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医師且つ弁護士新潟県知事辞任について売春防止法覚書

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平成30年 4月21日(土):初稿
○東大医学部卒で医師となり、その後司法試験に合格し、ハーバード大学付属病院を経て東大の医学博士になり、弁護士としても活躍されていた、私から見たら正にスーパーマンとも言える前新潟県知事が、援助交際を週刊誌に暴かれ、辞任に至りました。才能のある方が女性問題で仕事ができなくなるのは誠に残念です。

○「援助交際」は体の良い「売春」であり、違法だとの言われ方もされていますが、そうは断定できません。後記売春防止法では、「『売春』とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」と定義されています。ポイントは、「不特定の相手方と性交」であり、「援助交際」は不特定の相手ではなく、特定の相手の場合もあるからです。

○しかし、「援助交際」の名目で、「不特定の相手方と性交」している例も多そうで、「特定」と「不特定」の線引きは難しそうです。前新潟県知事の例は、複数の女子大生が相手と言うことですが、「不特定」とは言えないと思われます。弁護士である前新潟県知事は、違法かと問われて「やり方が誤解を招く方法だった」と曖昧な答えをしています。

○売春防止法では、「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。」として、売春をすることも、相手方となることも禁止していますが、この禁止に罰則はありません。前新潟県知事には、自らの「援助交際」について違法の認識は全くなかったと思われますが、一番の問題は、週刊誌に売り込むような女性を相手にしたことでしょう。随分昔に、刑事弁護で売春防止法違反被告人の弁護をしたことがありますが、売春防止法の条文を殆ど忘れており、備忘録として掲載します。

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米山知事の記者会見での主なやりとりは以下の通り。

--辞任の理由は。
 (女性の)歓心を買うために金銭授受があった。けじめをつけるべきだった。

--辞任は何についての責任?
 誤解を招く行動で県政に支障をきたした。

--週刊誌報道は正しいか。
 事実関係はその通り。知事になる前と後、おととしの12月くらいまで。記事はそんなに確認していないが、私としてはそのつもりではなかった。

--そのつもりでなかったとは。
 私はその人に好かれるため(金を渡した)だった。でももらう側(女性)はもらうことだけが目的だった。

--体の関係を持つために金銭のやりとりをした?
 中年男性がのぼせたということ。それ(金)によって好かれたかった。そう思うこと自体がいけなかった。

--知事の報酬は税金から。後ろめたさはなかったか。
 税金だから(いけない)ということになったら、ワインを買ってはいけないかということになる。

--知事は独身。違法性はどこにあると考えているのか。
 やり方が誤解を招く方法だった。

--出会い系、援助交際はいつから。
 断続的というのが事実だろう。本件のことは3、4年前からであるはず。

--知事になり、やめようと思わなかったか。
 (知事になり)すごいですねと言われ、浮かれた。

--知事としての一番の功績は。
 いろいろな新しいことをする体制を少しは作れた。

--原発問題について。県民の期待も大きかったと思うが。
 心から謝罪したい。(後任は)どなたでも構わない。ぜひその方のスタンスでやり遂げてほしいと思う。

--お互い恋愛感情あったのか。
 相手から「好きです」と言われてはいないが、「楽しい」とはおっしゃっていた。結婚したい気持ちは私にはあったが、相手にはなかったと思う。

--ばれなければいいと思っていたのか。
 誰にも知られないことを望んでいた。


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第1章 総 則
第1条(目的)

 この法律は、売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを目的とする。

第2条(定義)
 この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。

第3条(売春の禁止)
 何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。

第4条(適用上の注意)
 この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

第2章 刑事処分
第5条(勧誘等)

 売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、6月以下の懲役又は1万円以下の罰金に処する。
一 公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。
二 売春の相手方となるように勧誘するため、通路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 公衆の目にふれるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。

第6条(周旋等)
 売春の周旋をした者は、2年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。
2 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。
一 人を売春の相手方となるように勧誘すること。
二 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。

第7条(困惑等による売春)
 人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
2 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、3年以下の懲役又は3年以下の懲役及び10万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

第8条(対価の収受等)
 前条第1項又は第2項の罪を犯した者が、その売春の対償の全部若しくは一部を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、5年以下の懲役及び20万円以下の罰金に処する。
2 売春をした者に対し、親族関係による影響力を利用して、売春の対償の全部又は一部の提供を要求した者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

第9条(前貸等)
 売春をさせる目的で、前貸その他の方法により人に金品その他の財産上の利益を供与した者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

第10条(売春をさせる契約)
 人に売春をさせることを内容とする契約をした者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
2 前項の未遂罪は、罰する。

第11条(場所の提供)
 情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
2 売春を行う場所を提供することを業とした者は、7年以下の懲役及び30万円以下の罰金に処する。

第12条(売春をさせる業)
 人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、10年以下の懲役及び30万円以下の罰金に処する。

第13条(資金等の提供)
 情を知つて、第11条第2項の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、5年以下の懲役及び20万円以下の罰金に処する。
2 情を知つて、前条の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、7年以下の懲役及び30万円以下の罰金に処する。

第14条(両罰)
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第九条から前条までの罪を犯したときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第15条(併科)
 第6条、第7条第1項、第8条第2項、第9条、第10条又は第11条第1項の罪を犯した者に対しては、懲役及び罰金を併科することができる。第7条第1項に係る同条第3項の罪を犯した者に対しても、同様とする。

第16条(刑の執行猶予の特例)
 第5条の罪を犯した者に対し、その罪のみについて懲役の言渡をするときは、刑法(明治40年法律45号)第25条第2項ただし書の規定を適用しない。同法第54条第1項の規定により第5条の罪の刑によつて懲役の言渡をするときも、同様とする。
以上:3,446文字

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