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2010/ 4/16 第27号 犯罪の価格設定(2)

平成24年 2月29日(水):初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 犯罪の価格設定は非常に難しい問題ですが、そもそも商品やサービスの価格設定自体容易ではありません。「お客様や市場の声を聞いて価格を決める」と口でいうのは簡単ですが、具体的にどうするのかは必ずしもはっきりしないんですね。

 特に何も考えないと、ただ安くすればお客様は満足するだろうと安易に対処してしまいそうです。しかし実際は、安くなったからといって、必ずしも売れるようになるとは限りません。それどころか、場合によっては安いから売れなかったなんてこともあるようです。

 消費者の立場からすると、価格が下がれば嬉しいと思う一方、一定以上に下がると、かえってその商品に対して「怪しい」という気持ちも出てくるんですね。ガソリンスタンドの安売り競争で、前の店と値下げ競争をしていたところ、最後にはリッターあたり10円だなんて価格になってしまい、怪しく思ったお客さんが、かえって入らなくなったなんて実例もありました。

 価格を上げるといけないのかといいますと、そんなことも勿論無い。

 高いからいいものに違いないと思うお客様も、相当数いるようです。

 価格の持つ品質保証機能というやつですね。

 化粧品の販売で、値段を下げても売れなかったものが、間違えて0を一つ多く付けて販売したらヒットしたなんて話しも聞きました。さらに、価格を上げると購入できる人の絶対数は減少しますが、良いお客様と取引できます。

 とまあこのように、価格の設定は難しいそうです。実際に市場で、さまざまな価格で商品を販売してみて、どのくらいの価格が一番良いのか試してみるというのも、一つの方法になりそうです。一方、現実に販売する前に、お客さんになりそうな人からアンケートをとって、それによって価格を決めることも考えられます。この点について、わずか40人から、4つの質問についてのアンケートを取るだけで、価格を決定できる方法があることが本に書いてありました。

 要は、40人の人から、一定の商品について、「購入するには高すぎると感じる金額は幾らか」「安すぎで品質が心配だと感じる金額は幾らか」といった、簡単な4つの質問についての回答を貰うんですね。

 価格が下がるに従って、「まだまだ高すぎるよ」と思う人の数は減っていく一方、「安すぎて品質が心配だ」という人の数は増えていきます。価格がどんどん下がる中で、安すぎて心配という人の数が、まだまだ高いという人の数を上回る金額が出てきます。それが、一番低い価格のポイントになるわけです。

 価格の一番高いポイントも、同じ要領で決めるわけです。統計学上、どれほどの精度が認められるのか、必ずしも良く分かりません。しかし、確かにこの程度の簡易なアンケートでも、お客様の価格についての考えは、相当程度確認できそうです。

 そこで、こういうアンケート方式は、犯罪の価格設定にも使えるのではと、くだらないことを思いつきました。

 そんなわけで、次回に続けます。

 
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 弁護士より一言

 先日、家族旅行で高速道路を走っていたとき、スピード違反で捕まりました。「せっかくのゴールド免許が・・」と悲しくもあり、さらに子供達の前で恥ずかしくもあったのです。

 すると、この4月から小学4年生になった上の娘が、早速学校の作文に、そのことを書いたんですね。

 「もうちょっとでつくときに、パパがスピードいはんでおまわりさんにつかまってしまいました。でもパパは、ずっと走りつづけで、どこにも止まっていないので、ママは、『体を休ませられるから、まあいいわね。』といいました。本当にのんきなママだなあと思いました。」「なんだ、なかなかうまいじゃないか。それじゃ、パパもこのことをニュースレターに書こうかな。」と言ったところ、娘が心配そうに忠告してくれました。

 「パパ、止めといた方がいいよ。お客さんの信頼なくしちゃうよ!」引き続きコメントを楽しみにしております。

 (2010年4月16日第27号)
以上:1,596文字

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