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13歳未成熟子ある有責配偶者離婚請求認容・棄却2判例のまとめ1

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平成27年 6月10日(水):初稿
○「13歳未成熟子ある有責配偶者離婚請求認容平成26年6月27日大阪家裁判決紹介」、「13歳未成熟子ある有責配偶者離婚請求棄却平成26年12月5日大阪高裁判決紹介」の2判例についての私なりにまとめます。

○先ず事案時系列です。
平成11年12月11日、原告夫・被告妻婚姻、夫婦は共に医師
平成12年、長女A出生、同年6月妻は医師の仕事を辞め専業主婦となって夫と同居
平成14年9月、夫が自宅を出て別居、看護婦Dと男女関係
※平成14年4月、妻が夫の浮気を疑い、夫を尾行、夫が立腹して妻に暴力
平成15年11月、妻が実家に戻り病院に勤務再開
平成17年9月、夫が離婚調停申立、平成18年6月不成立
平成20年3月、夫が2回目の離婚調停申立、同年7月不成立
平成20年8月、夫が1回目の離婚訴訟提起、平成21年7月棄却判決、同年11月控訴棄却判決
平成20年、妻婚姻費用分担調停申立、平成21年1月、平成20年10月以降毎月10万円支払調停成立、
※平成15年8月から平成20年9月分までの婚姻費用の分担としては,約5年間にたかだか約260万円
平成23年11月、妻クリニック開業
平成24年7月、夫3回目の離婚調停申立、同年9月不成立
平成25年2月、長女A有名私立中学合格
平成25年9月、夫2回目の離婚訴訟提起


○婚姻破綻については、一審・控訴審いずれも認めています。
一審の認定は、「原告と被告は,平成14年9月以降別居を継続しており,その間,原告が被告に対し3度の調停申立て及び2度の訴訟提起に及んで離婚を求めたのに対し,被告は離婚を拒否し続け,未だやり直しが可能であるなどと供述している(被告本人)ものであるが,上記別居期間中,夫婦の同居再開に向けた措置が具体的に講じられた形跡は見当たらないことに照らせば,原告と被告との婚姻関係はもはや修復の見込みがなく,完全に破綻している」、
控訴審認定は、「被控訴人は,平成14年9月に控訴人と別居してから当審口頭弁論終結時まで約12年1月の間,一度も控訴人と同居せず,3回の調停申立ておよび2回の訴訟提起を含め,一貫して離婚を求め続けているし,控訴人も,離婚を拒否し,今もなお婚姻関係の修復は可能であると供述する(原審控訴人本人)ものの,被控訴人との同居再開に向けた具体的措置を講じるまでは至っていないことに照らすと,少なくも当審口頭弁論終結時においては当事者間の婚姻関係は修復の見込みがなく破綻している

○問題は、有責配偶者である夫の離婚請求が信義則違反かどうかです。
有責配偶者からの離婚請求が信義則に違反するかどうかの判断基準は、有責配偶者の責任の態様、程度、相手方の婚姻継続意思の有無、請求者に対する感情、別居後の双方の状況、離婚となった場合の相手方及び子の状況等、さらに時の経過がこれらの諸事情に与える影響が考慮されなければならないとされています(昭和62年9月2日最高裁判決、平成16年11月18日最高裁判決等)。

○信義則違反としての有責配偶者の離婚認容要件は、昭和62年9月2日最高裁判決では、①長期の別居、②未成熟子の不存在、③苛酷状況の不存在の3つの具体的基準が示されましたが、平成6年2月8日最高裁判決(判タ858号123頁)は、「有責配偶者離婚請求で、未成熟の子がいる場合でも、ただそのことだけで請求を排斥すべきものではなく、有責配偶者の責任の態様・程度、相手方配偶者の婚姻継続についての意思及び請求者に対する感情、離婚を認めた場合における相手方配偶者の精神的・社会的・経済的状態及び夫婦間の子、殊に未成熟の子の監護・教育・福祉の状況、別居後に形成された生活関係、たとえば夫婦の一方又は双方が既に内縁関係を形成している場合にはその相手方や子らの状況等を考慮して、請求が信義誠実の原則に反するとはいえないときには、請求を認容してもよい」と柔軟になっています。

○そこで以上の基準を元、に本件事案で判断が何故一審と控訴審で認容・棄却に分かれたかの分析を続けますが、ちと長くなったので別コンテンツで私なりの具体的分析を試みます。
以上:1,671文字

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