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”ブラック・トライアングル”自賠責保険調査1

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平成22年 9月29日(水):初稿
○「谷清司弁護士著”ブラック・トライアングル”紹介」を続けます。
同著第6章「今後の交通事故損害賠償のあり方」には「現場の声としてあるべき補償体制にするための要点をいくつか挙げてみたい」として、正に同感できる貴重な提言がなされており、今回は自賠責保険の後遺障害認定手続の問題点について紹介します。

・自賠責保険について
真っ先に必要とされるのは、損害保険料率算出機構の情報公開と強調され,正に同感です。
自賠責保険での後遺障害認定は,形式上は加害者と契約した自賠責保険会社ですが、実質は損害保険料率算出機構の調査事務所です。損害保険料率算出機構HPの業務内容「自賠責損害調査業務について」には、
当機構では、損害保険会社等からの依頼に基づき、全国の都道府県庁所在地等に設置した自賠責損害調査事務所において「公正・迅速・親切」をモットーに損害調査を行い、その結果を保険会社(協同組合)に報告しています。なお、この調査結果は、最終的には、自賠責保険の適正な基準料率算出の資料として用いられます。
と説明されています。
「公正・迅速・親切」がモットーとの表現には,思わず苦笑してしまいましたが、その認定は「提出医療記録上、本件事故による明らかな圧迫骨折や脱臼等の器質的損傷は認められず、神経学的に有意な異常も所見されないない」、「提出の画像上、本件事故による骨折・脱臼等の器質的損傷は認められない」等の「……されない」との結論だけを述べ、提出の医療記録或いは画像のどの部分をどのように参照し、そのような判断になったのかについての詳しい説明は殆どありません。

また提出された医療記録・画像の特定表示も全くなされません。被害者が、直接、自賠責損害調査事務所に行って、認定者である医者の診断を受けることも,殆どありません。被害者の生の声を直接聞くことなく、多くは任意保険会社から提出された医療記録・画像だけで、しかもどのような医療記録・画像が提出されたかを被害者に明らかにされることもない、いわば被害者自身が全く関与することなく認定手続が進められ、被害者には実にアッサリとした結果だけが報告されます。

更に重要なことは、その認定手続を一体、どこの誰が行うのか、その主体が全く特定されません。例えば仙台の自賠責損害調査事務所で行われたとしても、誰がその認定責任者であるか,全く特定されません。認定者は最終的には医者と思われますが、全くの匿名のままです。調査事務所で作成する認定結果及び理由を記載した書面には文章責任者の記載がなく、責任者のいない大変珍しい文章です。被害者にとっては,正に「藪の中」での自賠責後遺障害認定が進められ、「藪の中」の書面だけ受領します。

谷清司弁護士は,同著で「例えば裁判官がそうであるように、最終判断権者と呼ばれる達簿の人間は公にすべき」と主張されていますが、全く同感です。
以上:1,183文字

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