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死ぬときの後悔例-感情に振り回された一生を過ごしたこと1

平成21年 9月 2日(水):初稿
○1000人の死を見届けた終末期医療の専門家大津秀一氏の著作「死ぬときに後悔すること25」紹介しておりましたが、その中で特に感銘した後悔事項について備忘録として残します。
先ず私が最も感銘した後悔事項は73頁「8感情に振り回された一生を過ごしたこと」です。人の争い事を商売の種にする弁護士稼業においては特に「人は感情の生き物」と実感し、このやっかいな「感情」をどうやってコントロールするかが紛争解決の最大の鍵となることが多いからです。

○大津氏は死に向かっている方の以下の言葉を紹介しています。
「今考えると、何であんなに泣いたり、あんなに怒ったりしたのわかりません」
(中略)
「ただ皆がこうやって死んでいくもの。だから誰かを恨んだりうらやんだりするのは、ばかばかしいことだとはっきりわかりました。あるいは誰かをねたんで足を引っ張ったりすることも」
「だって誰もが天に帰るのだから。誰もが土になるのだから。皆同じ。それを知っていれば、私はもっと穏やかに生きられたと思うの」


○人間の感情の典型は、「怒り」であり、我々弁護士稼業の商売の種である争い事は、「怒り」に端を発するものが大部分です。相手の言動を、裏切りだ、約束違反だと怒り、何としても許せないとして、最終的には法廷闘争に発展します。そして当たり前のことですが、この「怒り」の感情が強ければ強いほど、争い事の程度が強く、その解決が困難になります。

○「感情」の対岸に「理性」があり、これは簡単に言えば「理屈で割り切ること」ですが、「感情」に支配されて紛争まっただ中に居る方に、「理屈」を説明して、「理屈」で考えると、この紛争は、この程度は譲歩し、この辺りで和解解決した方が、お客様にとってズッと利益になりますよとお伝えしても、「確かに理屈は先生のアドバイスの通りですが、どうしても気持が許しません。あんな奴とは絶対に和解しません。」と言って、譲歩を拒み徹底して争うことを要請されることがよくあり、こんな時、「人間は感情の生き物」を痛感させられます。

○しかし、「感情」に支配された言動の結果は、たいていの場合「ろくでもない結果」に終わります。あるときは苦労して築いてきた人間関係を一瞬にして崩壊させ、あるときはこっぴどい財産上の損害を被り、あるときは苦労して築いた地位を失います。私自身、これまで50数年の人生を振り返ると、随分と失敗を繰り返してきましたが、失敗の原因の多くは、「感情」に振り回されたからだと実感します。

○どうせ死んでしまえば、誰しも肉体は土の一部となり、魂は天に帰るのだから、現世、恨み辛みであくせくしても仕方ないじゃないかと、割り切るべきなのでしょう。しかし、そうは簡単に割り切れないのが人間です。神様は、人間がそのように割り切れない様にお造りになったからです。なんで神様は、人間に感情というやっかいなものを与え、割り切れない様にしたのかを探り、このやっかいな「感情」をコントロールする方法を考えていきたいと思っております。
以上:1,237文字

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