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”赤い本”講演録は交通事故損害賠償情報の宝の山

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平成18年 7月22日(土):初稿
○交通事故解決バイブル本として財団法人日弁連交通事故相談センター発行「交通事故損害賠償額算定基準」(通称青本)と東京三弁護士会交通事故処理委員会及び財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部共編「損害賠償額算定基準」(通称赤本)があります。

○この青本と赤本、編集に当たる弁護士名を見ると相当程度重なっており、東京の交通事故エキスパート弁護士として錚々たる顔ぶれが揃っています。編集方針はどちらかというと青本がオーソドックスで赤本はやや大胆という感じがしますが、各論点についての解説内容自体はそれほど大きな差はありません。

○赤本の一番大きな特徴は、裁判官や交通事故損害保険実務家の講演録が後半に掲載されていることです。東京三弁護士会交通事故処理委員会昭和62年3月発行「交通事故による損害賠償の諸問題」によると、この委員会は、交通事故に関する諸問題の迅速かつ適切な処理に寄与することを目的として、昭和37年、東京の三弁護士会により設置され,昭和43年から、東京地方裁判所、日本損害保険協会の協力を得て講演会や座談会を実施し、その詳細を損害賠償額算定基準と共に小冊子にまとめ出版してきたそうです。

○講演録は、委員会で連日の綿密な打ち合わせと盛夏合宿の中での熱心な討論並びに裁判所及び損保協会との慎重な事前協議の結果選び抜かれたトピカルなテーマについて講演をお願いしたものでその講演録は民事交通事故損害賠償に関する理論として極めて重要なもので、この方面の仕事に携わる実務家の必読の書となっているとのことです。

○赤本講演録は、昭和43年から昭和60年分が東京三弁護士会交通事故処理委員会昭和62年3月発行「交通事故による損害賠償の諸問題」に掲載され、昭和61年から平成10年分が東京三弁護士会交通事故処理委員会・財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部共編平成12年2月発行「交通事故による損害賠償の諸問題Ⅱ」に掲載されています。

○この赤本掲載の過去の講演録は交通事故重要論点を殆ど網羅し且つその時々の時宜に適った論点を最高レベルの実務家が研究・解説しているもので交通事故損害賠償情報の宝の山と言えるものです。私が現在抱えている問題で交通事故時から相当期間経過後に後遺障害が認定された場合でも遅延損害金の起算時は事故時で良いかどうかといものがありますが、これについても平成15年版赤本303頁に本田晃裁判官が「逸失利益の原価算定の基準時」と言う表題で詳しく解説されていました。

○赤本講演録掲載各論文の数は昭和43年版から平成18年版まで38年間で相当数ありこれを各分野毎に分類整理してデータベース化する価値がありそうで今後試みるつもりです。
以上:1,110文字

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