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弁護士業務における訴訟事件の意義等雑感

平成21年 4月17日(金):初稿
○弁護士業務の中核は訴訟即ち裁判事件と言われています。但し、余程高額事件だけをやっている場合を除いて、裁判事件だけやっている弁護士は儲からないとも言われています。当事務所では、件数だけ見ると、全体事件数の内裁判事件の占める割合は4分の1弱程度です。しかし訴訟事件は、件数では4分1弱でも、私が労力を使う割合は、半分以上占めているような気がします。

○ところがそれだけ労力を使っても収入に占める割合は、労力と比例せず、コスト的には、訴額の大きな事件を除いて、訴訟事件は割に合わないのが普通です。要するに労力がかかる割には、訴訟事件は労力に見合った収入にはならない例が多く、おそらく稼いでいると言われる弁護士は訴訟事件より他の示談交渉事件や債務整理事件等で稼いでいると思われます。

○しかし訴訟事件は、例え金銭の報酬は少なくても、それに代わる貴重な経験と言う報酬を与えてくれます。それは訴訟経過における遣り取りです。私の場合、訴訟になっても判決に至らず和解で解決する割合が大きく,判決まで至る例は10件の内1,2件ですが、実は勉強という意味では判決まで至る方が貴重です。それは、判決といういわば弁護士活動成績評価書を裁判官から頂けるからです。

○私はモットーの一つとして「自己に甘く他に厳しい」と言うキャッチフレーズを掲げていますが、これは人間の本質であり、自戒の意味を込めています。しかし、自戒せよと言い聞かせても、どうしても「自己に甘く他に厳しく」なるのが人間で、思い込みが強いのも人間です。

○紛争解決が弁護士の最終目的ですが、この紛争解決に至るには、紛争の本質を客観的に把握しなければならず、主観的思い込みは禁物です。紛争当事者のお客様は、当事者という立場上どうしても、紛争の本質を客観的に眺めることが出来なくなっています。そのため客観的に眺めることが出来る弁護士に依頼する訳ですから,弁護士もお客様と同じ目線に立って主観的思い込みで事件を処理しようとしたら解決には至らず,紛争をいたずらに激化させるだけになります。

○ですから訴訟においても、弁護士は出来るだけ思い込みを排除して事件処理に当たらねばなりません。しかしお客様から報酬を頂いてお客様の利益になるように活動する義務もありますので、公平なレフリーの立場の裁判官ほど客観的に事件を眺めることは出来ません。勿論、これはあくまで一般論であり、全ての場合裁判官が公平な立場で客観的に事件を眺めているとは限りません。






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