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任意保険・人傷保険・自賠責保険3社共同被告訴訟が合理的1

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平成22年 9月 6日(月):初稿
○「なかなか使えます!日常生活賠償責任保険」で交差点で自転車同士の出会い頭衝突事故に遭い、後遺障害等級第12級、総損害額1600万円、自己過失割合40%のAさんが、自分がかけていた人身傷害補償保険金と加害者の父親がかけていた日常生活賠償責任保険金で、損害の殆どを回収した事例を紹介しました。

○この事例では、折角かけている自動車総合保険のすべての約款をよく検討して、その特約を活用すべきことが重要であることがよく判ります。人身傷害補償保険金の最大の特徴は、保険金請求者の過失割合が極端な場合、100%でも出ることで、要は過失割合を全く考慮せず請求が可能なことです。

○だとすれば自動車総合保険をかけている人が、交通事故被害に遭い、自分にも過失割合があり、或いは、自分では過失割合がゼロと思っていても加害者側保険会社が、被害者にも過失があり、その割合は20%であるなどと過失割合が争いになっている場合は、加害者側保険会社に損害賠償請求をすると同時に、被害者側保険会社に人身傷害補償保険金請求をすることが合理的です。

○さらに被害者の後遺障害等級が被害者自身は12級と考えているのに加害者側自賠責保険会社が後遺障害非該当或いは14級に過ぎないと後遺障害等級に争いがある場合は、加害者側任意保険会社に加害者側自賠責保険会社、更に被害者側人身傷害補償保険会社の3社を同時に被告として訴えを提起することが紛争の一括早期解決のためには合理的です。

○このように訴えを提起すると過失割合が争いになった場合、加害者側任意保険会社から過失割合減額で取れない部分は、被害者側人身傷害補償保険会社から取ればよいことになります。従って、過失割合の争いは,実質は、人身傷害補償保険会社と被害者側人身傷害補償保険会社の保険会社同士の争いになり、被害者としては過失割合にさほど神経質になることなく、保険会社同士の争いの高みの見物となります(^^)。

以下、加害者側任意保険会社としてA保険、加害者側自賠責保険会社としてB保険、被害者側人身傷害補償保険会社としてC保険相手の請求についての請求原因例を紹介します。

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3 被告A火災保険株式会社(以下、被告A保険と言う)の対人賠償責任(甲3の1,2)
(1)自動車総合保険契約の成立
 被告A保険は訴外D(※加害者)との間で、遅くても平成○年○月○日までに、保険者被告A保険、保険契約者訴外D、記名被保険者訴外D、保険期間を保険契約締結日から1年間とし、加害車の所有、使用又は管理に起因して他人の生命又は身体を害すること(以下、対人事故という)により、訴外Dが法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して保険金を支払う旨の対人賠償責任条項を含む自動車総合保険契約を自動車総合保険普通保険約款(以下、約款という)により締結した。

(2)原告の被告A保険に対する直接請求約款
 上記約款には、以下の条項がある。
①対人事故によって訴外Dの負担する法律上の賠償責任が発生した場合は、損害賠償請求権者は、被告A保険が訴外Dに対して支払責任を負う限度において、被告に対し訴外Dが損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額から自賠責保険等によって支払われる金額を差し引いた額を請求することが出来ること、
②損害賠償請求権者が訴外Dに対する損害賠償請求権を行使しないことを訴外Dに対し書面で承諾した場合は、被告A保険が①の金額を損害賠償請求権者に対して直接支払うこと

(3)訴外Dへの損害賠償請求権不行使承諾
 損害賠償請求権者である原告は本訴状を持って上記②の約款による訴外Dに対する損害賠償請求権を行使しないことを承諾する。但し、訴外Dと被告A保険の自動車総合保険契約について保険契約者或いは被保険者の故意によって発生した事故等の理由で保険金支払義務を免れ、被害者の保険会社に対する直接請求権が発生しない場合に該当しないことを条件とする。

(4)被告A保険の支払義
 したがって、被告A保険は原告に対して、直接、訴外Dが負担する8項記載損害賠償金支払義務を負う。

4 被告B保険株式会社(以下、被告B保険と言う)の自賠責保険会社としての責任(甲1)
 訴外Dは、被告B保険との間で、本件加害車両について遅くても平成○年○月○日以前に自動車損害賠償補償契約を締結していた。
 よって被告B保険は原告に対し、自動車損害賠償保障法第16条に基づき同法所定の自賠責保険金額限度内において、本件事故によって生じた人身損害についての賠償義務を負う。
 上記の通り本件事故により原告は少なくとも後遺障害第2級相当の後遺障害を残したので後遺障害保険金は金2590万円である。被告B保険は、原告の後遺障害と第3級と認定し、平成○年○月○日、自賠責保険金として金2058万円を支払った(甲4)。そこで被告B保険は原告に対し、第2級後遺障害自賠責保険金限度額金2590万円から既払金2058万円を差し引いた金532万円の自賠責保険金支払義務を負う。

5 被告C保険株式会社(以下、被告C保険と言う)の人身傷害補償保険責任(甲5、6)
 被告C保険は、原告長男訴外Eとの間で、平成○年○月、保険者被告C保険、保険契約者訴外E、被保険者記名保険者訴外Eまたは同居の親族、保険期間を保険契約締結日から1年間とし、他の自動車の運行に起因する事故により被保険者が身体に傷害を被るによって被保険者またはその父母、配偶者もしくは子が被る損害に対して、被告C保険の定める人身傷害補償条項損害額算定基準に従った金額を保険金を支払う旨の人身傷害補償条項を含む自動車総合保険契約を自動車総合保険普通保険約款(以下、約款という)により締結した。原告は記名被保険者訴外Eの実母で被保険者に該当する。
 よって被告C保険は原告に対し、被告C保険の定める算定基準に従った9項記載の人身傷害補償条項に基づく保険金支払義務を負う。


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