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2025年10月01日発行第398号”弁護士の成果”

令和 7年10月 2日(木):初稿
○横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和7年10月1日発行第398号「弁護士の成果」をお届けします。

「眠る? 国会議員 最新(2024年11月) 写真特集」を始めネットには国会や委員会の会議場で居眠りする国会議員の写真集は山のようにあります。首相時代の小泉氏の居眠り写真は良く見た記憶がありますが、それに対する強い批判は余り記憶がありません。「国会議員って、実際どこまで働いてるの?〜「寝てるだけ」は本当か、徹底検証してみた〜」によると「議員を「寝てる人」として一括りにする時代は、もう終わり。ちゃんと働いてる人を知り、「なんでこの人は再選され続けてるのか?」を考える。」べきとのことです。

○労働事件は原則として扱わない私は、勤務時間中の居眠りを理由とする解雇事件も全く経験はありません。私自身は、業務時間中眠くなると、事務員が居る部屋から離れた部屋に入ってリクライニングシートで10分程度眠って眠気をとりますが、私の事務所の事務員は、私が居ないときは居眠りをすることもあるのでしょうが、私自身の目で事務員が勤務時間中に居眠りをしている姿を見たことは全くありません。有り難いことと思っています。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の成果

会期中に寝ていた国会議員が、多くの国民から強く非難されていました。「国民の代表者が寝るとはけしからん」ということでしょう。まじめに働いている国民の税金で食べている議員が、不真面目にも寝ているなんて、確かに問題に思えます。自分が運転しているときに、助手席の人が寝ていると腹が立つことを思えば、腹が立って当然でしょう。その一方、そんな居眠り議員を弁護する人もいたみたいです。「国会議員としての仕事をして、成果を出すことが大切なのだから、それさえできていれば寝てたっていいじゃないか」というわけです。そう言われれば、それが正しいようにも思えます。(もっとも、こういう主張をする人は、車の助手席でいつも寝ている立場の人じゃないかと感じちゃいました。。。)

一昔前に、公務員を批判する言葉で、「休まず 遅れず 働かず」なんていうのがありました。現代の議員の中にも、「休まず 眠らず 成果ださず」なんて人もいそうです。それに比べれば、会期中に寝ていても、しっかりと結果を残してくれる議員の方がよほどましに思えます。それに、そもそも「会議」というのは退屈なんですよね。国連に初めて参加した新興国の代表について、こんなジョークがありました。その代表が、国連の会議を真剣に聞いていると、フランス代表からこんなメモが来たそうです。「不眠症でお悩みなら、良い医者を紹介させて下さい」 私も会社員時代に多くの会議に参加してきましたが、本当に眠くて眠くて辛かった記憶が沢山あるのです。

弁護士になっても似たようなことはあります。たまに期日中に裁判官が寝ていたなんてニュースになります。でも、証人尋問なんかでも、同じような話を何度も質問し、だらだら答えるのを聞いていると、本当に眠くなっちゃいます。わ、私は寝ませんけど!ただ、退屈なときに寝てしまう裁判官の判決に問題があるのかというと、そんなことはありません。しっかりと仕事をする人は、しているのです。この問題は、「成果」と「居眠りしない真面目さ」の2つの要素をどのように考えるかということになりそうです。眠ったりせず真面目に仕事をして、かつ成果を出している人は、必ず評価されます。余り言いたくないですが「真面目なものが馬鹿を見る」なんて僻んだことを言う人は、大体「成果」が出てない人だったように思えます。組織内での評価の場合、なんだかんだ言っても「成果」が重視されるようです。「真面目なのに評価されない」ではなくて、「成果が出てないから評価されない」なんでしょう。

それでは「成果」と「真面目さ」が法律の世界ではどう評価されているのか考えてみます。「成果を全く出さない従業員を解雇したい」という相談はよくあります。能力不足で、これほどまでに成果を出さないのだから、当然に解雇できるはずだと思う会社は多いようです。しかしこれは、裁判で争えばほぼ会社側が負けます。どれほど、仕事ができなくて、全く成果が出ていない証拠を出しても、裁判所は解雇を認めてくれないのが日本の法律実務です。

その一方、勤務時間中に居眠りする従業員が、何度注意されても居眠りしていたら、相当程度高い確率で解雇も認められそうです。冒頭の議員の居眠りの話に置き換えると、議員とし成果を全く出していない人でも首にはできない一方、居眠りばかりしていると解雇されてもやむを得ないということです。そしてこれは、議員に対する国民感情とも一致しているように思えます。会社といった組織としては「成果」を重視するが、組織を離れた国民としては「真面目な対応」を評価しているようです。弁護士の仕事に関しても、成果をしっかりと出すのは当然として、お客様に安心してもらえるように真剣に問題解決に当たりたいと思うのでした。

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◇ 弁護士より一言

妻と歌舞伎座に行って1日通しで「菅原伝授手習鑑」をみてきました。でも、妻によると私はほとんど寝てたそうです。さすがにそれは言い過ぎだろうと抗議したところ「私はパパをずっと観察してたもん!」と言い返されたのです。歌舞伎を観に来た意味ないじゃん! その晩はなぜか寝つきが悪かった。ううう。めげずに今月は義経千本桜に行っちゃいます。

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