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婚姻破綻を信じたことに過失がないとして責任を否認した地裁判決紹介

○第三者が、他人の配偶者と不貞行為に及んでも,その配偶者と他人の婚姻関係が破綻していたときは,第三者は、特段の事情のない限り,不法行為責任を負うことはないとされており、その婚姻関係の破綻を過失なく信じていた場合も、第三者は責任を負わないとされています。

○原告が、その元配偶者と不貞関係にあったとして被告に330万円の慰謝料請求をした事案について、元配偶者と被告の性関係があったとしても、被告が,原告と元配偶者のの婚姻関係が破綻していると信じたことについて過失はないとして、原告の請求を棄却した平成31年1月29日東京地裁判決(ウエストロー・ジャパン)全文を紹介します。

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主   文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は,原告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求

1 被告は,原告に対し,330万円及びこれに対する平成30年3月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 仮執行宣言

第2 事案の概要
1 事案の要旨

 本件は,原告が,①同人の配偶者であった訴外A(以下「A」という。)が,被告と不貞行為に及び,②その結果,原告とAが離婚に至ったことについて,被告に不法行為が成立するとして,被告に対し,民法709条に基づき,損害合計330万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日である平成30年3月18日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

2 前提事実(当事者間に争いがないか,掲記した証拠等により容易に認められる事実。なお,枝番のある証拠は特に断らない限り,その全てをいう。以下同じ。)
(1) 当事者等
ア 原告は,昭和59年○月○日生まれの男性であり,平成24年12月2日に,A(昭和51年○月○日生)と婚姻し,平成29年11月24日離婚した。なお,同人らの間に子はいない。(甲1)
イ 被告は,茨城県潮来市在住の男性である。なお,被告は,現在の住所地に転居する前は,茨城県神栖市に住んでいた。なお,原告と被告との間に面識はない。(争いがない事実のほか弁論の全趣旨)
ウ Aは,「a」という名称のスナックを開業していた。(甲11,乙1)

(2) 原告らの別居及び被告とAとの肉体関係
ア Aは,平成29年7月頃,原告宅を出て,被告が賃借しているアパートに移り住んだ。
イ 被告は,平成29年8月頃,Aと少なくとも2回ほど肉体関係を持った。(以上の各事実は争いがない)

3 争点
(1) 被告とAとの不貞行為の有無及び過失の存否
(2) 婚姻関係破綻の有無又は被告が原告とAとの婚姻関係が破綻していると信じたことについて過失がないといえるか(抗弁)
(3) 原告の損害

第3 争点に対する当事者の主張
1 争点(1)(被告とAとの不貞行為の有無及び過失の存否)について

(原告の主張)
(1) 被告は,Aと遅くとも平成29年5月頃から,不貞関係を結ぶようになった。

(2) 上記(1)の事実は以下の事実からも明らかである。
ア Aは,平成28年11月頃,原告の出資によりa店を開業していたところ,平成29年5月頃から,帰りが徐々に遅くなりはじめ,午前4時,5時を過ぎることもあった。原告が不審に思い,Aに誰とアフター(a店の営業時間終了後に顧客と飲食等をすることをいう。以下同じ。)しているか聞いても,同人は明確に回答しなかった。
 また,原告とAは,6月27日の交際開始日を記念日としているところ,原告がAに今年のお祝いをどうするか聞いても,乗り気のない返事をしていた。原告は,品川プリンスホテルを予約していたが,Aは直前で行きたくないと言い出し,キャンセルとなった。

イ Aは,平成29年6月27日の記念日以降,朝帰りや帰宅しない日が増え,7月上旬には自宅を出ていき,被告が賃借しているアパートに移り住んだ。

ウ Aは,同年6月には,1日に何度も被告に電話していた。また,Aは,被告に対し,a店において,特別な食事を提供したり,被告とだけアフターに出るなどしていた。

(3) 故意又は過失
ア 被告は,Aとa店で知り合ったところ,同店は,原告がオーナーであり,たびたび顔を出しており,店の従業員はAが原告の妻であることを知っていた。そのような状況で,被告は,a店の従業員に対し,原告からAを奪ってやると発言しており,被告はAに配偶者がいることを知っていた。また,被告は,平成29年9月上旬頃にAに配偶者がいることを知りながら,その後も同棲生活を続けており,原告の婚姻共同生活の維持又は法的保護に値する権利を侵害した。

イ 仮に,被告がAに配偶者がいることを知らなかったとしても,Aが被告の自宅に移り住む際,これまでの生活環境等を確認するのが通常であり,確認すれば容易にAに配偶者がいることを知り得たのであり,被告がその当時離婚調停中であることからしても,被告にはAに配偶者がいることを知らなかったことについて過失がある。

(被告の主張)
(1) 被告は,平成29年3月頃,Aが経営していたa店に来店し,同人と知り合い,徐々に好意を持つようになったところ,同年7月頃に,被告が神栖市所在のアパートに引っ越した頃,Aもそこに潜り込んできたのである。

(2) その後,被告は,同年8月頃,Aと2回ほど肉体関係を持ったが,その頃,被告は,Aに配偶者がいるとは認識していなかった。

(3) 原告は,被告がAを原告から奪ってやると発言したと主張するが,そのような事実はないし,Aに配偶者の存在を感じさせる言動はなく,被告がAに配偶者がいると知らなかったことについて過失はない。

2 争点(2)(婚姻関係破綻の有無又は被告が原告とAとの婚姻関係が破綻していると信じたことについて過失がないといえるか)について
(被告の主張)
 被告は,平成29年9月上旬頃,Aに配偶者がいると聞いたが,その際,Aから,「うちは家政婦みたいなもの。旦那は家にいないし,しょっちゅう朝帰り。2年以上夫婦関係もない。旅行に行っても夜は別行動。離婚の話は何回もしている。」と聞いたのであり,少なくとも,被告は,原告とAとの婚姻関係が破綻していると過失なく信じていた。

 (原告の主張)
 被告の主張は否認する。
 原告とAは,別居直前までAの誕生日のお祝いをどうするか相談するなど良好な関係にあったし,平成29年4月末頃には一緒に鹿児島旅行に出かけるなどしており,破綻の事実はない。

3 争点(3)(原告の損害)について
(原告の主張)
 被告の不貞行為により原告は以下の損害を被った。
(1) 慰謝料 300万円
 被告とAの不貞行為は半年間に及びさらに被告は,別居先をAに提供するなど原告とAの別居に積極的に関与した。
 また,被告の不貞行為により,原告はAと離婚し,婚姻関係が破綻したところ,原告とAは平成29年4月には鹿児島県に旅行に行くなど円満な夫婦関係を築いており,これを短期間で切り裂いた被告の責任は重いのであり,このような不法行為による原告の精神的苦痛は金銭的に評価して300万円を下らない。

(2) 弁護士費用 30万円
 原告は,本件訴訟の追行を弁護士に委任せざるを得なくなったのであり,被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は,上記(1)の慰謝料額の1割である。

(3) 合計 330万円

(被告の主張)
 否認ないし争う。

第4 当裁判所の判断(争点に対する判断)
1 判断の前提となる事実関係

 前記前提事実,証拠(各項末尾に掲記する。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1) 原告及びAの就業形態
ア 原告は,自動車販売業,運転代行業,居酒屋,マッサージ店を経営していた。(原告本人〔2丁〕)
イ Aは,a店の開業前にも別の場所でスナックを営業していたところ,平成28年11月,原告の自宅から車で5分ほどの距離にあるテナントが入る建物において,新たにa店を開業し,同所で営業をしていた。原告は,a店の営業のうち従業員の送迎や伝票の整理などに関与していた。なお,Aは,a店の営業中は,結婚指輪など婚姻関係にあることを示すものを身に着けていなかった。(甲2,10,11,原告本人〔2,16,17丁〕)
 a店は,午後8時から午前零時まで営業しており,店舗での営業のほか,アフターとして,営業時間終了後に従業員が客と飲食等をするということも行っており,被告ともアフターをしていた。(甲11,原告本人〔16丁〕,被告本人〔17丁〕)

(2) Aと被告との関係等
ア Aと被告は,遅くとも平成29年4月4日頃から電話をするようになり,同年6月18日から同月30日までは,連日電話をするようになった。当該期間における1日の電話の回数は,1回という日もある(同月24日)ものの,多くは複数回にわたっており,通話時間は,概ね5分以内で,長くても15分程度ではあったものの,同年6月18日には2回にわたり40分以上通話し,さらに,同月23日にも3回にわたり20分前後通話することもあった。(甲3)

イ Aは,平成29年6月27日の原告との交際開始日での食事の約束を急遽取りやめ,同月7月上旬には自宅に徐々に帰ることが少なくなり,同月22日頃には,被告のアパートに住むようになり被告と同棲するようになった。その後,被告とAは,同年8月には,少なくとも2回ほど肉体関係をもった。なお,Aは,移動用の自動車としてメルセデスベンツS550という比較的大型の自動車を利用していた。(甲2,11,乙1,原告本人〔4,5丁〕,被告本人〔18丁〕)


(ア) 被告は,平成29年9月上旬頃,知人からAに配偶者がいると聞き,Aに確認したところ,Aはこれを認めたが,その際,原告とは2年以性交渉がない,結婚という関係ではないなどと述べた。被告は,少なくとも平成29年9月下旬頃まで,Aとの交際を継続した。(甲2,乙1,被告本人〔4,5,14丁〕)

(イ) Aの上記(ア)の言動は,被告の陳述書及び本人尋問における供述によるところ,被告の上記供述等は,平成29年7月以降にAが被告との同棲を開始したことなどに照らし,信用することができる。

エ 原告は,平成29年7月から8月にかけて,離婚届の不受理届を提出した。(原告本人〔14丁〕)

オ 被告は,平成29年9月下旬頃,Aとの交際関係を終了させた。その後,原告とAは,今後の生活について協議したところ,Aが1か月も面倒をみてもらったので,被告に慰謝料を支払わせることはできないなどと述べたため,原告は,同年11月24日,Aと離婚した。原告は,離婚届を提出しようとしたところ,Aからも離婚届の不受理届が提出されていると担当職員から聞かされた。(甲11,乙1,原告本人〔13,14丁〕)

2 争点(1)(被告とAとの不貞行為の有無及び過失の存否)について
(1) 原告は,被告がAと平成29年5月頃から不貞行為に及び,また,被告には,Aが既婚者であると知っていたか,知らなかったことについて過失がある旨主張する。そして,原告は,これに関連して陳述書及び本人尋問においても,被告が,「奪ってやる」と言っているのをa店の従業員から聞いた,Aが被告とだけアフターをしていたなどと供述する。

(2)ア 不貞行為の有無について
 まず,前記認定のとおり,Aと被告は,平成29年4月頃から電話連絡をするようになり,その後,同年6月頃からは1日に複数回連絡をすることが多くなり,その時間も40分程度に及ぶことがあったこと,Aがアフターとしてa店の営業時間終了後に顧客と外出することにより帰宅が遅くなったことがあり,被告ともアフターをしていたこと,Aが,平成29年7月22日頃には,被告のアパートで生活をしていたことからすると,少なくとも平成29年6月下旬頃には,被告とAが親しくなったとは認められる。しかしながら,平成29年7月22日頃より前に,Aが被告のアパートで生活していたことを認めるに足りる証拠はない上に,Aがa店を経営しており,アフターをしていた顧客が被告だけであったとは認められないことからしても,被告がAと同棲するようになった平成29年7月22日頃より前に,被告とAとの間に肉体関係又はこれに類する行為(不貞行為)があったとまでは認められない。もっとも,上記で説示した事情からすると,被告とAが同棲していることが確認された平成29年7月22日頃より後は,両者の間には肉体関係があったと推認できる。

イ 故意又は過失の存否について
(ア) そこでさらに,被告がAと不貞行為に及んだ際に,被告がAに配偶者がいると認識し,また,認識しなかったことについて過失があったか検討すると,前記認定のとおり,Aはa店の営業時間に結婚指輪など婚姻関係にあることを推知させるものを身に着けておらず,原告も同店の経営に関しては従業員の送迎や伝票の管理などの営業外の業務に関与しているにすぎず,被告とも面識がなかったことからすれば,被告が,Aが既婚者であることを認識する契機があったと認めることができず,Aが,平成29年7月22日頃には,被告のアパートで被告と同棲をするなど他者との婚姻関係があることを前提としない行動をとっていることからすれば,少なくとも,被告が,Aに配偶者がいる旨聞いた平成29年9月上旬頃までの間に,被告が,Aに配偶者がいると知っていたとは認められないし,Aに配偶者がいると認識することが可能であったという事情も認められず,被告に過失があったとは認められない。

 原告の本人尋問における上記(1)の供述は,適切な裏付けを欠くものであり採用することができない。
 なお,この点について,原告は,被告がAと同棲する際に従前の生活環境等を確認するのが通常であり,確認することで容易にAに配偶者がいることが判明するなどと主張するものの,被告をして,Aに対し,従前の生活環境等を確認する義務があったとは認められず,原告の過失に関する主張は採用できない。

(イ) 他方で,被告とAは,平成29年9月下旬まで交際を継続しており,その間にも肉体関係があったと推認できることから,その限度では,Aに配偶者がいると知りながら不貞行為に及んだと認められる。

3 争点(2)(婚姻関係破綻の有無又は被告が原告とAとの婚姻関係が破綻していると信じたことについて過失がないといえるか)について
(1) 被告は,Aから原告との婚姻関係が破綻していた,又は,被告がAと原告との婚姻関係が破綻していると過失なく信じていたと主張する。

(2)
ア この点につき,まずは被告が,Aと原告との婚姻関係が破綻していると過失なく信じていたと認められるか検討するところ,不貞関係の当事者たる配偶者が第三者と不貞行為に及んだ際に,当該配偶者と他方の配偶者との婚姻関係が破綻していたときは,特段の事情のない限り,不法行為責任を負うことはないと解される(最高裁平成8年3月26日第三小法廷判決・民集50巻4号993頁参照)。そして,婚姻関係の破綻の有無は,永続的な精神的及び肉体的結合を目的としての共同生活を営む真摯な意思を夫婦の一方又は双方が確定的に喪失したか否か,夫婦としての共同生活の実体を欠くようになり,その回復の見込みが全くない状態となったか否かという観点から検討すべきものと解され,婚姻関係の破綻の有無を過失なく信じたといえるかについても,不貞行為の相手方が,他方の当事者とその配偶者との婚姻関係について,共同生活を営む真摯な意思を夫婦の一方又は双方が確定的に喪失していたり,夫婦としての共同生活の実体を欠くようになり,その回復の見込みが全くない状態となっていると信じ,そのことについて過失があるか否かという観点から検討すべきものと解される。

イ 前記認定のとおり,被告は,平成29年9月上旬頃,知人からAに配偶者がいると聞き,これをAに確認した際に,原告とは2年以上性交渉がない,結婚という関係にないなどと聞かされており,これに加えて,Aが平成29年7月22日頃には,被告のアパートに住むようになり,共同生活の実態を喪失したことからしても,被告としては,Aと原告との婚姻関係が破綻していると信じたことが認められる。

 そして,被告がそのように信じたことについて過失がないか検討すると,前記認定のとおり,Aが深夜の午前4時頃に被告と電話連絡をしていたり,アフターとして深夜に顧客と食事をするなど,被告との交際関係が認められる以前から婚姻関係が円満であるということと直ちに合致しない言動を取っていることに加え,Aが平成29年7月22日頃以降には,被告のアパートで同棲を開始し,その後,同年9月初旬頃に被告がAに配偶者がいることを確認するまでの1か月以上にわたり同棲生活を続け,その途中に自宅に帰るなどの行動をしていたことが窺われないことからしても,Aの被告に対する言動は,被告をしてAと原告との共同生活の実態が喪失し,Aにおいてこれを回復させる意思がないと思わせる言動であり,被告が,Aに配偶者がいることを確認した平成29年9月初旬以降において,被告が,Aと原告との婚姻関係が破綻していると信じたことについて過失はないものと認めるのが相当である。

(3) 以上によれば,被告は,原告に対し,Aとの不貞行為に関して,損害賠償義務を負うとは認められず,その余の争点について検討するまでもなく,原告の被告に対する請求には理由がない。

第5 結論
 よって,原告の請求を棄却することとし,訴訟費用の負担について民訴法61条を適用し,主文のとおり判決する。
 東京地方裁判所民事第10部
 (裁判官 山口雅裕)
以上:7,244文字

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