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読売新聞記事-夫婦の年金 離婚しない方が有利

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平成19年 1月15日(月):初稿
○私は、基本的には安易に離婚はしない方がよい、我慢して、家庭という学校での学習を続けた方がよいとの考えです。年金分割制度が実施されても離婚は増えないことを願っていますが、既に離婚を決意し、年金分割は離婚後の生活に少しでも有利になればみつけもの位に考えている妻にとっては、「夫婦の年金、離婚しない方が有利」と言われても、決意は揺るがないかも知れません。

以下は、平成19年1月9日読売新聞の引用です。

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夫婦の年金 離婚しない方が有利

 4月に導入される離婚時の年金分割制度は、妻にとって「お得」なのでしょうか。そう思っている人が多いようですが、金額だけで見るなら、離婚しない場合より有利とは言えません。

 離婚して分割制度を利用する場合、夫から妻に分割される年金は、妻名義の年金になり、夫が亡くなっても、妻に終身支給されます。分割の対象になるのは、結婚期間中に払った保険料に対応する夫婦の厚生年金(報酬比例部分)です。年金の多い方から少ない方へ、最大で二人の取り分が同じになるまで分割できます。ずっと専業主婦だった人の場合、最大で結婚期間に対応する夫の厚生年金の2分の1を受け取れます。

 一方、離婚しなかった場合は、夫が亡くなった後、妻に遺族厚生年金が支給されます。金額は、夫の厚生年金の4分の3が基本。結婚前の期間に対応する年金も含めて計算します。分割で妻が得られる年金より、格段に有利です。ただ、遺族年金は、妻が再婚などをすれば打ち切られます。

 結婚していれば、夫の厚生年金に「加給年金」という加算がつく場合もあります。夫に生計を維持される65歳未満の妻がいて、一定の要件を満たせば支給されます。受け取れる年齢は生年月日によって異なり、現在60歳(1946年生まれ)の男性だと63歳から。金額は最大で年額39万6000円(2006年度)です。

 加給年金は、妻が65歳になって自分の基礎年金を受け取り始めると、支給が打ち切られます。そのかわり、妻の基礎年金に「振替加算」という加算がつきます。

 離婚すれば、夫は加給年金を受け取れず、妻の振替加算もつきません。ただし、妻が振替加算を受け取り始めてから離婚した場合は、その後も受給できます。

 離婚という重大事を、金銭面の損得だけで考えることはできませんが、夫婦2人で生涯に受け取る年金は、離婚しない方が一般に多くなるでしょう。熟年離婚を考える場合は特に、こうした点も考慮し、離婚後に受け取れる年金額を正しく把握して判断する必要があります。

 そのためには、社会保険庁が昨年10月から始めた、年金分割に関する情報提供サービスが役立ちます。離婚前でも、分割の対象期間や保険料の納付記録などを通知。50歳以上であれば、分割後の年金見込み額も試算してくれます。夫婦の一方が相手に内証で依頼することも可能。最寄りの社会保険事務所に、年金手帳と戸籍謄本を提出して請求します。

 これまで、わかりやすくするために「夫」「妻」としてきましたが、妻の厚生年金が夫より多ければ、夫が分割を受ける側になります。(林真奈美)

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