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2020年12月01日発行第282号”弁護士の敵”

令和 2年12月 2日(水):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和2年12月1日発行第282号「弁護士の敵」をお届けします。

○「敵のおかげでいいめを見、友だちのおかげで悪いめを見てるところだ。」は、英文表記で「The better for my foes and the worse for my friends.」とのことですが、一面、真実ですね。

○安倍前首相時代に、良く話題になった「忖度」という言葉があります。「敵」かどうかは別として、「忖度」しない耳の痛い意見にシッカリ耳を傾けることが大事で、奥様の意見にシッカリ耳を傾ける大山先生の姿勢を見習います。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の敵


「人民の敵」は、140年も前に書かれた、イプセンの演劇です。いまだに上演されていて、私も去年、堤真一主演で見てきちゃいました。貧しい村が、地質学者の見つけた温泉で、豊かになろうとしています。地質学者は、村人たちから、救世主のように思われている。ところが、彼はその温泉に有害物質が入っていることを知ります。温泉の計画を止めるように言う地質学者とその家族は、村の人たちから「人民の敵」と呼ばれて、迫害されるという話です。

コンプライアンスが言われている現代でも、同じような問題に直面している企業などありそうです。内部告発をしようとする社員は、「会社の敵」と言われそうですね。戦争中の日本でも、「戦争反対」なんて言えば、「非国民」ということで迫害されてました。しかし、こういう事例を考えると、「敵」の意見を真剣に考えることが必要なのではと思えてくるのです。

シェイクスピアの名言に、「敵のおかげでいい目を見、友だちのおかげで悪い目を見ている」なんてありました。友達は自分のことを贔屓目に見ているので、その言葉を信じていると、悪い方向に行ってしまう。それに対して、敵は自分に対して厳しいが、真実を言ってくれる。それを参考にすれば、良い結果になるということですね。

でも、これってまさに真実だと思うのです。太ったお金持ちのおじさんが、服を注文したときの話があります。それまでは、お店の人が、「とても貫禄があって素敵です」なんて、持ち上げていたそうです。ところが、店員がいないときに、ふと注文票のメモ書きを見ると、「醜い豚の服。これで良い気になるなんて、おかしすぎ」なんて書いてあります。怒り狂って、購入を止めたんですが、その後頑張ってダイエットして、スリムな体になったという話です。

どうしてもダイエットできなかった人が、異性から心無い言葉をかけられて、怒りとともに痩せることができたなんて話もよく聞きます。まさに、「敵」のお陰で、良い目に会えたわけです。私もこれまで、多くの「良い人達」に助けられてきたのは間違いなく、とても感謝しています。しかし、「敵」と言えるような人のおかげで今の自分があるというのも間違いないところです。弁護士になってから独立しようと思ったのも、「何とかこの先輩を見返してやろう!」という気持ちがあったからです。(あまり感謝はしてませんけど。おいおい。。。)

ということで、弁護士の仕事です。勤務弁護士のときには、先輩が色々と指導してくれます。厳しい先輩だと、それこそ書面のテニヲハまで厳しく指摘します。徹夜して書類を書かせた後に、朝寝ぼけているとしかりつけるなんて話もあります。ただ、こういうのは会社員でもあることですよね。意地の悪い「敵」みたいな先輩にしごかれることで、一人前になっていくということは、どこの世界でもありそうです。

ただ、弁護士の場合、独立しますと、一国一城の主ですから、事務所内では誰からも厳しいことを言われなくなるのです。私は結構楽観主義者ですから、最初は「これは裁判でも勝てるに違いない」なんて判断してしまい、後になってから、かなり厳しかったんだなと思った事件は幾つもあります。(す、済みません。)事務所内の若手弁護士達と、協議はするんですが、どうしてもみんな遠慮があるようで、私が間違えていても教えてくれないのではと心配になるのです。これに比べて、「敵」にあたる相手方弁護士は、容赦がありません。こちらのミスなど、徹底的に指摘してきます。「敵のお陰で勉強になりました」と、心底思うのです。

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◇ 弁護士より一言

このニュースレターも、初めてから12年になろうとしています。毎月2回書いていると、ネタも切れてきます。「独りよがりになっていないか、面白く読んでもらえているのか。。。」と、とても不安になるのです。取り敢えず書いたものを、事務所の若手弁護士に見せると、みんな褒めてくれて、とても良い気分になります。一方、妻に見せると、とても厳しいコメントが来ちゃいます。「敵」じゃないのに、厳しく指摘してくれる妻には、とても感謝しているのです!
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