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2015年06月16日発行第151号”弁護士のクラブ活動”

平成27年 6月16日(火):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成27年6月16日発行第151号「弁護士のクラブ活動」をお届けします。

○弁護士は、弁護士法の以下の規定によって弁護士としての業務を行うためには各都道府県に設置された弁護士会に加入して日弁連の弁護士名簿に登録されなければなりません。
第3章 弁護士名簿
第8条(弁護士の登録)

 弁護士となるには、日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならない。
第9条(登録の請求)
 弁護士となるには、入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をしなければならない。
第10条(登録換の請求)
 弁護士は、所属弁護士会を変更するには、新たに入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録換の請求をしなければならない。
2 弁護士は、登録換の請求をする場合には、所属弁護士会にその旨を届け出なければならない。


日弁連会費及び単位会別会費一覧が公表されていますが、登録5年目の弁護士負担額は、一番高い山口県岩国支部で117万8400円で月額負担額が約10万円となっています。一番安い弁護士会は、東京弁護士会年間58万4400円と思っていましたが、この一覧をよく見ると奈良弁護士会が年間57万8400円で6000円ほど安くなっています。

○弁護士会費は、高いところと安いところで約2倍の開きがありますが、平均で年間70万円を超え、月額6~7万円となっています。我が仙台弁護士会は、年間負担額が68万8800円で平均より少し安いかなと言う感じです。しかし、月額約6万円もの負担は若手弁護士にとっては結構重い負担であり、多くの弁護士から弁護士会費の減額要請の声が出ています。

○弁護士会には、多くの委員会があり、弁護士会活動の源泉となっています。若いうちは5件以上の委員会に加入させられ、内2,3件は幹事に指名されて、一生懸命下働きをしなければなりません。私も、内心、嫌だ嫌だと思いながら、最低限の義務は果たしたつもりですが、私と違って意欲的に熱心に取り組む会員も多く居ます。

○この弁護士会の委員会活動を見て、正に「クラブ活動」だなと思っていました。この「クラブ活動」に熱心に励んで、上の先生方や周囲の覚えを良くして、弁護士会役職所定コースを踏むことで、最後は会長、日弁連副会長等の名誉職に就くことができます。人間組織の一般ですが、「認められたい」との人間根源欲求を上手く活用して組織を活性化しています。しかし、最近は、私のように、世のため人のためになって認められたいなんて大それた欲求はこれっぽっちもないと言う人種が増えつつあるようでちと心配です(^^;)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士のクラブ活動


「クラブ」といいますと、これはもう英国紳士のたしなみですね。特に何かをするわけでもない、「何もしない親睦クラブ」です。私も昔から、憧れていました!

「ディオゲネスクラブ」なんて有名です。シャーロック・ホームズのお兄さんであるマイクロフト・ホームズが加入していたクラブです。人間嫌いの人たちの集まるクラブで、会員間の会話禁止だなんてルールがあります!「それなら、わざわざクラブに入らないで、家に一人で居れば良いじゃないか!」と、思わず突っ込みを入れたくなるような、凄いクラブなんです。

「肥満クラブ」なんていうのも有名です。太った紳士が集まって、特に何かをするでもなく、ただ飲み食いするだけのクラブです。ただ、肥満クラブに入会するハードルは、相当高いのです。少し太っているくらいではダメなのです。クラブには、入口のドアがあるのですが、そこから入ってきた入会希望者達は、全員不合格となります。どんな人なら入会できるかといえば、あまりに太っているために、そのドアから入ることができない人だけです。裏手にある大きな入口から、迎え入れてくれるんだそうです。く、くだらない!!

詰まるところ、私の憧れた英国のクラブというのは、「お金」と「暇」と「教養」と「こだわり」のある人たちの「仲良しクラブ」なんですね。間違っても、世のため人の為に役に立つことをしようなんて考えません。

それに対して、「人の為に奉仕をしよう」という、前向きな考えのもと作られたのが、アメリカ式のクラブでしょう。私も入会しているロータリークラブなんて、まさにそういうクラブです。創始者が、「単なる親睦のクラブならやりたくない。人の役に立つ、奉仕のためのクラブにしたい。」ということで作られた「クラブ」です。良くも悪くも、おせっかいなアメリカンスピリッツを感じますが、これはこれで、本当に素晴らしい「クラブ活動」だと思います。

とまあ色々と書いてきましたが、そんなことはどうでも良いのです。(だったら、長々と書くなよ!)要は弁護士のクラブ活動です!

弁護士は個人事業者です。顧客の依頼を受けて仕事をし、報酬を貰うのが業務です。その一方、弁護士は必ず「弁護士会」に加入しないといけません。その上、高額の「弁護士会費」を払う必要があります。「弁護士会って、一体なんなんだよ!」と以前から思っていたのですが、このたびハッと気が付きました。弁護士のクラブ活動だと考えれば、腹も立ちません。

弁護士会は、身銭を切ってでも、世の中の役に立とうという「クラブ活動」を行っています。クラブとして、他人に奉仕しようという、ロータリーみたいなアメリカ流クラブですね。犯人とされた人達の人権を守るために、当番弁護士の制度を作ってきたりしたわけです。会員間でも意見の相違があるような事案について、「弁護士会の意見」として勝手に出してしまうのは行き過ぎだと思いますけど、会として世のため人の為になる活動をしようというのは、とても立派なことだと思います。

その一方、どうせ入会しないといけないのなら、私の好みから言いますと、英国流の、「何もしない親睦クラブ」に入りたいと思うのです。ディオゲネスクラブみたいに、会員間の会話禁止だなんてルールがあると、みんなゆったりと過ごせそうです。(弁護士は、3度の飯より議論が好きな人が多いので、何しろうるさいのです!)

「肥満弁護士会」なんてできたら、真っ先に加入したいのです!そのくらいの余裕を持った弁護士の方が、結果的に世の中の役に立てるように思うのですが、どんなものでしょうか?

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◇ 弁護士より一言
日本でクラブ活動といえば、なんといっても中高生ですね。娘が中学生になったときに、いろいろなクラブの勧誘を受けていたようです。そんな中、「ボランティアクラブなんてどうだろう?」と、娘に聞かれました。
「なんだよ、それ!そんなの入るなら、家のお手伝いをしろよ!」と言いたくなったけど、言えなかったのです。私自身、ロータリークラブに入るより、家のことをもっとやるように、妻から言われそうな気がしています。

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