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離婚後300日以内の出生届についての通達

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平成19年 7月12日(木):初稿
○民法第772条2項で「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」と規定され、離婚後10ヶ月以内に生まれた子は、離婚前の夫の子と推定されます。

○世の中には婚姻期間中でも夫婦仲が破綻状態となり、妻が夫以外の男性の子を宿す例があります。夫の子ではなくても、民法の規定により形式上婚姻中の懐胎であれば夫の子と推定されます。この推定を覆すには、いちいち家庭裁判所に親子関係不存在確認審判申立をしなければならないのは煩瑣だと言うことでこの規定の改正が議論されましたが、結局、見送られました。

○そこで離婚後300日以内に生まれ民法上は夫の子と推定される場合でも懐胎が離婚後と証明できる場合のみ家庭裁判所の審判無くして、戸籍実務上、夫の子との推定が及ばないものとして出生届が出来るとの僅かの繕い策が、法務省民事局長通達として出されました。

○正常出産の統計による妊娠期間は280日±15日と言うことでWHO(世界保健機構)が認定した正常妊娠持続日数280日を元にすると、離婚後20日以内に懐胎したケースだけが、この通達の恩恵を受けることになりますが、これに該当するケースは余り無いような気がします。懐胎と出生日の関係がちと不明なところはありますが。
以下、通達を私の備忘録として以下に掲載します。

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法務省民一第1007号 平成19年5月7日
法務局長  殿
地方法務局長  殿

                                    法務省民事局長

   婚姻の解消又は取消し後300日以内に生まれた子の出生の届出の取扱いについて(通達)

 婚姻の解消又は取消し後300日以内に生まれた子のうち,医師の作成した証明書の提出をすることにより,婚姻の解消又は取消し後の懐胎であることを証明することができる事案につき,下記のとおり,民法(明治29年法律第89号)第772条の推定が及ばないものとして,出生の届出を受理することとしますので,これを了知の上,貴管下支局長及び管内市区町村長に周知方取り計らい願います。
 なお,本通達に反する当職通達又は回答は,本通達によって変更し,又は廃止するので,念のため申し添えます。

                 記
1 「懐胎時期に関する証明書」が添付された出生の届出について
(1)届書等の審査
 市区町村長は,出生の届書及び医師が作成した「懐胎時期に関する証明書」 (様式は,別紙のとおりとする。)によって,子の懐胎時期が婚姻の解消又は取消し後であるかどうかを審査するものとする。
 懐胎時期が婚姻の解消又は取消し後であるかどうかは,同証明書記載の「懐胎の時期」の最も早い日が婚姻の解消又は取消し後であるかどうかによって判断する。すなわち,その最も早い日が婚姻の解消又は取消しの日より後の日である場合に限り,婚姻の解消又は取消し後に懐胎したと認めるものとし,その最も早い日が婚姻の解消又は取消しの日以前の日である場合は,婚姻の解消又は取消し後に懐胎したと認められないものとする。

(2)届出の受理
  市区町村長は,(1)の審査によって婚姻の解消又は取消し後に懐胎したと認める場合には,民法第772条の推定が及ばないものとして,婚姻の解 消又は取消し時の夫を父としない出生の届出(嫡出でない子又は後婚の夫を父とする嫡出子としての出生の届出)を受理するものとする。

(3)戸籍の記載
 子の身分事項欄の記載は,以下の例による。
ア 紙戸籍の場合
  「平成19年6月25日東京都千代田区で出生同年7月2日母届出
  (民法第772条の推定が及ばない)入籍」

イ コンピュータ戸籍の場合
  身分事項
出生 【出生日】 平成19年6月25日
    【出生地】 東京都千代田区
    【届出日】 平成19年7月2日
    【届出人】 母
    【特記事項1 民法第772条の推定が及ばない
  
2 「懐胎時期に関する証明書」が添付されない出生の届出について
  従前のとおり,民法第772条の推定が及ぶものとして取り扱う。

3 取扱いの開始について
(1)この取扱いは,平成19年5月21日以後に出生の届出がされたものについて実施する。
(2)既に婚姻の解消又は取消し時の夫の子として記載されている戸籍の訂正については,従前のとおり,裁判所の手続を経る取扱いとする。

4 その他
  本取扱いの実施に当たっては,その目的及び方法について,十分に周知するよう配意するものとする。

以上:1,903文字

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