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2014年09月16日発行第133号”影響力の武器”

平成26年 9月16日(火):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成26年9月16日発行第133号「影響力の武器」をお届けします。

○いつものことながら大山先生のニュースレターは勉強になります。ロバート・B・チャルディーニなんてウィキペディアにも掲載されておらず、全く知りませんでした。しかし、「影響力の武器」と言う著書は有名な本なんですね。書評サイトでは、「ちくわぶ」さんの2011年10月 3日 (月)ロバート・B・チャルディーニ「影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか」誠信書房 社会行動研究会訳に詳しく解説されています。

○これによると「人を説得するコツは何か。優れたセールスマンは、どんな技を使っているのか。急激に信者を増やしたカルトの手口は。我々を取り巻く企業広告やペテン師が使う技法と、その原理を明らかにすると共に、それらの小細工に対し、我々にできる防衛方法を伝授する。」本とのことです。早速、アマゾンに「影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか」を注文しました。

○私も、時々、主にお腹がすいたときですが、デパ地下で試食品を頂きます。しかし、試食の結果購入に至るのは希です。ホントに美味いなと思わない限り購入しません。大山先生の奥様と同様に「お、鬼だ! 」だとチャルディーニ先生に言いつけられそうです(^^;)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

影響力の武器


チャルディーニという心理学者の書いた、「影響力の武器」という本があります。人は、どういう場合に他人から影響を受けるのかについて書かれた本です。

学者先生の書いた本と言いますと、机上の空論じゃないかと思ってしまいますよね。しかし、チャルディーニ先生は、やり手のセールスマンのような人(人に影響力を与えて、モノを買わせるプロの人達)から多く学んでいきます。その結果、チャルディーニ先生は多くの人が、他人から強い影響を受けながら、その事に気づいてもいないということを、多くの実例と共に示して行くわけです。

「影響力の武器」の中で、一番有名なのが「返報性」という考えです。人は他人から何かを無償でしてもらったら、受けた恩義は、必ず返さないといけないと思うようにできているというのです。人間のこういう性質は、文化人類学の立場からも、広く世界的に認められているということなんですね。

悪徳商法の場合、この返報性は多用されます。アムウェイ商法なんて有名です。まずはバックに入れた商品を無料でお客さんに渡します。自由に使ってくださいと言うわけです。そうしますと、その後お客さんは、面白いように商品を購入するそうです。デパ地下などで、無料で試食させるのも「返報性」の原則ですね。試食した以上は、買わないと気が済まなくなる!

この辺のテクニックは、弁護士も普通に使いますね。たとえば、刑事事件の被害者との示談交渉など、私は高級ホテルで設定します。高いコーヒーや、ケーキ代など、当方で持つわけです。「返報性」の法則で、少しでもこちらの要望をかなえてくれないかと期待しちゃうのです。

返報性の応用問題で、「まず過大な要求をして、その後譲歩する」なんていうのもあります。例えば、大学生に対して、ボランティアで、問題児童を1日遊園地につれて行って欲しいとお願いすると、ほとんどの人は断わるそうです。ところが、最初に、問題児童を2年間継続的に面倒見てもらえないかとお願いします。それを断られた後に、1日だけ遊園地をお願いすると、多くの人が快く応じてくれます。最初の頼みを断ったことが、心に負担として残っているので、それより小さい頼みなら聞いてあげようと思うわけです。

この辺のテクニックも、多くの弁護士が使っています。交渉のときに、まずは非常に厳しい条件をだします。相手は当然断わりますが、そこをスタート地点にして、自分の方が譲歩しているんだという立場で臨むわけです。当方の「譲歩」に対する「返報性」を期待するのです。

こういう「返報性」の法則など、多くの人は気が付きもしないうちに、事実上他人から「影響」受けているのです。返報性だなんて高度の話しでなくても、人は本当に簡単に影響を受けます。チャルディーニ先生は、自動車販売の例をあげていました。自動車だけの写真を見た場合と、自動車の隣に美女がいる写真を見た場合とでは、後者の方が圧倒的に自動車自体の価値を高く評価するんだそうです。しかし、こういう人達は、美女のせいで自分が車を高く評価しているという事実自体、気が付きもしない。事務所のホームページでも、美女に登場して貰おう思ったのでした!(おいおい。)

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◇ 弁護士より一言

私なんか、デパ地下どで試食品を貰っちゃうと私なんか、なんかもう悪くって、買わずにはいられないわけです。これなんか、まさに返報性のルールです。ところが妻は、試食品出されると「 どうも有り難う。」なんて言って、平気で食べちゃうんです。それでいて、「もう少しいろいろ見てみます。」なんてニッコリ笑って、そのまスタスタ行っちゃうんです。

「試食しただけで買わないんて、悪くないの?」と妻に聞いたところ、「 口に合わないもの買ってどうするの。 何のため試食な? 」と言われました。
お、鬼だ! チャルディーニ先生に言いつけてやります!

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