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弁護士資格は一つのライセンスに過ぎない時代

平成18年 3月11日(土):初稿
○平成18年3月10日更新情報で、司法試験合格者の大量増員によって「弁護士は一つのライセンスの一つに過ぎなくなり、確実に食べていくためにはその後の精進・努力が重要になります。」と述べました。

○何事もそうですが、需要が多いところに供給が少ないものが価値があります。その意味でこれまでの弁護士業務は、法的サービス需要が多いところ資格者が少ないため価値が高かったことは間違いありません。現在も特に支部においては、その需要の大きさに比較して弁護士が少なく、弁護士過疎として問題になっています。

○それが年間弁護士供給量がかつての6倍も増加することによって供給が急激に増えるところ、需要も6倍に増えることは先ずあり得ませんので、弁護士資格の価値が急激に下がることは間違いありません。現在においても東京を始めとする都市部においては弁護士の価値が下がりつつあるようです。

○有資格者が多い資格としては行政書士や宅建取引主任者がありますが、これらの資格は相当以前より一つのライセンスに過ぎなくなり、資格は有していてもその資格によって仕事としていない人が相当数います。難関と言われた税理士資格でさえ、最近は資格を取っても税理士を開業するのはその5割以下であり、税理士の新資格取得者の半分以上は税理士になっていないと言う話しを聞いたこともあります。

○ML仲間の弁護士で法曹人口問題に熱心に取り組んでいる方から弁護士資格も既に弁護士事務所に就職できず且つ自ら開業することも出来ず弁護士資格は取ったけれど弁護士業務に就けない人が出現しているという話しも聞いたことがあります。

○100万人以上の弁護士が居るアメリカにおいては弁護士資格はライセンスに過ぎないとカリフォルニア州弁護士資格を持つ友人が明言していました。毎年1万人近く弁護士資格者が増えると言うドイツでは、弁護士資格を有しているが弁護士では食えないのでタクシーの運転手をしている人もいると聞いたこともあります。

○思うに資格さえ取れば必ずその仕事にありつけるこれまでの弁護士資格制度が異常なものだったのかも知れません。司法試験合格者大量増員によって弁護士資格を取ることは弁護士の仕事に就く最低条件と化します。弁護士として一人前になるには、その後の更に精進・努力が重要になります。

○これから弁護士を目指す方は、今後の司法試験は弁護士として一人前になるための関門が一つ増えたものと考え、その後、更に自分の創意工夫と努力で、弁護士として一人前になるゴールに目指す意欲を持って進んで貰いたいと思っているところです。
以上:1,059文字

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