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セックスが全くなかったことによる慰謝料請求国内版1

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平成23年 9月14日(水):初稿
○「”セックス回数が少なすぎる”しての元夫への慰謝料請求認容」で、フランスの例として”セックスが少なすぎる”として元夫への慰謝料が認められた事案を紹介しましたが、日本国内で同様の事案ないか、判例を調べました。しかし、私が有している判例データベースでは、流石に、日本国内では見当たりませんでした。当事務所は、男女問題相談は多い方ですが、やはり、元妻から”セックス回数が少なすぎた”ので慰謝料請求が出来ないかと相談を受けた例は記憶にありません(^^)。

○セックスを拒否したことによる慰謝料請求が出来ないかとの相談は、過去に何回かありました。しかし、セックス拒否自体を理由に、慰謝料請求までした事案はありません。男女問題法律実務で、セックスの有無が問題になるのは、不貞行為者に対する損害賠償請求事件で時にあります。

○例えばA男が、B女の夫C男から、B女との不貞行為を理由に慰謝料請求される場合です。Aは、B女とセックス関係になったときには、既にC・B夫婦間は事実上破綻してセックスも全くなくなっていたと抗弁するのに対し、夫Cは妻Bと普通にセックス関係はあったと主張するような例です。一般的には妻Bも夫とは既にセックス関係はなくなっていた主張しますが、夫Cは、いや、普通にあったと主張します。しかし、セックス関係の有無は、密室内の出来事ですから、いずれしてもその客観的立証は至難の業です(^^)。

○日本国内では、セックスが全くなかったことによる慰謝料請求が認められた例として平成2年6月14日京都地裁判決(判時1372号、123頁)を紹介します。確かに”セックスが全くなかった”ことも理由の一つですが、より正確には、妻が夫に対し、夫が性的不能者であることを隠し、且つ、真摯に結婚生活を送る気概なく結婚したことを不法行為として慰謝料請求した事案です。形式的には僅か2ヶ月の結婚生活でしたが、何と、金500万円も慰謝料請求が認められています。

事案概要は以下の通りです。
・A女とB男は、知人の紹介で見合いをし、昭和63年4月8日婚姻届出をなし、同月30日フランスへ出発し、同地の教会で同年5月3日挙式をし、同月7日帰国し、同月11日からBの肩書住所地で同居を始め、1ヶ月半後の同年6月18日、Aが家を出て、同年7月7日協議離婚の届出をした。その間BはAとの性交渉を持たなかった。

・A女の主張
①Aは、ごく普通の健康な女性で、性交渉を困難ならしめる事情は全くないのに、Bは一切夫婦としての性交渉を持とうとせず、且つ、Bは、Aとともに共同生活を切り開いていくという気概が全くなく、夫婦間の精神的なつながりを持とうともしなかった。
②Aは、結婚のために、これまで10年かかって築き上げてきたエレクトーン教室の生徒60名も手放し、楽器店を辞め、貯金も相当額費消して結婚生活に臨んだのに、Bのために無残な結果となり、人生を一からやり直さなければならず、極めて甚大な精神的苦痛を被った。

B男の主張
①Bは、健康な成年男子であり、性交渉をするのに何らの支障もないし、性衝動も男性として持っているが、挙式のためフランスに行く飛行機内でAから生理が始まったと告げられ、その後Aは不眠を訴え睡眠薬を常用したので出生児の奇形を懸念し、更にAが低血圧、冷え症、不眠症により常に身体の不調を訴えていたため、その身体の状態を気づかいながらその回復を待っているうちに、Aが、婚姻届け後僅か1ヶ月半後に、突如として実家に帰り、もうBのもとには帰らないと宣言した。
②Aは、Bが性交渉を要求しなかったことを非難するが、A自身性交渉についてBに何も言わず、何らの行動も起こさず、Aが性交渉のないことをひどく悩んでいたことは全く知らなかった。


 Aは慰謝料として金1000万円を請求して500万円認められていますが、その判決内容は別コンテンツで紹介します。
以上:1,593文字

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