仙台,弁護士,小松亀一,法律事務所,宮城県,交通事故,債務整理,離婚,相続

旧TOPホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター2 >    

2020年01月16日発行第261号”何が弁護士を食べているのか”

令和 2年 1月17日(金):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和2年1月16日発行第261号「何が弁護士を食べているのか」をお届けします。

○大山先生の事務所には色々なお客様がいるようです。流石に当事務所では、遺留分減殺請求が公序良俗違反の人権侵害なんて無茶な主張をする方に出会ったことありません。特に、ここ数年は、多くのお客様は弁護士事務所を訪れる前にネット等で相当調べ、或いはネット相談で他の弁護士の見解を確認した上で、深い予備知識をつけて来る方が多くなりました。

○そのため、間違ったことは言えないとのプレッシャーが強くなっております。お客様に間違ったことを伝えたのでは、お客様との信頼関係を築くどころではなくなるからです。ネット等で多くの情報に接して必要な情報を容易に集められる現在は、専門家を自称するにはお客様以上に不断の勉強が必要です。このHP作成を継続しながら不断の勉強に努めます。

*******************************************
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

何が弁護士を食べているのか


「What's eating Gilbert Grape?」は、かなり前の米国映画です。直訳すると、「何がギルバート・グレイプを食べているか?」になります。「悩み事は人を食べてしまう。」ということから、「何を悩んでいるのか?」という意味になるんです。アメリカの田舎町で暮らす家族の話です。父親が自殺した後、母親は過食で、動けないほど太ってしまう。そんな家族を支えて行こうとするお兄さんを、若き日のジョニー・デップが好演します。高いところが好きで、直ぐに給水塔に登ってしまう、知的障害がある弟を演じるのがディカプリオ。二人とも本当に上手い!

ということで、今回は、何が弁護士を悩ませるのかという話です。ただ、考えてみますと、私も結構小さなことを気にすることがあります。減量中にファミレスでステーキ定食を頼んだとき、ウエイトレスさんに「ご飯はいいです。」って伝えたんです。そうしたらかなり強く「代金は引けませんから。」と返されました。「別に代金を引いてもらおうなんて少しも思ってなかったのに。」と、落ち込んだのです。それがトラウマになって、その後は食べられないときにも、取り敢えず注文して残すようにしています。(どんだけ気持ちが弱いんや。。。)

そんなわけですから、弁護士の仕事をしていると、何かと悩みます。特に、独立したばかりで、自分一人で対応していたときなんて、「何か見落としているのでは?」なんて、凄く気になったものです。夜中に、ミスをした夢を見て飛び起きることもしょっちゅうでした。しかし、弁護士を悩ませるのは、なんといっても人との関係です。裁判官の中にも、話が通じない人はいます。そういう人は、他の弁護士の間でも、問題裁判官として有名になったりするんです。そういう裁判官にあたると、弁護士としても気が滅入るんですね。

以前、「決められない裁判官」にあたったことが有ります。当方も相手の弁護士も、「もう和解はムリだから、早く判決出して下さい。」と言っているのに、「でも、納得しないと、控訴するでしょう」なんて言いながら、いつまでもいつまでも和解交渉を続けさせます。どうすれば良いのかと相当悩みましたが、相手方の弁護士とは、「あの裁判官、頭おかしいよね!」なんて話して、仲良くなっちゃいました。まあ、裁判官が変な人でも、それほど悩むことはありません。

一方、お客様とのやり取りでは、かなり落ち込むことがあります。特に、依頼者との信頼関係が取れていないと分かると、相当悩みます。事件の中には、どうやっても勝てないものがあります。それでも、争って欲しいと言われると、やらざるを得ない場合もあるのです。当方としては、その辺を十分に説明した上で対応しているつもりでいても、後から「他の弁護士に聞いたら、絶対に勝てると言われました。」なんて苦情が来ることもあります。こういうのは、「全然信頼されてなかったのか。。。」とかなり落ち込みます。「それなら他の弁護士に頼んでください!」と言いたくなっちゃうのです。

法律相談でも、凄い人が来ます。兄弟間の相続問題で、どちらか一方が、親を人質にとってしまうことはよくあるんです。他の兄弟には親に会わせないようにして、財産を自分たちに移転します。更に、自分の方に全ての財産を残すといった遺言まで作らせます。これで親が亡くなったときに、他の兄弟から遺留分(法律で認められている相続分)を要求された人が、相談に来ました。「これは勝てませんよ」といったところ、「親の意思である遺言に逆らうとは、公序良俗の人権侵害でしょう!そんな違法を許さず、最後まで闘ってくれると信じていたのに残念です。」

そ、そんなアホな主張が通るか!と思いながらも、そう言われると気持ちは落ち込むのでした。

*******************************************

◇ 弁護士より一言

「最近とても忙しい。」と、家族に愚痴を言ったところ、高校生の娘が、「私に比べればずっといいよ。」と言い返してきたんです。「パパは忙しい分だけお金を貰えるでしょう!私はどんなに忙しくても、無給なんだもん(笑)」あまりにアホな主張に言葉をなくしました。しかし、悩み事にくわれたりせずに、いつも楽しそうな娘にほっとするのでした。。。
以上:2,256文字

タイトル
お名前
email
ご感想
ご確認 上記内容で送信する(要チェック
※大変恐縮ながら具体的事件のメール相談は実施しておりません。

 


旧TOPホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター2 > 2020年01月16日発行第261号”何が弁護士を食べているのか”