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追突程度如何にかかわらず事故と傷害に因果関係を認めた地裁判決紹介

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令和 3年10月11日(月):初稿
○1年5月前、2年4月前、3年2月前に3回追突されて頸部捻挫等でいまだ通院中、乗用車を運転停車中に自動軽二輪車に追突された事案につき、追突の程度如何にかかわらず心因反応を起こして傷害が生じることは、必ずしも稀な事態ではなく、傷害も本人の意識的な活動によって制御できる範囲外で生じるのであるから、本件事故と傷害との間に相当因果関係があるとされた平成4年2月24日高知地裁判決(自動車保険ジャーナル・第949号)を紹介します。

○同種の疾病で治療中に本件事故を契機として発症した心因反応によって生じた傷害であるとされ、過失相殺が類推適用されて損害の70%が減額され、治療院の施術料等の請求については、医師による指示があったと認めるに足りる証拠はないとされ、請求額の2分の1が認められました。

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主   文
一 原告は、被告に対し金76万8060円及びこれに対する平成元年2月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(以下略)

事実の要旨
 被告被害者は、昭和63年4月27日午前11時45分頃、高知市朝倉丙○○○○番地先で乗用車を運転停車中、原告加害者運転の自動軽二輪車に追突され、頸部挫傷等で95日入院、約8か月通院の傷害を負う。よって475万9320円を反訴請求。

理 由
(反訴)

一 請求原因1,2について
 請求原因1の本件事故の発生の事実、同2の責任原因の事実は、いずれも当事者間に争いがない。

二 請求原因3(一)(頸部挫傷等の傷害の発生及びこれと本件事故との因果関係)について
1 (右傷害の発生及び事実的因果関係について)

(一) 被告は、本件事故までに、3回(昭和60年1月、同年12月、昭和61年11月)追突事故にあって、これによりいずれも頸部捻挫等の傷害を負っており、その治療中に本件事故にあった(証拠略)。

(二) 事故当日、頸部挫傷等と診断された(証故略)。自覚症状として、それまでは、左半身の症状が主であったが、事故後は、右半身の症状が中心となった(証拠略)。その主なものを示すと、①右歯茎、右目、右顎、右こめかみ等に激痛が走るようになり、②微熱が続いてけだるくなるようになり、③頭も常時痛むようになったなどである(証拠略)。

(三) 以上の事実によれば、たしかに、被告は、従前の追突事故による症状の治療中ではあったけれども、しかしながら、右のとおり、本件事故を契機として、その症状に変化がみられたのであるから、被告の右のような主訴のある頸部挫傷等の傷害と本件事故との間には、事実的因果関係があるといわなければならない。

(四) そして、右傷害が器質的原因によって生じたことを認めるに足りる証拠のない本件においては、右傷害は、従前の事故の影響や、被告の経済的要因、その性格なども寄与して、本件事故を契機として心因反応により生じたものといわざるをえない
(証拠略)。

(五) もっとも、(証拠略)の工学鑑定書では、本件事故による衝撃力は軽微なものであって、これによって被告の頸部等に挫傷は生じないと述べられているけれども、しかしながら、この結論は、本件傷害の器質的な原因を否定するにとどまるものであるから、(四)の結論と矛盾しない。

2 (相当因果関係について)
 追突事故によって、その程度の如何にかかわらず、心因反応を起こして本件のような傷害が生じることは、必ずしも稀な事態ではないし、また、本件のように心因反応による傷害も本人の意識的な活動によって制御できる範囲外で生じるのであるから、本件事故と本件傷害との間には相当因果関係があるものといわなければならない。

3 (過失相殺の規定の類推適用について)
 本件傷害は、被告が同種の疾病で治療中に本件事故を契機として発症した心因反応によって生じたものであるから、このような被告側の事情も加わって損害が拡大した場合に全損害を原告にのみ負担させるのは公平でないものといわなければならず、本件では過失相殺の規定を類推適用して損害から70パーセントを減額するのが相当である。

三 請求原因3(二)(損害額)について
1 (治療費等について)
(一)土佐整形外科分として、昭和63年4月27日から同年10月13日までに31万8820円の治療費を要した(証拠略)。

(二)長生館西添治療院による施術の処置料、施術証明書料、明細書料として、昭和63年5月10日から平成元年1月26日までに21万7000円を要しているが(証拠略)、これについては医師による指示があったと認めるに足りる証拠はないから、その2分の1にあたる10万8500円を本件事故と相当因果関係があるものと認める。

2 (入院雑費について)
 入院期間は95日であり(証拠略)、請求原因の計算式により、入院雑費として、12万3500円が相当である。

3 (休業損害について)
(一)
(1)被告の事故前1年間(昭和62年5月から昭和63年4月まで)のサウナの売上による1か月平均の収入は、37万6100円である(証拠略)。(算式略)
(2)経費は、1か月7万8400円である(証拠略)。
(3)したがって、1か月の平均収入は、29万7700円である。

(二)よって、95日間の休業損害は、94万2716円である。(算式略)

4 (慰謝料について)
 以上の諸事情、ことに被告の症状、入院期間に加えて、被告が土佐整形外科に入院の前後を通じて本件事故以来約8か月間通院したこと(証拠略)からすると、慰謝料としては130万円が相当である。

5 (過失相殺の規定の類推適用について)
 以上合計279万3536円から70パーセントの減額をすると、83万8060円となる。

6 (弁護士費用について)(略)注-8万円

四 (抗弁及び認容額について)(略)注-損害の填補 15万円
(以下略)

高知地方裁判所  裁判官 楠井敏郎
以上:2,425文字

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