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散骨についての法律等での規制-現行法の基礎の基礎2

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平成28年 2月 5日(金):初稿
○「散骨についての法律等での規制-現行法の基礎の基礎」を続けます。
刑法
第190条(死体損壊等)

 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。


散骨とは、火葬した遺骨を砕いて粉状にしたものを陸地・海洋等に散布する行為ですから、遺骨を砕くことが刑法第190条死体損壊等の罪の「遺骨を損壊し」、或いは、「遺骨を遺棄し」に該当する可能性があり、その行為は、3年以下の懲役に科せられる可能性があります。
しかし、この問題については、「散骨の法律的課題」と言うサイトによると、「当時の法務省刑事局はこれを受け、『葬送を目的とし節度を持って行う限り、死体遺棄には当たらない』という意味の見解を述べ、また当時の厚生省も『墓埋法は散骨を規制するものではない』という意味の見解を述べた、と言われている。」と解説しています。

○散骨について「葬送を目的とし節度を持って行う限り、死体遺棄には当たらない」と言うことは、「節度」があると認定されない限り、死体遺棄に該当すると言うことです。散骨は、刑法死体遺棄罪には該当しないと断定するHPも見受けられますが、これは、法務省刑事局見解に従えば誤りです。

○当時の厚生省の「墓地、埋葬等に関する法律は散骨を規制するものではない」との見解は、どうでしょうか。墓地、埋葬等に関する法律で「散骨」を検索してみましたが、全く見当たらず、また、散骨を前提とした規定も見当たらないところを見ると正当なようにも感じます。しかし、散骨に至るには、その前提として火葬が必要です。この火葬について、墓地、埋葬等に関する法律で次の通り規制しています。

第2章 埋葬、火葬及び改葬
第3条

 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠7箇月に満たない死産のときは、この限りでない。
第4条
 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。
2 火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない。
第5条
 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
2 前項の許可は、埋葬及び火葬に係るものにあつては死亡若しくは死産の届出を受理し、死亡の報告若しくは死産の通知を受け、又は船舶の船長から死亡若しくは死産に関する航海日誌の謄本の送付を受けた市町村長が、改葬に係るものにあつては死体又は焼骨の現に存する地の市町村長が行なうものとする。


上記の通り、散骨の前提となる火葬は、死後24時間以降に市町村長の許可を得て、火葬場で行い、火葬した焼骨は墓地にしか埋蔵できません。

○以上の墓地・埋葬法の規制、特に「火葬した焼骨は墓地にしか埋蔵できない」との規制からは、散骨について、法律規制を完全にくぐり抜けて合法に行うのは、大変,厳しそうです。焼骨を砕いて粉末状にしたとしても、焼骨には変わらないはずです。「焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」と規制されているのに、散骨については、その辺の陸地に自由に撒くことができるとなったのでは、その近辺の方々にとってはたまったものでありません。

○結局、散骨は、火葬した焼骨を密かに粉末状に砕いて、旅客船にでも乗って、陸地から奥深く離れた海洋に出て密かに海に撒くしかないようです。しかし、御殿場市散骨場の経営の許可等に関する条例によれば、御殿場市長の許可を受けて経営している散骨場であれば、適法に散骨できるようです。また、「散骨@マガジン」「日本国内における散骨関連の法律と許可」には、散骨の規制について詳しく解説されています。私の希望する散骨は、どのように行うか、しばらく検討を継続します(^^;)。
以上:1,587文字

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