スティング」の映像は4KUHD化しても、残念ながら粗の目立つ映像でクッキリ綺麗な映像とはなっていませんでした。しかし、映画「ジョーズ」等でおなじみのロバート・ショウ氏演ずる大物悪の手下がロバート・レッドフォード氏演ずる小物詐欺師に騙されるシーンから始まるストーリー展開は、派手なアクションシーンは殆どないものの、ポール・ニューマン氏演ずる大物詐欺師の悪者同士の、手の込んだ欺しあいの連続は、見応えがありました。手の込んだ騙しはあとで気がつくのが殆どなところが、脚本の見事さでした。

○「スティング」とは「いよいよ最後の一刺し」と表現されていましたが、この映画は、最後の大どんでん返しが見物(みもの)との触れ込みがあることは知っていました。しかし、ラストにいたる少し手前のどんでん返しは、なんだこんのものかと、少しガッカリしたら、その先に遙かに大きな、大どんでん返しが待っていました。騙しの手の込みようが凄いレベルで、この大どんでん返しまでは予想できず、この大どんでん返しに、観ていた私もスッカリ欺されていたことに気付き、えーっ!スッカリ欺された!と思わず大笑いでした。しかし、その爽快感は溜まりません。1973年度アカデミー賞作品賞を受賞していますが、それだけ価値ある映画でした。観ていた私が欺されていた経緯をシッカリ確認するため再鑑賞したいと思っています。

The Sting trailer (with Japanese subtitles)


スティング (1973) 「エンターテイナー」 ポール・ニューマン



以上:1,171文字
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R 7- 6-14(土):自賠責後遺障害非該当を14級後遺障害認定地裁判決紹介3
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○「自賠責後遺障害非該当を14級後遺障害認定地裁判決紹介2」の続きで、自賠責後遺障害非該当認定が14級後遺障害を認めた判例として令和4年3月10日神戸地裁判決(自保ジャーナル2127号87頁)を紹介します。

○原告車と被告車との間で発生した交通事故において、原告に損害が生じたとして、原告が、被告に対し、不法行為(民法709条)による損害賠償請求権、自動車損害賠償保障法3条による損害賠償請求権に基づき、自賠責では後遺障害非該当認定でしたが、14級後遺障害が残ったとして合計約1140万円の損害賠償を求めました。

○これに対し神戸地裁判決は、原告については、症状の一貫性が認められ、これに前記認定説示に係る本件事故の受傷態様や治療状況、症状経過等を総合して考慮すれば、原告が後遺障害であると主張する右頸部から右肩にかけての痛みや右指の痺れ等の症状は、将来においても回復困難と見込まれる神経症状と捉えるのが相当であり、したがって、原告に残存する症状については、自賠法施行令別表第二14級に相当すると認めるのが相当であるとして、1080万の損害賠償を認めました。

○交通事故訴訟で請求額の約95%も認める裁判例は珍しく、原告の大勝利です。さらに14級後遺障害事案での請求認容額は平均的には400~500万円ですが、2倍以上の1080万円も認められたのは原告が自営業者で逸失利益算定基準収入額が3777万円と、サラリーマンの平均年収400~500万円の8,9倍の収入があったからです。

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主   文
1 被告は,原告に対し,1080万0918円及びこれに対する平成30年5月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し,その9を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。

事実及び理由
第一 請求

 被告は,原告に対し,1139万8358円及びこれに対する平成30年5月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第二 事案の概要
 本件は,原告が運転する自家用普通貨物自動車(以下「原告車」という。)と被告が運転する自家用普通乗用自動車(以下「被告車」という。)との間で発生した交通事故において,原告に損害が生じたとして,原告が,被告に対し,不法行為(民法709条)による損害賠償請求権,自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条による損害賠償請求権に基づき,損害金及びこれに対する不法行為の日(本件事故発生の日)である平成30年5月23日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前の民法。以下同じ)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

1 前提となる事実

     (中略)

ウ 損害保険料率算出機構は,平成31年1月23日付けで,原告につき,頸部捻挫,右肩挫傷後の右項頸部~右背部痛等の症状については,将来においても回復困難と見込まれる障害とは捉え難いとして,自賠責保険(共済)における後遺障害には該当しないと判断した。
 原告は,これを不服として異議の申立てをしたが,これについても,同様の結果であった。

2 当事者の主張

     (中略)

(ウ)このように,原告が本件事故によって受けた衝撃は相当強度であり,医療機関における原告の愁訴に不自然な点はなく,治療経過の一貫性,継続性も認められ,頸椎症由来の症状を裏付ける客観的な神経学的異常所見が存在していることからすれば,原告が訴える右頸部から右肩にかけての痛みや右指の痺れ及び背部の痛みは,すべて頸椎症由来の神経症状であって,少なくとも自賠法施行令別表第二14級9号の「局部に神経症状を残すもの」に該当する(以下,便宜上,後遺障害の等級を表記するときは,「後遺障害等級○級○号」とする。)。

     (中略)

第三 当裁判所の判断
1 後遺障害の残存の有無(争点(1))


     (中略)

ウ P3医師は,原告について,平成30年11月6日症状固定と診断した。
 症状固定時の同医師の所見は,項頸部~右僧帽筋部,右肩甲骨部,右背部にかけての筋緊張及び筋圧痛がある,上肢腱反射は正常,知覚障害,筋力低下,病的反射,麻痺症状はいずれもなし,頸椎疼痛性可動域制限あり,右回旋制限を認める,そのため,車運転,歯科治療時に支障を残している状態である,また,右上肢の挙上時に疼痛があり,このため,右肩関節の疼痛性可動域制限を残遺している,右肩関節周囲筋,特に,右肩三角巾,右肩棘下筋等に著明な圧痛を認め,疼痛性可動域制限を認め,これらのために,日常生活及び歯科診療行為に支障を残している状態である,というものであった。

エ 原告は,自賠責において,平成31年1月23日付けで,後遺障害非該当と認定された。その理由は,頸部捻挫,右肩挫傷後の右項頸部~右僧帽筋部痛,右回旋時痛,右肩関節部,右肩甲部~右背部痛等の症状については,頸部及び右肩部画像上,本件事故による骨折や脱臼等の外傷性変化は認め難く,診断書等からは症状を裏付ける客観的な医学的所見の乏しいことに加え,その他症状経過,治療状況等も勘案した結果,将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難いというものであった。

 原告は,これを不服として,異議の申立てをしたが,令和元年10月16日付けで,同様に後遺障害非該当と判断された。


オ そのため,原告は,自賠責の判断に納得することができなかったことから,同年11月9日に以前から内科を受診していたc内科を受診した。原告は,右第4指,第5指の痺れを訴え,同病院で頸部XPが施行されたが,同病院の医師の画像所見は,第7頸椎が後方にずれているというものであり,また,第7,第8頸椎領域のしびれがある,スパーリングテスト陽性というものであった。

カ 原告は,同月20日,c内科の紹介で,d病院を受診し,同病院でMRIが施行された。同病院の医師による所見は,C5/6,C7/Th1レベルでは椎間板の変性・膨隆及びルシュカ関節の過形成により右椎間孔の軽度狭小化が疑われ,神経根症の可能性がある,頸髄内には明らかな異常信号は指摘できないというものであり,頸椎症性神経根症の疑いと診断した。

キ c内科の医師は,これを受けて,同月21日付けで,原告につき,傷病名について,外傷性頸椎損傷,頸椎症性神経根症と診断した。

ク 整形外科専門医・脊椎脊髄病医専門医であるP5医師(以下「P5医師」という。)作成の意見書において,原告の画像所見につき,平成30年5月24日及び令和元年11月9日に撮影された頸椎XPでは,椎体縁先鋭化,椎間腔狭小化などの変形性頸椎症の所見が認められるが,第7頸椎後方へのズレは明らかではない,令和元年11月20日に施行された頸椎部MRIでも第7頸椎の後方へのズレは認められない,上記MRIでは,右第5第6頸椎間椎間孔狭小化が認められるが,ただし,右第7頸椎第1胸椎間椎間孔の狭小化は明らかではないという意見が述べられている。

また,同意見書では,原告が訴える症状(しびれ)を裏付ける画像所見の有無について,右スパーリングテスト陽性,右拇指(第1指)~中指(第3指)のしびれとbクリニック診療録の平成30年5月24日の記載や同年11月20日に行われた頸椎部MRIで認められている右第5第6頸椎間椎間孔狭小化は,右第6頸髄節神経根症と矛盾しないが,しびれの訴えがあった指がその後の診療録の記載では,右環指(第4指)・小指(第5指)となっており,右第6類髄節神経根の支配領域とはいえないし,画像では,右第7頸椎第1胸椎間椎間孔(あるいは第6第7頸椎間椎間孔)の狭小化は明らかではなく,第7頸髄節神経根あるいは第8頸髄節神経根の障害を支持する画像所見はないということになるとの意見が述べられている。

ケ 原告は,本件事故前に,右手ないし右指が痺れるなどして,歯科診療に支障が生じることはなかった。
 また,原告は,本件事故後は十分な診療行為が行えなくなり,これまでの収入を確保することが難しくなったことから,他から収入を得ようと考え,令和元年10月に宅建試験を受験した。

(2)上記認定によれば,原告は,本件事故により腰部捻挫,頸部捻挫,右肩挫傷,背部痛の傷害を負い,原告には,右頸部から右肩にかけての痛みや右指の痺れの症状が残存しているものである。
 本件事故の態様は,前記(1)で認定したとおりであり,本件事故は追突事故であるものの,原告車の損傷状況(後記2(1)),原告車が追突時には揺れて前に押し出されていること,原告車の前車の運転者が後ろの車両の異変に気がついていることから,追突時の音も大きなものであったと推認されることからすれば,追突の衝撃は大きく,これに前記認定に係る追突時の原告の状況を合わせて考慮すれば,原告の右頸部付近には,それなりの追突の衝撃が加わったものと認められる。

 そして,原告は,bクリニック受診当初から頸部痛,背部痛,腰痛,右肩痛の他,右指先の痺れを訴えている。もっとも,同病院で平成30年5月24日に施行されたXPでは特段異常所見はなく,リハビリが継続され,ある程度の症状の軽減は見られ,腰部の痛みは軽減されたが,それ以外は痛みが続き,また,右指先の痺れについては,次第に全体から特に第4指,第5指の痺れが強まり,痺れの箇所に変化がみられるようになったものであり,bクリニックの平成30年7月10日の診療録にはその旨の記載がみられる。

また,この間,原告は,その歯科診療が従前のようには行えなくなり,新たに補充のために医師を雇用するなど,その業務に支障を来すようになっている。この点,P5医師作成の意見書においても,右スパーリングテスト陽性,右拇指(第1指)~中指(第3指)の痺れとbクリニックの平成30年5月24日分の診療録の記載及び令和元年11月20日に施行されたMRI(なお,同意見書には「2018年11月20日に行われたMRI」との記載があるが,「2019年」の誤記と思われる。)で認められる右第5第6頸椎間椎間孔狭小化は,右第6頸髄節神経根症と矛盾しないとされているところである。

 もっとも,同意見書において,原告の痺れは,その後右第4指,第5指となっており,右第6頸髄節神経根の支配領城とはいえないとの意見が述べられている。確かに,原告自身も,次第に痺れを感じる箇所が変わってきた旨述べているところであるが,原告は,bクリニック初診時に右指先に痺れがある旨を訴えている旨記載されている。一方,同病院の初診の際のカルテに,P3医師は,「右指先のしびれ」との記載の他「右〈1〉~〈3〉しびれ」と記載しているが、上記認定に係る原告の愁訴からすれば,しびれが生じていたのが初診時において上記3指に限ったものであったとは認め難い。そして,原告は,本件事故直後から一貫してその受診したいずれの医療機関においても,頸部痛と右手指の痺れを訴えているのは,上記認定のとおりである。

 以上によれば,頸部のMRI画像上,上記認定に係る変性所見は認められるものの,d病院での上記MRIは,本件事故から1年半程度経過後に撮影されたものであり,また,P5医師が脊椎のずれについて否定的見解を有していることからすれば,これらの結果をもって,本件事故により外傷性の損傷が生じたものとまでは認め難く,本件事故による骨折等の器質的損傷や症状と整合する脊髄,神経根の圧迫所見を認めるに足りる証拠はないといわざるを得ず,他覚的に神経系統の障害が証明されているとまでは認め難い。

しかし,前記認定説示のとおり,原告については,症状の一貫性が認められ,これに前記認定説示に係る本件事故の受傷態様や治療状況,症状経過等を総合して考慮すれば,原告が後遺障害であると主張する右頸部から右肩にかけての痛みや右指の痺れ等の症状は,将来においても回復困難と見込まれる神経症状と捉えるのが相当であり,したがって,原告に残存する症状については,自賠法施行令別表第二14級に相当すると認めるのが相当である。 

2 原告に生じた損害(争点(2))


     (中略)

(4)後遺障害逸失利益 817万6128円
 前記1で認定説示したとおり,原告には,後遺障害等級14級9号相当の後遺障害が残存しており,実際に原告には本件事故前よりもその収入が減少している。
 したがって,労働能力喪失率を5%,その受傷内容から労働能力喪失期間を5年とし,後遺障害逸失利益算定の基礎収入は,証拠(略)によれば,3777万3750円(本件事故前年度の原告の事業所得に専従者給与と減価償却費を加算したもの)とするのが相当であり,したがって,後遺障害逸失利益として,817万6128円を認める。
(計算式)(2077万0020円+1000万円+700万3730円)×5%×4.329=約817万6128円

     (中略)

第四 結論
 以上のとおりであって,原告の請求は,被告に対し,損害金1080万0918円及びこれに対する不法行為の日(本件事故発生の日)である平成30年5月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を求める限度で理由があるから、その限度で認容し,その余は理由がないから棄却し,よって,主文のとおり判決する。
 なお,事案を鑑み,仮執行宣言は付さない。 
神戸地方裁判所第1民事部 裁判官 大島道
以上:5,534文字
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R 7- 6-13(金):自賠責後遺障害非該当を14級後遺障害認定地裁判決紹介2
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○原告が、被告に対し、信号待ちのために停車していた原告が乗車する車両に、後方から進行してきた被告の運転する車両が追突した交通事故が発生し、これにより原告が傷害を負ったと主張し、自賠責後遺障害認定は非該当のところ、頸椎椎間板ヘルニアの傷害を理由に後遺障害等級12級に該当するとして民法709条又は自動車損害賠償保障法3条本文に基づき、約1099万円の損害賠償を求めました。


○これに対し、頸椎椎間板ヘルニアが判明したのは本件交通事故から5か月余りが経過した後ではあるものの、上記の受傷をするに至った原因について、本件交通事故のほかに同部分に衝撃が加わる出来事があったとはうかがわれず、また、本件交通事故以前から頸椎に同傷病が存し、頸部の痛み等の症状があったともうかがわれないことを踏まえると、原告の頸椎椎間板ヘルニアについては、本件交通事故により生じたものと推認するのが相当であるなどとして後遺障害等級第14級を認定した令和6年1月30日千葉地裁判決(交通事故民事裁判例集57巻1号148頁)関連部分を紹介します。

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主   文
1 被告は、原告に対し、331万7465円及びこれに対する令和3年9月30日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを10分し、その3を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、1098万8833円及びこれに対する令和3年9月30日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要等
 本件は、原告が、被告に対し、原告が乗車する車両に被告の運転する車両が追突した交通事故が発生し、これにより原告が傷害を負ったと主張して、民法709条又は自動車損害賠償保障法(自賠法)3条本文に基づき、損害賠償金合計1098万8833円及びこれに対する交通事故の日である令和3年9月30日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を請求する事案である。

1 前提事実等(当事者間に争いのない事実、又は書証により容易に認定することができる事実)

     (中略)

第3 当裁判所の判断
1 前記第2の1のほか、後掲の証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実
(1)本件交通事故の態様

     (中略)

(5)原告の後遺障害の事前認定の結果等
 原告は、被告車両に付されていた自賠責保険会社に対し、原告の後遺障害に係る事前認定の手続を求めたが、同年7月27日頃、被告車両に付されていた保険会社(E保険会社)の担当者から、非該当と判断された旨連絡を受けた(甲7の1)。原告は、同認定について異議申立てをしたが、同年12月5日頃、同担当者から、再度非該当と判断された旨連絡を受けた。

     (中略)

4 後遺障害逸失利益について
(1)本件交通事故と頸椎椎間板ヘルニアとの間の因果関係の存否について
 前記1(3)アのとおり、原告は令和4年2月8日、頸椎単純MRIの検査を受け、C4
5-6/7の椎間板ヘルニアとの診断を受けている。また、前記1(1)のとおり、本件交通事故の結果、原告車両のバンパの奥にあるボデーロワバックパネルの変形が生じその板金修理を要するような損傷が生じたものであり、本件交通事故により相応の衝撃が加わったと推認され、現に、原告は、本件交通事故の後、頸部に痛みを感じ、臨場した救急隊員に対しその痛みを訴えていたものである。このような本件交通事故の態様及び原告の本件交通事故直後の言動は、原告の椎間板ヘルニアの受傷と整合するものといえる。

 この点について、被告は、原告がA整形外科を受診したのは本件交通事故の6日後であり、原告の傷害が自制できる範囲にとどまるものであった旨の主張をする。この点について原告は、自らの勤務先の病院について、本件交通事故の当時は繁忙であり代替要員もいなかったため、ロキソニンを自ら摂取して出勤し、勤務先の休日に上記医療機関を受診した旨供述しており、この点も併せ考慮すると原告の受診が本件交通事故の6日後であることから直ちに原告の受傷が軽いものであったとはいえない。また、被告は、本件交通事故の態様について、停車している原告車両の後ろに一旦停止したもののその後にいわゆるクリープ現象により被告車両が前進して原告車両に衝突した、衝突時の被告車両の速度は時速約4キロメートルであった旨の供述をするが、前記1(1)のとおり本件交通事故により原告車両に軽微でない損傷が生じていること等に照らし、採用し難い。

 そして、確かに、頸椎椎間板ヘルニアが判明したのは本件交通事故から5か月余りが経過した後ではあるものの、上記の受傷をするに至った原因について、本件交通事故のほかに同部分に衝撃が加わる出来事があったとはうかがわれず、また、本件交通事故以前から頸椎に同傷病が存し、頸部の痛み等の症状があったともうかがわれない。以上を踏まえると、原告の頸椎椎間板ヘルニアについては、本件交通事故により生じたものと推認するのが相当である。

 これに対し、本件交通事故後、任意保険会社の事前認定申請を受けた自賠責保険会社は、原告の申請する後遺障害について非該当との判断をし、原告の異議申立てについて、頸部画像の変性所見について外傷に伴う変化とは捉えられないとの指摘をしているが、同指摘を踏まえても、前記記載の各事情を踏まえると上記の推認は左右されない。

(2)後遺障害の存否及びその程度
ア 原告は、本件交通事故により、原告には別表第二第12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当する後遺傷害が生じた旨主張する。確かに、前記1のとおり本件交通事故により原告のC4
5~6/7に椎間板ヘルニア等が存するものといえ、原告の訴える頸部の痛みの症状は、上記の所見と一応整合するものとはいえる。しかし、本件訴訟に先立ち、自賠責保険会社は事前認定の判断に際し、外傷性の異常所見又は脊髄及び神経根への圧迫所見は認められないとの評価をしており、この認定を覆すに足る証拠はない。

また、原告を診察した丁山医師は、後遺障害診断書上に明らかな神経学的異常所見は見られないとの記載をしており、その他、原告の頸部の痛みについて他覚的に神経系統の障害が証明されると認めるに足りる証拠はない。よって、本件交通事故により、原告に自賠法施行令別表第二第12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当する後遺障害が生じたものとまでは認めるに足りない。原告は、上記の後遺障害が生じた旨の丁野竹男医師作成の意見書(甲8)を提出するが、その意見書の内容を踏まえても上記の評価を左右するものとはいえない。

イ 他方、前記のとおり原告に生じた椎間板ヘルニア等の傷病は、原告が訴える頸部の痛みの症状と一応整合するものである上、書証(甲18)及び原告の本人供述によれば、同症状は、本件交通事故後の通院によっても消失せずに遷延しているものと認められる。

この点につき、被告は、丁山医師作成の診療録に「症状はon&off」「夜間痛」との記載があること等から継続する痛み(常時痛)を伴っていたものとはいえない旨主張するが、同医師の診療録の記載は多義的であり常時痛の存在を直接否定するものとはいえない上、前記(1)のとおり原告が本件交通事故により頸椎椎間板ヘルニアの傷害を負っていることにも照らすと、丁山医師の上記の診療録の記載から、後遺障害の存在を否定するほどの常時痛が存しなかったとは言い難いというべきである。(なお、原告は、上肢のしびれの症状についても主張するが、原告が同症状をA整形外科に申告した時期が令和4年2月16日であり本件交通事故から相当期間経過していたことを考慮すると、同症状について本件事故によるものとは認めるに足りない。)

 以上を踏まえると、原告の頸部の痛みについては、本件交通事故により発症し、その後その症状が一貫しており、単なる故意の誇張ではないと医学的に推定されるものと認められ、自賠法施行令別表第二第14級9号「局部に神経症状を残すもの」に該当する後遺傷害が存するものといえる。これに反する被告の主張は採用することができない。

     (中略)

7 文書作成費について
 前記4(2)のとおり、原告は本件交通事故により、頸椎捻挫、腰椎捻挫及び頸椎椎間板ヘルニアの傷害を負い、別表第二第14級第9号に該当する後遺障害を負ったものと認められることからすると、原告の診療録の取得費用(2680円、甲12)及び後遺障害慰謝料の取得費用(1万1000円、甲13)については、本件交通事故と相当因果関係の範囲にある損害と認められる。

 他方、証拠(甲7の2、8、14)によれば原告は、自賠責保険会社に対して事前認定結果に係る異議申立てを行う前に、F株式会社に対して原告の後遺障害に関する意見書の作成を依頼し、同社の査定をする医師作成の令和4年10月3日付意見書を受領し、これを上記異議申立て手続に提出したこと、また原告が同社に対しカルテ精査及び意見書作成費用として合計33万円(税込み)を支払ったことが認められ、同意見書を本件訴訟手続において証拠として提出していることは当裁判所に顕著である。しかし、一般に自己の主張等を理由づけるための証拠の収集は当事者の責任及び費用で行われるものである上、本件で争われている障害の内容及び意見書の内容を踏まえると、上記の意見書作成費用が、本件交通事故と相当因果関係の範囲内にあるとは認められない。

8 総損害額
 以上の検討によれば、原告に生じた総損害の額は、46万7230円+8460円+105万4148円+97万円÷110万円÷1万3680円=361万3518円となる。

9 既払金の控除及び弁護士費用
 上記8の金額から、原告が受領した既払い金の額59万7640円を控除した残額は301万5878円となる。
 そして、前記1(5)のとおり、原告は原告代理人に依頼して、本件訴訟に至る前に事前認定の手続を申請したが、後遺障害について非該当との判断を受け、本件訴訟の提起を余儀なくされたものといえ、本件交通事故と相当因果関係の範囲内にある弁護士費用として30万1587円を認める。よって、原告が被告に対して不法行為に基づく損害賠償として請求することのできる額は、331万7465円というべきである。
 なお、原告は、選択的に、自賠法3条に基づく損害賠償請求もしているが、同条に基づき認容すべき額は、法行為に基づく損害賠償の額と同額であるから、更なる検討を要しない。

10 結論
 よって、主文のとおり判決する。なお、仮執行免脱宣言は相当でないからこれを付さないこととする。
裁判官 宮崎陽介
以上:4,469文字
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R 7- 6-12(木):胎児認知無効確認請求を権利濫用として棄却した家裁判決紹介
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○ベトナム国籍の女性であるAが出産した被告を胎児認知していた原告が、被告に対し、被告は原告とは別の男性Bの嫡出子であることが明らかになった旨を主張して、その胎児認知が無効であることの確認を求めました。

○これに対し、以下の理由により、本件胎児認知が無効であることの確認を求める原告の請求を許すことには、正義公平の観点から見て看過することのできない疑問があり、原告の請求は、権利の濫用に当たり、許されないものであるというのが相当であるとして、原告の請求を棄却した令和5年3月23日東京家裁判決(判時2620号48頁、判タ1529号251頁)関連部分を紹介します。

・被告を出産した当時、AはBと婚姻関係であったところ、ベトナム婚姻家族法63条1項前段は、婚姻期間中に妻によって分娩又は懐胎された子は、夫婦の共通の子とする旨を定めているから、被告はBの嫡出子であるというべき
・現在までに、ベトナムに帰国したBが被告の父として取り扱われたことがあったことをうかがわせる証拠ないし事情は見当たらず、Bが被告の父として取り扱われる可能性は今後とも乏しい
・被告は、生後3か月頃から生後1年半頃までの間にベトナムに滞在していたほかは、出生してから16歳になった現在に至るまで、一貫して日本において日本人として生活してきた
・仮に本件胎児認知が無効であるとされた場合には、日本の国籍を喪失して、日常を一変させられることにもなりかねず、それまで予想だにしてこなかった不利益を被るなどの極めて過酷な状況に置かれることが想像されること

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主   文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求

 原告のp長に対する平成18年*月*日届出による被告に対する胎児認知が無効であることを確認する。

第2 事案の概要
 本件は,被告を胎児認知していた原告が,被告に対し,被告は原告とは別の男性の嫡出子であることが明らかになった旨を主張して,その胎児認知が無効であることの確認を求めた事案である。
1 前提事実
 証拠(各認定事実の後に掲げる。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の各事実が認められる。
(1)ベトナム国の国籍を有する女性であるA(1983年*月*日生まれ。以下「A」という。)は,平成14年4月4日から日本に滞在していたところ,2003年(平成15年)2月11日,qにおいて,ベトナム国の国籍を有する男性であるB(以下「B」という。)と婚姻の登録をした(乙4,被告法定代理人,弁論の全趣旨)。
(2)Aは,平成17年10月頃までに,日本の国籍を有する男性である原告(昭和43年*月*日生まれ)との交際を開始し,同年12月頃までに,rの住居において,原告との同居を開始した(乙3,被告法定代理人,弁論の全趣旨)。

(3)Aは,平成18年*月頃,被告を懐胎している旨の診断を受けた(被告法定代理人)。
(4)A及びBは,2006年(平成18年)7月20日,q人民裁判所において,合意による離婚の承認(以下「本件離婚承認」という。)を受けた(乙4)。
(5)原告は,平成18年*月*日,p長に対し,被告に係る胎児認知(以下「本件胎児認知」という。)の届出をして,受理された(乙14,弁論の全趣旨)。

(6)Aは,平成18年*月*日,被告を出産した(弁論の全趣旨)。被告は,戸籍上,原告とAとの間の長女とされ,日本の国籍を有するものとされている(弁論の全趣旨)。
(7)原告は,令和3年5月20日,被告を相手方とする認知無効確認調停を東京家庭裁判所に申し立てて(東京家庭裁判所令和*年(家イ)第****号事件),本件胎児認知が無効であることの確認を求めたが,同事件は,同年7月7日,調停が成立しないものとして,終了した(弁論の全趣旨)。
(8)原告は,令和3年7月28日,本件訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実)。

2 法の適用

     (中略)

第3 当裁判所の判断
1 前記第2の1(前提事実),証拠(各認定事実の後に掲げる。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の各事実が認められる。
(1)原告は,平成5年11月11日にCと婚姻の届出をし,その後,同女との間に,平成7年*月*日には長女のDを,平成9年*月*日には長男のEをそれぞれもうけたが,平成15年4月頃,Cとの別居を開始した(乙3,弁論の全趣旨)。
(2)Aは,平成14年4月4日から留学生として日本に滞在していたところ,2003年(平成15年)2月11日,qにおいて,かねてから交際していたBと婚姻の登録をした(前記第2の1(1),被告法定代理人)。
(3)その後,2,3か月が経過して,Bも日本に滞在するようになったことから,Aは,sの住居において,Bとの同居を開始した(被告法定代理人)。
(4)Aは,平成17年6月頃,sの住居からtの住居に転出して,Bとの別居を開始した(被告法定代理人,弁論の全趣旨)。
(5)Aは,平成17年10月頃までに,原告との交際を開始し,同年12月頃までに,rの住居において,原告との同居を開始した(前記第2の1(2))。
 また,その頃,Aは,Bから,人づてで,tの住居に住まわせてほしい旨の依頼を受けたことから,同住居の賃借人をAからBに変更することに協力した(被告法定代理人)。
(6)Aは,平成18年*月頃,被告を懐胎している旨の診断を受けた(前記第2の1(3))。
(7)Aは,平成18年4月,日本において就職をした(被告法定代理人)。
(8)A及びBは,2006年(平成18年)7月20日,q人民裁判所において,本件離婚承認を受けた(前記第2の1(4))。
 本件離婚承認に係る決定書(乙4)には,AとBとの合意による離婚を承認する,AとBとの間には子がいないなどの主文の記載がある。
 なお,Bは,この数年後,日本から出国した(被告法定代理人,弁論の全趣旨)。
(9)原告は,平成18年*月*日,p長に対し,本件胎児認知の届出をして,受理された(前記第2の1(5))。


     (中略)

3 その上で,ひとまず本件胎児認知の当時及び被告の出生の当時における原告の本国法である日本法により本件胎児認知が無効であるとされるかについて検討すると,日本の民法下では,認知は,その性格上,現に父がある子を対象としてはすることができないと解されているから、被告がBの子であるとされる限りは,本件胎児認知を有効なものと認めることはできないというべきである。
 被告は,仮に本件において本件胎児認知が無効であることの確認がされたとしても,被告が別に原告に対して認知を求める訴えを提起すれば,その請求は認容されるはずであるから,本件訴えは,訴えの利益を欠く不適法なものとして,却下されるべきである旨を主張するが,以上に判示したところからすれば,日本の民法下では,被告がBの子であるとされる限りは,被告は原告に対して認知を求めることは困難であるといわざるを得ない。 

 もっとも,日本の民法下で認知は現に父がある子を対象としてはすることができないと解されているのは,親子関係の公的な秩序として父が重複することは許されるべきではないとする趣旨から出たものであると解される。これを本件について見ると,もとより現在までにBが被告の父として取り扱われたことがあったことをうかがわせる証拠ないし事情は見当たらないところ,日本の戸籍には被告がBの嫡出子であることをうかがわせる記載は見当たらず,また,ベトナムにおいて被告の出生の登録がされたことをうかがわせる証拠ないし事情も見当たらないことからすれば,実際問題として,Bが被告の父として取り扱われる可能性は,今後とも乏しいというべきであって,本件胎児認知を有効なものとしたとしても,被告の父の重複が顕在化する事態が現実に生ずるとは直ちには想像し難いというべきである。

 このことに加えて,
〔1〕原告が,原告はAが被告を懐胎したと考えられる平成18年*月下旬から同年*月下旬までの期間には海外に出張していて日本にいなかった旨を主張するものの,これを裏付ける証拠を提出せず,原告が被告の生物学上の父であることを争うことを明らかにしているとはいい難いこと,
〔2〕前記1(9)で認定したところからすれば,原告は,被告をAがBとの婚姻期間中に懐胎した子であると認識しながら,本件胎児認知の届出をしたと推認されること,
〔3〕前記1(9)のとおり本件胎児認知の届出が受理されたことについて,被告自身には何の落ち度もないこと,
〔4〕原告自身が,被告に対し,その父として接してきていたこと(乙9の1から10まで),

〔5〕前記1(11)及び(12)で認定したとおり,被告は,生後3か月頃から生後1年半頃までの間にベトナムに滞在していたほかは,出生してから16歳になった現在に至るまで,一貫して日本において日本人として生活してきたものであるところ,仮に本件胎児認知が無効であるとされた場合には,日本の国籍を喪失して(国籍法3条参照),日常を一変させられることにもなりかねず,相応の精神的苦痛を受けるであろうことはもとより,社会生活の様々な場面においてそれまで予想だにしてこなかった不利益を被るなどの極めて過酷な状況に置かれることが想像されること,

〔6〕前記1(12)及び(16)に認定したところからすれば,原告が被告に対して本件胎児認知が無効であることの確認を求めるに至った動機は,Aが原告以外の男性との交際に及んだことに対する意趣返しにあったとも疑われること
などの事情を踏まえると,本件の事実関係の下においては,本件胎児認知が無効であることの確認を求める原告の請求を許すことには,正義公平の観点から見て看過することのできない疑問が残るといわざるを得ない。

 そうであれば,本件胎児認知が無効であることの確認を求める原告の請求は,権利の濫用に当たり,許されないものであるというのが相当である。

4 前記第2の2(1)に判示したとおり,本件胎児認知については,本件胎児認知の当時及び被告の出生の当時における原告の本国法である日本法並びに本件胎児認知の当時におけるAの本国法であるベトナム法のいずれによっても無効であるとされるときに限り,無効となるものと解されるところ,以上によれば,本件胎児認知は,本件胎児認知の当時及び被告の出生の当時における原告の本国法である日本法によっては無効であるとすることはできないのであるから,本件胎児認知の当時におけるAの本国法であるベトナム法による検討をするまでもなく,本件胎児認知が無効であることの確認を求める原告の請求は,理由がない。
 よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判官 川嶋知正)
以上:4,438文字
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R 7- 6-11(水):物損交通事故では原則として慰謝料は発生しない根拠の最高裁判決紹介
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○「カスタム自転車全損慰謝料10万円を認めた地裁判決紹介」の続きで、物損交通事故では慰謝料は発生しないとの大原則の根拠とされる昭和42年4月27日最高裁判決(最高裁判所裁判集民事87号305頁)全文を紹介します。

○この最高裁判決は物損交通事故事案ではありませんが、商取引に関する契約上の金員の支払を求める訴訟において、偽証等の不法行為があつたため敗訴したとしても、それによつて蒙る損害は、一般には財産上の損害だけであり、そのほかになお慰藉を要する精神上の損害もあわせて生じたといい得るためには、侵害された利益に対し、財産価値以外に考慮に値する主観的精神的価値をも認めていたような特別の事情が存在しなければならないとしています。

○この慰謝料発生要件の「侵害された利益に対し、財産価値以外に考慮に値する主観的精神的価値をも認めていたような特別の事情」とは、一例としてペットを交通事故で失った場合が該当します。「交通事故でのペットへの傷害に対する慰謝料等の請求を認めた高裁判決紹介」で紹介した平成20年9月30日名古屋高裁判決(交通事故民事裁判例集41巻5号1186頁)では、「近時,犬などの愛玩動物は,飼い主との間の交流を通じて,家族の一員であるかのように,飼い主にとってかけがえのない存在になっていることが少なくないし,このような事態は,広く世上に知られているところでもある(公知の事実)。そして,そのような動物が不法行為により重い傷害を負ったことにより,死亡した場合に近い精神的苦痛を飼い主が受けたときには,飼い主のかかる精神的苦痛は,主観的な感情にとどまらず,社会通念上,合理的な一般人の被る精神的な損害であるということができ,また,このような場合には,財産的損害の賠償によっては慰謝されることのできない精神的苦痛があるものと見るべきであるから,財産的損害に対する損害賠償のほかに,慰謝料を請求することができるとするのが相当である。」としています。

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主   文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

理   由
上告人の上告理由第一点について。 
 原審は,上告人主張の訴訟は商取引に関する契約上の金員の支払を求めるもので、その訴訟で敗訴したため上告人のこうむる損害は、一般には財産上の損害だけであり、そのほかになお慰藉を要する精神上の損害もあわせて生じたといい得るためには、被害者(上告人)が侵害された利益に対し、財産価値以外に考慮に値する主観的精神的価値をも認めていたような特別の事情が存在しなければならないところ、本件では右の如き特別の事情の存在を認めるに足る資料もないと判断して、上告人の本訴請求を排斥しているのであつて、原審の右判断は正当であり、右判断の過程に所論の違法はない。所論は、独自の見解に立つて原判決を非難するに帰し、採るを得ない。

同第二点について。
 所論は、原審の裁量に属する証拠申出の採否を非難するに帰し、採るを得ない。

同第三点について。
 原判決の判断の過程には何ら違法の点はない。所論も、ひつきよう、独自の見解に立つて原判決を非難するに帰し、採るを得ない。
 よつて、民訴法401条、95条、89条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 岩田誠 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎 裁判官 大隅健一郎
以上:1,439文字
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R 7- 6-10(火):カスタム自転車全損慰謝料10万円を認めた地裁判決紹介
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○原告が乗車、運転していたいわゆるカスタム自転車が、停止後、被告運転の普通乗用自動車に衝突された事故により、原告自転車が損傷して回復不可能な損害を被ったとして、全損前提の車両損害金約103万円、慰謝料100万円等合計約223万円の支払を求めました。

○被告側は、原告自転車の各部品ごとの中古市場における平均価格を合計すると、せいぜい32万1411円程度であり、原告は、中古市場において損傷した原告自転車構成部品を取得することにより、原告自転車と同種同等の車両を取得することは可能であるから、財産価値以外に考慮に値する主観的精神的価値は認められないと主張しました。

○これに対し、原告自転車の各部品価格の合計は45万3177円で、これに単一市場で部品を揃えられない不便や組立て作業に係る労力を加味すると、原告自転車の車両損害は50万円と評価し、慰謝料請求については、交通事故による財産上の損害(いわゆる物損)は、これが正当に評価されて損害として填補されれば、その被害は交通事故前の原状に復するというべきであるから、財産上の損害に伴って慰謝を要する精神的損害も合わせて生じたといえるためには、財産上の損害が正当に評価されて填補されたとしてもその被害が交通事故前の原状に復するとはいえない事情が必要であるとして、本件では10万円と評価するとした令和6年3月28日東京地裁判決(LEX/DB)関連部分を紹介します。

○物損についての慰謝料請求は認められないのが原則ですが、本件は10万円の慰謝料を認めた珍しい判決として紹介します。

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主   文
1 被告は、原告に対し、70万円及びこれに対する令和4年8月14日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを3分し、その1を被告の負担とし、その余は原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、223万2952円及びこれに対する令和4年8月14日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は、原告の乗車、運転していたいわゆるカスタム自転車(以下「原告自転車」という。)が、停止後、被告運転の普通乗用自動車(以下「被告車」という。)に衝突された事故により、原告自転車が損傷して回復不可能な損害を被ったとして、全損前提の車両損害102万9957円、慰謝料100万円及び弁護士費用20万2995円の合計223万2952円の損害賠償並びにこれに対する当該事故の日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

1 前提事実(甲1及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)


     (中略)

第3 当裁判所の判断
1 車両損害について

(1)本件事故によって原告自転車が物理的に修理が困難な程度に損傷したことは当事者間に争いがない。したがって、本件事故により、原告自転車は全損したものとして、同種同等の自転車を再調達するために合理的な相当の金額が車両損害として認められる。

 この点、被害車両が中古自動車である場合には、広く中古自動車市場が存在することを前提に、その取引価格を、原則として、被害車両と同一の車種・年式・型、同程度の使用状態・走行距離等の自動車を当該市場において取得するのに要する価額によって定めるべきであるが(最高裁判所昭和49年4月15日第二小法廷判決・民集28巻3号385頁)、被害車両が中古自転車である場合にも、これと同様の前提が妥当する限りにおいて、同様に擬律すべきものと解される。

(2)証拠(甲4、5、16、17、乙1、原告本人。枝番号のある書証でこれを記載しないものは全ての枝番号を含む。以下同じ。)及び弁論の全趣旨によれば、原告自転車は、TREK社製のDOMANE5.2の2015(平成27)年モデルを基礎に、原告において、年月をかけて、車体(フレーム)以外のリム、スポーク、ハブ、ステム、ペダル、バーテープ、変速機、カセット、クイックの各部品を、一部部品については限定品をも順次購入してカスタムされた一点ものであったと認められ、中古市場においてこれと同種同等の車両全体を再調達することは困難であるものと認められる。一方で、これらの部品は、部品ごとには概ね中古品市場が形成されているものとうかがわれるところ、そうであれば、その全損車両全体としての車両損害額は、不相応に過大とならない限り、同種同等の部品ごとの再調達に要する費用を合算した上、これに、単一の市場のみで部品を揃えられない不便や組立て作業に係る労力をも加味して、評価するのが相当である。

(3)そこで、上記の見地に立って、原告自転車と同種同等の部品の再調達に要する費用をみると、以下のとおりである。
ア 車体(フレーム) 13万2255円

     (中略)

ケ クイック 5830円
 本件に表れた証拠によっても、クイックについて中古品市場が形成されていることはうかがえないから、新品のクイックの調達が必要であると認める。被告の依拠する定価(甲17、乙1)と原告の依拠する定価(甲4)の採否は変速機と同様である。

(4)上記(3)の各部品価格の合計は45万3177円であり、この金額は不相応に過大であるとはいえない。これに単一市場で部品を揃えられない不便や組立て作業に係る労力を加味すると、原告自転車の車両損害は50万円と評価するのが相当である。

2 慰謝料について
(1)一般に、交通事故による財産上の損害(いわゆる物損)は、これが正当に評価されて損害として填補されれば、その被害は交通事故前の原状に復するというべきであるから、財産上の損害に伴って慰謝を要する精神的損害も合わせて生じたといえるためには、財産上の損害が正当に評価されて填補されたとしてもその被害が交通事故前の原状に復するとはいえない事情が必要であると解される(最高裁判所昭和42年4月27日第一小法廷判決・裁判集民事87号305頁、同平成9年7月11日第二小法廷判決・民集51巻6号2573頁各参照)。

(2)これを本件についてみると、原告が慰謝料の発生原因として主張する事情のうち、
ア まず、原告自転車が部品ごとにカスタマイズした代替性のない車両であり、原告がこれに愛着を有していたことについては、上記1のとおり、部品ごとに、限定品や人気色であることも考慮して再調達の可能性等を十分吟味し、かつ、再組立てに要する労力等も加味して財産上の損害を評価した以上は、それが填補されたとしてもなお被害が現状に復し得ない事情であるとまではいえず、これをもって慰謝料の発生を肯認すべき事情に当たるとはいえない。

イ 次に、原告自転車への搭乗が原告の公私の生活上の一部となっていたため、原告自転車の損傷によって原告の生活の平穏が害されたとする点については、被害車両が自動車であった場合に代車の調達も困難であるようなときの生活被害に類するものということができ、再調達に要する財産上の損害が填補されるまで代車の調達をはじめ被害車両への搭乗に代わる代替手段の手当てすら困難であるような事情を要すると解される。ただし、財産上の損害が填補されるまで単に被害車両に搭乗できなかったというだけでは、財産上の損害が填補されるまでの遅延損害金に類する損害にとどまると解されるから、これと別に填補されるべき精神的損害が発生したとはいえない。

 この点、証拠(甲2、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、芸能界に近い業界で事業を経営し、個性のある原告自転車をコミュニケーションツールとして利用することでその営業を円滑に進めていたなどの事情が存在したことが認められ、このような機能は、例えば個性のない一般的な自転車を代用で調達したのでは果たされないというべきであって、本件事故による原告自転車の全損に伴う財産上の損害が正当に評価されて填補されたとしても、その被害が交通事故前の原状に復するとはいえない事情に当たるといえる。

 その被害を金銭をもって評価することは容易ではないが、本件事故後速やかに原告自転車と同種同等の部品の再調達を始めて必要な部品を揃え、組立て作業をしたとしても、その再製には、少なくとも数か月以上の相当期間を要すると考えられることや、原告自転車の損傷によって原告が参加できなくなった東京センチュリーライド(甲6)の参加費が1万円であったとうかがわれることなども考慮すると、上記の被害について10万円の慰謝料の発生を肯認すべき事情に当たるものと判断する。

ウ 最後に、本件事故後における被告側の対応として、本件保険会社のCと被告代理人である佐藤弁護士の侮辱的対応を指摘する点については、証拠(証人C、証人佐藤、原告本人)によれば、確かに、Cと佐藤弁護士は、原告における固有の事情を十分に汲むことなく、いささか形式的に一次的対応を行ったことがうかがわれるものの、そのような一次的対応は、言葉遣い等の点も含め、当不当の問題としてはともかく、法的に明らかに誤った説明をしたなどの違法な対応であったとまではいい難い。

そして、Cにおいては、交渉が困難な案件であるとして早期に佐藤弁護士に取り次いだものとうかがわれ、それ自体が不当な措置とはいえないし、佐藤弁護士において連絡当日の原告の事務所への来訪を拒んだ点も、直ちに調整が困難な場合もあり得るところであり違法な対応とはいえない。それに代えて佐藤弁護士が送付した文書(乙3)も、受領した原告としては、Cが提示した案よりも内容的に後退したとして、極めて拒絶的に捉えたことがうかがえるが、その文面は、提示額を超える支払は困難であるとはしているものの、不可能とまで謳うものではなく、原告においても法律家に相談するなどすれば、交渉の余地があるものと読解される可能性を残すものであったというべきである。

しかるところ、佐藤弁護士は、その後も時間を置いて、原告の携帯電話に架電したのに対し、原告側では知らない電話番号からの架電であったため受話しなかったという行き違いもあって、そのような交渉には至らなかったと考えられること(証人佐藤、原告本人)からすれば、佐藤弁護士において別の連絡先への連絡を試みるなどの代替的な方策が考えられてもよかったと解する余地はあるにしても、そのような行き違いについて、佐藤弁護士のみに一方的に帰責すべきものともいえない。

 結局、これらの被告側の対応については、原告自身が、いわば早合点でその意味を臆断したことにより、自らその怒りをより拡げる方向に作用させてしまった側面も否定できず、いずれにしても、これらの被告側の対応が、慰謝料の発生を肯認すべきほどの違法性を帯びる対応であったとまではいい難い。

(3)以上によれば、本件については、上記(2)イの事情を考慮して、10万円の限度で慰謝料の発生を認めるのが相当である。

3 弁護士費用について
 上記1の車両損害50万円と上記2の慰謝料10万円の合計60万円の請求を認容すべきことや、本件の立証の難易度その他一切の事情に照らすと、これを請求するための弁護士費用のうち10万円も、本件事故と相当因果関係のある損害として認めるのが相当である。

4 結論
 よって、原告の請求を上記1ないし3の合計70万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容し、その余は理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法64条本文、61条を、仮執行の宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用し、仮執行免脱の宣言は相当でないからこれを付さないこととして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第27部 裁判官 平山馨
以上:4,858文字
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R 7- 6- 9(月):映画”ザ・シークレット・サービス”を観て-敵役の怪演が光る
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○令和7年6月8日(日)は午後、最近購入した4KUHDソフトで1993(平成5)年製作映画「ザ・シークレット・サービス」を鑑賞しました。主演クリント・イーストウッド氏63歳時の作品です。「映画”許されざる者”を観て-最高傑作、心をつかまれ、深い余韻を残す」記載のとおり、クリント・イーストウッド氏主演の前年1992(平成4)製作映画「許されざる者」に深い感動を覚え、同じような感動を味わうことを期待しての鑑賞でした。同氏主演の作品には殆ど外れがないからです。

○映画コムでは、あらすじ冒頭を「フランク・ホリガン(クリント・イーストウッド)は合衆国所属のシークレット・サービス・エージェント。一匹狼的な異端児で相棒は臆病なアル・ダンドゥレア(ディラン・マクダーモット)だけである。ホリガンは、ケネディ大統領がダラスを訪問した際に護衛を失敗に終わらせたことに深い自責の念を持っていた。大統領(ジム・カーリー)の再選キャンペーンがスタートしたところに、大統領暗殺の脅迫が届いた。」と説明しています。

○残念ながら、映画「許されざる者」のような「心をつかまれ、深い余韻を残す」ほどの感動は味わえませんでしたが、それなりに楽しませてくれました。大観衆に囲まれた大統領を守るシークレットサービス業の大変さは、実感できました。主演のクリント・イーストウッド氏よりも、大統領暗殺の脅迫をしてきた敵役ジョン・マルコビッチ氏の怪演が光りました。その目つきを中心に、ただ者では無い不気味さ・怖さを十分に感じさ、ストーリー後半で正体が明らかになりますが、大統領を付け狙う理由を十分に納得させるものででした。

○63歳のクリント・イーストウッド氏は、引退間際の老捜査官ですが、彼方此方懸命に走り回ってくたびれるシーンが、老人ぶりをシッカリ発揮していました。63歳は、映画「ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング」撮影時のトム・クルーズ氏と同じ年齢ですが、トム氏の若々しさと比較すると、到底、同じ年齢とは思えません。イーストウッド氏は年齢より老けて見えるのを実感しました。しかし、令和7年時には95歳に達してまだ元気さを保っていると思われるのが凄いところです。

○如何にも老人っぽい63歳のイーストウッド氏演ずる老捜査官は、レネ・ルッソ氏演ずるやや若い美人捜査官に恋をして艶っぽいシーンが出てきますが、その方面はまだまだ老人ではないと感じさせるものでした。ストーリーにちと不自然な点を感じたのが、映画「許されざる者」ほどの感動を味わえなかった理由ですが、ラストはジョン・マルコビッチ氏演じる敵役にちと同情してしまいました。

映画CM 「ザ・シークレット・サービス」日本版予告編 In the Line of Fire 1993 japanese trailer


友と死すれば則ち良し | ザ・シークレット・サービス | 映画シーン



以上:1,196文字
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R 7- 6- 8(日):”イエス・キリストの生涯”エピソード5~8を観て
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○「”イエス・キリストの生涯”エピソード1~4を観て」の続きです。
令和7年6月7日(土)午後はAmazonPrimeで、2019年製作イギリスTV番組「イエス・キリストの生涯」エピソード5~8を鑑賞しました。上映時間は、各エピソードが42,3分ですので全部で170分程の長さです。AmazonPrimeでの各エピソード毎の説明は以下の通りです。

エピソード5 - ユダ 裏切りの理由
聖書最大の謎の一つとされているユダの裏切り。イエスと弟子たちは、過越の祭りのためエルサレムに戻ってくるのだが、イエスの最も親しい友人だったはずのユダが、なぜ突然イエスを裏切ることになったのか?彼らは最後の晩餐を向かえることとなる。

シーズン1エピソード6 - 総督ピラト 死刑の宣告
ローマ総督ポンティウス・ピラトは、イエスの処遇について決断を迫られる。イエスを処刑すべきだという圧力が高まる中、ある予言的な夢を見たピラトの妻は、翌朝イエスを釈放するよう夫に懇願する。それにより、ピラトはイエスの十字架刑の責任を他の者へ押し付けようとするのだが。

エピソード7 - 目撃者 マグダラのマリア
イエスにより「7つの悪霊」から救われたマグダラのマリア。イエスの弟子として仕えた彼女は、イエスの母親と共に、十字架ではりつけになったイエスを最も近くで見守る。そしてその後、マグダラのマリアはイエスの復活を最初に目撃することとなる。

エピソード8 - 弟子ペテロとイエス
元々素朴な漁師で、イエスの最も献身的な弟子のひとりのペテロ。「岩」というあだ名で呼ばれていた彼は、イエスが捕えられて恐怖に怯え、三度もイエスを否認してしまう。そんな自分に絶望したペテロだったが、福音を広めるようイエスに使命を与えられやっと救われる。


○キリスト教徒では無く、宗教にも全く無関心の私には、レオナルド・ダヴィンチの絵画で有名な「最後の晩餐」の存在は知っていましたが、その内容等、大昔世界史で習った後はスッカリ忘却の彼方でした。しかし、このドラマで、裏切りの代名詞となっている「ユダ」の意味も含めて、そうだったのかと知りました(^^;)。平成21年事務所旅行はイタリアで、どこかで絵画「最後の晩餐」の実物を見た記憶があるのですが、「平成21年事務所旅行第1日目ーローマ到着」から始まる旅行記録には残されていませんでした。撮影禁止だったのかも知れません。

○イエスを逮捕した大祭司カイアファとローマ総督ピラトとのイエスの死刑を巡る確執、イエスを裏切ったユダの最後、死刑になったイエスの復活状況、イタリア旅行で見学した「サン・ピエトロ大聖堂」の由来となったペテロの生涯等このドラマで初めて知りました。ペトロ等イエスの弟子達の布教活動で、イエスの死後キリスト教は急激に広まり、イエス死後300年にはローマ国教になったようです。イエスの教えは汝の敵を愛せよが基本の寛容精神と思われます。しかし、対立する宗派だけで無く同じキリスト教徒の間にも深い分断が生じている現代社会は、イエスの理想とはほど遠い状況になっているのが残念なところです。
以上:1,278文字
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R 7- 6- 7(土):不貞行為第三者に故意・過失がないとして慰謝料請求を棄却した地裁判決紹介
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○原告が、被告は、原告の夫である補助参加人がネイルサロンの客として通ったネイルサロン従業員の被告との交際及び不貞行為に及んだと主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償として、肉体的・精神的苦痛に対する慰謝料600万円及び遅延損害金の支払を請求しました。

○これに対し、仮に、被告が、補助参加人と不貞行為に至らない程度の交際をしていたことが、原告と補助参加人との夫婦共同生活の平穏を害する違法な行為であったとしても、被告には、補助参加人が既婚者であることについて故意・過失がなかったのであるから、被告には、原告に対する不法行為が成立しないため、原告の請求は理由がないとして棄却した令和6年3月26日東京地裁判決(LEX/DB)関連部分を紹介します。

○令和4年8月頃~同年10月6日までの期間について、被告と補助参加人は、不貞行為には至らない程度の交際をしていたことが認められるとしながら、被告は、この補助参加人との交際当時、補助参加人が既婚者であることを知っていたか、これを知らなかったことについて過失があったとはいえないというべきであるとしていますが、裁判官によっては過失を認める微妙な事案です。

○しかし、ネイルサロンとは女性が利用するとばかり思っていましたが、男性も利用していたのには驚きました。

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主   文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、600万円及びこれに対する令和4年11月1日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は、原告が、被告は、令和4年7月頃~同年10月6日、原告の夫である補助参加人との交際及び不貞行為に及んだと主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償として、肉体的・精神的苦痛に対する慰謝料600万円及びこれに対する不法行為の後の日である同年11月1日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

第3 前提事実
 当事者間に争いがないか、文中掲記の証拠(主なものを掲記しており、認定の根拠は掲記した証拠に限られない。以下同じ。)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が容易に認められる。
1 当事者等
(1)原告(昭和50年生)と補助参加人(昭和48年生)は、平成12年3月26日に婚姻した夫婦である。原告と補助参加人との間には、長男(平成14年生)、長女(平成15年生)及び二女(平成20年生)がいる。(甲1)
 原告と補助参加人との婚姻関係は、遅くとも令和4年10月6日には破綻し(同日以前から破綻していたかについては、後記のとおり争いがある。)、補助参加人は、同月17日、自宅を出て原告との別居を開始した(原告本人10~11頁)。

(2)被告(平成3年生)は、東京都内のネイルサロン(以下「本件ネイルサロン」という。)においてネイリストとして勤務する者である(乙1)。

2 経過

     (中略)

第5 当裁判所の判断
1 認定事実

 前提事実、文中掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
(1)被告と補助参加人は、令和2年7月頃、補助参加人が顧客として本件ネイルサロンを利用し始めたことにより知り合った。補助参加人は、同月に被告から初めて施術を受けた際、被告に対し、自身が婚姻しており、子らがいることを話した(証人補助参加人12~13頁、被告本人2頁)。

(2)補助参加人は、その後も、本件ネイルサロンに通っていた。補助参加人は、令和2年11月頃、又は、令和3年の終わり頃~令和4年初め頃、被告から施術を受けている際、被告に対し、離婚したと虚偽の事実を述べた。(証人補助参加人1~2、28頁、被告本人2~3頁)

(3)補助参加人は、令和4年4月頃、被告を誘い、被告及び本件店舗の別の従業員1名と食事をした(被告と補助参加人が本件店舗の外で会うのはこれが初めてであった。)(被告本人3~4頁)。

(4)補助参加人は、令和4年7月、被告に対し、交際を申し込んだ。被告は、補助参加人とは本件店舗の客として接していて恋愛対象としてみることができなかったため、直ちにこれを受入れられなかったが、同年8月下旬から、補助参加人との交際を開始した。(証人補助参加人30頁、被告本人4~5頁)

(5)被告と補助参加人は、交際開始後、週に3回程度会っていた。補助参加人は、被告との交際開始から令和4年10月6日までの間、被告を勤務先から自宅近くまで車で送迎したり、被告と以下のようなことをしたりしていた(いずれも日帰りであった。)。
ア 同年9月2日 宝飾品販売店(b)で指輪を購入した。
イ 同月6日 dに行った。
ウ 同月20日 aに行った。
エ 同年10月5日 補助参加人が、被告の首筋にキスをした。
(以上につき、甲6、7、証人補助参加人30~32頁、被告本人7、14~15頁)

(6)原告は、令和4年10月6日、補助参加人のスマートフォンを見たところ、補助参加人と被告とのLINEのやり取り(前記(5)ア~エの際に撮影された写真等のやり取り)を発見し、補助参加人と被告が不貞行為に及んでいるのではないかと考えた。原告は、これにより補助参加人との離婚を決意し、遅くとも同日、原告と補助参加人との婚姻関係は破綻した。また、原告が、同日、補助参加人に対し、被告との交際や不貞行為の有無について問い質したところ、補助参加人は、同年8月下旬頃から被告と交際しているが、不貞行為には及んでいないと答えた。(甲8、原告本人6、7、9~11頁)

(7)被告と補助参加人は、令和4年10月8日~同月9日、ホテルに宿泊し、肉体関係を持った(被告本人15~16頁)。

(8)補助参加人は、令和4年10月17日、被告に対し、実は補助参加人が離婚していないことを打ち明けた。被告は、婚姻中で家族のいる者とこれ以上一緒にいることはできないと考え、同日、補助参加人に別れを告げ、補助参加人との交際を終了した。(乙1、被告本人6頁)

(9)補助参加人は、令和4年10月17日、自宅を出て原告との別居を開始した。被告は、その数日後、補助参加人から自宅を出た旨を聞いたところ、原告と補助参加人との婚姻関係は既に破綻しているから、補助参加人と交際することは問題がないと考え、補助参加人との交際を再開した。(原告本人8頁、被告本人16~18頁)

2 争点1(令和4年7月頃~同年10月6日、被告と補助参加人との間に不貞行為があったか)について
(1)原告は、被告と補助参加人が、〔1〕令和4年8月29日、aに行ったこと、〔2〕同年9月2日、宝飾品販売店に行ったこと、〔3〕同月6日及び同月10日、dに行ったこと、〔4〕同月20日、aに行ったことなどから、同年7月頃~同年10月6日、被告と補助参加人との間に不貞行為があったと主張する。

(2)そこで検討すると、認定事実(5)のとおり、原告の主張する前記(1)〔1〕~〔4〕のうち、被告と補助参加人が、いずれも日帰りで、〔2〕令和4年9月2日、宝飾品販売店(b)で指輪を購入したこと、〔3〕同月6日、dに行ったこと、〔4〕同月20日、aに行ったことが認められる。

 しかしながら、これらは、被告と補助参加人が日帰りで出掛けたという事実にすぎず、被告と補助参加人が不貞行為に及んだことを直ちに推認させるものとはいえない。
 また、上記事実に加え、認定事実(5)の他の認定事実を考慮しても、被告と補助参加人は、同年8月下旬~同年10月6日、不貞行為には至らない程度の交際をしていたことが認められるにとどまるものというべきである。


 したがって、同年7月頃~同年10月6日、被告と補助参加人との間に不貞行為があったとは認められない。

(3)なお、原告は、前記(1)〔1〕の事実を立証する証拠として、写真(甲6の〔12〕)を提出する。しかし、この写真には被告しか写っておらず、被告が、令和4年8月29日、両親とaに行った際に撮影されたものと考えられるから(被告本人5~6頁)、原告が主張する事実は認められない。

 また、原告は、前記(1)〔3〕のうち、同年9月10日、dに行ったことを立証する証拠として、写真(甲6の〔15〕)を提出する。しかし、この写真に写っている被告と補助参加人の服装が、同月6日に撮影された別の写真(甲6の〔14〕)に写っている被告と補助参加人の服装と共通点があることからすると(被告本人14頁),同日に撮影された可能性が否定できず、原告が主張する事実は認められない。
(なお、仮に、上記各事実が認められたとしても、被告と補助参加人が、同年8月下旬~同年10月6日、不貞行為には至らない程度の交際をしていたことが認められるにとどまるという前記(2)の認定判断は左右されない。)

3 争点2(令和4年7月頃~同年10月6日当時、原告と補助参加人との婚姻関係が破綻していたか)について
 被告は、令和4年7月頃~同年10月6日当時、原告と補助参加人との婚姻関係は破綻していたと主張する。 

 しかし、認定事実(9)及び証拠(甲6、8)によれば、原告と補助参加人は、同年10月17日まで同居しており、同年だけをみても、同年3月26日に結婚記念日を祝ったこと、同年○月○○日に長男の誕生日を祝ったこと、同年5月4日~同月5日に旅行に行ったこと、同年○月○○日に原告の誕生日を祝ったこと、同年○月○○日に補助参加人の誕生日を祝ったこと、同年8月13日~同月15日に旅行に行ったこと、同月20日にレストランで食事をするなどしたことが認められ、これらの事実を総合考慮すれば、同年7月頃~同年10月6日当時、原告と補助参加人との婚姻関係は破綻していたとは認められない。

4 争点3(被告の故意・過失)について
(1)原告は、被告が、補助参加人と交際していた当時(令和4年8月下旬~同年10月6日)、補助参加人が既婚者であることを知っていたか、これを知らなかったことについて過失があったと主張する。

(2)しかし、
〔1〕被告は、補助参加人との交際を開始する前、本件店舗の客であった補助参加人から、離婚したと聞かされていたこと(認定事実(2))、
〔2〕被告と補助参加人との上記交際期間は、2か月にも満たない短期間のものであったこと、
〔3〕本件全証拠をみても、その交際中、被告において補助参加人が婚姻していることをうかがわせるような事情があったとは認められないこと、
〔4〕被告が、令和4年10月17日、補助参加人から実は離婚していないことを打ち明けられたところ、婚姻中で家族のいる者とこれ以上一緒にいることはできないと考え、補助参加人に別れを告げ、補助参加人との交際を終了したこと(認定事実(8))
からすると、被告は、上記の補助参加人との交際当時、補助参加人が既婚者であることを知っていたか、これを知らなかったことについて過失があったとはいえないというべきである。

(3)これに対し、原告は、〔ア〕被告が補助参加人に対して婚姻の有無等を聞かなかったこと、〔イ〕補助参加人が原告と同居していた自宅に帰っていたにもかかわらず、そのことを尋ねなかったことからすると、被告には、補助参加人が既婚者であることを知らなかったことについて過失があったと主張する。

 しかしながら、上記〔ア〕についてみると、前記(2)〔1〕のとおり、被告は、補助参加人との交際を開始する前に、補助参加人から離婚した旨を聞かされていたのであるから、交際を開始した後に改めてその点を確認しなかったからといって、被告に過失があったとはいえない。

 また、上記〔イ〕の主張は趣旨が判然としないが、補助参加人が、被告との交際を開始した後、必ず自宅に帰っていたからといって、それ自体不自然ではないから(少なくとも、交際開始から2か月も経たない時期においては何ら不自然ではない。)、自宅に帰る理由を尋ねなかったからといって、被告に過失があったとはいえない。
 したがって、原告の上記主張は採用することができない。

5 小括
 以上によれば、仮に、被告が、令和4年8月下旬~同年10月6日、補助参加人と不貞行為に至らない程度の交際をしていたことが、原告と補助参加人との夫婦共同生活の平穏を害する違法な行為であったとしても、被告には、補助参加人が既婚者であることについて故意・過失がなかったのであるから、被告には、原告に対する不法行為が成立しない。

6 まとめ
 よって、その余の争点について検討するまでもなく、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第15部 裁判官 三田健太郎

以上:5,225文字
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R 7- 6- 6(金):プーチン大統領の安倍元首相妻昭恵氏招待の評価について
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○令和7年5月30日、安倍元首相妻安倍昭恵氏がロシアのプーチン大統領から招待されて面談をしている様子が報じられました。これについて、親ロシア派、反ロシアは双方から色々意見が出されているようです。どちらかというと反ロシア派である私は、安倍昭恵氏は老獪なプーチン氏に利用されているとの感想でした。プーチン氏の老獪さは、あのトランプ大統領を手玉に取っている状況から明らかです。トランプ大統領のプーチン氏に対する弱腰ぶりは、何か弱みでも握られているのではとの憶測もあるようです。

○以下、親ロシア派代表とも言える佐藤優氏のコラムと、おそらく常識的一般論と思われる元ロシア特命全権大使上月豊久東海大学教授のコラムを紹介します。佐藤優氏は、プーチン氏の安倍昭恵氏招待は、日本がロシアに対する制裁を解除するならば、平和条約交渉を再開することができるという意味であり、日本政府はプーチン氏の呼び掛けに反応すべきで、トランプ米大統領による東アジア地域の帝国主義的再編において、ロシアとも部分的に協力しつつ、日本の国益の極大化を図るべきだと主張しています。これに対し、上月豊久氏は、プーチン大統領が先月、故安倍晋三元首相夫人の昭恵さんをクレムリン(大統領府)に招いたことについては「日ロ関係に与える影響は最小限。大騒ぎする必要はない」と述べています。

○日本がトランプ大統領・プーチン大統領と組むべきだとの主張には、流石に抵抗があります。プーチン大統領は正に現代の独裁者で、トランプ大統領も独裁者になりつつあるからです。

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【佐藤優コラム】プーチン大統領×安倍昭恵さん会談を裏読み 日ロ平和条約締結のメッセージ
東スポWEB2025年6月5日11:30


 5月29日、モスクワでプーチン大統領が安倍昭恵氏(故安倍晋三元首相の妻)と面会した。

 この会談は、ロシアのテレビ、新聞などで大きく報じられた。筆者が注目しているのは、会談がモスクワ郊外のプーチン氏の別荘ではなく、クレムリンの外国代表団との公式会見で使われる会議室で行われたことだ。昭恵氏との会談が、純然たる個人的性格のものではなく、日本政府に対するメッセージでもあったことを示唆するものだ。

 このタイミングでプーチン氏が昭恵氏との会談に踏み切ったのには、戦略的思惑がある。ロシア・ウクライナ戦争が、ほぼロシアの思惑を満たす形で終結するという感触をプーチン氏が得ていることが最大の要因と思う。

 アメリカが仲介する停戦交渉で、ロシア軍が現在実効支配するウクライナ領の現状が追認され、NATOにウクライナが加盟しないという条件が満たされるとプーチン氏が認識しているのだ。ロシアは西(ヨーロッパ)と東(アジア)の双方にまたがるユーラシア帝国だ。

 ウクライナという西方面での紛争に目処がつけば、東方面での攻勢に出るのは必然的な動きだ。東方面では、G7の一員で、アメリカの軍事同盟国であるにもかかわらず、ウクライナに殺傷能力を持つ装備品を提供せず、ロシアからLNG(液化天然ガス)の輸入を続けている日本は、プーチン氏にとって関係改善が容易な国なのである。

 プーチン氏は、昭恵氏に「彼(晋三氏)の夢は両国間の平和条約であり、彼は誠実に取り組んでいた。私たちはこの道で真剣に前進してきた」(5月30日「朝日新聞デジタル」)と述べ、現在もロシアには日ロ平和条約を締結する意図があることを示唆した。

 平和条約締結の前提は、北方領土に関する帰属の問題を解決することだ。プーチン氏が「現在は状況が異なり、今は(この点については)話さない」(同上)と述べていることは、日本がロシアに対して制裁を課している状況では平和条約交渉は出来ないという意味だ。

 裏返して言うと、日本がロシアに対する制裁を解除するならば、平和条約交渉を再開することができるという意味だ。日本政府はプーチン氏の呼び掛けに反応すべきだ。そして、トランプ米大統領による東アジア地域の帝国主義的再編において、ロシアとも部分的に協力しつつ、日本の国益の極大化を図るべきだ。


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ウクライナ侵攻継続は「ロシア衰退の道」 経済成長維持に課題―上月前大使
時事通信 外信部2025年06月05日20時31分配信


 上月豊久前駐ロシア大使は5日、オンライン記者会見で、ウクライナ侵攻を続けるロシアが、中長期的に労働力不足などの国内問題に直面するとの認識を示した。長期化する侵攻が「孤立と衰退への道になり得る」と語った。

プーチン氏、ウクライナに報復明言 空軍基地へのドローン攻撃で―米ロ首脳が電話会談

 上月氏は、ロシア経済が当面、軍需主導で高い成長を続けると予想。一方、戦争の長期化で兵士動員に伴う労働力減少やインフラ投資不足が、経済状況の悪化をもたらす可能性があると述べた。

 ロシアの対外関係を巡っては、ラブロフ外相が2022年2月の侵攻開始から23年11月までに外国関係者と行った366回の会談のうち「西側諸国とはわずか20回だった」と指摘。グローバルサウス(新興・途上国)を重視する外交姿勢が鮮明になったと分析した。

 プーチン大統領が先月、故安倍晋三元首相夫人の昭恵さんをクレムリン(大統領府)に招いたことについては「日ロ関係に与える影響は最小限。大騒ぎする必要はない」と説明。「日本側に義理堅い人物だと思わせる意図があったのではないか」との見方を示した。
以上:2,285文字
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R 7- 6- 5(木):配偶者居住権を認めた家裁審判紹介
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○判例時報令和7年6月1日号に配偶者居住権を認めた家裁審判例が掲載されていました。配偶者居住権は令和○年家族法改正で認められた権利で、その判例を初めて見ました。令和5年6月14日福岡家裁審判(判時2620号54頁、判タ1519号252頁)で、関連部分を紹介します。

○申立人が、被相続人が死亡し、本件遺産分割の当事者は、申立人(被相続人の養子)及び相手方B(被相続人の妻)及び同C(被相続人と相手方Bとの間の子)の3名であるとして、遺産分割を申し立てしました。

○福岡家裁審判は、相手方Bは、被相続人の配偶者であり、相続開始の時に本件不動産に居住していたところ、本件遺産のうち、本件各建物について配偶者居住権の取得を希望し、配偶者居住権が設定された本件各建物の取得を了解しており、相手方Bの受ける不利益の程度を考慮してもなお、配偶者である相手方Bの生活を維持するために特に必要があると認められることから、遺産分割の方法としては、相手方Bに本件各建物につき存続期間を同人の終身の間とする配偶者居住権を取得させ、相手方Cに本件不動産の所有権を取得させるのが相当としました。

○さらに、相手方Bが預金を引き出し、その残金である本件現金を保管していることなどを勘案すると、本件預金及び本件現金について相手方Bに取得させ、申立人に対し約264万円、相手方Cに対し約94万円の代償金を支払うことが相当であるとしました。

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主   文
1 被相続人の遺産を次のとおり分割する。
(1)相手方Cは,別紙1遺産目録記載1の土地,同記載2及び3の建物を取得する。
(2)相手方Bは,別紙1遺産目録記載2及び3の建物につき,存続期間を相手方Bの終身の間とする配偶者居住権を取得する。
(3)相手方Bは,別紙1遺産目録記載4及び5の預金並びに同記載6の現金をいずれも取得する。

(1)相手方Bは,申立人に対し,前項(2)及び(3)の遺産を取得した代償として,263万6737円を支払え。
(2)相手方Bは,相手方Cに対し,前項(2)及び(3)の遺産を取得した代償として,94万0738円を支払え。
3 相手方Cは,相手方Bに対し,別紙1遺産目録記載2及び3の建物につき,第1項(2)記載の配偶者居住権を設定する旨の登記手続をせよ。
4 手続費用は,各自の負担とする。

理   由
 本件記録に基づく当裁判所の事実認定及び法律判断は,以下のとおりである。

第1 相続の開始,相続人及び法定相続分
1 被相続人は,令和2年*月*日に死亡し,相続が開始した。
2 その相続人は,妻である相手方B,被相続人と相手方Bとの間の子である相手方C,相手方Bの子で,被相続人の養女・養子である申立人及び排除前相手方であったところ,排除前相手方が自己の相続分を申立人に譲渡して本件手続から排除されたことにより,本件遺産分割の当事者は,申立人及び相手方らの3名である。
3 以上により,相続分は,相手方Bが2分の1,申立人が6分の2,相手方Cが6分の1である。

第2 遺産の範囲,評価等
1 本件記録によれば,別紙1遺産目録(以下「遺産目録」という。)記載1の土地(以下「本件土地」という。),同2の建物(以下「本件建物2」という。)及び同3の建物(以下,本件建物2と併せて「本件各建物」といい,本件土地と本件各建物を併せて「本件不動産」という。)並びに同4及び5の預金(以下,併せて「本件預金」という。)は,被相続人の遺産であることは,当事者間の合意があり,本件記録によっても認められる。
 また,遺産目録記載6の現金(以下「本件現金」という。)は,相手方Bが,遺産目録記載4の預金を引き出し,葬儀費用や相続財産の管理費用等として費消したものの残額であり,相手方Bが保管している。当事者全員の合意があるので,本件遺産分割手続においてこれを被相続人の遺産に含めて分割することとする。

2 本件不動産の評価額(相続開始時,分割時),本件預金の評価額(残高)及び本件現金の評価額(金額)が遺産目録の「金額(円)」欄に各記載のとおりであることは,当事者間の合意があり,本件記録によっても認められる。
 また,当事者全員は,本件における配偶者居住権の評価について,次のとおりの簡易な評価方法により,188万6241円とすることを合意した。同合意を不当と認める特段の事情はない。
(1)本件土地及び本件建物2の合計現在価額 356万4660円
(2)負担付本件各建物所有権の価額 法定耐用年数超過により0円
(3)負担付本件土地所有権の価額
【本件土地の現在価額】225万5940円×【83歳女性の簡易生命表上の平均余命10年を存続期間とするライプニッツ係数】0.744=約167万8419円(1円未満切捨て)
(4)配偶者居住権の価額
【上記(1)】356万4660円-(【上記(2)】0円+【上記(3)】167万8419円)=188万6241円

3 相手方Bは,本件不動産において,被相続人の生前,被相続人と同居していたものであり,現在も本件不動産に単身で居住している。

第3 排除前相手方の特別受益等
1 相手方Bの主張

 被相続人は,本件不動産からの住み替えを計画し,別紙2物件目録(以下「物件目録」という。)記載1の土地(以下「Fの土地」という。)を購入して同所に自宅(以下「Fの建物」といい,Fの土地と併せて「Fの不動産」という。)を建築することとした。被相続人は,この際,住宅メーカーの担当者の勧めで税制の優遇措置等を考慮して排除前相手方名義で住宅ローンを組むことにし,当時,排除前相手方が負っていた物件目録記載2のマンション(以下「Gのマンション」という。)の残ローンの返済資金やFの不動産の購入・建築資金として合計4000万円を交付するなどした。しかし,排除前相手方は,交付された金員のうち約900万円を被相続人に無断で所有する物件目録記載3のマンション(以下「Hのマンション」という。)のローン返済に充て,Fの建物の建築費が増大したことを受けて被相続人に追加で金銭の交付を求め,Fの不動産の所有権を主張するなどした。このため,被相続人と排除前相手方との信頼関係が失われ,被相続人は,排除前相手方やその妻からの申入れを受け,Fの不動産を2600万円で排除前相手方に譲渡し,その後,残りの1400万円について一切返還を求めなかった。被相続人の死後,これを知った申立人は,排除前相手方からの金員の回収を企図して弁護士に相談をしたが,相手方Bは排除前相手方から金員を回収する意向はなかった。

 上記経緯に照らせば,被相続人が交付した金員のうち,排除前相手方のマンションのローン返済に充てられた合計3720万円について生前贈与と評価することができる。仮に,これが認められなかったとしても,被相続人が排除前相手方に4000万円を交付し,その後,排除前相手方から被相続人に2600万円が支払われた経緯に加え,被相続人が排除前相手方に対し,差額の1400万円の返還を求めなかったことからすれば,差額である1400万円相当は排除前相手方に対する贈与であったと評価すべきであるし、贈与でなかったとしても共同相続人間の公平の観点から特別受益があったとすべきである。仮に,1400万円の特別受益が認められなかったとしても,被相続人は,排除前相手方との間で養子縁組の解消又は遺留分放棄を求めることを検討し,少なくとも排除前相手方が被相続人に無断でHのマンションのローン返済に充てた900万円について排除前相手方への遺産の先渡しとして扱いたい意向を有していたことからすれば,同額について特別受益が認められるべきである。

2 申立人の主張
 被相続人が排除前相手方に1400万円を贈与した事実は否認する。 
 相手方Bの主張する事実関係を前提にしても,被相続人は,排除前相手方に対し,1400万円の債権を有しているというにすぎず,相手方Bも,相続開始後,被相続人が排除前相手方に対する金銭債権を有することを前提にその回収について申立人に相談していたのであり,被相続人が排除前相手方に対する債務の免除や放棄をしていない以上,被相続人の排除前相手方に対する債権は,当然に法定相続分に応じて各相続人が相続するにすぎない。したがって,排除前相手方に対する特別受益には当たらない。

3 認定事実

     (中略)

4 検討
 前記3のとおり,被相続人は,排除前相手方に対して,被相続人夫婦が居住するためのFの不動産を取得・建築するための費用として4000万円を預けたものの,その後,排除前相手方との関係が悪化したため,対応について検討の上,2600万円の支払を受けるのと引換えにFの不動産を実質的にも排除前相手方に取得させているところ,平成24年2月の本件合意書作成時,残り1400万円の返還について言及しなかったばかりか,その後も一切返還を求めていない。

上記経緯に照らせば,被相続人は,この頃には排除前相手方の1400万円の返還債務を免除する旨の黙示の意思表示をしたものと推認され,これは相続分の前渡しとしての生計の資本の贈与と同視することができ,排除前相手方には,上記返還債務相当額の特別受益があると認めるのが相当である。なお,被相続人の死後,申立人等が上記1400万円の回収について検討したことがあったとしても,被相続人が,上記債務の免除をしていないことを裏付ける事情とはいえず,上記認定を左右しない。

 相手方Bは,前記1のとおり,排除前相手方がGのマンション及びHのマンションの返済に充てた合計3720万円について生前贈与と評価されるとも主張するが,前記のとおり,被相続人は,Fの不動産の取得のために排除前相手方に金員を交付したにすぎないことからすれば,排除前相手方がこれを所有する各マンションのローンの返済に充てたとしても,生計の資本としての贈与と評価することはできず採用できない。

 以上から,排除前相手方は,特別受益として1400万円の限度で持ち戻すことになり,申立人は,これを前提とする相続分の譲渡を受けたこととなる。

第4 相続分及び取得分の算定
1 具体的相続分

 遺産目録記載の各遺産の相続開始時の評価額合計は2047万1688円であり,排除前相手方に1400万円の特別受益が認められることから,みなし相続財産の評価額は3447万1688円となる。
 以上から,当事者等の具体的相続分は,以下のとおりとなる。

(1)相手方B 1228万3012円
(計算式)
ア 具体的相続分
【みなし相続財産】3447万1688円×【法定相続分】2分の1=1723万5844円
イ 超過特別受益等(後記(3))負担後の相続分
1723万5844円-{825万4719円×1723万5844円÷(1723万5844円+574万5281円+574万5281円)}=約1228万3012円(1円未満切捨て)

(2)申立人及び相手方C 各409万4338円
(計算式)
ア 具体的相続分
【みなし相続財産】3447万1688円×【法定相続分】6分の1=約574万5281円(1円未満切捨て)
イ 超過特別受益等(後記(3))負担後の相続分
574万5281円-{825万4719円×574万5281円÷(1723万5844円+574万5281円+574万5281円)}=約409万4338円(1円未満切り上げ)

(3)排除前相手方 0円
(計算式)
具体的相続分
【みなし相続財産】3447万1688円×【法定相続分】6分の1-1400万円=約-825万4719円(1円未満切り上げ)

2 具体的取得分
 そして,遺産目録記載の各遺産の分割時の評価額合計が1318万3682円であることから,当事者の具体的取得分は,以下のとおりとなる。
(1)相手方B 791万0208円
(計算式)
【分割時の遺産総額】1318万3682円×(【具体的相続分】1228万3012円÷【相続開始時の遺産総額】2047万1688円)=約791万0208円(1円未満切捨て)

(2)申立人及び相手方C 各263万6737円
(計算式)
【分割時の遺産総額】1318万3682円×(【具体的相続分】409万4338円÷【相続開始時の遺産総額】2047万1688円)=約263万6737円(1円未満切り上げ)

第5 分割の方法
1 当事者の取得希望等

 相手方Bは,本件各建物につき存続期間を相手方Bの終身の間とする配偶者居住権を取得し,今後とも本件不動産に居住することを希望している。相手方Cは,配偶者居住権が設定された本件各建物を取得することを了解している。申立人は,本件不動産の取得を希望しておらず,相続分を金銭で取得することを希望している。

2 分割
 前記のとおり,相手方Bは,被相続人の配偶者であり,相続開始の時に本件不動産に居住していたところ,本件各建物について配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出ており,相手方Bは,配偶者居住権が設定された本件各建物の取得を了解している。そうすると,相手方Bの受ける不利益の程度を考慮してもなお,配偶者である相手方Bの生活を維持するために特に必要があると認められる。したがって,相手方Bに本件各建物につき存続期間を同人の終身の間とする配偶者居住権を取得させ,相手方Cに本件不動産の所有権を取得させるのが相当である。また,相手方Bが本件預金を引き出し,その残金である本件現金を保管していることなどを勘案すると,本件預金及び本件現金について,相手方Bに取得させるのが相当である。

 上記を前提にすると,相手方Bの取得分は1148万7683円(=【配偶者居住権】188万6241円+【本件預金】合計1442円+【本件現金】960万円)となり,その具体的取得分を357万7475円(=【取得分】1148万7683円-【具体的取得分】791万0208円)超過することになり,申立人に対し263万6737円,相手方Cに対し94万0738円{=【具体的取得分】263万6737円-【配偶者居住権控除後の本件不動産】(358万2240円-188万6241円)}の代償金を支払うことになるが,相手方Bは,本件現金を取得するので,代償金を支払う能力があると認められる。

第6 結論
 以上のとおりであり,手続費用は各自の負担とするものとして,主文のとおり審判する。
(裁判官 冨田美奈)

別紙 1 遺産目録〈省略〉
2 物件目録〈省略〉
以上:5,945文字
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R 7- 6- 4(水):初めての国立博物館見学-蔦屋重三郎特別展等
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○令和7年6月1日(日)は、午前11時頃、ホテルメトロポリタン川崎をチェックアウトして東海道線で東京駅に行き、地下1階の荷物預かり所にフラメンコギターとスーツケースを預けて身軽になったところで、タクシーで上野にある国立博物館に向かいました。東京駅地下1階の荷物預かり所前のコインロッカーを良く利用しようとしますが、いつも全て塞がっており殆ど利用できず、奥の荷物預かり所に預けることになります。前回の東京駅行きで、荷物預かり所は地下1階より地上1階の方が混んでいないことに気付いたのですが、スッカリ忘れて、地下1階の方に長い時間並んで預けました。それにしても東京駅はいつも凄い混雑です。

○上野駅から徒歩で国立博物館に行くのは道が判らず大変だろうと思ってタクシーで行ったのですが、上野駅近辺に着くと多くの車で渋滞して時間がかかり、上野駅から徒歩で行った方が正解でした。上野駅の上野公園出口前に上野公園が広がり、国立博物館・美術館等各施設に行く案内版が彼方此方に立っており、案内版に従って簡単に行けることが判ったからです。国立博物館入り口付近でタクシーを降りると、入館チケット購入ため長い行列ができていました。ここでも兎に角東京はどこも凄い混雑だと実感しました。チケット購入するだけで30分程待たされそうでした。

○チケット購入の列に並び5分ほど経った時点で、行列整理スタッフに身体障害者手帳を示して、チケットには身体障害者割引があるのですかと質問すると、身体障害者は無料で、直ぐに入場できますと入場門に案内され、待たされること無く入場でき、身体障害者手帳の有り難さを実感しました。国立博物館は、初めて訪れましたが、本館の外に平成館・東洋館等複数の建物があり、敷地が相当広いのに驚きました。蔦屋重三郎特別展は平成館で開催されているとのことで、そこに向かうと入口から数十メートルの長い入場者行列ができており、入場するだけで30分以上待たされました。ここでも東京の混雑を実感しました。

○入場待ち行列の入口近くになると、係員が鑑賞に当たって撮影禁止等の説明をしてくれて、ようやく入場すると、内部の人の群れの多さに仰天しました。展示物の前に長い行列ができており、且つ、進行が遅くてその流れに沿っての鑑賞では時間がかかりすぎると思い、行列に入らず鑑賞しましたが、展示物に近づけず人の背の高さより上の展示物しか鑑賞できません。これほどの混雑は全く想定外でした。何故こんなに人が多いのかと見渡すと、半分以上外国人が居るように感じました。以前、大阪見物に行ったときも有名観光場所に外国人が溢れており、ここでも外国人旅行者の多いことを実感しました。日本人でも展示物のすぐ前には高齢の方が多く並んで展示物を入念にじっくり観察しているようで、なかなか進行しません。私も高齢者の1人ですが、東京にはヒマな高齢者がいっぱいいるようです(^^;)。

○蔦屋重三郎特別展の平成館は人の波で溢れじっくり観察できず消化不良のまま出て、本館に入ると、こちらでも歴史特別展が開催されていましたが、平成館ほどの混雑は無く、じっくり鑑賞できました。本館は展示会場が2階まであり、相当の広さです。展示物一つ一つをじっくり鑑賞するには一日かかると思いました。本館・平成館の外に東洋館・法隆寺宝物館・表慶館・黒田記念館・資料館等建物があるようですが、とてもそちらまで行く気になれず、本館を観て帰路につきました。国立博物館だけでも全部をじっくり見るには一日では足りません。上野公園近辺には博物館の外に美術館・科学博物館等施設がいっぱいあり、鑑賞施設に事欠かないようです。
以上:1,500文字
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